20 ハート型にふくらんだ花がかわいい、ケマンソウ(華鬘草)

白のケマンソウの花
所在地 東京都町田市本町田  町田えびね苑 
科.属など ケシ科 コマクサ属 の多年草
見どころ

多くは赤に近いピンク
 別名はタイツリソウ(鯛釣草)。中国や朝鮮半島に分し、日本には15世紀の初め頃(室町時代)に入ってきたと言われています。ケマンソウの名前は花を寺院のお堂を飾る装飾品、華鬘(けまん)に見立てて付けられました。長くしなるような花茎を釣り竿に、ぶら下がるように付く花を鯛に見立てたタイツリソウ(鯛釣草)の別名でも親しまれています。5月-6月頃に開花し、基本種の花色は赤に近いピンクですが、白花種もあります。全草、特に根茎と葉に毒性があります。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.5.7
19 名前も姿も恐ろしい、マムシグサ(蝮草)の花、実、茎
所在地 横浜市港北区師岡町の公園  池の脇の茂み
科.属など サトイモ科テンナンショウ属
見どころ  
 春に地下の球根から茎を伸ばし、仏炎苞(苞が単純な葉の形ではなく、花の穂を包むような形になって、花びらの役割を担っている)を形成し、その中に花序があり、姿が蝮のような形なので、この名前があります。色は緑色〜褐紫色です。葉は2枚で、多数の小葉に分かれています。北海道〜九州の明るい森林や谷沿いのやや湿った場所に生育します。(阿部匡宏)

アオマムシグサ肉穂花序の拡大
緑区寺山町 県立四季の森公園
 2012.5.19 八城幸子撮影 

左の花序をさらに拡大
八城幸子撮影

マムシグサの実
山梨県八ヶ岳ミヨシペレニアルガーデン  

マムシグサの茎
左右とも2012.7.19
 大田孝子撮影
 
撮影者 阿部匡宏 撮影日 2012.5.4
16 花の中央の綿毛が愛くるしい、ハナアロエ(花アロエ)の花
所在地 横浜市港北区大曾根 鶴見川沿いの公園
科.属など ユリ科(またはハナツルボ科)ブルビネ属の常緑多年草
見どころ  
 別名は蛇の花。近くの公園でフェンスに張りつくように咲いていました。可憐な花でした。ハナアロエと言う名で出回っていますが、アロエの仲間ではありません。本当の名は多肉植物、ブルビネ・フルテッセンス・ホールマークと言うそうです。名前の由来は、オレンジ色の花をつけ、葉が多肉質でアロエに似ることからです。 南アフリカのケープ地方からモザンビークにかけて分布しています。 茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し1センチほどの橙色の星形の6弁花をたくさんつけます。花は一日花です。
 花被片は6枚で反り返るように咲き、葉は細長い披針形(笹の葉のような形)で、根元から横にひろがり質は肉厚です。開花時期は3月から8月ですが、暖地では周年性があります。

フェンス際のハナアロエ
 

ハナアロエの花(拡大) 
2012.9.26 港北区新吉田東 早渕川土手
北澤美代子撮影

撮影者 大田孝子 撮影日 2012.4.29
03 花は夕方から開花する、アカバナユウゲショウ(赤花夕化粧)の花
所在地 横浜市港北区綱島上町 道端 
科.属など アカバナ科マツヨイグサ属 多年草
見どころ  

アカバナユウゲショウの群生
2012.5.5 早淵川の土手
 熱帯アメリカ原産。関東地方以西に分布。野原や道端に生育します。明治時代に観賞用に導入された帰化植物で、野生化しています。根もとから多数の茎が出て株立ちになります。葉は細長いタマゴ形で縁に浅いギザギザがあり、茎の上部の葉のわきに径1センチ位の淡紅色の花が咲きます。花期は5〜9月。名前の由来は淡紅色の花が夕方に開くから。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.5.1
14 花期は冬〜春と長く咲く、フユシラズ (冬知らず)の花 別名:カレンデュラ
所在地 横浜市港北区新吉田町の空地
科.属など キク科カレンデュラ属 の一年草
見どころ  ヨーロッパ原産の帰化植物ですが、日本へは観賞のために持ち込まれたものです。キンセンカ(金盞花)の近縁ですが、キンセンカよりも遙かに小さく直径 1センチくらいの鮮やかな黄色の花を11月から4月ごろつけます。高さは20〜30センチになります。和名は、真冬でも次々と花を咲かせることからつきました。日がさすと花が開き、夕方には閉じてしまいます。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.4.30
08 ハーブの仲間、カノコソウ(鹿子草)の花と葉
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内
科.属など オミナエシ科カノコソウ属  多年草
見どころ  

カノコソウの葉
 別名はハルオミナエシ(春女郎花)。山地の谷の湿った草地に生えます。草丈は高さ40〜80センチ。葉は対生し、羽状に全裂し、粗い鋸歯があります。花期は5〜7月ころ。花色は淡紅色で密な散房花序につきます。花冠は直径約3ミリ。雄しべは長く花冠から突き出ています。カノコソウはハーブで不眠症の効能が期待されている健康食品です。カノコソウは葉を乾燥させてハーブティーとしてもよく飲まれています。和名は花の咲いている様子が鹿子模様に見えることから付けられました。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.5.5

2012.05.02〜05.09 掲載20種

17 品種改良が多い、トマトの花
所在地 横浜市港北区箕輪町2丁目 畑
科.属など ナス科ナス属 一年草
見どころ  
 トマトの原産地は、南アメリカのアンデス高原地帯です。日本への渡来は18世紀の初め、観賞用として栽培されるに留まっていました。食用生産のために再導入されたのは、明治に入ってからです。しかし、生産量は微々たるものに過ぎず、栽培が一般化されたのは、1935年頃とされています。他の野菜類と同様に、トマトはビタミンCを多く含みます。美味しいトマトに品種改良され、お料理には欠かせません。

トマトの実
港北区新羽町の畑 2012.5.13
八城幸子撮影

2012.6.24 やっと赤くなりました!
上記の場所 石川佐智子撮影
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.5.4
11 歩いていて見下ろしただけでは見分けずらい、カスマグサ(カス間草)の花
所在地 横浜市港北区新吉田町の空地
科.属など マメ科ソラマメ属の一年草
見どころ
 4〜6月にかけて、道端や土手などに生えるマメ科の植物です。カラスノエンドウ と スズメノエンドウ の中間的な性質から、カラスノエンドウの「カ」とスズメノエンドウの「ス」の間という変わった付け方の名前です。花は5〜6ミリと小さいですが、スズメノエンドウより少し大きく、また、実のサヤも1センチ前後と小さいです。花の大きさはカラスノエンドウ>カスマグサ>スズメノエンドウの順です。
  ※カラスノエンドウ(烏野豌豆)の花は3ページ28に、スズメノエンドウ(雀野豌豆)の花が15ページ2の載っています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.4.30
04 穂が小判や俵に似ていることから、コバンソウ(小判草)の穂
所在地 横浜市港北区日吉1丁目 道端 
科.属など イネ科コバンソウ属 1年草(帰化植物)
見どころ  別名はタワラムギ(俵麦)。コバンソウは田植え前のイネの苗そっくりで、草丈が20センチ〜50センチ。葉は細長く先が尖っています。花序は細い枝先に垂れさがるように4〜7個の小さい穂をつけます。その名前の由来は小さな穂の形が小判や俵に似ているため。ヨーロッパ原産。明治時代に鑑賞用として輸入され、今では道端、草原などどこにでも生え、野生化しています。花期は5月〜7月。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.5.4
09 ネギの仲間、チャイブの花 別名:セイヨウアサツキ(西洋アサツキ)
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内
科.属など ユリ科ネギ属 多年草
見どころ

開花したチャイブの花
藤沢市辻堂太平台 長久保公園
2012.5.6 八城幸子撮影
 ヨーロッパ〜シベリア原産のユリ科の多年草。細い円筒形で中空の葉っぱを地際から伸ばして、草丈は30センチほどになります。ネギの仲間です。初夏になると赤紫色の小花をボール状に咲かせます。葉を料理の風味付けやアクセントに利用するハーブで、感覚としては薬味に近いです。薬味としてなじみの深いアサツキは日本原産でチャイブの変種です。
 ※ネギの花が14ページNO.15に載っています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.5.5
01 サクラソウの花に似ています、レッドキャンピオンの花
所在地 東京都小平市中島町21−1 都立薬用植物園
科.属など ナデシコ科マンテマ属 二年草または多年草
見どころ  ヨーロッパからアジアにかけて広く分布しています。日当たりのよい草地や荒れ地に生え、草丈は25〜50センチになります。葉は濃緑色の卵形から披針形で対生します。全体に短い毛に被われます。花期は5〜7月ころ濃いピンクから赤色で花径1.8〜2.5センチの花を咲かせます。花に香りはありませんが、花や葉は、サラダに利用されたり、花は紅茶に浮かべたりするそうです。 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.4.2

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18 昼間咲くピンク色の月見草、ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)の花
所在地 横浜市港北区綱島西4丁目 早渕川の土手 
科.属など アカバナ科マツヨイグサ属 多年草
見どころ

ヒルサキツキミソウの群生
横浜労災病院の周囲の土手
 2012.5.30撮影
 別名:ヒルザキモモイロツキミソウ(昼咲桃色月見草)、オエノセラ・スペキオサとも呼ばれます。北米南部原産の帰化植物であり、観賞用として輸入・栽培されていたものが野生化しています。草丈は30〜60センチ位。葉は披針形で互生します。5〜7月頃に、4〜5センチ位の大きさの、薄いピンク色の花を咲かせます。花弁の数は4枚で、8本の雄蕊と、先端が十字型をした雌蕊があり、よく目立ちます。
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.5.19
15 ハコベ(繁縷)より大型な、ウシハコベ(牛繁縷)の花
所在地 横浜市港北区新吉田町の空地
科.属など ナデシコ科ウシハコベ属の越年草
見どころ  草地、薮、道端、田畑の周辺、河原などのやや湿った場所で見られ、日本全土に分布しています。ハコベやミヤマハコベなどと一緒のハコベ属に分類していましたが、最近は独立したウシハコベ属とすることが多いようです。ハコベに比べて全体的に大きく、茎の上部が節を中心に暗紫色を帯びています。ハコベと同様に、花弁は5個で基部まで2裂するため10弁に見えます。雄しべは10個、雌しべ(花柱)は5個あります。これは、ハコベと見分ける大きな特徴です。
 ※ハコベ(繁縷)の花が1ページ18に載っています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.4.30
12 かつてヨーロッパで牧草だった、ベニバナツメクサ(紅花詰草)の花 
所在地 横浜市港北区新吉田町のブドウ畑
科.属など マメ科シャジクソウ属の一年草
見どころ

ブドウ畑に広がるベニバナツメクサの群落
 ヨーロッパ原産の帰化植物で、4月から6月頃にかけて開花します。クリムソンクローバーの名で牧草として栽培されていたものが野生化したものです。花がイチゴのような形でろうそくをともしたように咲くから、ストロベリー・キャンドルとも呼ばれます。シロツメクサに似ていますが、全草、淡黄褐色の長毛が多く生えています。葉柄は下部の葉では長く、上部では短くなっています。茎頂に花穂を付け、長い柄があって葉より高く伸び、円錐形で毛が多く、花は濃い赤色です。
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.4.30
06 サクラソウの仲間、クリンソウ(九輪草)の花 
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内
科.属など サクラソウ科サクラソウ属 多年草
見どころ  別名はシチジュウソウ(七重草)。日本原産。サクラソウの仲間で、山間部のやや湿ったところに生えています。草丈は30〜90センチ。開花期は4〜6月ころ、大きな根性葉から30センチくらいの花茎を出し、花径2〜2.5センチの濃い赤紫の花を車輪状につけます。それが数段になるので,その様を五重塔などの先端部分(九輪)にたとえて名前を付けられました。サクラソウの中ではもっとも大型の部類になります。
 ※黄色い花のクリンソウ、キバナノクリンソウの花が17ページNO.7に載っています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.5.5
05 アヤメ科の仲間では一番最初に咲く、イチハツ(一八)の花
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内
科.属など アヤメ科アヤメ属 常緑多年草 
見どころ  原産地は中国。江戸時代に渡来しました。一番早く咲き出すのでこの名前になったらしい。草丈は30〜60センチぐらいで、幅は3〜4センチと広く、葉には光沢がありません。葉っぱの先端はとがっていますが、やわらかく、さわっても痛くないです。花は紫色で、花径は約10センチと大型です。まれに白い花もあります。アヤメに似ていますが、外花被片の中央部に、とさか状の突起があります(白いところ)。また、花びらに暗色の細長い筋状の模様があるのも特徴だと思います。イチハツの根を乾燥させたものを、めまいや利尿などに効果があるといわれています。昔は、大風を防ぐと信じられていたので、わら屋根に植えられたそうです。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.5.5
10  多彩な色とさまざまな形がある花、セイヨウオダマキ(西洋苧環)
所在地 横浜市港北区日吉本町6丁目 民家の庭
科.属など キンポウゲ科オダマキ属 多年草
見どころ  セイヨウオダマキとは、ヨーロッパ原産のオダマキと、アメリカオダマキの園芸品種や交配改良種を指します。草丈は30〜90センチ。葉は根生で2回3出複葉。花径は3〜5センチくらい。セイヨウオダマキにはたくさんの品種があり、花形も花色もさまざまあります。開花期は5〜6月。こぼれ種から簡単に発芽します。
 ※ミヤマオダマキの花が20ページNO.9に載っています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.5.4
02 多くの別名がある、ミヤコワスレ(都忘れ)の花
所在地 横浜市港北区新吉田5丁目 空き地
科.属など キク科ミヤマヨメナ属 多年草 
見どころ  別名はノシュンギク(野春菊)、アズマギク(東菊)。日本の山野に自生していたミヤマヨメナ(深山嫁菜)の日本産園芸品種です。薄紫や青紫、白などの径3センチ程の花をつけます。花期は5〜6月。草丈は20〜60センチ位になります。承久の乱に破れた「順徳院」は佐渡に流され、そこで目にしたこの花に心を慰められ、しばしの間、都を忘れられるようだ、といったことからこの名がついたという説話もあります。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.5.1
13 栽培が禁止されているケシの仲間、アツミゲシ(渥美芥子)の花
所在地 横浜市港北区新吉田町の空地
科.属など ケシ科ケシ属の一年生植物(越年草)
見どころ
 北アフリカ〜中海沿岸原産ですが、日本の渥美半島で帰化が確認されたことにより名前がつきました。麻薬成分を含んでいるので栽培が禁止されている植物ですが、時折路傍などに生育しているのがみられるようです。数が増えて目立つようになると保健所などからの駆除キャンペーンが行われます。駆除されるので群落を作って広がることは少ないですが、花が結構美しいのでなかなか絶えないようです。
 春から初夏にかけて薄紫の花を咲かせ、花弁が4枚あり、花弁の基部には濃い赤紫の紋様があります。遠めにきれいな色で、何の花だろうと近づくとケシの花でした。調べてみると、栽培禁止の種類と分かりびっくりしましたが、次に見に行くと抜きとられていました。
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.4.30
07 全草に有毒を持つ、スズラン(鈴蘭)の花 
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内
科.属など ユリ科スズラン属 多年草
見どころ  別名はキミカゲソウ( 君影草)。北海道を代表する花として知られています。開花時期は、4〜5月中旬ころで、鈴の形をした白い可愛い花を咲かせます。花には強い芳香があります。有毒物質は全草に持ち、特に花や根に多く含まれています。摂取した場合、嘔吐、頭痛、眩暈、心不全、血圧低下、心臓麻痺などの症状を起こし、重症場合は死に至ります。ドイツスズランは花茎が葉と同じ長さかそれ以上に伸びます。
 ※ドイツスズランの花が19ページNO.09に掲載されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.5.5

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