34 ジネンジョとよく間違える、オニドコロ(鬼野老)の葉と花 別名:トコロ
所在地 東京都文京区白山 3-7-1 小石川植物園
科・属など ヤマイモ科ヤマイモ属つる性多年草
見どころ
 雌雄異株山菜の王様、ジネンジョ(自然署)掘りでよく間違えるのが、この毒性のあるオニドコロです。地上に伸びる茎は右巻きのつるを出し、木に絡みつき生長。根っこは地下に深く太く伸びるヤマイモの特性は同じです。見分け方はオニドコロの葉が「互生」であるのに対しジネンジョは「対生」であることです。料理法によっては薬効のある根が食べられるそうですが、素人は止めた方が良いでしょう。

オニドコロの雄花
港北区新吉田町の山道  2012.7.14 

オニドコロの雌花
港北区新吉田町の山道  2012.8.24 
 
撮影者 岩田忠利 撮影日 2011.12.11
35 アザミの仲間ではない、ハアザミ(葉薊)の葉と花


ハアザミの花
所在地 東京都文京区白山 3-7-1 小石川植物園
科・属など キツネノマゴ科アカンサス(ハアザミ)属の多年草
見どころ  キツネノマゴ科アカンサス(ハアザミ)属の多年草。写真のように12月でも葉が青々としている完全耐寒性です。花期は晩春から夏(5‐7月)。花色はピンク、藤色、白。 葉の先が鋭く尖っています。葉の長さは約60センチから1メートルほど。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2011.12.11
18 12月11日早くも咲いた、スイセン(水仙)の花
所在地 横浜市港北区日吉1丁目 知人宅の庭
科・属など ヒガンバナ科スイセン属
見どころ  ヒガンバナ科スイセン属のスイセンは雪が降る寒い時期から可憐な花を咲かせる春を代表する花。それにしても、このスイセンはせっかちです。12月に入ってまだ11日目ですよ。家人にこのスイセンの種類を訊いても分からない。ラッパスイセンでも、口紅スイセンでも、八重咲きでもない。純白無垢の素晴らしい花です。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2011.12.11

写真をクリックし拡大してご覧ください。
写真を連続して見るには、左上の「戻る」をクリックしてください。

38 衣服に貼りつく、ヌスビトハギ(盗人萩)の実と花

ヌスビトハギの花拡大
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内
科・属など マメ科 ヌスビトハギ属 多年草
見どころ
 草丈は60〜100センチくらいで、その約半分は花穂です。多年草で、ひっつき虫(人の衣服などに付着する種子や果実の通称の一つです。)花期は7〜10月。幅4ミリほどの淡紫色の蝶形花をまばら茎の先端の方から数個の細長い総状花序をつけます。実の形が盗人の「忍び足」の形に似ている事で「ヌスビトハギ」の名が付けられたそうです。実の茶色の部分は、毛が密生しており、マジックテープでいつのまにか衣服に貼り付くので、こっそり貼り付くの意味で「ヌスビトハギ」になったとする説もあります。

盗人の足跡?
2012.7.19 目黒区自然教育園

花と茎葉
 
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.12.13
06 古代から目をひいた、ハマユウ(浜木綿)の葉と花


2008.8.24  大田孝子撮影
タネから育てたハマユウの花
所在地 茅ヶ崎市東海岸南 海岸サイクリングロード 
科・属など ヒガンバナ科の多年草
見どころ  ヒガンバナ科の多年草。関東より南の太平洋沿岸の砂地に自生していますが,庭などに植えられていることもあります。葉は鱗茎(りんけい)状に重なり合い、内部は白く、木綿(ゆう)(白い幣(ぬさ))を思わせるので、ハマユウの名がついた説があります。白い花は7〜9月頃花茎の先に集まって開き、芳香があります。葉が厚くオモト(万年青)に似ているのでハマオモト(浜万年青)とも呼ばれます。
撮影者 八城幸子 撮影日 2011.12.5
01 古代から山菜として親しまれていた、シャク(杓)の葉
所在地 東京都小平市中島町21−1 都立薬用植物園
科・属など セリ科シャク属  多年草
見どころ  茎は直立して高さ1メートル前後になり、5〜6月にかけて数回枝分かれして白い花を咲かせます。葉は2〜3回分裂する複葉で小さく分かれます。乾燥した根茎を煎じて服用します。咳や発汗などの場合には、浴湯料として、乾燥した根・全草を刻んで、布の袋などに入れて、鍋で煮出してから、そのまま風呂に入れて入浴します。また、柔らかい、茎葉を採取して、そのまま天ぷらにしたり、また、茹でてから、サラダ、おひたし、和え物、汁のみ、卵とじなど、味に癖が無く美味しく食べることができます
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.12.18
40 ヤブランよりも大きい、ノシラン(熨斗蘭)の種子と実と花


2012.3.4
コバルトブルーの実
皇居東御苑
所在地 千代田区の皇居東側に附属、皇居東御苑
科・属など ユリ科 ジャノヒゲ属. 多年草
見どころ

葉に隠れこっそり咲いていました!
白金台の自然教育園  2012.7.11
 ユリ科 多年草です。草丈は30〜80センチ。8〜9月頃にかけて白い花が開花します。名前の由来は葉が線形で「熨斗」に似ていることから付けられたようです。秋から冬にかけて最初は緑 → 青 → 紺と徐々に変化します。 「実」ではなく「タネ」が正しいようです。2月にコバルトブルーの種子を観に行きたいと思います。
 3月4日、「ノシラン」のコバルトブルーの実を観たくて「自然教育園」へ行きましたが、あいにく小鳥に食べられたようで残念! 折角ここまで来たのだから、最初撮影した「皇居東御苑」へ。 小鳥たちに食べられましたが、一部残っていました。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.12.13
39 地味な、フユノハナワラビ(冬の花蕨)の穂と葉


フユノハナワラビの穂
所在地 千代田区の皇居東側に附属、皇居東御苑(約21へクタールの庭園)
科・属など ハナヤスリ科 ハナワラビ属
見どころ  冬緑性シダ植物です。ワラビと名前が付きますが、盆栽や茶花として、主に観賞用に用いられます。これは原始的なシダ植物で、ワラビ科でなくハナヤスリ科であり、夏場は休眠しており、涼しくなった秋頃から地に低く鳥の羽状の葉が出て来、秋から胞子嚢の葉を付けた茎が伸びて穂状になります。秋に生えて春に枯れるのでこのような名前がついています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.12.13
23 タデでも、湿地や水辺などに生える、サクラタデ(桜蓼)の花
所在地 神奈川県箱根町仙石原817 箱根湿生花園内 
科・属など タデ科イヌタデ属 多年草
見どころ

花の拡大です
 日本全土のやや湿った草原や湿地などに生育しています。高さ 50〜100センチになります。9〜10月ころ、花穂は細長くややまばらに、 5弁の淡紅色の花をつけます。雌雄異株で、雄花は雄しべが長く花びらより長い。名の由来は、淡紅色の美しい小花を桜にたとえた、タデ(蓼)からです。
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2010.10.14
19 水気の多い岩場に育つ、イワヒバ(岩檜葉)の葉
所在地 横浜市港北区日吉1丁目 知人宅の庭
科・属など イワヒバ科 イワヒバ属
見どころ  池の端にあった一株です。水気の多い岩場に育ち、葉が檜の葉に似ていることが名の由来。20〜30センチにしか成長せず、葉が立派なことから、昔から庭園や、盆栽などに用いられてきました。冬期や乾燥した気候の時は葉を丸めて、枯れたように冬眠し、暖かくなったり水分が供給されると葉を開きます。盆栽愛好家の間で珍重されることから山岳地での盗掘が問題になっていることは嘆かわしいことです。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2011.12.11
11 衣服などにひっつく、ヤエムグラ (八重葎)の葉と花と実 
所在地 横浜市港北区新吉田町 畑のあぜ道  
科・属など アカネ科ヤエムグラ属の越年草
見どころ  
 別名:勲章草、アカネ科ヤエムグラ属。全国の道端に見られる雑草。1月頃から芽生え始め、出始めた本葉は成葉に比べて丸く、葉の先端の棘状の突端も目立ちません。葉の枚数は、最初は4枚しかないので、ヨツバムグラの仲間と間違えそうですが、8枚ほどに輪生します。葉や茎に小さな棘があり、ひっつき虫(ひっつきむし)の性質も持ちます。5〜6月に白い花をつけ、果実も細かな棘があり、小動物の毛について広がります。

2012.3.29 ヤエムグラの花
鶴見川河川敷 北澤美代子撮影

ヤエムグラの実
鶴見川河川敷 
 2012.5.12
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2011.12.10
08 海岸でよく見かける、ハマエンドウ(浜豌豆)の葉と花

2011.12.5 冬の葉

2012.5.5 ハマエンドウの花
茅ヶ崎市柳島海岸
所在地 茅ヶ崎市東海岸南 海岸サイクリングロード 
科・属など マメ科レンリソウ属の多年生
見どころ

2012.5.5 ハマエンドウの群生
茅ヶ崎市柳島海岸
 マメ科の多年草。わが国の各地をはじめ、アジアからヨーロッパ北西部、北アメリカに広く分布しています。海岸の砂地に生え、地面を這って長さは1メートルほどになります。茎は角ばり、葉は小葉が6〜12個ある複葉で、中軸の先は巻きひげがあります。4月から7月ごろ、蝶形の花を咲かせます。旗弁は初め赤紫色ですが、あとで青紫色に変わります。まれに白花もあるそうです。
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2011.12.5
30 自然交配種、シンテッポウユリ(新鉄砲百合)の花と実
所在地 横浜市港北区新吉田町 畑のあぜ道  
科・属など ユリ科ユリ属の多年草
見どころ  ユリ科ユリ属の耐寒性多年草。シンテッポウユリは沖縄、南西諸島が原産のテッポウユリ(鉄砲百合)と台湾原産のタカサゴユリ(高砂百合)の交配種で繁殖力が旺盛です。テッポウユリよりは花が小さく、葉も細いのが特徴です。タカサゴユリ(高砂百合)の筒の外側には赤い縞がありますが、シンテッポウユリ(新鉄砲百合)には赤い縞がなく、種子で繁殖します。枯れた果実の殻の中には、たくさんの種子が入っています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2011.12.10
31 この蔓でカニを釣ることがあった、カニクサ(蟹草)の葉
所在地 横浜市港北区新吉田町 畑のあぜ道  
科・属など フサシダ科 カニクサ属
見どころ  別名:ツルシノブ、フサシダ科。子供がこのつるでカニを釣ることがあったことからこの名がつきました。つる性ですがシダ植物で、つるは大きくなると2メートルを超えます。羽状複葉という形の1枚の葉でできています。長くのびるつるは、実は1枚の葉です。本当の茎は地下にあり、横に這い、先端から1枚の葉を地上に伸ばすのです。つるは丈夫で、篭を編む際の結び目などに使用されたりします。また胞子嚢のついた葉を乾燥させ、胞子だけを集め、利尿などに煎じて服用します。
撮影者 八城幸子 撮影日 2011.12.10
07 ウドでも食べられない、ハマウド(浜独活)の花 
所在地 茅ヶ崎市東海岸南 海岸サイクリングロード 
科・属など セリ科シシウド属
見どころ  別名:オニウド、セリ科シシウド属の常緑多年草。わが国の本州、関東地方以西から四国・九州、それに台湾や朝鮮半島南部に分布しています。海岸近くの草地に生え、高さは1メートルほどになります。葉は光沢があり、4月から6月ごろ、大きな複散形花序をだして、小さな白い花を咲かせます。別名「おにうど(鬼独活)」とも呼ばれ、食用にはなりません
撮影者 八城幸子 撮影日 2011.12.5
29 特定外来種の、アレチウリ(荒地瓜)の花と実


アレチウリの実
所在地 横浜市港北区綱島西2丁目 鶴見川河川敷 
科・属など ウリ科 アレチウリ属
見どころ  ウリ科の一年草のツル植物です。 原産地は北アメリカで、日本へは輸入された穀物に混じって渡来したものと考えられ、国内では、昭和27年ごろ、静岡県の清水港で確認されたのが最初の生育例とされています。葉や茎は著しくざらつき、同株に葉腋から雌花序と雄花序を別に出し花を咲かせます。果実には鋭いトゲがあります。繁殖力旺盛で生態系を狂わせるとして各地で駆除の対象になっているようです。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2011.12.7
03 海岸の砂防が見込める重要な海浜植物の一つ、コウボウムギ(弘法麦)の葉と穂 

2011.12.5 冬の葉

右がコウボウムギの雄株
左が雌株 2012.5.5 
所在地 茅ヶ崎市東海岸南 海岸サイクリングロード 
科・属など カヤツリグサ科スゲ属の多年草
見どころ  

コウボウムギの群生
2012.5.5 茅ヶ崎市柳島海岸
 別名:フデクサ(筆草)日本・朝鮮・台湾・中国等の東アジアが原産で、国内では北海道から沖縄にかけて分布する在来種です。海浜植物で、4月から6月に、雌株は緑色、雄株は茶色に見える花穂を出します。名の由来は、根茎の繊維を弘法大師の筆に、穂を麦に見立てたものという説が有力です。別名のフデクサ(筆草)は、地下茎の葉鞘の繊維で筆を作ったことからと言われています。
 砂浜に生育する、代表的な海浜植物です。比較的よく発達した砂浜でしか見かけることが少なく、そのため、海岸線の改修工事などによって砂浜が削られて消失することがあり、生育地は減少しています。スゲ属では数少ない雌雄異株で、まれに同株や一つの穂に両方の花が出ることがあるそうです。花茎は高さ20センチ位になり、硬くて直立し、先端に太い穂を一つつけます。秋になると雌花の穂に黒褐色の実ができます。
撮影者 八城幸子 撮影日 2011.12.5

「とうよこ沿線」TOPへ戻る

野草-World TOPへ戻る

次ページNO.4へ
25 よく似たものが他にある、ナルコユリ(鳴子百合)の実と葉


ナルコユリの花
所在地 東京都文京区白山 3-7-1 小石川植物園
科・属 ユリ科アマドコロ属
見どころ  別名:鳴子蘭、ユリ科の夏緑性多年草と言うのだそうで日本、東アジア原産。背丈50〜80センチで花は4〜5月に咲き、写真のように節から下向きに白い花を咲かせます。まったく瓜二つのように似ているのがアマドコロ。2種の違いは茎を触ってひっかかりのあるのがアマドコロ、まったくないのがナルコユリです。ナルコユリは日陰を好み、アマドコロは日当たりの良い所を好みます。この2種にもう1種、似たものに「ホウチャクソウ」があり、花が開くと、寺院の軒先に下がる大型の風鈴である宝鐸(ホウチャク)に似ています。ちなみにナルコユリやアマドコロはさほど花が開きません。
見どころ

アマドコロの花

ホウチャクソウの花
撮影者 岩田忠利 撮影日
22 摘んでも明日また葉が出る強い植物、アシタバ(明日葉)
所在地 東京都文京区白山 3-7-1 小石川植物園
科・属など セリ科シシウド属 多年草
見どころ

アシタバの花と蕾
藤沢市辻堂海岸近く 2012.8.26
八城幸子撮影
 伊豆七島の特産です。八丈島出身の知人が居酒屋の店主で、若葉や若茎をテンプラやゴマ和えなどのアシタバ料理をよくいただきました。少し苦味があるセロリのような味で美味です。この苦味が食欲増進、疲労回復、利尿、便秘にたいへん効果がある健康食品だそうです。葉っぱを乾燥させ、煎じて飲むと高血圧、肝炎、腎炎などに効き、昔から「医者いらず」の野草と呼ばれているとか。
 
撮影者 岩田忠利 撮影日 2011.12.11
17 花の形が残っている、コバノギボウシ(小葉の擬宝珠)の実と花と茎葉

花の形を残すコバノギボウシの種子
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内
科・属など ユリ科・属ギボウシ属
見どころ
 花の姿と種子の姿は、大きく異なるものがほとんどですが、このコバギボウシは、色こそ違え、花の形の面影が残っているのが面白いです。ギボウシの仲間としては葉が小さいのでこの名前がつけられました。 花期は7〜8月、花は淡い紫色をしています。“一日花”なので朝開いて、夕方にはしおれてしまいます。

ギボウシの花より遅く咲く“一日花”
2012.7.11 上記の場所 

キボウシの葉より小さい
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.12.10
13 冬でも赤い実が見られる、ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸) の実と花
所在地 横浜市港北区新吉田町 畑のあぜ道  
科・属など ナス科/ナス属 多年草
見どころ

2010.6.20 港北区新吉田東3丁目 早淵川の土手 北澤美代子撮影
 他の樹木等に絡み付いて繁茂します。全草に柔らかな毛を持ち、葉はアサガオに似ています。晩夏に大きく外に反り返った五枚の白または紫色の花弁を持つ花が咲き、秋に1cm程度の球形の実を付けます。実は赤く熟すものが多く、黄色になるものもあります。ヒヨドリジョウゴの名は、ヒヨドリがこの実を好んで食べることから。実際にはとくに好んで食べるわけではなく、冬になっても残っていることが多いようです。(八城幸子)

 7月頃から9月にかけ、白い花を咲かせ、5つに深く裂けた花冠(白くて花びらに見える部分)の裂片は、後に反り返って前方には、雄しべと雌しべが突き出した格好になります。1本の雌しべは、黄色い5本の雄しべの中央から、長く飛び出します。(北澤美代子) 
撮影者 八城幸子 撮影日 2011.12.10
36 海岸に自生する、ハマカンゾウ(浜萱草)の葉と花


ハマカンゾウの花
所在地 東京都文京区白山 3-7-1 小石川植物園
科・属など ユリ科ワスレグサ属の常緑多年草
見どころ  ユリ科ワスレグサ属の常緑多年草です。 ノカンゾウに似ていますが、海岸に生育し 葉は質が厚く濃緑色で、冬も枯れません。 花期は7〜10月で、写真左下のオレンジ色の綺麗な花です。浜萱草(はまかんぞう)とは、萱(かや)であり、ススキやスゲなども意味するそうです。これから、カンゾウの葉がスゲの葉に似ることから、萱(かや)の漢字をあてたのだという。また、萱草(かんぞう)は、中国では別名忘優草(ぼうゆうそう)と呼び、辛いことや悲しいことを、忘れられることから「ワスレグサ」と呼ぶのだそうです。 
撮影者 岩田忠利 撮影日 2011.12.11
10 衣服について実を散布する、イノコヅチ(猪の子槌) 別名:日陰猪の子槌

イノコヅチの穂
所在地 横浜市港北区新吉田町 畑のあぜ道  
科・属など ヒユ科イノコヅチ属の多年生草本
見どころ

イノコオヅチの花
港北区新吉田町 山道 2012.8.24
   
本州から九州山地などの日かげに多く見られる、高さ1〜1.5メートルの多年草です。 ひっつき虫(表面に鉤などをもつことにより衣服などによくくっついて散布される果実のこと)としてもよく知られた植物です。花は8月から9月頃に咲き、葉腋から長さ10〜20cmの穂状の花序を形成します。くきは細く、葉はうすく、毛も少なめです。よく似たヒナタイノコズチとは、穂のつき方や葉で見分けられます。
 「イノコ」とはイノシシの子,「ヅチ」とは踵(かかと)のこと。茎が枝分かれする部分のふくらみが、イノシシの子のかかとのように見えることから由来します。 根を乾燥したものを漢方で牛膝(ごしつ)と呼び、浄血、利尿、通経、中風、脚気などに用いられます。
撮影者 八城幸子 撮影日 2011.12.10
33 用途の広い、ギンバイカ〈銀梅花)の花
所在地 横浜市港北区新吉田東 新田中学校近くの民家
科・属など フトモモ科ギンバイカ属 常緑性低木
見どころ

紫黒色になったら食べられる実
2010.10.29 北澤美代子撮影
 地中海地方原産の常緑低木。葉は常緑で美しく、ユーカリに似た香気があり、食品・酒などの香料に。梅の花に似た白い花は絹糸のよう花糸が清楚な感じで素晴らしい。欧州では勝者の頭の飾りに月桂樹と合わせて使ったりします。庭木に、鉢植えに、枝物にと用途が非常に広いギンバイカです。
 
撮影者 守谷明子 撮影日

◆ 100種到達…………2011.12.11

14 花が泡たつような感じです、チダケサシ(乳茸刺)の花
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内
科・属など ユキノシタ科チダケサシ属  多年草
見どころ
 草丈は50〜70センチほどになる多年草です。 湿性のある草地に生育します。夏に花茎をほぼ垂直に立て、花茎の下部から順に上部に向かって枝分かれさせ全体として円錐塔状の花序になります。分岐した花茎のまわりに小さな花をびっしりとつけます。 葉は羽状複葉(葉軸に沿って小葉が並ぶ)で、小葉の縁には粗い鋸歯があります。花の色は、しばしば淡いピンク色になりますが白い場合もあります。  

葉の縁に粗い鋸歯

2012.7.5 同じ場所で撮影
 
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.6.27
37 綿毛が輝いていた、オオニガナ(大苦菜) の実
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内
科・属など キク科フクオウソウ属の多年草
見どころ キク科の植物で多年草です。茎は高さ1メートルほどで、花径は4センチほどの大形の黄色の花を10月頃に咲かせます。この花は、秋の湿地でひときわ輝いています。私が撮影に行ったときは、もう綿毛に包まれていました。絶滅危惧種に指定されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.12.13
02 丈夫な植物、ヒマラヤユキノシタ(ヒマラヤ雪ノ下)の花
所在地 横浜市港北区綱島西2丁目 民家の庭   
科・属など ユキノシタ科ベルゲニア属 常緑多年草
見どころ

ヒマラヤユキノシタの白い花  
北里大学野草園 2012.4.12
石川佐智子撮影
 ヒマラヤ山脈に分布する、毎年花を咲かせる多年草です。きわめて耐寒性が強くて育てやすく、日本でも広く普及しています。ごつごつした黒い茎が地面に這うように伸びていくのが特徴です。太い根茎から、うちわやしゃもじのような丸みのある形をした光沢のある大きな葉を出します。春になると花茎を長く伸ばして、その先に淡いピンクの花をまとめて咲かせます。日本で広く栽培されているのはピンクの花を咲かせるヒマラヤ原産のヒマラヤユキノシタです。
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2011.12.7
24 常緑の葉が舌状に1枚だけ付いている、ヒトツバ(一つ葉)の葉
所在地 東京都文京区白山 3-7-1 小石川植物園
科・属など ウラボシ科ヒトツバ属
見どころ  何度か山などで見かけたことがありますが、これがシダ科のヒトツバとは知りませんでした。高さ20〜40センチの常緑の葉が舌状に1枚だけ付いているから「ヒトツバ」と言う。乾いた所を好み、木の上や岩の上を這うように生えています。中国では、秋に全草を日干しして煎(せん)じて飲むと、尿道結石や腎炎などの治療に効果があるとして利用されているそうです。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2011.12.11
20 茎の先に花穂を出す 、テンニンソウ(天人草)の花
所在地 神奈川県箱根町仙石原817 箱根湿生花園内  
科・属など シソ科テンニンソウ属 多年草
見どころ  山地の木陰などに群生し、高さ50〜100センチ位になります。花期は8〜10月、茎の先に花穂を出し、4本のおしべと1本の雌しべが長く突出していて、淡黄色の唇形の小花をつけます。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2010.10.14
21 暑さ・寒さ・乾燥に強い、、シバザクラ(芝桜)の花
所在地 群馬県前橋市上沖町 民家の庭
科・属など ハナシノブ科クサキョウチクトウ(フロックス)属 
見どころ  

シバザクラ(芝桜)の花の群生  
 横浜市港北区新吉田町の畑の縁
2012.4.17 八城幸子撮影
 建物の跡の更地に砂埃が立たないように隣の家からシバザクラをいただき、昨年植えました。上州名物の空っ風に晒され、ほとんど枯れたかと思ったら、しっかり地下茎がはびこり、どの株も花を咲かせました。シバザクラは暑さ寒さ、乾燥に強い証拠です。今年と来年で地面を覆い尽くし、美しい花のカーペットになることでしょう。アメリカ合衆国西部原産だそうですが、本当に強靭な植物ですね。
撮影者 岩田忠利 撮影日 20.12.3.11
15 草原や荒地に見られる多年草、ノハラアザミ(野原薊)の花
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内
科・属など キク科アザミ属の多年草
見どころ  茎の高さは60〜100センチくらいになります。葉は羽状に中裂し、縁にとげがあります。花期は8〜10月で、茎の上部で枝分かれし上向きに花をつけます。花(頭状花序)は筒状花のみで構成されており花の色は紫色です。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.12.10
16 雌花がお団子状に付いている、メヤブマオ(雌薮苧麻)の花
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内
科・属など イラクサ科 カラムシ属
見どころ  山野の林内、道端に生えます。茎は高さ約1メートル。葉は対生し、長さ10〜20センチの卵円形で質が薄く、先が浅く3裂するものが多い。葉の基部は切り形で、あらい鋸歯です。花期は8〜10月。球形1センチくらい数珠繋ぎみたいに垂れ下がっていました。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.12.10
12 花よりも宝石のように綺麗な、ジャノヒゲ(蛇の髭)の種子
所在地 横浜市港北区新吉田町 畑のあぜ道  
科・属など ユリ科ジャノヒゲ属多年草
見どころ  

2012.7.7 上記の場所で撮影
 ユリ科の常緑多年草。別名、リュウノヒゲ(竜の髯)とも呼ばれ、日本を含む東アジアの森林に広く分布し、またよく植え込みに用いられます。この葉が竜の髯に似ているので名付けられたといわれます。花は淡紫色または白色で7〜8月ごろに咲きます。草をかき分けないと見えない、透き通るような青い実ができます。この果実のように見えるのは、じつは果実ではなく「種子」です。果皮(子房)は成熟の過程で破れてしまい、その後、種子は露出したまま成熟します。秋から冬にかけてできるその青い種子は、花よりも綺麗で見栄えがあります。ジャノヒゲの根(塊根)を「麦門冬(ばくもんどう)」といい、咳止めや痰切り、心臓病等に処方します。
撮影者 八城幸子 撮影日 2011.12.10
09 やや湿った場所を好む、シラユキゲシ(白雪芥子)の花
所在地 神奈川県鎌倉市山ノ内1367 東慶寺境内  
科・属など ケシ科シラユキゲシ属(エオメコン属) 多年草 1属1種の中国原産種です。
見どころ  中国名:血水草、中国東部に分布、山地の林床、林縁に生育しています。草丈は、30〜100センチになります。花より大きな葉は蕗の葉に似ていて濃い緑色のハート形をしています。4月から7月ごろ、花茎を伸ばして白色の清楚な花を咲かせます。茎などを傷付けると赤い汁が出ます。毒蛇の解毒として利用されるそうです。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2010.5.17
32 短柄の、オランダミミナグサ(阿蘭陀耳菜草)の若葉と花


2012.3.3
都筑区東方町 東方天満宮付近
所在地 横浜市港北区新吉田町 畑のあぜ道  
科・属など ナデシコ科ミミナグサ属
見どころ
 ナデシコ科越年性の一年草。ヨーロッパ原産の帰化植物で路傍や畑、荒れ地に極普通に生育しています。3月〜5月ころに白い花を咲かせますが、在来種のミミナグサより花柄が短いので、花が群れ咲いているような印象があります。全体的に毛がたくさん生えていること、茎に小さい葉が向かい合ってついていて、それがネズミの耳に似ていることで「ミミナグサ(耳菜草)」、異国のものという意味で「オランダ」と名前がついたそうです。

花が開いているのを見ることが意外に少ない野草です。
撮影者 八城幸子 撮影日 2011.12.10
05 実は漢方薬に配合される、ハマゴウ(浜香)の花と実

ハマゴウの実です

所在地 茅ヶ崎市東海岸南 海岸サイクリングロード 
科・属など クマツヅラ科ハマゴウ属 落葉小低木 
見どころ  

ハマゴウの花
茅ヶ崎市東海岸南   
2012.7.27
 本州から四国、九州に、また、東南アジアからオーストラリアにかけて分布しています。海岸の砂地に群生し、高さは50センチほどになります。茎は地面を這い、分枝して卵形の葉は対生します。裏面には灰白色の軟毛が密生しています。7月から9月ごろ、青紫色の花を咲かせます。果実は球形で、淡黒色に熟します。蔓荊子(マンケイシ)と呼ばれ鎮痛、鎮静、消炎作用があり、蔓荊子散などの漢方薬に配合されるほか、枝葉は線香や染料の原料にしたそうです。
撮影者 八城幸子 撮影日 2011.12.5
28 茎はつる状、カラスノエンドウ(烏野豌豆)の花、実、茎葉

カラスノエンドウの花

実(サヤ)
2012.1.5 横浜労災病院敷地
所在地 横浜市港北区綱島西2丁目 鶴見川河川敷 
科・属など マメ科ソラマメ属 1年〜越年草
見どころ  
赤紫色の花は葉の付け根に1個または2個つきます。直接つくので、枝がありません。よく似ている同属のものにスズメノエンドウやカスマグサがあります。(北澤美代子)

 茎はつる状でほかのものに巻きついていく雑草として農耕地では嫌われる植物ですが、蝶形花といわれるマメ科独特の花をつけた様子は可憐で、雑草であることを忘れてしまいます。名前の由来は、完全に熟すとさやや種がカラスのように黒く、野にあってマメが生る草という説があります。(八城幸子) 

2011.12.10 八城幸子撮影
港北区新吉田町の畑

黒いサヤ
横浜労災病院敷地
  撮影日  2012.3.1
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.2.28

2011.12.9〜12.14 掲載40種

04 野菜としても栽培される、ツルナ(蔓菜)の葉と花
所在地 茅ヶ崎市東海岸南 海岸サイクリングロード 
科・属など ツルナ科ツルナ属の多年草
見どころ  

2012.5.5 撮影
茅ヶ崎市東海岸南 
海岸サイクリングロード 
 ツルナ科ツルナ属の常緑多年草。海岸の砂地や岩場に生え、高さは60センチほどになります。地面を這うように茎を伸ばします。葉は三角形で、表面はビロードのような感じです。4月から11月ごろ、黄色い花を咲かせます。若葉は、天ぷらやおひたし、和え物など食用にされます。
撮影者 八城幸子 撮影日 2011.12.5
26 黄色の花が目立つ、 キバナミソハギ(黄花禊萩)の花
所在地 東京都文京区白山 3-7-1 小石川植物園内
科・属など ミソハギ科キバナミソハギ属 
見どころ  ブラジル原産の高さ1メートル内外の落葉小低木です。ミソハギのようにびっしりと花はつきませんが、6月〜7月に黄色く目立つ花を長期間よく咲かせます。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.7.18
27 花は年間見られる、ノボロギク(野襤褸菊)の花と実


港北区綱島東1丁目 駐車場
    撮影日 2012.3.6
所在地 横浜市港北区綱島西4丁目 民家の畑  
科・属など キク科 キオン属
見どころ

ノボロギクの実
2012.3.1 横浜労災病院敷地内撮影
 
 キク科の1年草、明治初期にヨーロッパから渡来し、北海道から沖縄まで全国に分布します。花は1センチ程度の頭状花序で黄色い筒状花だけの花をつけ、種子は長い白色の冠毛を持ち、風に乗って飛散し繁殖します。
  
撮影者 北澤美代子 撮影日 2011.12.11