14 当サイトの好評連載「少年の戦争体験」に登場の、イタドリ(虎杖)の茎葉 
所在地 東京都文京区白山 小石川植物園
科.属など タデ科タデ属 多年草
見どころ  
 別名はスカンポ。北海道、本州、四国、九州に分布。花期は7月から10月。春先に出るタケノコのような若い芽を「スカンポ」と呼び、皮をむいて食べられます。酸っぱくて美味しいそうですね。昔は八百屋さんでも売っていたとか。イタドリは薬草で、利尿や生理不順に効果があるほか、若芽を揉んで傷口に貼りつけると痛みが和らぐ。イタドリの名は痛みを和らげるという意味の「痛み取り」がその語源だと言われています。漢字では「虎杖」と書きますが、イタドリとは読めないのは中国名をそのまま使用したため。

イタドリの群生
 

写真左の撮影後2週間、約2メートルに生長
どこまで伸びるのでしょう?
 ※当サイトの好評連載「ドキュメント少年の戦争体験」第12章に栗原茂夫少年がイタドリを初めて食べたときのことが載っています。ぜひ読んでみてください。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.4.15
12 シダの仲間でお馴染みの山菜、ゼンマイ(銭巻)の若葉
所在地 東京都文京区白山 小石川植物園
科.属など ゼンマイ科ゼンマイ属 多年生
見どころ  日本全国の山地や山麓のやや湿地に生える多年生のシダ。幼い葉はコブシ状に巻いた白い綿毛をかぶっています。これを食用にします。生長した葉は、三角状の卵形となり、これを「栄養葉」と呼び、食べられます。茶色の葉は 「胞子葉」と言い、食べられません。ゼンマイの名前は幼い葉の巻いた丸い形を昔の貨幣にたとえたものだそう で、時計のゼンマイは、このシダの若葉の連想からきているそうです。
 ※ワラビが13ページNO.20に載っています。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.4.15
07 苔ではない、ムラサキサギゴケ(紫鷺苔)の花 とサギゴケ(鷺苔)の群生
所在地 茅ヶ崎市西久保の田んぼ
科.属など ゴマノハグサ科サギゴケ属
見どころ

ムラサキゴケ  神代水生植物園   
2012.4.14 北澤美代子撮影
 日の当たる湿気の多い水田の畔や田や道端に群生する多年草です。同属のトキワハゼに花が似ていますが、こちらは這う枝を出して、ふえます。花径は1センチから2センチ程度で一回り大きいです。白花のものをサギゴケ、サギシバといいます。

 サギゴケ(白花) 2012.4.16
横浜市鶴見区獅子ヶ谷 みその公園「横溝屋敷」の田んぼ
北澤美代子撮影
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.4.12
02 カラスノエンドウより全体に小型、スズメノエンドウ(雀野豌豆)の花


スズメノエンドウ花の拡大
所在地 横浜市港北区小机町3211 横浜労災病院付近の道端
科.属など マメ科ソラマメ属 つる性の越年草
見どころ  カラスノエンドウより小型であることから、カラスに対してスズメとして名付けられました。白紫色の花は3~4ミリの小花で、葉腋から伸びた枝の先に咲きます。豆果は下向きにつき、短毛がたくさん生えています。中には種子が2個入っています。同じ仲間で、カラスノエンドウとスズメノエンドウとの中間型は、カラスとスズメの間という意味でカスマグサと呼ばれます。花は5ミリ程の淡青紫色です。豆果は毛はなく、種子が4個~5個入っています。カラスノエンドウが10数個、スズメノエンドウが2個となっています。花期は4~6月です。カラスノエンドウが3月ころから咲き始め、とても多く咲いているので目立ちますが、スズメノエンドウやカスマグサはほとんど見かけません。
   ※カラスノエンドウの花と実が3ページNO.28に掲載されています。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.4.11
09 春の七草のひとつ、 カブ(蕪)の花  別名:スズナ(菘)(鈴菜)
所在地 川崎市宮前区神木本町2-10-1 東高根森林公園
科.属など アブラナ科アブラナ属 越年草
見どころ  特徴的な、大きな球形となる根を食用とするほか、茎や葉などの地上部も青菜類と同様に利用されます。加熱すると、一転して非常に柔らかくなるため、ダイコンのように煮込む料理には向きません。 また、浅漬け、糠漬け、千枚漬け(聖護院かぶら)、酸茎などの漬物に加工されます。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.4.13
10 日光白根山に多く咲く花、シラネアオイ(白根葵)の花  
所在地 川崎市宮前区神木本町2-10-1 東高根森林公園
科.属など シラネアオイ科シラネアオイ属 多年草 日本固有種の1属1種
見どころ

薄紅紫色のシラネアオイの花
八王子市高尾町 高尾山野草園
2012.4.24
 八城幸子撮影
 別名は山芙蓉、春芙蓉。草丈は20~30センチ。茎の上部に2の葉が互生してつきます。葉は大きく,掌状に7~11 列し,裂片の先端はとがっています。花期は5~7月頃。淡紅紫色の花は直径7センチくらいで綺麗なのですが、ほんとうはこれは萼片であって花弁はありません。和名は、日光白根山に多く、花がタチアオイに似ることからシラネアオイ(白根葵)と名づけられました。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.4.13
06 ハコベにそっくりだが花も葉もずっと小さい、ノミノフスマ(蚤の衾)の花
所在地 茅ヶ崎市西久保の田んぼ
科.属など ナデシコ科 ハコベ属
見どころ  日本全国の水田に生育する一年生草本です。朝鮮半島や中国にも分布していて、秋に芽生え、春の水田で目立たない花を咲かせます。ハコベに似ていますが、くきにも葉にも毛はありません。名の由来は、「フスマ」とは「ふとん」のことで、2枚の葉が茎をつつむようにつく様子を、蚤(のみ)のふとんにたとえたものです。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.4.12

2012.4.11~4.17 掲載20種

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15 鮮やかな黄色の花、キイロハナカタバミ(黄色花酢漿草)の花 
所在地 川崎市宮前区神木本町2-10-1 東高根森林公園
科.属など カタバミ科カタバミ属 多年草
見どころ  別名はオオキバナカタバミ。南アフリカ産の帰化植物で、明治の中期に園芸植物として移入された多年草。葉には、紫褐色の斑点が散らばっている葉はハート型で、クローバー状に茎から3枚付いてます。この葉がカタバミの大きな特徴です。花期は5~7月ころ、花茎が長くのび鮮やかな黄色の花径3センチくらいの大きめの花を咲かせます。よくクローバー(シロツメクサ)に間違われますが、クローバーとは異なる植物です。
 ※1ページNO.09にムラサキカタバミの花が、1ページNO.15にカタバミの花が掲載されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.4.13
01 河原の土手や草原に生え、噛むと酸っぱい味がする、スイバ(酸葉)の葉と花
所在地 横浜市港北区大曾根 鶴見川の土手 
科.属など タデ科ギシギシ属 多年草
見どころ  

スイバの花
港北区新吉田町の野原
2012.4.17 八城幸子撮影

 スイバは北海道から九州に広く分布する多年生草本で、あぜ道や路傍、堤防などに生育しています。植物体はシュウ酸を含んでおり、噛むと酸っぱい。この酸っぱさが和名となっています。若い葉は食用にされました。花期は 春から夏. 。春の終わり頃になると,つんつんと赤い花序を立てる多年草です。
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.4.10

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20 解熱や神経痛に効く薬効がある、ヘビイチゴ(蛇苺)の花と実
所在地 横浜市緑区寺山町291 県立四季の森公園
科.属など バラ科ヘビイチゴ属の多年草
見どころ

ヘビイチゴの実
港北区新吉田町 畑の畔
 2012.5.20         
 野原や道端のすこし湿った場所にはえます。原産地は日本、アジア南東部で、葉は3枚、花は5花弁です。普通、多くの植物は子房がふくらんで果実となりますが、この花は花床がふくらんで果実となる特徴を持っています。名前の由来はヘビが食べるイチゴ、イチゴを食べに来る小動物をヘビが狙うことからなど諸説があります。毒があるという俗説があり、ドクイチゴとも呼ばれますが、無毒です。
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.4.16
19 蕾の形がイルカに見える、セリバヒエンソウ(芹葉飛燕草)の花
所在地 横浜市緑区寺山町291 県立四季の森公園 
科.属など キンポウゲ科 ヒエンソウ属の1年草
見どころ

セリバヒエンソウの群生
県立四季の森公園  2012.4.25
北澤美代子撮影
 中国原産で日本には明治時代に移入してきた外来種で、東京周辺から野生化しています。薄紫色の2㎝ほどの花が4月~5月に開花します。名前の由来は葉がセリ(芹)の葉のように細かく切れ込んでおり、燕(つばめ)が飛んでるような形の花であるところからきています。
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.4.16
18 蓑や菅笠に利用された、カサスゲ(笠菅)の花穂 別名:ミノスゲ (蓑菅)
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内
科.属など カヤツリグサ科スゲ属 多年草
見どころ  湿地や池の浅いところに生育して高さは1メートル程にもなります。葉は細長く、やや立ち気味に伸びます。5~6月ころにかけ、高さ50~70センチほどの花茎を出します。葉っぱが丈夫で、乾燥させて蓑や菅笠の材料に利用されました。頭にかぶる「笠」を作ったことから笠菅(カサスゲ)の名前になりました。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.4.15
17 スミレの仲間では小さい、ツボスミレ(坪菫)の花 
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内
科.属など スミレ科スミレ属 多年草
見どころ  
 別名はニョイスミレ(如意菫)。湿原のほとりや湿った草原などに生育します。全体に軟らかく無毛。草丈は20~25センチほど。花は小さく、白色で中心部に紫褐色の文様があります。葉は心形で互生し、裏は紫色を帯びています。花期は3~5月。坪は、庭の意味だと言われます。別名の(如意菫)は葉の形が坊さんの持つ如意に似ているから。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.4.15
16 花の形がエンゴサクに似ている、ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡索)の花
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内
科.属など ケシ科キケマン属  多年草
見どころ  山地や原野に生えます。草丈は10~20センチくらいで、地下に直径1センチの塊茎があります。根生葉と花茎を出し葉は2~3回3出複葉。花期は4~5月に紅紫色~青紫色のラッパ状の花を咲かせます。
 ※14ページNO.05にエンゴサクの花が掲載されています。 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.4.15
13 芽吹きの栄養葉はコゴミと称し珍重される、クサソテツ(草蘇鉄)の茎葉
所在地 東京都文京区白山 小石川植物園
科.属など オシダ科クサソテツ属 多年草
見どころ  北海道から九州までの日当たりの良い河原や原野に自生する多年生のシダです。鮮やかな淡黄緑の葉が早春を彩る“代表選手”のように私の目に飛び込んできました。いかにも、美味しそうな葉に見えるでしょう? そう、この芽吹きの若芽が「コゴミ」です。山菜料理には欠かせないもの。この栄養葉は1メートルにも達します。胞子葉は遅れて夏から秋に栄養葉の中心部から直立して出て、60センチほどになります。「コゴミ」の名の由来は、若葉が巻いている様子を、かがんでいる姿に見立てたものです。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.4.15
11 セイヨウジュウニヒトエとも呼ぶ、セイヨウキランソウ(西洋金瘡小草)の花
所在地 東京都文京区白山 小石川植物園
科.属など シソ科セイヨウキランソウ属
見どころ

左の花の2週間後、丈が伸び、鮮やかな色に
2012.4.28 岩田忠利撮影
 14ページNO.6のキランソウの花は茎が伸びず、地面に這うように花を咲かせます。が、こちらは20~30センチにも背が伸びます。慶應大学日吉キャンパスで撮った写真をインターネットで問い合わせをしたところ、「セイヨウジュウニヒトエ」の名で教えていただき、その名前で13ページNO.13に掲載しました。しかし、小石川植物園では同種のものを「セイヨウキランソウ」で紹介しています。同種であることを確認していただくため、再掲載します。
 
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.4.15
08 春の七草のひとつ、ダイコンの花  別名:スズシロ(蘿蔔)
所在地 川崎市宮前区神木本町2-10-1 東高根森林公園
科.属など アブラナ科ダイコン属 越年草
見どころ  中央アジアまたは地中海地方が原産地。中国経由で日本に渡来。野菜として広く栽培されます。名前の由来は、大きな根を意味する大根(オオネ)から付けられました。
 ※オオアラセイトウの花が6ページNO.38に、ハマダイコンの花が4ページNO.27に掲載されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.4.13
05 スズメノテッポウと形、大きさがほぼ同じ、セトガヤ(瀬戸茅)の花
所在地 茅ヶ崎市西久保の田んぼ
科.属など イネ科 スズメノテッポウ属
見どころ  

花の拡大
 レンゲ畑を探しに西久保まで行きましたが、レンゲソウ(蓮華草)の花はまだまだ数が少なかったのですが、セトガヤに出会いました。同属のスズメノテッポウと混生していて、見慣れないと区別が難しいです。スズメノテッポウの雄しべが黄褐色であるのに比べ、セトガヤの雄しべは白色である点と、花穂を構成している多数の小花は、スズメノテッポウの方が小さく、雄しべが見えなくなると密な円筒形であるのに比べ、セトガヤはやや荒い花穂となる点でも区別できます。
 ※レンゲソウ(蓮華草)の花が13ページ№18に載っています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.4.12
04 春の水田に出現する水田雑草、スズメノテッポウ(雀の鉄砲)花

周りの小さな白い花は他の野草の花。花序は円柱形の穂
所在地 茅ヶ崎市西久保の田んぼ
科.属など イネ科 スズメノテッポウ属
見どころ  

花序の拡大
 全国に広く分布する一年生草本です。水田や路傍、荒れ地などに生育しています。草丈は20センチから40センチ位で、雄しべの葯は、開花直後は白色ですがすぐに黄褐色となります。子供の頃、レンゲ畑で茎で草笛を作って遊んだものです。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.4.12
03 糸のような葉、ウイキョウ(茴香)の葉
所在地 神奈川県相模原市南区北里1-15-1 北里大学野草園
科.属など セリ科ウイキョウ属 多年草
見どころ

ウイキョウの花
都立薬用植物園  
2012.6.24 

葉が繊細なら花も繊細ですね! 
 地中海沿岸原産。平安時代に渡来。葉っぱはすごく細い糸状で春から夏にかけて、黄色い傘状の小さい花がいっぱい咲きます。生薬としては、セリ科ウイキョウの果実を乾燥したものを用います。胃薬、香料などに使用されます。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.4.12