01.ニガウリ、ゴーヤーの仲間、ナンバンカラスウリ(南蛮烏瓜) 別名:南蛮黄烏瓜

カラスウリといっても花のイメージが全然違います。ナンバンカラスウリの花
所在地 東京都品川区荏原2丁目 星薬科大学薬用植物園
科.属など ウリ科ツルレイ属 多年草
見どころ

3メートルほどの支柱に繁茂する
ナンバンカラスウリの茎葉
 植物園の人にうかがったナンバンカラスウリがインターネットで検索しても1点の情報も無く、難儀しました。が、花名小事典の回答者の方に質問し、1〜2分で問題が解決しました。
 カラスウリの名前がついていますが、ニガウリやゴーヤーの仲間です。中国南部、インド、東南アジアに分布するつる性多年草ですが、食用や薬用にするため日本でも栽培されているのだそうです。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.9.21
14.花穂が出始めると区別がつく、ホナガイヌビユ(穂長犬覓) 別名:アオビユ(青覓)

ホナガイヌビユの実(拡大)
所在地 秦野市堀山下1513 県立秦野戸川公園近くの畑
科.属など ヒユ科ヒユ属
見どころ

茎葉
 アメリカ原産で大正時代に渡来した帰化植物です。道端や畑などに生える雑草で、ヒユの仲間で、穂が長いというのが名前の由来です。茎は直立もしくは横に広く伸び、高さは40〜90センチで無毛、分岐があります。葉は互生し、長い柄があり、菱状卵形または卵形で、イヌビユに似ていますが先があまりへこみません。葉は食用になります。花期は6〜9月で、果実は熟すと、果被が硬化して淡褐色になり、深いシワができます。 
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.9.18
08.ケイトウの中でも古くから親しまれている、トサカケイトウ(鶏冠鶏頭)

茎の上部が変形してトサカ状になった
トサカケイトウ
所在地 横浜市港北区綱島西 1丁目 空き地
科.属など ヒユ科ケイトウ属 1年草
見どころ

トサカケイトウの茎葉
 別名はセロシア、カラアイ。
 原産地は熱帯アジア、インド。日本には、かなり昔に中国から朝鮮半島を経由して伝わったといわれていて、「万葉集」にも出てくるためこの時代から栽培されていたといわれています。草丈は60〜90センチ。葉は長楕円形。花と思われている部分は、茎の上部が変形してトサカ状になったものです。セロシアというのは、ケイトウ属の総称です。花序の形態によって、大きく3つに分けられ、トサカケイトウは扁平な形、ヤリゲイトウは槍状、フサゲイトウは羽毛状です。中間型もあります。
 どれも、一般的には「ケイトウ」として同一視することが多いようです。茎の上につく花穂のてっぺんが、雄鶏の赤いトサカと似ていることにより名付けられました。夏から秋にかけ、黄・赤・桃色などの花穂ができ、様々な色や形の園芸品種も多く作り出されています。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.20
02.全草に毒性、特に根が猛毒、ベラドンナ 別名:セイヨウハシリドコロ、オオハシリドコロ

いかにもジュシーで美味しそうな
ベラドンナの実
所在地 東京都品川区荏原2丁目 星薬科大学薬用植物園
科.属など ナス科
見どころ  葉を触っただけで皮膚炎、かぶれ、重度では潰瘍、失明にもなります。ましてや誤って食べると、嘔吐、瞳孔散大、幻覚、精神錯乱、せん妄(意識混濁に加えて幻覚や錯覚)、最後は死に至るという恐ろしい植物です。鳥類、兎、鹿などの多くの動物はベラドンナを食べても食中毒を起こさないそうですが、ベラドンナを食べた動物を人間が食べて死に至ってしまう場合があるそうですから、皆さん、くれぐれもご注意を! じつは、この写真を撮るとき、「黒光りしたこの実は美味しそうだなぁ」とは思いましたが、味見する いつもの自分を想像しただけで身の毛だつ思い……。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.9.21
15.品種改良された、ウモウゲイトウ(羽毛鶏頭) 別名:フサゲイトウ(房鶏頭)

赤と黄色のウモウゲイトウ
所在地 秦野市堀山下1513 県立秦野戸川公園近くの畑
科.属など ヒユ科 ケイトウ属
見どころ

ピンクのウモウゲイトウの群生
 ケイトウ(鶏頭)の原産地は東南アジアからインドで、日本には古代に中国を経て渡来したと言われています。一般にケイトウ(鶏頭)は花の形により4系統に分類されます。トサカ系(トサカゲイトウ)、クルメ系(久留米ゲイトウ)、プルモーサ系(羽毛ゲイトウ、房ゲイトウ)、チャルジー系(槍ゲイトウ、玉咲きゲイトウ)です。ウモウゲイトウ(羽毛鶏頭)はケイトウの園芸種で、1メートルを超え、雄鶏のトサカ(鶏冠)のような雄雄しいケイトウと比べ、20〜30センチほどの背丈と筆や刷毛のような姿で、鉢植えでの人気が高いです。
 ※トサカケイトウ(鶏冠鶏頭)が本ページ08に、ヒモゲイトウ(紐鶏頭)が51ページ04に、スギモリケイトウ(すぎもり鶏頭)が51ページ05に載っています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.9.18
09.ゴマ(胡麻)とつきますが食べられません! カラスノゴマ (烏の胡麻)

カラスノゴマの花
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内
科.属など シナノキ科カラスノゴマ属 1年草
見どころ

カラスノゴマの茎葉
 山野の荒れた道ばたなどに生えます。茎は直立し、高さ40センチ前後。葉は卵形で長さ2〜7センチくらい。互生です。表面には星状毛が散在する程度ですが、裏面にはたくさんの白毛の星状毛があります。8〜10月にかけ、葉腋から1つの黄色い5弁花が咲きます。花径は3センチほどで垂れて花は横から下向きに咲きます。
 名前の由来は、ゴマの実のような実をつけますが、食べられないことから名前がつけられたようです。(烏、犬、などがつくのは人には役立たないものを表現しています)
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.22

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06.葉の様々な色彩と模様が美しい、コリウス 

コリウス花の拡大
所在地 藤沢市辻堂太平台2-13-35藤沢市長久保公園 ハーブ園
科.属など シソ科コリウス属(ソレノステモン属)多年草または1年草
見どころ

コリウスの花と葉
 和名はキンランジソ(金襴紫蘇)、ニシキジソ(錦紫蘇)です。
 
熱帯・亜熱帯アジア、オーストラリアなどに100種以上が知られます。現在栽培されているものは人の手によって改良された園芸品種です。大元となったのはその中でも1〜数種の野生種です。その特徴は赤や黄色、紫など様々な色彩と模様が美しい葉で、和名の「キンランジソ(金襴紫蘇)」や別名の「ニシキジソ(錦紫蘇)」はこの様子からきています。暑い気候でよく育ち、夏向きの鉢植や寄せ植え、花壇に広く利用されています。
 毎年育つ多年草ですが、寒さで枯れてしまうことが多く、1年草として扱うこともあります。夏〜秋にかけて茎の頂点から花茎を長く伸ばして小さな花を穂状に咲かせます。属名コリウス(コレウス)とは、ラテン語で「鞘」の意味で、花序が刀の鞘に似ていることによります。花色は白地でうっすらと青色が入ります。葉のような派手さはありませんが、じっくり見るとキレイな花です。
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.9.18
19.イネ科は種類が多く、難しい、シマスズメノヒエ(島雀稗)

シマスズメノヒエの花
所在地 鎌倉市山崎 1667 鎌倉中央公園
科.属など イネ科スズメノヒエ属  多年草
見どころ

シマスズメノヒエの葉
 南米原産の帰化植物で、路傍やあぜ道など、あまり乾燥しない場所に良く生育しています。草丈は80〜100センチ。花は6〜10月にかけて茎の先に5〜10センチの花穂を咲かせます。花序の枝は茎に数本付き、葉や葉鞘、花茎などには毛がありません。よく似た種に在来種のスズメノヒエがありますが、スズメノヒエは全体に軟毛がある点で異なります。
 ※スズメノヒエは54ページNO.11に掲載されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.24
05.長い期間花を咲かせ、名づけられた、ヒャクニチソウ(百日草)

オレンジ色

ピンク
所在地 秦野市堀山下1513 県立秦野戸川公園近くの空き地
科.属など キク科ヒャクニチソウ属の1年草
見どころ

ヒャクニチソウの群生
 別名はチョウキュウソウ(長久草)、英名はジニアです。
 赤、ピンク、黄色、白花等、色や花の形なども豊富で開花期間も長く、日本には江戸時代末期に入ってきました。栽培や品種改良が盛んになったのは戦後になってからで、それまでは仏花として栽培される程度だったそうです。現在では豊富な花色と種類があり花壇などにも広く利用されています。花径が10センチを超える大輪から5センチくらいの小輪まであります。野生種は一重で紫系の花を咲かせますが、今出回っている品種はほとんどが八重咲きです。最もポピュラーなのは、ジニア・エレガンスとその園芸品種で、日本ではヒャクニチソウの名前でおなじみです。
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.9.18
17.日本の暖地に野生化している熱帯植物、マルバルコウソウ (丸葉縷紅草)

マルバルコウソウの花
所在地 藤沢市辻堂太平台2-13-35藤沢市長久保公園 ハーブ園
科.属など ヒルガオ科ルコウソウ属 蔓性1年草
見どころ  熱帯アメリカが原産です。わが国へは江戸時代の末期に渡来し、現在では本州の中部地方以西の暖地に帰化しています。ル(縷)とは細い糸のことですが、葉は卵形で先端が尖り、互生します。名前は、葉が丸い「ルコウソウ」ということからきています。花期は8月〜10月ごろで、五角形の鮮やかな朱赤色の花を咲かせますが、午後には萎んでしまいます。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.9.19
18.タンポポの花に似ていますが! ブタナ(豚菜) 別名:タンポポモドキ

ブタナの花
所在地 鎌倉市山崎 1667 鎌倉中央公園
科.属など キク科エゾコウゾリナ属 多年草
見どころ

ブタナの葉
 ヨーロッパ原産。世界中に帰化しています。昭和初期に渡来。道路脇、空き地、牧場、草原、農耕地の周辺で生育しています。草丈は30〜60センチくらい。葉はロゼット状で裏にびっしりと毛が生えており、根は深いです。それぞれの頭に花径3センチほどの黄色い花をつけるのが特徴です。また花茎に葉は付いていません。開花時期は6〜9月頃。外観はタンポポに似ています。
 群生した地域では芝生が枯れてしまうなどの被害も発生するため、害草として駆除されてしまうことも多いようです。名前の由来は、フランスの俗名(Salade de pore:豚のサラダ)を訳してブタナとついたようです。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.24
04.糖尿病の甘味料として使われる、ステビア 別名:パラグアイ甘茶

ステビアの花と茎葉
所在地 東京都品川区荏原2丁目 星薬科大学薬用植物園
科.属など キク科ステビア属 多年草
見どころ

ステビア花の拡大
2012.9.19 藤沢市長久保公園 ハーブ園
八城幸子撮影
 原産地は南米・パラグアイ、東部ブラジル。草丈は40〜80センチ、茎の基部は枝別れして木質化し、良く枝分けれしています。葉は対生、長さ3〜5センチ、長楕円形、葉縁に浅い鋸歯があり、茎や葉に細毛があります。花は、9〜10月頃に、茎頂の葉液から花柄を出して、小さな白色の頭状花をたくさんつけます。花のつく頃に葉を採取し乾燥したものを、生薬名「ステビア葉(よう)」と言います。
 この甘さは砂糖の100〜300倍。紅茶やコーヒーには耳かき1〜2杯が適量。これは、非糖性甘味料で、苦味の強い医薬品の矯味(きょうみ)剤や糖尿病などの甘味料、低カロリー食品として用いられているそうです。名の由来は、スペインの医師で植物学者ペドロ・ハイネ・ステビアさんの名前から。
 
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.9.21
16.実は花からは想像もできない形、オキシペタルム(ブルースター)

オキシペタルムの花(拡大)
所在地 秦野市堀山下1513 県立秦野戸川公園近くの畑
科.属など ガガイモ科オキシペタルム属(トウィーディア属) 半つる性多年草
見どころ
 別名は「ルリトウワタ(瑠璃唐綿)」。 開花期は7月〜10月で、ブラジルからウルグアイにかけて分布し、草丈は1メートルほどになります。現在はトウィーディア属に分類されていますが、旧属名のオキシペタルムの名前で親しまれています。導入当初はブルースターの名前で切り花として流通しました。花色は不思議な感じのブルーで、海外ではベビーブルーといって男の子の誕生を祝うラッキーカラーとしているところもあるそうです。基本種はブルーですが、紫、ピンク、白などの花を咲かせる品種もあります。茎を切ると、毒性の白い液が出ます。ガガイモと同じような薄茶色の鞘から綿毛のついた種が飛び出します。

オキシペタルムの実

花と茎葉
 
 ※ガガイモの花と実が42ページbP8に載っています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.9.18
11.花の大きさは約1センチで一日花、イボクサ(疣草)

イボクサの花の拡大
所在地 横浜市青葉区寺家町「寺家ふるさと村」 田んぼ
科.属など ツユクサ科イボクサ属 1年生
見どころ

イボクサの茎葉
 本州から南西諸島、朝鮮・中国に分布し、水田や沼地、湖岸などの水湿地に生育し、水田の害草の1つとして知られています。茎は斜めに立ち上がるが生長するにつれて横に這い、節から根を出し、所々から枝分かれして群生します。9月〜11月にかけ、3枚の花弁の淡い紫色の花を咲かせます。名前は汁を付けると疣(イボ)が取れるからであるというが、実際に効果があるかは不明のようです。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.9.20
13.関東地方に多く咲く、タイアザミ(大薊) 別名:トネアザミ(利根薊)  

タイアザミの花
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内
科.属など キク科アザミ属 多年草
見どころ

タイアザミの茎葉
 ナンブアザミ(南部薊)の変種です。関東地方の山野でもっとも普通に見られるアザミの仲間の多年草です。草丈は100〜200センチ。葉は互生し、長さ約30センチになります。羽状に中裂して裂片に太いとげがあります。ナンブアザミに比べると、葉の切れ込みが深く、葉や総苞片の刺が太くて長いです。根生葉は花期にはありません。花期は9〜11月に頭花は短い柄があり、紅紫色で、横向きか、やや下向きに咲きます。植物名には地名が付くものが多いので、カタカナ名ではタイの国に関係あるように思いますが大きい薊という意味です。
 ※ノハラアザミの花は3ページNO.15に、オオアザミの花が4ページNO.20に掲載されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.22
12.花はミゾソバにそっくり、茎には鋭いトゲがある、アキノウナギツカミ(秋の鰻掴)

アキノウナギツカミの花
所在地 横浜市緑区寺山町291 県立四季の森公園
科.属など タデ科イヌタデ属 1年草
見どころ

下向きの刺がある茎と葉
 別名は「アキノウナギヅル」といわれます。
 北海道〜九州の水辺や湿地に群生します。高さは60〜100センチで、茎はよく枝分かれし、下部は地に伏し、上部は立ち上がって他物に絡み、長く伸びます。葉は互生し、長さ5〜10センチの卵状披針形〜長披針形です。基部は矢じり形で、茎を包み込んでいます。花は枝先に10数個が頭状に集まって咲きます。花柄は無毛。萼の上部は淡紅色、下部は白色で長さ約3ミリで、5深裂します。花弁はありません。花期は7〜10月です。茎にたくさんのトゲがあって、この草を使うとウナギもつかめるということからついた名です。
 ※よく似ているミゾソバの花が44ページNo.3に、ママコノシリヌグイの花が46ページNo.13に載っています。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.9.24
07.花が咲かないとわかりにくい植物のひとつ、エノキグサ(榎草)

エノキグサの茎葉
所在地 秦野市堀山下1513 県立秦野戸川公園近くの空き地
科.属など トウダイグサ科エノキグサ属の1年草
見どころ
 北海道〜九州の畑や路傍などに普通に生える雑草です。茎は直立し、高さ20〜40センチになり、葉は互生し、長楕円形〜広披針形で長さ3〜8センチ、幅1.5〜3.5センチあります。鈍い鋸歯があり、先はやや尖っています。花期は8〜10月で、花序は葉の脇からでて、上部に小さな雄花が穂状につき、その基部に総苞に包まれた雌花がつきます。雌花には編み笠状の苞葉があるのが特徴で、別名のアミガサソウの由来になっています。葉がエノキ(榎)に似ているので、エノキグサといいますが、この名前よりも別名のアミガサソウ(編み笠草)の方がぴったりだと思います。この苞葉は形は違うものの、トウダイグサなどの苞葉と同じものです

エノキグサ雌花
 

エノキグサ雄花
 ※トウダイグサ(灯台草)の花が13ページ05に、ナツトウダイグサ(夏灯台草)の花と実が13ページ04に載っています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.9.18

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20.葉の色が多彩な、 カルーナウルガリス 別名:シャラノキ(沙羅樹)

カルーナウルガリスの花と茎葉
所在地 横浜市港北区大曾根1丁目 民家の庭先
科.属など ツツジ科カルーナ属 常緑低木
見どころ  カルーナウルガリスは、北ヨーロッパ原産で荒地や湿地に生えているツツジ科の常緑低木です。葉は鱗片状に密に着きヒノキの枝に似ています。ヨーロッパからロシアのウラル山脈、北アフリカにかけて広く分布しています。一属一種で、エリカの近縁です。葉はやや多肉質で三角形をしています。葉色の変異が大きく、緑色から黄色、赤色まであります。6月から8月ごろ、総状花序に白色から紅色の花を咲かせます。
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.9.24

2012.9.21〜9.26 掲載20種

03.芋もムカゴも苦くて食べられない、ニガカシュウ(苦何首烏)

細長い花穂をさげたニガカシュウの花
所在地 東京都品川区荏原2丁目 星薬科大学薬用植物園
科.属など ヤマノイモ科ヤマノイモ属 蔓性多年草
見どころ

ニガカシュウの茎葉
 ニガカシュウを漢字で書くと、「苦(ニガ)何(カ)首(シュ)烏(ウ)」。オニドコロ、 ヤマノイモ 、ナガイモの仲間で、関東以西に自生しています。
 カシュウ(何首烏)と は ツルドクダミの根を乾燥したものの生薬名です。なおこの根茎も「黄藥子(おうやくし)」と呼ぶ漢方の生薬。「用途は止血、鎮痛、解毒」とネームプレートに記されています。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.9.21
10.菜っ葉が切れるほど痛い、ナキリスゲ(菜切菅)

ナキリスゲの花と茎葉
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内
科.属など カヤツリグサ科スゲ属 常緑多年草
見どころ  暖地の森林林床に多く生育します。根茎はごく短く、地表にあって根出葉を多数つけます。匍匐茎は普通出さず、大きな株だちとなります。葉は細長いものが多数あり、緑から深緑、やや立ち上がって伸び、先端は垂れて長さ30〜40センチ位。根元には褐色の鞘があります。
 花穂は9〜10月頃に咲きます。花茎は細長く、長さ50センチ位まで伸び、先端はやや傾くか、垂れます。スゲ属植物の多くは春に開花しますが、ナキリスゲは8月から10月にかけて開花・結実します。名前は菜切り菅の意で、葉がざらつくので、菜っ葉が切れるほど痛いそうです。実際はそれほどでもないそうですが……。また、花期が秋である点でも日本のスゲでは数少ない例です。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.22