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13.花びらが垂れて反り返る舌状花が印象的、コウリンカ(紅輪花)

     コウリンカの花
花の盛りを少し過ぎた1株だけに出会うことができました
所在地 山梨県山梨市牧丘町北原 乙女高原
科.属など キク科キオン属 多年草 絶滅危惧II類(VU)
見どころ  本州の中部を中心に分布し、明るい乾いた標高の高い草原に生えます。草丈は40〜60センチ。径3〜4センチの鮮やかな橙色の頭花が咲き、細い花弁が繊細です。枝分かれせずに、茎の上部に数個〜10個程度の花がつきます。花期は8〜9月です。花期を少し過ぎた1株だけに出会うことができました。葉は長さ10〜16センチで、基部はやや茎を抱き、互生します。濃い橙色の花びらが車輪のように見えることからの名前です。 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.9.6
08.花穂が球状で名前の由来になっている、タマガヤツリ(玉蚊帳吊)

花穂が球状で丸いタマガヤツリ(拡大)
所在地 横浜市緑区新治町 恩田川 小山橋付近の田んぼ
科.属など カヤツリグサ科カヤツリグサ属の1年草
見どころ

タマガヤツリの茎
 北海道〜九州の田のあぜやみぞのふちなど湿地に生えます。水田雑草ですが、さほどはびこるものではありません。花茎は直立しますが、カヤツリグサなどに比べてはるかに柔らかく、指先でつぶせます。花穂が球状で丸い形になるのが特徴です。名前の由来もそこから来ています。根本の鞘は紫を帯びます。花序は花茎の先端に一つだけつきます。穂の単位は軸に小穂が並んだ形ですが、軸がごく短縮しているので全体に柔らかい、くす玉のような穂をつけます。花穂を揉むとレモンのようなにおいがします。
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.9.9
03.薬用健康食品・染料に利用、ターメリック 和名:ウコン(鬱金)

ウコン(ターメリック)の花の拡大
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内
科.属など ショウガ科ウコン属 多年草
見どころ

カンナの葉に似ています
 東南アジア原産のショウガ科の多年草。ターメリックは日本では「ウコン」と呼ばれています。草丈は1メートル程度。葉は、数枚が2列に接近して互生します。カンナの葉に似て楕円形で先は尖っています。秋に茎頂の葉の間から長さ約20センチの花穂を出します。花穂には多くの包葉があり、包葉は淡緑色で上の方のものは先が淡紫紅色です。
 花は黄色で、1苞ごとに3〜4個をつけます。下から順に咲く花穂の先の方では花をつけません。一般的に花と思われている頂点の部分は、葉の変形したもので包葉とよばれるものです。 包葉は白色。ターメリックは血液を浄化するだけでなく、血管の新陳代謝をよくするはたらきもあるといわれています。花・葉・茎・根茎を薬用健康食品・染料として利用します。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.8
17.茶の代用として古くから飲用、カワラケツメイ(河原決明) 別名:弘法茶、ネム茶など

約7ミリの黄色の花、カワラケツメイ
所在地 八王子市堀之内1432-1 東京薬科大学薬用植物園
科.属など ジャケツイバラ科カワラケツメイ属 多年草
見どころ

茶の代用として昔から飲まれている
カワラケツメイの茎葉
 日当たりのよい河原や道端など乾き気味の所に生えます。草丈は30〜60センチくらい。茎はやや堅く毛があり、中空ではありません。葉は互生し、偶数羽状複葉で、左右不均衡に多数の小葉をつけています。花は8〜10月頃葉の脇に直径約7ミリの黄色の小さな花をつけます。豆果は長さ3〜4センチ。扁平で短毛があり、四角形の種子が7〜12個あり、黒褐色に熟します。
 緩下作用(便秘)、利尿、強壮、健胃、鎮痰に効用。茎葉を摘んで茶の代用として古くから飲用され、弘法茶と呼ばれています。 そのほかにも「ネムチャ」、浜辺の湿地に多く自生することから「ハマチャ」、種子がマメのように見えるので「マメチャ」などと、地方により色々な呼び名で広く親しまれています。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.14
11.全身に毛があることと穂の形が特徴の、スズメノヒエ(雀の稗)

青虫のようなスズメノヒエの花穂(拡大)
所在地 横浜市緑区寺山町291 県立四季の森公園
科.属など イネ科スズメノヒエ属の多年草
見どころ

スズメノヒエの茎
 北海道〜九州の道ばたや空き地、芝生などに生える日本在来のイネ科雑草です。多年生雑草であることから年を経るごとに根株が強大化して、一度大きな株になってしまうと更に防除が難しくなります。種子と地下茎および株の肥大により繁殖し、種子と地下茎で越冬します。葉は線形で柔らかく長い毛が多く、葉鞘にも長い毛があります。長い葉が根元では向き合い、やや扁平な株を作ります。
 花茎は初夏から出てやや傾いて立ち上がり、先端近くから3〜5本の枝を出します。この枝は、主軸の回りに放射状に出るのではなく、主軸の傾いた側に偏って、水平よりやや小さい角度で出ます。それぞれの枝は分枝せず、その下側に小穂を密生させます。
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.9.9
02.毒にも薬にもなる、トウアズキ (唐小豆)

   真っ赤な可愛らしいトウアズキの実
この中に世界五大猛毒を上回る超猛毒成分を含んでいます
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内
科.属など マメ科トウアズキ属 蔓性多年生落葉草本
見どころ

トウアズキの茎葉
 中国名では紅豆、相思豆。愛情豆・美人豆・鴛鴦豆とも呼ばれています。方言名アハダン、アカダマ。熱帯アジア原産。西表島でも限られた一地域にしか自生しません。高さは3〜6メートルにもなります。小葉はそれぞれ全縁で長楕円形をしており、長さ10〜22ミリ、幅4〜6ミリで、葉の裏には疎らに毛が生えています。
 晩夏から初秋にかけて頂生或いは腋生する総状花序に蝶形の花をつけます。花は淡紫紅色、稀に白色もあります。花の後に出来る莢の房は12月頃に完熟し、黒くなって弾けますが、莢の中にあるマメはほとんど落ちません。概ね5個づつ莢に入ったマメは鮮やかな赤に3分の1ほどの黒い部分があり、全体に艶があって非常に愛らしい。ちょっとした細工物の他にも薬用として用いられていました。
 ただ、実際には種子や莢には深刻な毒が含まれており、これが血液中に混ざると、死に到るほど、劇的に作用するといわれています。反面、最近の研究では、抗がん剤の材料としても見直されてもおり、結局、毒にも薬にもなるということでしょうか…。世界五大猛毒に数えられるリシンをも上回るといわれるアブリンを多量に含有するトウアズキの種子です。葉には甘味があり、天然甘味料として利用されます。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.8
15.葉の形が亀の甲羅から尻尾が出ている感じ、カメバヒキオトシ(亀葉引起こし)

カメバヒキオトシ花(拡大)
所在地 山梨県山梨市牧丘町北原 乙女高原湿地帯
科.属など シソ科ヤマハッカ属 多年草
見どころ

亀の甲羅に見える葉と茎
 東北地方から中部地方まで、深山や日本海側の低山などに生え、林の縁ややや湿り気のある草地などに自生します。葉は楕円形で対生し、長さ5〜10センチ、幅4〜9センチ、縁に鋭いギザギザがあります。葉先が3裂して、中央片が長く突き出して、尻尾のように伸びています。花は枝先に径1センチ位の青紫色の唇形の花が多数集まって長い花穂となります。花期は8〜10月です。由来はヒキオトシの仲間で葉が亀の甲羅に似ているから。若葉はおしたしなどに、乾燥して煎じたものは健胃薬として利用されます。
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.9.6
16. ローマ時代からの民間薬、ニガヨモギ(苦蓬) 別名:ワームウッド

ニガヨモギの花
所在地 八王子市堀之内1432-1 東京薬科大学薬用植物園
科.属など キク科ヨモギ属 多年草
見どころ

ニガヨモギの茎葉
 ヨーロッパ原産のキク科の多年草。草丈は40〜60センチくらいです。葉は2〜3回羽状に深裂し、柔らかい絹毛におおわれて、表は緑白色、裏は白色。根茎は木質、茎は枝分れが多く、ヨモギに似ていますが、葉がヨモギよりも細く、白っぽい感じで、7〜8月に黄色い小さな花をつけます。
 ハーブの一種で独特の臭気があります。全草に強い芳香があります。全草を健胃薬、駆虫薬として用います。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.14
10.夏の日照りにも負けないからと名がついた、ヒデリコ(日照り子)

ヒデリコの花穂(拡大)
所在地 横浜市緑区新治町 恩田川 小山橋付近の田んぼ
科.属など カヤツリグサ科テンツキ属の1年草
見どころ  本州から琉球列島まで分布する水田雑草です。生育期間6〜10月で、種子で繁殖します。水辺、湿地、あぜなどに普通に生育し、水田での発生密度が高く、また、休耕田などでは密生し大きな株になります。
 花茎はやや偏平で、葉より高く伸び、先端でよく分枝して多数の小穂をつけます。花序の基部には葉状の苞がありますが、花より短い程度です。花序は散状になり、長さは8センチになります。夏になると特徴のある花序を形成します。葉は左右から扁平になって、中心から左右に扇を広げる形になることで、判別が容易になります。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.9.9
05.ものすごい繁殖力の、ホソバヒメミソハギ (細葉姫禊萩)

ホソバヒメミソハギの花(拡大)
所在地 横浜市緑区新治町 恩田川 小山橋付近の田んぼ
科.属など ミソハギ科 ヒメミソハギ属 1年草 帰化植物
見どころ

茎の断面は四角形で、細長い葉が対生、つなぎ目が耳状です
 当初、沖縄や九州などの温暖な地に帰化していましたが、次第に広がり今では本州、四国にも分布し、人里、田畑、原野、草原、湿地、池沼に生息します。茎の断面は四角形で、細長い葉を対生させます。葉は長さ5センチほどで、茎への付着点で耳状にふくれています。花は10月ころから葉腋にかたまって付き、小さな紫色の花を咲かせます。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.9.9
19.黒く光り輝いた実が黒真珠のように見える、ブラックパール

実が黒光り、ブラックパール
所在地 横浜市港北区大曾根 マンションの庭
科.属など ナス科 トウガラシ属 1年草
見どころ  原産地が熱帯アメリカのブラックパールは、トウガラシの園芸品種で、黒い葉と実が美しい植物です。黒く光り輝いた様子が黒真珠のように見えることから、ブラックパールという名前が付けられました。黒真珠のように光るトウガラシの実をすずなりにつけます。果実の直径は1.5センチ前後、はじめは黒く、後に赤く色付きます。茎はピラミッドのような株姿になります。耐暑性に優れ、本来は多年草ですが、寒さに弱いので1年草です。花期は8月〜11 月。 
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.9.14
09.ホタルが棲むような所に生えるイ(藺)から、イヌホタルイ(犬蛍藺)

イヌホタルイの花穂(拡大)
所在地 横浜市緑区新治町 恩田川 小山橋付近の田んぼ
科.属など カヤツリグサ科ホタルイ属の1年草
見どころ

イヌホタルイの茎
 北海道〜九州の水田や池のほとりなど湿地に生える水田雑草です。草丈は20〜60センチぐらいで、ノビエ(野稗)のようにイネよりも大きくはなりませんが、水田のなかで密生するとイネに必要な養分を吸い取ってしまい、イネの生育が悪くなり収量が減ることがあります。イヌホタルイが非常に密に発生した場合には通常の半分程度しか米が収穫できなくなってしまうこともあります。
 茎は緩やかな3〜5稜あり、高さ20〜70センチで、叢生して株をつくります。葉は葉身が退化して葉鞘だけになっています。小穂は茎の先端に無柄で2〜7個が頭状につきますが、苞が茎から続いて直立するので、茎の途中についているように見えます。小穂は長さ0.9〜1.8センチの長楕円形で、先がとがっています。柱頭は2個で、果期は7〜10月頃です。
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.9.9

2012.9.10〜9.16 掲載20種

12.繊維原料として利用、カラムシ(茎蒸・苧麻)

カラムシの雄花
所在地 川崎市宮前区神木本町2-10-1 東高根森林公園
科.属など イラクサ科カラムシ属  多年草
見どころ
 草丈は1〜2メートルくらいです。葉は互生し、長さ10〜15センチの広卵形で、先は尾状にとがり、大きさのそろった鋸歯があります。表面はざらつき、裏面は白い綿毛が密生して白っぽい。雄花序は茎の下部につき、雌花序は茎の上部につきます。花期は7〜9月。
 カラムシは、どこにでもはえている強い雑草です。昔の人は「カラムシ」の茎を蒸して皮をはぎ、これからとれる「繊維」で糸を作り、布を織っていました。上質の麻の夏服もこのカラムシから作られています。名前の由来は、茎を蒸して剥がし、繊維を採って織物に利用したことから「幹蒸し」と名付けられました。

雌花は毛糸球のような形です
県立四季の森公園 2012.9.24
八城幸子撮影

カラムシの茎と葉
この茎を蒸して皮をはぎ、これからとれる「繊維」で糸を作り、布を織ります
 
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.13
01.直立した茎先に黄色い大輪の頭花をつける、マルバダケブキ(丸葉岳蕗)

     マルバダケブキの花拡大
オレンジっぽい黄色の花が遠くからでも目立ちます
所在地 山梨県山梨市牧丘町北原 乙女高原
科.属など キク科メタカラコウ属 多年草
見どころ
 本州、四国に分布し、山地や深山のやや湿った草地、林縁に自生します。本州中部地方から東北地方の山中に多く、四国にはまれにみられます。茎の高さは40〜120センチになります。根出葉は長い葉柄があり、葉はフキに似た腎円形で径30〜40センチになり、縁はギザギザがあります。茎につく葉の葉柄の基部は広くふくれて茎を抱きます。「フキ」に似ていますがフキの仲間ではありません。花期は7〜8月。茎の上部に散房状に5〜6個のオレンジ色っぽい黄色の、径5〜8センチの大輪の頭花をつけます。舌状花は10個ほど。冠毛は赤褐色になります。

マルバダケブキの花 群生
 

マルバダケブキの茎葉
  フキの葉にそっくりです
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.9.6
14.花が茎の上部に集まって巴状に咲く、トモエシオガマ(巴塩竃、巴塩釜)

         トモエシオガマの花
濃いピンク色の花が上から見ると船のスクリューのような形に見えます
所在地 山梨県山梨市牧丘町北原 乙女高原
科.属など ゴマノハグサ科シオガマギク属 多年草
見どころ  本州中部地方以北の、亜高山から高山にかけての草地や、林の中などに生えます。「シオガマギク」の変種です。濃いピンク色の花が上から見ると船のスクリューのような形に咲きます。花期は7〜9月です。草丈は20〜50センチ。葉は幅の狭い卵形で、茎の下部では対生、上部では互生します。葉の縁には重鋸歯(大きなギザギザに更に細かなギザギザがある)があります。 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.9.6
07.柵などに絡まっているのをよく見かけます、ヒルガオ(昼顔)

ヒルガオの花(拡大)
所在地 横浜市港北区綱島上町 鶴見川土手
科.属など ヒルガオ科ヒルガオ属 つる性の多年草
見どころ

ヒルガオの群生
 「ヒルガオ」の花は直径が5〜6センチと大きく、花の形は漏斗形です。朝顔と違い昼間でも萎まないで咲いています。花柄に縮れた翼はありません。葉はほこ形〜矢じり形で、基部は斜め後ろに少し張り出しますが裂けません。つる植物で地上部は毎年枯れますが、春からつるが伸び始め、夏にかけて道ばたなどに繁茂します。晩春から秋まで長い間咲き続けます。
 ヒルガオの近縁植物にコヒルガオ(小昼顔)がありますが、花弁が直径3〜4センチとヒルガオより小さいこと、花柄に縮れた翼があること、葉の形などに違いがあります。
 ※アイノコヒルガオの花が22ページ10に載っています。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.5.23 

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04.花の形が丁字形の、チョウジタデ(丁字蓼)

チョウジタデの花(拡大)
所在地 横浜市緑区新治町 恩田川 小山橋付近の田んぼ
科.属など アカバナ科 チョウジタデ属 1年草
見どころ

チョウジタデの茎葉
 北海道〜九州の水田や湿地に多く生育する水田雑草です。稲作の伝来とともにもたらされた史前帰化植物の1つであると考えられています。茎は高さ30〜70センチで稜があり暗紅色をしています。葉は互生し、披針形で長さ2〜10センチで短い柄があります。葉の脇に黄色で直径6〜8ミリの通常4弁花をつけます。萼片は4枚です。雌しべには大きな丸い柱頭があり、花柄の様な子房が萼付きの細長い果実となります。実は褐色で長さ1〜2.8センチで、中に大きさ0.8-1.4ミリほどの種子がつまっています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.9.9
18.古典園芸植物のひとつ、ツメレンゲ(爪蓮華)

肉厚の葉のツメレンゲ
所在地 八王子市堀之内1432-1 東京薬科大学薬用植物園
科.属など ベンケイソウ科イワレンゲ属 多年草 多肉植物 絶滅危惧種
見どころ  江戸時代から園芸植物として親しまれてきました。葉は多肉質で、赤みを帯びたり、粉白色を帯びたりなど、変異が多く、様々な姿になります。特に日当たりが良い岩場や屋根の上に生育する場合や、冬の時期には赤くなることが多く、古くから栽培されてきた植物でもあります。 花期は長く、9月下旬〜11月頃、ロゼット状についた葉の中心から搭状の花茎を伸ばし、白い小さな花を円錐状に咲かせます。しかし、同じ株が毎年花を咲かせるわけではなく、何年か花を付けずに葉のみの姿で成長してから花を咲かせ、花が咲いた株は種子を実らせた後は枯れてしまいます。
 尖っている葉の形を動物の爪に、全体の形が仏像を安置する台(蓮華座=ハスの花の台)に似ていることから「爪蓮華」と名がついたとされます。所によってはタカノツメ(鷹の爪)と呼ばれる場合があります。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.14
06.在来種ニシキソウ(錦草)を圧倒している、オオニシキソウ(大錦草)

オオニシキソウの花(拡大)
所在地 横浜市緑区新治町 恩田川 小山橋付近の田んぼ
科.属など トウダイグサ科 ニシキソウ属 1年草
見どころ

オオニシキソウの茎葉
 明治時代に帰化し北アメリカ原産で、本州以南に分布します。荒れ地、路傍、堤防の草地などに生育します。基部は直立して上部は枝分かれし、高さ40センチ程度になるので踏みつけのある場所には生育しません。傷つけると乳液が出ます。葉は対生して長さ2センチほどで、葉の枝先側の縁には鋸歯があります。
 6〜10月に2〜2.5ミリほどの花を咲かせ、秋に朱色の果実を形成します。白い花弁に見えるものは蜜を分泌する腺体の付属体で、花びらではありません。ニシキソウとコニシキソウの茎が地を這うのに対し立ち上がり、また、コニシキソウは葉の斑点から区別が出来ます。
 ※コニシキソウ(小錦草)の花と茎葉が46ページbO9に載っています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.9.9
20.実は薬用や健康食品に、ハマビシ(浜菱)

絶滅危惧IB類に指定されている
ハマビシの花
所在地 八王子市堀之内1432-1 東京薬科大学薬用植物園
科.属など ハマビシ科ハマビシ属 多年草  絶滅危惧IB類
見どころ  日本では東北を除く本州〜四国・九州にかけての温暖な海岸に自生します。全草がトゲに覆われており、茎は有毛で広く地面を這うように広がり、7〜10月頃に黄緑色の小さな5弁花を花茎の先に一つ咲かせます。花のあとには直径1センチぐらいの硬く棘のある菱形の実を付けます。
 また、果実を乾燥したものは、利尿、消炎作用があるとされています。欧米では、体内のテストステロン量を保つ作用があるハーブとして、健康食品などに入れられています。最近では、海浜の環境破壊により生育数が激減しており、環境庁により絶滅危惧IB類に指定されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.14