02 踊り子の姿に似ている、オドリコソウ(踊り子草)の茎葉と花
所在地 東京都文京区白山 3-7-1 小石川植物園
科・属など シソ科オドリコソウ属 多年草
見どころ  
 シソ科オドリコソウ属の多年草です。花の形が笠を被った踊り子の姿にそっくりだというから、ぜひ花期の4〜6月に来て現物を見たいものです。葉は卵円形で葉脈が目立ち、草丈は50センチほどでした。自生地は日本国内の半日陰になりがちな、雑木林や野山の片隅などで見られるそうですが、小石川植物園でも半日陰に植えてあります。

オドリコソウの花
千代田区皇居東御苑
  2012.4.12 北澤美代子撮影       

オドリコソウの群生
板橋区立赤塚植物園 2012.4.29 
北澤美代子撮影
撮影者 岩田忠利 撮影日 2011.12.11
06 葉のつけ根寄りが一番幅広い、トキリマメ(吐切豆)の実
所在地 横浜市青葉区寺家町「寺家ふるさと村」里山の道端
科・属など マメ科タンキリマメ属 つる性多年草
見どころ

黄色の蝶形の花です
県立四季の森公園で2012.8.2撮影
 別名:オオバタンキリマメ。つる性多年草、茎は長くのび他物にからみつきます。葉は互生し長い葉柄を持った3出複葉。花期は6〜9月黄色の蝶形の花が咲きます。豆果は長楕円形の赤いサヤができ、弾けて袋の中から2つの黒いタネが飛び出し、タネは袋の外枠にぶらさがったような形になります。よく似ているものにタンキリマメ(痰切豆)がありますが、葉っぱで見分けられます。【トキリマメ(吐切豆)】は、葉っぱはタンキリマメより薄く、葉っぱのつけ根寄りに一番幅の広いところがある。枝葉の毛はタンキリマメより少ない。【タンキリマメ】の葉は、上半部の幅が広く、毛が多い。
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2011.12.12
10庭に咲いていました!  マツバギク(松葉菊)の花
所在地 横浜市港北区箕輪町2丁目 民家の庭:
科・属など ツルナ科ランプランサス(マツバギク)属 常緑多年草
見どころ  南アフリカ原産。キクの仲間ではなく「ツルナ科」の常緑多年草です。葉は多肉質で茎を這わせます。花は春から夏にかけ長期間、開花を繰り返します。花は花弁が紫色で、やや光沢があり日中だけ開いて夜は閉じています。葉は松葉のように棒状で、キクをイメージさせるような形の花を咲かせるので「マツバギク」の名前がありますが、キクの仲間ではありません。花の大きさは2〜5センチで色はピンク、白、オレンジ、黄色、紫、赤など、じつに多彩だそうです。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.5.21
11 冬の花壇を飾る、ハボタン(葉牡丹)の葉と花
所在地 横浜市港北区箕輪町2丁目 民家の庭:
科・属など アブラナ科アブラナ属 多年草
見どころ

ハボタンの花  
2012.4.17 緑区寺山町民家の庭
石川佐智子撮
 ヨーロッパ原産。17世紀に渡来。キャベツやブロッコリーの仲間です。葉はキャベツにそっくり。「花キャベツ」という別名もあります。 アブラナ科の多年草。園芸植物として鮮やかな葉を鑑賞しますが、観葉植物より一年草の草花として扱われることが多いです。名前の由来は、葉を牡丹の花に見立てたものです。花は黄色で4〜5月に開花しますが、近年は薹が立って(節が伸びて)葉の密集した形態が崩れた状態を好む人もあります。 また、多年草として育てれば樹木のような枝を出し、それぞれの枝の先端にハボタンがついた姿(踊りハボタン)となります。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.12.16
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35 白い蝶が舞うような姿、ヤマモモソウ(山桃草)の花 
所在地 川崎市中原区下小田中 江川せせらぎ遊歩道
科・属など アカバナ科ガウラ属 多年草
見どころ  別名:ハクチョウソウ(白蝶草)。帰化植物で北アメリカ原産の多年草です。明治時代の中ごろ渡来しました。白または淡桃色の花を多数つけます。草丈は1メートルくらいになるそうですが、葉は私が撮影したときは枯れて分りませんでした。開花期は5〜10月ころです。花径は2センチくらいで、白い蝶の姿に見えました。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.12..25
19 ボタンのような形の花、ヨモギギク(蓬菊)の花
所在地 東京都小平市中島町21−1 都立薬用植物園
科・属など キク科タナセツム属 宿根多年草
見どころ  原産地はシベリアやヨーロッパ です。キク科タナセツム属の多年草です。別名:タンジー。草丈は80〜150センチあり、花は7〜10月頃に茎頂に枝別れした花柄を数個伸ばして、黄色の頭状花(1センチ)を平らな散房花序につけキク科に多い回りの舌状花はありません。昔はハーブとして食用されましたが、有害成分を含んでいることが分かったため、現在では、食用として用いず、黄色の染料や、駆虫剤、切り花、ドライフラワー、庭植え、鉢植えに用いています。8月頃の開花期に頭花だけを採取して、風通しの良い場所で陰干しにして乾燥させます。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.12.18
14 グリーンとホワイトは栽培方法の違いによる、 アスパラガスの新芽と花と実

アスパラガスの花
所在地 横浜市港北区綱島西4丁目 早渕川土手
科・属など ユリ科アスパラガス属 多年草
見どころ  和名はオランダキジカクシ(阿蘭陀雉隠)・オランダウド(阿蘭陀独活)・マツバウド(松葉独活)といわれ、成長すると細かく切れた葉に見える枝が、キジが隠れることができるほど生い茂ることに由来しています。アスパラガスは雌雄異株で雄木は雄花を、雌木は雌花を咲かせ赤い実を付けます。花は2〜3ミリの淡黄色の小花です。原産は地中海沿岸で古代ギリシャ時代から栽培されていました。日本には江戸時代にオランダ人によって伝えられ、主に鑑賞用でしたが、食用として導入されたのは明治時代です。そして本格的な栽培が始まったのは大正時代からで、昭和40年代以降はグリーンアスパラガスが主流となりました。
 
 グリーンとホワイトの差は栽培方法にあり、品種の違いではありません。ホワイトは若芽に光が当たらないように、高さ25センチほど盛り土をして、芽が地上に出ないうちに根もとから切り取るので黄白色です。光を当てて育てれば、グリーンアスパラガスになります。緑色が濃く、穂先までしっかり締まったものがおいしく、切り口がみずみずしいものは新鮮です。料理法はいろいろありますが、塩ゆでや、肉やベーコン巻がポプユラーでしょうか? 高血圧を予防するアスパラギンを豊富に含んでいます。たんぱく質の多い健康食品で、 グリーンの方はビタミンB2、カロチン、食物繊維も豊富です。アスパラガスの旬は、地域によって違いますが、露地物は5月から6月が最盛期です。

グリーンアスパラガスの新芽

珍しいアスパラガスの実
2011.9.26 綱島西6丁目の畑
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.5.11
32 トゲがある、サルトリイバラ(猿捕茨)の葉、実、花

所在地 横浜市港北区新羽町の遊歩道近くの山道 
科・属など サルトリイバラ科(またはユリ科)多年生つる植物
見どころ  

2010.12.4 撮影
港北区綱島西 綱島小学校校庭

サルトリイバラの花
港北区新吉田町の山道
2012.4.17 八城幸子撮影

 別名:サンキライ(山帰来)サルトリイバラ科の多年生蔓植物で、クリスマス飾りや、生花の材料としても使われます。這うように伸び、茎は硬く緑色でトゲが所々に生えています。棘にサルが引っかかってしまうという意味で名付けられたようです。葉は互生し、円形または広楕円形で先端が尖り、表面には光沢があります。西日本では柏餅のカシワの代用とされます。雌雄異株で、4〜5月になると葉腋より散形花序を伸ばし多数の淡黄の花を付けます。

 学校の周りの植え込みの中にひときわ赤く色づいた葉がありました。
撮影者 八城幸子 撮影日 2011.12..22
23 苔むした樹幹などに生える、ヒメノキシノブ(姫軒忍)
所在地 神奈川県足柄下郡箱根町強羅の山道付近
科・属など ウラボシ科ノキシノブ属 常緑の着生植物
見どころ  山中の苔むした樹幹などに生えるウラボシ科ノキシノブ属。常緑の着生植物で、根茎(こんけい)は長く這い、葉はまばらに出ます。ノキシノブに似ていますが、こちらは葉が3〜8cmと小さく、葉の先が丸く、線形〜線状へら形で、葉柄があります。名前の由来は、山地の岩上、樹幹で見られますが、民家などの軒下にも、繁殖するという意味からで、そのノキシノブ(軒忍)に似て小型であることから、姫軒忍と名付けられました。
撮影者 八城幸子 撮影日 2011.12.13

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01 ムサシアブミ(武蔵鐙)の実、花茎の芽吹き、葉、花


2012.4.8 ムサシアブミの花
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内
科・属など サトイモ科テンナンショウ属 多年草
見どころ  
 サトイモ科の多年草です。葉柄は高さ15〜30センチ。葉柄の間から葉よりやや低い花茎をだし、仏炎苞に包まれた肉穂花序をつけます。私の見たときは、赤い実は20センチくらいの大きさなので重くて倒れていました。花期は3〜5月。珍しいので撮影しました。名前は、仏炎苞と呼ばれる花に該当する部分が、馬に載る時に足をかけるアブミ(鐙)に似ることから付けられました。

花茎の芽吹き 2012.3.22
自然教育園で
 

ムサシアブミの葉
2012.4.28 自然教育園
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.12.13
04 幹が柔軟で鬼でも縛ることができる、オニシバリ(鬼縛り)

枝葉はチンチョウゲだが、花の色が黄色
所在地 東京都品川区荏原 星薬科大学薬用植物園
科・属など ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属 小低木
見どころ

5〜8月に約1センチの赤い実が生る
 どなたが植物の名前を付けるのか、いつも感心したり、笑ったりします。別名:夏坊主。植物の特性をじつに的確に表すそのネーミングには脱帽です。ジンチョウゲの木は確かに柔軟です。その柔らかさを縄に例え、頑健で暴れ者の鬼でも縛ることができるとの表現は、笑わせてくれます。二度と忘れません。また、他の植物が葉を茂らせる夏、このオニシバリだけは落葉する。その特徴と姿をとらえて「夏坊主」と別名を授けたのも傑作ですね。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.3.14
05 皆が振り返って見るから、ミカエリソウ(見返り草)の花
所在地 神奈川県箱根町仙石原817 箱根湿生花園内 
科・属など シソ科テンニンソウ属 小低木
見どころ  花がきれいなので、皆が振り返って見るから、ミカエリソウ別名;糸掛草高さ40〜100センチになります。葉は単葉で対生、楕円形または卵状楕円形で、長さ15センチ、幅10センチ。縁は鋸歯があり、葉先は尖っています。裏面は茎とともに星状毛を密生しています。9〜10月、茎の先に細長い花穂を出し、淡紅紫色の花を多数咲かせます。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2010.10.14
09 家畜の飼料にもなる、シナガワハギ(品川萩)

シナガワハギの花と茎葉
所在地 東京都小平市中島町21−1 都立薬用植物園
科・属など マメ科シナガワハギ属 1年草
見どころ  ユーラシア原産の帰化植物。草丈は30〜100センチくらいです。葉は互生で 3出複葉、小葉は長さ1〜4センチの長楕円形、縁には鋸歯があります。夏〜秋にかけ 長さ3〜4ミリの小さい黄色の蝶形の花を密につけます。この草は根に根粒菌が共生しており、空気中から窒素を取り込むことができるので緑肥として使われます。民間薬的には、葉を乾燥させて、消化不良や頭痛、不眠症、筋肉の硬直を緩和させるハーブティーとして利用されています。江戸時代に東京の品川に野生していたので、「シナガワハギ」と命名されたと言われています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.6.24
40 グラウンドカバーに最適な、ワイヤープランツ
所在地 東京都品川区荏原3丁目 民家の周囲
科・属など タデ科ミューレンベッキア属 匍匐性常緑低木
見どころ  タデ科ミューレンベッキア属。原産はニュージランド。あちらでは、れっきとした野草でしょうが、まだ、日本では物珍しい観葉植物です。武蔵小山駅前から続く“東洋一のアーケード街”を通り抜けた住宅街の民家の周囲にこの寒い中、すこぶる元気な植物が目に留まりました。細い針金のような茎から1センチほどの小さい丸い葉をたくさんつけています。まだ生長しているようで、若葉も見えます。インターネットの先生に尋ね、上記の名前が分かりました。この家の前の道沿い、6メートルほどはワイヤープランツが茂り、地面一面を覆っています。グラウンドカバーに適したこの植物も、やがて帰化植物として日本に定着する日もそう遠くないことでしょう。 
撮影者 岩田忠利 撮影日 2011.12..28
36 ハナイソギク(花磯菊)の花
所在地 川崎市中原区下小田中 江川せせらぎ遊歩道
科・属など キク科キク属 多年草
見どころ  黄色いイソギクと栽培種の菊が自然交配したものと言われてる。花以外の外見からは、イソギクと区別をつけるのは難しいです。イソギクの花は黄色の筒状花だけが集まった頭花ですが、ハナイソギクの頭花の周辺部には白色の舌状花があることで、両者を区別することができます。花期は10〜11月。草丈は20〜40センチの多年草です。葉は互生し倒披針形で厚く表面に腺点があり、裏面には銀白色の毛が密生するため葉っぱの縁が白く見えます。
 ※イソギクの花は1ページNO.21に掲載されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.12..25
37 ぜひ見せたい美しさ、ミセバヤ(見せばや)の花
所在地 横浜市港北区新吉田東5丁目 民家の庭  
科・属など ベンケイソウ科キリンソウ属 多年草
見どころ  別名:タマノオ(玉の緒)。ベンケイソウ科の多年草です。花は魅力があり、古くから観賞用に栽培されていました。10月から11月に小さな淡紅色の花が、多数球状に集まり散房状に咲きます。花茎が垂れ下がるので吊り鉢にしても楽しめます。多肉植物の仲間ですが、とても丈夫で露地でも栽培ができます。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2011.12..26
33 ビタミンCの豊富な人気野菜、ブロッコリーの花
所在地 横浜市港北区新羽町の遊歩道近くの畑 
科・属など アブラナ科の緑黄色野菜
見どころ  アブラナ科の緑黄色野菜。地中海沿岸の原産で、食用とするのは蕾の状態の花序と茎です。収穫せずに栽培を続けると巨大になった花序に多数の黄色やクリーム色の花をつけます。明治時代の初期に渡来したと言われ、和名はミドリハナヤサイ(緑花椰菜)、メハナヤサイ(芽花椰菜)です。ブロッコリーはカリフラワーの変種で、カリフラワーの方が人類に栽培される以前の原種に近い植物といわれています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2011.12..22

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34 葉より栄養価が高い、ニラ(韮)の種と花
ニラの種
所在地 横浜市港北区新羽町の遊歩道近くの畑 
科・属など ネギ科(ユリ科)ネギ属 多年草緑黄色野菜
見どころ  

清楚なニラの花
2011.12.7 北澤美代子撮影
港北区綱島西 道路脇プランター
 ユリ科ネギ属の多年草の緑黄色野菜。栄養価が高く、スタミナがつく食材として利用されています。代謝機能、免疫機能を高め、疲労回復に役立つとされます。また、整腸作用があり、昔から胃腸(特に下痢)に効く野菜として親しまれ、症状が重い時はニラの煮汁を飲んでも効果があります。韮種は、精力減退だけでなく、尿漏れや頻尿に良いとも言われています。
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2011.12..22
28 葉がドクダミに似た蔓性植物、ツルドクダミ(蔓毒痛)の葉
所在地 東京都文京区白山 3-7-1 小石川植物園
科・属など タデ科つる性多年草
見どころ  別名:カシュウ(何首鳥)。.「ドクダミ」という名が付いていますが、ドクダミ科ではなくタデ科です。写真のように小石川植物園のフェンスに何本ものつるが絡み付き、這い登っています。相当強い植物のようです。中国ではこの根を煎じて飲んだ親子3代が共に長生きしたという伝説「何首鳥伝」があり、ツルドクダミが広まったそうです。日本でも江戸時代に導入され、全国各地に自生しています。この根を乾燥させ、煎じて飲むと便秘や高血圧などに確かに効くそうです。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2011.12.11
29 綿毛で種を飛ばす、シュウメイギク(秋明菊)の花と実

所在地 横浜市新吉田町 民家の庭
科・属など キンポウゲ科イチリンソウ属 多年草
見どころ 別名:キブネギク(貴船菊)。キンポウゲ科。本州、四国、九州の山野や里山に自生し毎年花を咲かせる宿根草です。日本原産ではなく、古い時代に中国からやってきて、野生化したものと言われています。別名のキブネギク(貴船菊)は京都の貴船で多く見られたことに由来します。開花期は8月〜10月ですが、今の季節でも見かけられます。
撮影者 八城幸子 撮影日 2011.12.21
17 美しい青紫色のオオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)の花


2012.2.24 慶應日吉キャンパス
撮影:岩田忠利
所在地 横浜市港北区綱島上町、鶴見川と早渕川の合流地点の河川敷  
科・属など ゴマノハグサ科クワガタソウ属 越年草(二年草) 
見どころ

港北区綱島上町 鶴見川河川敷
    撮影日 2012.3.11
 ゴマノハグサ科クワガタソウ属の越年草です。別名:瑠璃唐草。ヨーロッパ原産の帰化植物。路傍や畑の畦道などに見られる雑草で、一日花です。大抵は早春に群れて咲きますが、今の時期に咲くのは少し早過ぎ? 名前のフグリとは陰嚢のことで、実の形が雄犬のそれに似ていることから、この名前が付きましたが、これは近縁「イヌノフグリ」に対してつけられたもので、「オオイヌノフグリ」の果実はそれほど似ていないそうです。

 厳しい寒さがようやく去ったのか、きょう(2月24日)ポカポカ陽気に誘われて慶應のキャンパスへ散歩に出たら、タンポポ、オオイヌノフグリ、ハルノゲシ、この早春の花3種と出合いました。毎年この花なら見ていましたが、「オオイヌノフグリ」というヤツとは知りませんでしたぁ〜。(岩田忠利)
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2011.12.17
18 色鮮やかな花、トウワタ(唐綿) の花
所在地 東京都小平市中島町21−1 都立薬用植物園
科・属など ガガイモ科トウワタ属  一年草
見どころ 南アメリカ原産の一年草です。江戸末期に渡来しました。草丈は70センチほど。トウワタという名は和名で、トウは中国の唐を意味し、ワタは、この花の種にはタンポポのように綿毛が付いているところから名付けられたようです。
 ※上記に「フウセントウワタ」の実が掲載されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.12.18

2011.12.14〜12.28 掲載40種

12 シダの仲間、オオバイノモトソウ(大葉井の許草)の葉
所在地 東京都文京区白山 3-7-1 小石川植物園
科・属など イノモトソウ科イノモトソウ属 常緑シダ類
見どころ  常緑多年草のイノモトソウ科イノモトソウ属。関東以西の人里近くの山地に普通に見られる常緑性のシダの仲間です。石垣で囲った井戸のそばによく生えていることからこの名が付いたそうです。この草を見て、私はすぐに小学生の頃を思い出しました。
 当時毎朝の私の日課は、石垣で囲まれた家の前の道を竹ホウキで掃くことでした。今でもヘビと聞くと身の毛がよだつほど大嫌い……。あるとき、大〜きなヘビが掃除する私の目の前を道を横切り、わが家の石垣の間に生い茂るイノモトソウの陰にスルスルと消えたのです。以来、そこは“恐怖の難所”。きょうもまだ、いるかも……戦々恐々。掃くときは息を止め、急いでホウキの先を動かす毎日でした。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2011.12.11
13 この植物の根が漢方薬の生薬「当帰」となって、和名もトウキ(当帰)その葉と花
所在地 東京都文京区白山 3-7-1 小石川植物園
科・属など セリ科シシウド属 多年草
見どころ  

トウキの花 2012.5.16
星薬科大学薬用植物園
 セリ科シシウド属の多年草。古くから貧血、冷え性などの婦人病に効くことから奈良県の大深地方で栽培され、またの名を「オオブカトウキ」や「ヤマトトウキ」とも呼ぶそうです。その名の由来は病人に与えると回復して健康に帰る「当に帰る」との意味とか。 薬用植物として各地で栽培され、ミヤマトウキ 、 ホッカイトウキ 、 ヒュウガトウキ があり、みな同じ仲間。花は白い小粒の花で線香花火のように美しいものです。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2011.12.11
31 ドライフラワーにも使う、ヤマノイモ(山野芋) 別名:ジネンジョ(自然薯)、ヤマイモ

雌花に付いた裂果

ムカゴ
所在地 横浜市港北区新羽町の遊歩道近くの山道 
科・属など ヤマノイモ科ヤマノイモ属 多年草 
見どころ
 州から四国・九州および、朝鮮半島、中国に分布する雌雄異株のつる植物で、細長いハート形の葉を持ちます。よく似ているオニドコロの葉のつきかたは互生で、ヤマノイモの葉のつきかたは対生です。
 ※オニドコロニの葉は、3ページNO.34に掲載されています。夏には葉腋から穂状の花序を付けます。
 果実は特徴があり、雌花は、「さく果」と呼ばれる大きな三つの軍配状の羽根ができ、この中に種ができます。種子のほかに、葉腋に発生するムカゴによって増殖します。(オニドコロにはムカゴはできないので区別できます)

雄花
港北区新吉田町の山道
  2012..7..14

雌花
港北区新吉田町の山道
  2012..8.24
 
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2011.12..22
22 古来から和歌などにも登場する、シノブ(忍)
所在地 横浜市都筑区新栄町 「せせらぎ公園」
科・属など シノブ科夏緑性多年草「シノブ」、常緑多年草「トキワシノブ」
見どころ  シノブ科夏緑性多年草「シノブ」、常緑多年草「トキワシノブ」。北海道の一部から琉球にかけて、国外では朝鮮南部、中国、台湾に分布します。山地の森林内の樹木などに着生しますが、古くから丸く固めたものにシノブを這わせ、紐で吊るせるようにしたものを「シノブ玉」と呼び、観賞の対象として栽培されました。「堪え忍ぶ」性質が強いため、名前の由来になっています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2011.12.13
24 ドイツ人が初めて採取したハコネシダ(箱根羊歯)の葉
所在地 東京都文京区白山 3-7-1 小石川植物園
科・属など ホウライシダ科ホウライシダ属
見どころ  上のNO.21に幸ちゃんが投稿している観葉植物「ホウライシダ」の仲間、ホウライシダ科ホウライシダ属です。その違いは上記に説明してあるとおり。日本各地に自生する野生シダですが、江戸時代に来日し箱根を世界に紹介したドイツの博物学者ケンペルが箱根で最初に採取したことからその名が付いたそうです。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2011.12.11
26 陽の光に映えて美しい、 カラスムギ(烏麦)の種子 
所在地 横浜市港北区日吉7丁目 鶴見川の土手:
科・属など イネ科カラスムギ属 越年草
見どころ  カラスムギはヨーロッパから西アジアなどの地域を原産とします。草丈は40〜60センチ程度。葉は線形で、10〜30センチの長さです。5〜7月ごろ、円錐花序をだし、緑色の小穂をつけます。また小穂は、長い芒(のぎ)のある2〜3小花で構成されます。カラスムギの効能は、食物繊維などの栄養を豊富に含み総コレステロールを下げ、血糖値を下げるなどの効能が期待されている健康食品です。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.3.13
25 センニンソウに似たコボタンヅル(小牡丹蔓)
所在地 東京都文京区白山 3-7-1 小石川植物園
科・属など キンポウゲ科センニンソウ属 つる性の木本植物
見どころ  キンポウゲ科センニンソウ属だけあって、花がセンニソウとよく似ています。相違点は葉にあり、センニンソウの葉が全縁であるのに対し、先が鋭く尖り、粗い鋸葉があることです。日本の在来種で本州・四国・九州の山野に生えています。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2011.12.11
16 帰化植物、ヒメオドリコソウ(姫踊子草)の花


先端が赤紫色になりかけたところ
所在地 横浜市港北区綱島上町、鶴見川と早渕川の合流地点の河川敷  
科・属など シソ科オドリコソウ属 越年草
見どころ

2012.4.5 ラインダンス(?)中のオドリコソウたち
港北区新羽町杉山神社近くの畑
撮影:八城幸子
 明治中ごろに渡来した帰化植物シソ科オドリコソウ属の越年草です。花の形が,笠をかぶった踊り子の姿を思わせることから付いた名前。葉が茎の先端になるほど赤紫色がかるのが特徴です。群生して、ロゼット姿で冬を越すが、暖かい陽だまりでは、すでに花を開くものも出始めています。この時期、葉の先端まで緑色なので ホトケノザ と間違いやすいです。
 
 ※日本在来種のオドリコソウがこのページのNO.2に載っています。
 
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2011.12.17
27 多摩川の東京・川崎両河川敷で見られる、ハマダイコン(浜大根)の花と葉と実


ハマダイコンの葉
岩田忠利撮影
小石川植物園


ハマダイコンの実
2012.5.23
 横須賀市 観音崎海岸
所在地 東京都大田区多摩川田園調布緑地: 
科・属など アブラナ科ダイコン属 越年草(二年草)
見どころ  
 アブラナ科の越年草です。草丈は30〜60センチ。花期は3〜5月で、花は茎の先端に数個の淡紅紫色から白色の十字花をつけます。12月にはもう咲いていました。海岸近くの砂地などには群生します。ハマダイコン(浜大根)の太さは,人の手の親指程度。ハマダイコンの群生はサクラの咲く頃、多摩川左岸(東京都大田区)で観られるそうです。右岸(川崎市中原区)側はもっとたくさん咲いているとか。

2012.5.1 ハマダイコンの群生
川崎市中原区上丸子 多摩川河川敷
撮影:石川佐智子
 

ハマダイコンの大株(草丈約1.5メートル)
2012.4.28 小石川植物園
岩田忠利撮影
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.12.19
03 実の形が面白い、フウセントウワタ(風船唐綿)の花と果実

フウセントウワタの花と実
所在地 横浜市港北区新吉田町 若雷神社そばの民家
科・属など カガイモ科フウセントウワタ属 常緑小低木多年草
見どころ

フウセントウワタの花と実
港北区大曾根台 民家のフエンス
2021.9.13 大田孝子撮影
 カガイモ(蘿いも)科多年草。別名:フウセンダマノキ南アフリカ原産の多年草です。夏に星形をした白い小花を咲かせ、秋に表面に剛毛を持ち風船のように膨れた果実を付けますが、なぜか、今の時期に花と実を付けています。果実ははじけると白い綿毛の付いた種子が出ます。果実の形が面白いので、切花や生け花等に使われます。
撮影者 八城幸子 撮影日 2011.12.13
07 服に絡みつく、オナモミ(雄菜揉み)の実
所在地 横浜市青葉区寺家町「寺家ふるさと村」田んぼのあぜ道
科・属など キク科オナモミ属 一年草
見どころ  強力な”ひっつき虫”であり、服に絡みつくキク科オナモミ属の1年草です。花は雄花序と雌花序に分かれ、上の方に雄花の集まりが、葉腋に雌花が付きます。農耕文化渡来とともに帰化して来たもの。生薬名:蒼耳(そうじ)・蒼耳子(そうじし)といわれ、風邪の解熱、頭痛、リューマチ等に使われます。果実は、衣服に付きやすいので子供たちがセーター等に、投げ合い附着させて遊んでいます。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2011.12.12
08 山に野生するラッキョウ、ヤマラッキョウ(山辣韮)の花
所在地 神奈川県箱根町仙石原817 箱根湿生花園内  
科・属など ユリ科ネギ属 多年草
見どころ  茎の先端にピンク色の球状の花を たくさんつけます。ユニークな形の、華やかな花が秋の草原を彩ります。地下に細長い球根がありますが食用にはしません。名前の由来は、山に自生し、鱗茎が辣韮の形をしているため。花期は9〜10月です。
※食用にするラッキョウの花が、2ページNO.14に掲載されています。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2010.10.14
38 ビールのホップの仲間、カナムグラ(鉄葎)の実と花

カナムグラの実

カナムグラの雌花拡大
緑色から紫色を帯びて苞の先端は反り返ります 2012.8.26
港北区新吉田町山道
所在地 横浜市港北区綱島東2丁目 やぶ道の際
科・属など クワ科カラハナソウ属 1年草 つる植物
見どころ
 クワ科カラハナソウ属の1年草つる植物です。日本全国、中国、台湾に分布しています。名の由来は、茎の強さが「鉄」で「葎」は茂ることからです。荒れ地や道ばたに生育します。雌雄異株。茎は緑色で長く伸びて、下向きの刺が多数あって、他の物にからまり、右巻きに伸びます。 茎、葉柄、葉面には短く堅い毛が生えていて、手で触るとざらざらします。葉は対生して、長い葉柄に掌状に深く5〜7裂しています。花は夏〜秋にかけて開花して、小型の花が雄花、雌花と別々の株につきます。 雄株は、葉の脇から花茎を出して、その先に淡黄色の小花を密生します。 雌株は、ホップと同じような鱗片のある苞に包まれ、短い穂について垂れ下がります。雌株につく果実は、レンズ状で非常に堅くなっています。

雄雌異株のカナムグラの雄花、5萼片で淡緑色です
2012.7.30 港北区新吉田町で撮影

雄花の拡大
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2011.12..24

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39 根は漢方薬となる、セキショウ(石菖)の葉と花
所在地 東京都大田区田園調布1丁目 多摩川台公園
科・属など サトイモ科ショウブ属 多年草
見どころ

2012.4.10 セキショウの花
県立四季の森公園 
八城幸子撮影
 サトイモ科ショウブ属の常緑草です。本州・四国・九州では小川の縁などに自生し、常緑のため庭の池の端などに植えてあったりします。花期は3〜5月、尾状の淡黄色の花が楽しめます。根を乾燥させて「石菖根」という漢方薬として使われます。「庭石菖」という同じ名前の植物もありますが、これはアヤメ科。むしろ、菖蒲湯に使うショウブ(菖蒲)に近い。
 
撮影者 岩田忠利 撮影日 2011.12..28
30 クレソンで知られる、オランダガラシ(和蘭辛子)


鶴見川河川敷
 撮影日:2012.4.13
北澤美代子撮影
所在地 横浜市港北区新羽町の遊歩道 
科・属など アブラナ科オランダガラシ属 多年草
見どころ  
八王子市片倉町 片倉城址公園
    撮影日2012.4.17 八城幸子撮影
 別名:クレソン。ヨーロッパ原産で、比較的都市近郊の日当たりの良い、渓流沿いの流れのゆるやかな場所や、岸辺に繁茂する多年草の帰化植物です。葉は奇数羽状複葉、5月頃、茎の先に白い小花を咲かせ、その後細いさや状の種子をつけます。明治の初めに在留外人の食用として移入栽培されたとする説と、江戸時代にすでに移入されて栽培されていたとする説があります。
撮影者 八城幸子 撮影日 2011.12..22
20 ミルクをこぼしたような斑模様のオオアザミ(大薊) の葉と花
所在地 東京都小平市中島町21−1 都立薬用植物園
科・属など キク科オオアザミ属 二年草
見どころ

2012.5.19 
昭和薬科大学薬用植物園
 ルクをこぼしたような斑模様の葉のキク科の2年草です。オオアザミの葉には白いまだら模様があり、このまだら模様がミルクのように見え、ミルクが聖母マリアに由来することから別名を「マリアアザミ」と呼ばれるようになったそうです。古代ギリシャ時代からヨ-ロッパでは2000年もの間、効果のあるハーブとして利用されてきました。肝臓を保護するだけでなく、機能を再生する貴重なハーブです。花、葉や根など全てが食用になり、健康食品やサブリメントの原料になるようです。お酒を飲む機会の多い方、肝臓の健康に気になる方にお奨めです。花は5〜6月ごろ、淡紅紫色の頭花を上向きに咲かせます。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.12.18
21 「アジアンタム」と呼ばれる、ホウライシダ(蓬莱羊歯)
所在地 横浜市都筑区新栄町 「せせらぎ公園」
科・属など ホウライシダ科ホウライシダ属 常緑シダ類
見どころ  ホウライシダ科ホウライシダ属の常緑シダ類。葉は、丸いハート型のハコネシダとよく似ていますが、違いは、不規則に切れ込みのある扇形をした小葉が互い違いについていることです。湿った崖や石垣などに生えますが、アジアンタムの名で観葉植物としても栽培されています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2011.12.13
15 赤紫の素朴な花を咲かせる、ミソハギ(禊萩)の花

ミソハギの花の拡大
所在地 横浜市港北区新羽町の畑
科・属など ミソハギ科ミソハギ属 多年草
見どころ  

まとまって咲くミソハギの花
 すっと伸びた枝に赤紫の素朴な花を咲かせるミソハギ科多年草。山野の湿地や水の多い場所に自生します。花期は7〜8月。切り花を仏壇やお墓に供えたことからの名前だそうです。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.7.21