2012.7.23~7.27 掲載20種

06.オレンジが鮮やかな、ヤナギトウワタ(柳唐綿)の花 別名:アスクレピアス
所在地 山梨県八ヶ岳ミヨシペレニアルガーデン
科.属など ガガイモ科 ヤナギトウワタ属 多年草
見どころ

ヤナギトウワタ」の名は、葉がヤナギに似て、種子の冠毛が白い綿に似ているから
北米原産で日本では観賞用として植えられたのが、野生化してあちこちに生えています。アスクレピアスの名前は、ギリシャ神話の医術の神様アスクレピオスに由来します。本属の数種が薬草に用いられたことによります。
 和名のヤナギトウワタは、葉がヤナギに似て、種子の冠毛が白い綿に似ているから付けられました。花は茎の先端付近に散形花序に着けます。典型的な花色は中央部が黄色で、反り返った花弁がオレンジですが、全体的にオレンジのものもよく見かけます。広くてつやのある葉に違和感がありますが、これもネット上でいくつか例があり、個体差の範囲かもしれません。草丈 50センチ~80センチ。花期、6月~9月。
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.7.19

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14.レンゲショウマの仲間ではない、キレンゲショウマ(黄蓮華升麻)
所在地 調布市深大寺南町1-25 調布市野草園
科.属など ユキノシタ科キレンゲショウマ属 1属1種 多年草
見どころ

1属1種のキレンゲショウマの葉
 レンゲショウマはキンポウゲ科ですが、キレンゲショウマ(黄蓮華升麻)はユキノシタ科です。草丈は80~120センチ。葉は円心形で掌状に浅裂し、長さ幅ともに10~20センチ。裂片は三角状で鋸歯があります。対生する苞のわきから柄をだし、集散状に3個ずつ花を開きます。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.7.25

04.フェンス・垣根・アーチなどに絡ませる、アリアケカズラ(有明葛)
所在地 調布市深大寺元町5-31-10 神代植物園公園(温室)
科.属など キョウチクトウ科アラマンダ属 低木
見どころ  基本種のアリアケカズラは南米、ブラジル・ギアナなどの海辺に自生するつる性低木で、葉は長楕円形で基部と先が鋭く尖っています。光沢のある葉は枝先に輪生状に集散し、花の黄色を目だ立たせてくれます。枝先にトランペット状の筒先形の花を3~4個輪生させます。花冠の径は5~10センチほどで、花の筒の内側には紫色の線が何本も走っています。開花期は4~11月までと長く、黄色い大輪の花がよく目立ち、美しいので好んで庭先に植えられフェンス、垣根、アーチなどにからませたり、ブロック塀によりかからせるなど親しまれています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.7.21
19.淡紅色の花が目立ちます! クサアジサイ(草紫陽花)
所在地 調布市深大寺南町1-25 調布市野草園
科.属など ユキノシタ科クサアジサイ属  多年草
見どころ  アジサイ属に近縁な植物です。草丈は30~50センチの多年草。茎は分枝する事はなく垂直に伸び、白色の短毛が生えます。葉は互生して長さ5~10センチの長楕円形、葉縁には鋭い鋸歯があります。7~9月ころ、茎の先に散房状の花序を出し、ひとつの小花序には淡紅色の両性花を10数個つけ、アジサイによく似た花を咲かせます。花びらのように見えるのは装飾花です。アジサイに似ているのでクサアジサイと名付けられました。       
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.7.25
11.和名も別名も無く、学名だけのサルビア・ユンナネンシス(salvia yunnanensis c.h.wright)
花は咲く順序で色が違います
所在地 東京都文京区白山 小石川植物園
科.属など シソ科サルビア属 多年草
見どころ
 草丈約50センチのこの野草をインターネットで問い合わせしてもこの花名だけがなかなか分からず、ヤキモキしました。結局、小石川植物園に電話して画像を送ったところ、インターネットで教えてもらった学名と一致し、表題のとおりとなりました。一口にサルビア属と言っても、900種以上もあるそうですから、私みたいな素人に分かるはずがありませんね。
 この植物は中国原産で、花のつき方がハナハッカに似ています。花の咲き初めは茎も花も淡緑色、徐々に茎と花が紫色に変わります。 
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.7.14

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01.花は綺麗だが、全草覆う鋭いトゲが手袋を貫く要注意外来植物 アメリカオニアザミ
所在地 横浜市緑区寺山町291 県立四季の森公園
科.属など キク科アザミ属の多年草
見どころ
 日当たりのよい道端、野原、河川敷などに生育するヨーロッパ原産の帰化植物。大量の綿毛を飛ばす繁殖力は強く、草丈1㍍~1.5㍍にも生長する。鋭いトゲにおおわれ、そのトゲは手袋を突き抜ける危険なもので“要注意外来植物”)に指定されている。
 わが国では1960年代に北海道で生育が確認され、現在は北海道から本州、四国まで全国に分布している。
 このアメリカオニアザミにとくに悩むのは牧場主。鋭いトゲがあるので家畜や鹿らが食べず、伸び放題……。駆除するにも手袋をも貫くトゲで手に負えず、野放し状態。その対策に苦慮しているそうです。
 ※ノアザミ(野薊)の花が26ページ№02に載っています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.7.15
16.千鳥のように見える白い小花を穂状に咲かせる、ミズチドリ(水千鳥)
所在地 神奈川県箱根町仙石原 箱根湿生花園
科.属など ラン科ツレサギソウ属 多年草
見どころ

ミズチドリ花の拡大
 北海道から九州の湿原に生育しています。原産地は日本、中国。芳香があるので、ジャコウチドリ(麝香千鳥)とも呼ばれます。緑色の葉は、線状被針形で互生して茎につきます。草丈は、50~100センチ。6月から7月ごろ、長い穂状花序をだし、白色の花を咲かせます。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.7.25
08.小さな両性花と装飾花からなる、ノリウツギ(糊空木)
所在地 山梨県大泉町 八ヶ岳倶楽部の雑木林
科.属など ユキノシタ科アジサイ属 落葉低木
見どころ  北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の林縁などに自生します。ノリウツギは日本原産のアジサイ属のなかで唯一、円錐形の花序をもつ落葉低木です。先端がやや倒れて他の木により掛かり、つる植物のように見えることもあります。  花期は7月から9月で、枝の先に白色の小さな両性花が円錐状に多数つき、その中に花弁4枚の装飾花が混ざります。葉は葉柄があり、枝に対生し、葉の形は卵形から楕円形、縁は鋸歯状です。和名「糊空木」は、樹皮に含まれる粘液を和紙を漉く際の糊料として使用したからです。
 ※同じノリウツギの花が、木花-Worldの5ページNO.22に載っています。 
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.7.19
07.夏に小さな白花を多数咲かせる細葉、マウンテンミントの花

茎頭に白花を咲かせるマウンテンミン
所在地 山梨県八ヶ岳ミヨシペレニアルガーデン
科.属など シソ科ピクナンテムム属 耐寒性多年草
見どころ
 八ヶ岳の植物園で、案内人の方が、珍しいい花といわれ別の場所に案内してくださり、清楚な花と覚えています。北米原産の耐寒性多年草。ミントとは別種で、マウンテンミントは上部に密に白花を咲かせる、細葉タイプの美しい品種です。草丈は 60センチ~100センチで、細長い葉にはミントのような爽やかな香りがあります。花期7月~10月。

マウンテンミントの実 
東京都薬用植物園 2012.8.23
花は地味ですが、実の形はおもしろい
八城幸子撮影
 
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.7.19
15.茎先に黄色い小花がまとって咲く、クサレダマ(草連玉) 別名:イオウソウ(硫黄草)

クサレダマ花の拡大
所在地 神奈川県箱根町仙石原 箱根湿生花園
科.属など サクラソウ科オカトラノオ属 多年草  
見どころ
 日本では、北海道、本州、九州に分布し、山中の湿地、草地に生育します。地下茎は、長く伸び、茎はほとんど分枝しないで直立します。葉は先が尖る細長い被針形で4~12センチの長さ。対生または3~4枚の輪生になります。花径は約1.5センチの鮮やかな黄色の花が茎の先にたくさんまとまり、円錐状につきます。花期は7~8月。名前の由来はマメ科のレダマ(連玉)の木の花に似てるからクサレダマ(草連玉)。  

美しい実が生っていました
 2012.10.4 箱根湿生花園
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.7.25
05.見馴れた畑の雑草、スベリヒユ(滑り莧) 別名:イハイズル(い這い蔓)
所在地 横浜市港北区綱島西5丁目の畑
科.属など スベリヒユ科スベリヒユ属 1年草
見どころ
日本全国の畑や道端に生育しています。茎は赤紫色を帯び、地を這って分枝、葉は長円形の肉質で互生します。枝先に7~8ミリの黄色の小さな花を咲かせます。花は晴天の日の午前中だけ開花するという。果実は熟すと上下に割れる蓋果で、黒色の種子がこぼれ落ちます。
 昔から食用にされていたようで、おひたしなどに利用されます。茹でると粘液がでるので、それがスベリヒユの名前の由来となっているようです。茎葉の元気の良い夏場に全草を採取して、日干しにして乾燥させたものを 生薬)で、「馬歯莧(ばしけん)」といいます。利尿、膀胱炎、肝臓病、肺結核、百日せきなどに薬効があるそうです。花期は7~9月です。

たくさん咲いたスベリヒユの花
新吉田町の畑2012.8.4撮影

茎が赤紫色を帯び、地を這っているこの雑草は子どもの頃から畑などでよく見かけましたね
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.7.23
20.真夏に咲く花、ホウセンカ(鳳仙花)
所在地 横浜市港北区下田1丁目 松の川緑道 空き地
科.属など ツリフネソウ科ツリフネソウ属 1年草
見どころ

実に触れると弾けて種が飛び散ります
藤沢市長久保公園 ハーブ園
2012.9.19 八城幸子撮影
原産地はインド、中国南部です。江戸時代に中国から渡来しました。草丈は30~80センチくらい。葉は長楕円形で鋸歯があり、先端が尖ります。7~9月ごろ、葉腋に赤色やピンク、薄紫色、白色などの花を咲かせます。撮影した花は白い斑点が入っていました。ホウセンカは中国名(鳳仙花)をそのまま音読みにしたものです。花の形を鳳凰が羽ばたいている姿になぞらえて付けられたと言われています。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.7.24
12.地味な花で見失いそうでした、アズマカモメヅル(東鴎蔓)

カモメが舞っているかのような花
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内 
科.属など ガガイモ科カモメヅル属 つる性多年草
見どころ  葉は長さ7~15ミリの柄があり、被針形又は広被針形で長さ4~5センチ、葉腋からのびた花柄の先に、直径7~9ミリの花をほぼ散状につけます。花色はクリーム色です。花期は7~9月でまるでカモメが舞っているかのように見えます。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.7.19
13. 5ミリくらいの小さい花、ママコノシリヌグイ(継子の尻拭い)
所在地 調布市深大寺南町1-25 調布市野草園
科.属など タデ科 イヌタデ属  1年草
見どころ

茎にトゲがあり、ザラザラして痛い!
2012.7.27 自然教育園
 凄まじくイメージの悪い名前が付いています。蔓の長さは1~2メートル。茎は赤みを帯びた部分が多く、四稜があり、稜に沿って逆向きの鋭い棘が並んでいます。茎に逆に付いたトゲは他の植物に刺さり、それを支えに伸びるのだそうです。柄のある三角形の葉が互生し、さらに茎を托葉が囲み、葉柄と葉の裏にも棘があります。花自体は、米粒みたいで、5~10月ごろ、枝先に10個ほどの花が集まって咲きます。花は花被の基部が白色で、先端が桃色。花径は5ミリくらいで可憐です。和名の由来は、継母がこのようなトゲのある草で継子のお尻を拭きたいほど、継子とは憎らしいものなのか? 可愛そうな悪名高い名前です!
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.7.25
03.蝶が舞っているような感じです! クレロデンドロム
所在地 調布市深大寺元町5-31-10 神代植物園公園(温室)
科.属など クマツヅラ科クレロデンドルム(クサギ)属 非耐寒性常緑つる性低木
見どころ
 熱帯アフリカ原産。葉は対生か輪生し、全縁または鋸歯縁です。開花時期は5~11月ごろ 頂生の集散花序につきますが、花序はさらに円錐状あるいは散房状に集まって複合花序をつくります。花は白または紫色です。萼は鐘形か筒状で色づきます。花は、先日私が撮影した「カリガネソウ」の花に似ています。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.7.21
18.舌状の花びら、ニガクサ(苦草)
所在地 調布市深大寺南町1-25 調布市野草園
科.属など シソ科ニガクサ属  多年草
見どころ  野や山の水辺など、湿ったところに生えます。草丈は30~70センチくらい。葉は対生し、長さ5~10センチの卵状長楕円形~広披針形で、先端は鋭くとがり、鋸歯があります。花期は7~9月ころ、枝先に長さ3~10センチの花穂をだし、長さ1センチくらいの淡紅色の花をつけます。上唇は小さくて深く2裂。下唇は3裂し、中央裂片が非常に大きく、舌のように垂れ下がります。萼に腺毛はなく、まばらな短毛のみです。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.7.25
10.花は集散状に付く、ザクロソウ(石榴草)

ザクロソウの花
所在地 東京都八王子市片倉 片倉城址公園そばの畑
科.属など ザクロソウ科ザクロソウ属 1年草
見どころ
 7月~8月頃、本州~九州の道端で小さな花を咲かせますが、花を含め全体がきわめて小さいので見過ごされる事が多いです。高さ10センチ程度で、下部の葉は3~5枚偽輪生し、披針形で長さ2~3センチです。上部の葉はときに対生しやや小さい葉の付け根から、細い柄を伸ばし、その先に直径3ミリくらいの小さな白~黄緑色の花を集散花序につけます。よく似たクルマバザクロソウの花は葉腋(ようえき)に束生(そくせい)します。花びらの様に見えるのはガク片です。名前の由来は葉の形がザクロ(柘榴)の葉を思い起こさせることからきたようです。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.7.23
02.沼に浮く花、アサザ(浅沙)
所在地 調布市深大寺元町5-31-10 神代植物園公園(温室)
科.属など ミツガシワ科アサザ属 多年草 浮葉植物
見どころ  遠くからは花が小さくて撮影出来ませんでした。沼に浮いている黄色の5弁花はところどころに咲いていました。夏から秋にかけて黄色の花を咲かせます。アサザは近年少なくなった水草の一つだそうです。水底に匍匐茎を伸ばし、節から根と葉を出して分布域を広げています。若葉は食用にされることもあるそうです。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.7.21
17.初めて見ました白いワレモコウ、ナガボノシロワレモコウ(長穂ノ白吾亦紅)

ナガボノシロワレモコウの花
所在地 神奈川県箱根町仙石原 箱根湿生花園
科.属など バラ科ワレモコウ属 多年草
見どころ
 北海道・関東地方以北の本州、樺太に分布。中国地方などにも隔離分布しています。湿原や湿性の草原に生育します。湿原に生育する植物は、氷河時代に分布したものが生き残っていることがあり、ナガボノシロワレモコウもその1つだそうですが? 
 地下に太い根茎があり、8月から10月にかけ、高さ1メートルほどの茎に花を付けます。茎の上部は枝分かれして長さ2~5センチ程の花穂を出し、長いものは垂れ下がります。花は先端から咲き始め、白緑色または白色、部分的に赤色を帯び、花弁はありません。萼片は4枚で白色、これが花の色となっています。雄しべは4本で長く、黒い葯が目立ちます。葉は小葉の幅は狭く、三角形の鋸歯があります。

花の拡大
 

ナガボノシロワレモコウの茎葉
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.7.25
09.とにかく葉っぱが目立つ、コニシキソウ(小錦草)
所在地 東京都八王子市片倉 片倉城址公園そばの畑
科.属など トウダイグサ科ニシキソウ属 1年草
見どころ
 北アメリカ原産の帰化植物で、畑や路傍、荒れ地に生育しています。夏、道ばたでよく見かけ、地面をはって広がり、茎から根を出すので、畑や庭では嫌われる雑草です。傷つけると乳液を出し、葉の中心部に赤紫色の斑紋があります。コニシキソウの由来は、ニシキソウ(錦草)の茎葉が錦のように美しく、それより小型なので「小錦草」になりました。葉に明瞭な斑紋があること、植物体に毛が多いことでニシキソウ(錦草)と区別できます。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.7.23