2012.4.04〜4.06 掲載20種

04 他の種類より早く咲く、ナツトウダイグサ(夏灯台草)の花と実
所在地 横浜市緑区寺山町291 県立四季の森公園
科.属など トウダイグサ科トウダイグサ属 多年草
見どころ  
 日本全国に分布し、山地や丘陵に生育しています。夏に咲くトウダイグサという意味だが、実際は春早く4月〜5月ころ咲きます。草丈は20〜40センチ。輪生する5枚の葉の葉腋から5本の散形枝を伸ばします。杯状花序の下の苞葉は、トウダイグサと違って三角状に尖っています。腺体は紅紫色の三日月形で、両端はツノのようです。

 2012.4.25 花の拡大
 

ナツトウダイグサの実
 
緑区寺山町 県立四季の森公園 
2012.5.19 八城幸子撮影
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.4.1
14 名前が和名より一般的な、チンゲンサイ(青梗菜)の花
所在地 横浜市港北区新羽町の畑
科.属など アブラナ科アブラナ属 
見どころ  
 和名タイサイ(体菜)、原産地は中国華南揚子江流域。中国野菜の中でも代表格の身近な野菜のひとつとなっています。中国での呼び名はいろいろありますが、野菜の統一名称が定められ、葉柄が浅緑色のものを「チンゲンサイ」、白色のものを「パクチョイ」と呼ぶようになりました。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.4.5
08 その名もバッチリ! ヤブレガサ(破れ傘)の茎葉
所在地 東京都品川区荏原 星薬科大学薬用植物園
科.属など キク科 ヤブレガサ属 落葉多年草
見どころ
 じつは、「野草-World」を始めた当時からこのヤブレガサにぜひ対面したいと思っていました。野草には滑稽な名前が数多く付いていますが、ヤブレガサほど、傘をすぼめたような姿をズバリ表現しているのは他になく、命名は、まさに秀逸。
 原産地は 日本 朝鮮半島、 花期は夏。葉は円形、掌状に深く裂けています。草丈は70〜120センチ。根は風邪薬になり、新芽は山菜として食べられるそうです。

左の新芽から10日後
2012.4.15 小石川植物園

ヤブレガサの花
県立四季の森公園 2012.5.31
  芽吹きの葉のユーモラスな雰囲気とは大違いで地味な花です。  

 
 
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.4.5
18 最近見ることができなくなった、レンゲソウ(蓮華草)の花

北澤美代子撮影 

白レンゲ 八城幸子撮影
所在地 東京都板橋区赤塚5-17-14 区立赤塚植物園
科.属など マメ科ゲンゲ属 越年草
見どころ

レンゲソウの群生
横浜市緑区新治町 恩田川 小山橋付近の田んぼ
         撮影日 2012.4.20 八城幸子撮影
 
 別名:ゲンゲ、中国原産の帰化植物。日本各地の水田や野原で見ることのできた、一面の美しい紅紫色の蝶形の花は、子供のころの思い出になってしまいました。どこかにまだ咲く場所があるのでしょうか? ぜひ見たいものです。花期は4〜6月です。                  
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.4.5
01 蝶のような形の可憐な花、エンドウ(豌豆)の花
所在地 横浜市港北区箕輪町2丁目 畑
科.属など マメ科エンドウ属 一年草
見どころ

白いエンドウマメの花  
横浜市港北区箕輪町2丁目 畑 2012.4.22
原産地は地中海沿岸 中央アジア〜中東。7〜8世紀にはすでに遣唐使などによって持ち込まれていたようです。サヤエンドウとグリーンピースは江戸時代にヨーロッパからきました。品種改良しやすいという特性があり、メンデルの法則を発見したときの実験に使われた豆だそうです。ビタミンAが多く含まれ、ビタミンAには皮膚や粘膜を健康に保つ作用があります。さらに、えんどう豆は脂質が少ないうえに、たんぱく質を多く含みますので健康食品の一つです。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.4.4

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09 一際目立つ、イノデ(猪手)の新芽のフサフサした毛
所在地 東京都品川区荏原 星薬科大学薬用植物園
科.属など オシダ科イノデ属 常緑シダ植物
見どころ  何と表現していいのか……、そのフサフサした毛は縦横40〜50センチあり、私の目にはなんともグロテスクに映りました。園内でひと際目立ちます。これが、本州〜九州の常緑広葉樹林帯の谷筋などに生えているそうです。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.4.5
10 朝顔ような筒状花、ムラサキケマン(紫華鬘)の花
所在地 東京都品川区荏原 星薬科大学薬用植物園
科.属など ケマンソウ科キケマン属 一年草
見どころ  野原や畦道などのやや湿っぽい草地に生えている普通の野草です。原産地は日本、中国、台湾 。草丈は30〜50センチ。一つの花茎から小花が多数出ますが、それぞれの小花が重ならないように少しずつずれて咲いています。小花は赤紫色の朝顔を萎んで小さくなったような筒状花ですが、先端が濃紅色になっています。 茎は緑色で直立し、断面は五角形をしています。この幾何学的な形をお寺で飾る装飾具であるケマン(華鬘)に見立てた和名です。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.4.5
19 花が終わるとツル状に伸びる、カキドオシ(垣通し)の花
所在地 東京都板橋区赤塚5-17-14 区立赤塚植物園
科.属など シソ科カキドオシ属 多年草
見どころ  

カキドオシの群生    神代水生植物園  2012.4.14 北澤美代子撮影
 別名:カントリソウ、全国に分布し、畑の畦や林縁、果樹園、堤防などに生育します。春、茎は立ち上がって葉腋に淡紫色の花を咲かせます。花の花冠は長さ15〜25ミリで、幅が広く、下唇には複雑な紋様があります。花期は4月〜5月。花が終わると、やがて茎は伸び上がってツル状になります。このツル状の茎が隣から垣根を通して侵入してくるとの意味が和名となっています。葉は対生し、比較的長い葉柄があり、葉柄と茎にはやや下向きの毛があります。葉は円腎形で幅は数センチ。ほぼ円頭の鋸歯が取り巻いています。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.4.5
05 葉のつきかたに特徴がある、トウダイグサ(燈台草)の花
所在地 横浜市港北区新羽町の畑の縁
科.属など トウダイグサ科 トウダイグサ属 二年草
見どころ  

トウダイグサ属のものは、杯状花序(つぼ形の花序)という珍しい花序を持ちます。
つぼのへりには、蜜を分泌する腺体があります。
 本州以南に広く分布し、日当たりのよい荒地や畑などに生える二年草です。茎は長さ3〜4cmで1本立ちとなり、茎の中部に付く葉はヘラ状で互生し、頂端には5枚の葉が輪生します。その中に黄色い花を複数つけます。花の姿が油を入れた皿に灯心をたて、灯を燈した昔の灯台(燈台)に似ていることから付いた名前です。
 ※ナツトウダイグサ(夏灯台草)の花が上記スレッド4に載っています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.4.4
15 さまざまな料理に使える万能選手、コマツナ(小松菜)の花
所在地 横浜市港北区新羽町の畑
科.属など アブラナ科アブラナ属
見どころ
 別名:冬菜、鶯菜、原産地は、南ヨーロッパ。東京江戸川区小松川付近から多く出荷されたのでこの名があるようです。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.4.5
03 二つの花をつけるから、ニリンソウ(二輪草)の花と群生
所在地 板橋区高島平三丁目1 都立赤塚公園
科.属など キンポウゲ科イチリンソウ属 多年草
見どころ

ニリンソウ 花の群生 赤塚公園で
 北海道、本州、四国、九州に分布し、山野に生育します。4〜5月に葉の間から2本の花茎を伸ばし、先に直径1.5〜2センチの花弁のように見える白い萼片5枚の花が咲きます。花は片方が少し小さめです。草丈は15〜25センチ。根元から出る葉は長い柄があり、3つに分かれ、列片はさらに裂けます。茎に付く葉には柄がなく、3枚ずつ輪生します。地下の根茎で繁殖するため、群生することが多いです。
 。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.4.5
12 鮮やかな黄色、キバナハナニラ(黄花花韮)の花
所在地 東京都品川区荏原 星薬科大学薬用植物園
科.属など ユリ科ハナニラ属 多年草
見どころ  ブラジル南部からウルグアイに分布しています。高さは10センチほどになります。鱗茎は球形です。葉は濃緑色で狭線形、5〜12センチの長さ。2月から3月ごろ、鮮やかな黄色い花を咲かせます。花には、3個の外花披片と3個の内花披片があります。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.4.5

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13 帰化植物、セイヨウジュウニヒトエ(西洋十二単)の花
所在地 横浜市港北区日吉4丁目 慶應大学日吉キャンパス
科.属など シソ科キランソウ属 多年草
見どころ  原産地は北ヨーロッパ。最初は観賞用や水田の畦を被うために導入されましたが、1970年代から各地に野生化しています。私は広い慶應キャンパス内でたった一本だけ見つけました。葉は対生し、倒披針形で、縁に浅い鋸歯があります。根生葉は長い柄があり、頂部に高さ約30センチの花茎を出し、対生する葉状の苞の脇に青紫色の唇形花を多数、穂状につけています。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.4.5
07 葉は春と秋二度出て9月の葉の花茎に花序をつける、ツルボ
所在地 横浜市港北区日吉4丁目 慶應大学日吉キャンパス
科.属など ユリ科ツルボ属 多年草
見どころ
 日当たりの良い斜面の一角に、やや肉厚の線形の葉をひと塊にしたツルボの株が群生していました。北海道から沖縄と生育地は広く、海岸から山地と育つ環境も広い野草。蔓のような花穂をつけることが名前の由来のようですが、確かではなく、穂 が連なるという意味でツラホが転じたとの説もあります。
 写真左のように9月の新しい茎葉に長さ4〜7センチの花序をつけ、淡紫色の花をたくさんつけます。
 
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.4.2
17 白いブラシ状の花、ヒトリシズカ(一人静)の花
所在地 東京都板橋区赤塚5-17-14 区立赤塚植物園
科.属など センリョウ科チャラン属 多年草
見どころ  

ヒトリシズカの大株
2012.4.21 星薬科大学薬用植物園
岩田忠利撮影
 別名:ヨシノゴゼン(吉野御前)、山野の樹陰などに生え、 茎の色が紫褐色 、高さは10〜30センチ位。葉は4枚が輪生状に付き光沢があり、縁には鋸歯があります。花期は4〜5月で 白いブラシ状の変わった花を一つ咲かせます。花弁や萼がなく、白い糸状に見える部分は雄しべです。名前は、源義経が愛した「静御前( しずかごぜん)」という女性が 一人で舞っている姿に見立てたことからです。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.4.5

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02 チャルメラに似ているから、チャルメルソウ(哨吶草)の花
所在地 神奈川県津久井郡城山町川尻4307 城山かたくりの里
科.属など ユキノシタ科チャルメルソウ属 多年草
見どころ  本州(中部,近畿,中国)、九州に分布し、山地の渓流沿いの湿り気のあるところに生育します。根性葉は広卵形または卵形。花茎は高さ30〜50センチになり、先端に径7〜8ミリの黄緑色の花を多数つけます。雄しべは花弁の基部につきます。果実は広鐘形で開口し、長楕円形の種子があります。花期は4〜6月です。チャルメルソウは小チャルメルソウと形や開花時期など似ていますが、花茎が少し長めです。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.4.14
11 葉の形、花の色、香りが他と異なる、ヒゴスミレ(肥後菫)の花
所在地 東京都品川区荏原 星薬科大学薬用植物園
科.属など スミレ科スミレ属 多年草
見どころ  原産地は日本の東北地方南部以南。開花は4〜5月。花の色は白色。草丈10〜20センチ。山地の林の下で、やや湿った所を好みます。花は良い香りがします。大きな特徴は、葉がギザギザに細かく切れ込んでいることです。これと同じ仲間にエイザンスミレがあります。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.4.5
20 よく知られている山菜の一つ、ワラビ(蕨)の若芽と葉

山菜となるワラビの若芽
     赤塚植物園  2012.4.5
所在地 東京都板橋区赤塚5-17-14 区立赤塚植物園
科.属など コバノイシカグマ科ワラビ属 シダ植物
見どころ

ワラビの葉
県立四季の森公園  2012.4.25
 草原、谷地、原野などの日当たりのよいところに群生しています。春から初夏にまだ葉の開いていない若芽(葉)を採取し、食用にするほか、根茎から取れるデンプンを「ワラビ粉」として利用されていました。毒性があるため生のままでは食用にできないので、あく抜きが必要です。近年ワラビの採取も思うようにできなくなり、身近な山菜でもなくなりつつあるようです。
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.4.5
06 さまざまな名前で呼ばれている、ソラマメ(空豆)の花と実


ソラマメの実
港北区新羽町の畑  2012.5.13
所在地 横浜市港北区新羽町の畑
科.属など マメ科ソラマメ属
見どころ  古くから世界各地で栽培され、食用にされている豆で、日本に渡来したのは奈良時代。インド人の僧ボダイセンナが中国を経て渡来した時に持参し、それを日本の遊行僧の行基(ぎょうき)という人物が各地に紹介したという話です。
 別名:ノラマメ(野良豆)、ナツマメ(夏豆)、テンマメ(天豆)、シガツマメ(四月豆)と呼ばれています。和名の由来は、豆果(さや)が空に向かってつくため「空豆」、または蚕を飼う初夏に食べ、さやの形が蚕に似ていることから「蚕豆」という字があてられたようです。花期は3月から4月で直径3センチほどで薄い紫の花弁に黒色の斑紋のある白い花を咲かせます。収穫は5月頃からで、長さ10〜30センチほどのサヤには3、4個の種が含まれています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.4.4
16 遠目でコマツナと見間違えた、ハクサイ(白菜)の花 
所在地 横浜市港北区新羽町の畑
科.属など アブラナ科アブラナ属
見どころ
 原産地は中国北部。花が咲く前に収穫されてしまうので、この花はめったに見られません。アブラナ科は花弁数が4枚で、4枚の花弁が十字架のように見えることから、昔は十字花科とも呼ばれていました。花の色、形は同じようでも、それぞれ種は違って別の野菜になるのが不思議ですね。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.4.5