02 ツバメが飛んでいるように見える、ヒエンソウ(飛燕草)の花 別名:チドリソウ(千鳥草) 
所在地 横浜市港北区新吉田町 畑の畔
科.属など キンポウゲ科 ヒエンソウ属 1年草(宿根草)
見どころ
 ヨーロッパの南部が原産です。麦畑やトウモロコシ畑、湿り気のあるところなどに生え、茎は直立して高さが50〜100センチになります。葉は掌状に細く裂けます。6月から7月ごろ、茎の先の総状花序に青色や藤色、ローズピンク、白色などの花を咲かせます。名前は、ツバメの飛ぶ姿を思わせるところからつきました。

ヒエンソウの花 (白色)
港北区新吉田町 畑の畔 
 

鮮やかな瑠璃色が際立つヒエンソウの花
山梨県ミヨシペレニアルガーデン
2012.7.19 大田孝子撮影
  ※セリバヒエンソウの花は15ページNO.19に載っています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.5.14
14 センダイハギは草木の2種あり、野草のムラサキセンダイハギ(紫千代萩)
所在地 東京都文京区白山 小石川植物園
科.属など マメ科ムラサキセンダイハギ属 多年草、耐寒性宿根草
見どころ
 原産地は北アメリカ。ムラサキセンダイハギは「紫千代萩」と書き、黄色い花を咲かせる日本原産のセンダイハギ(先代萩)に花の形がよく似ていることからつけられました。また、秋に花を咲かせるハギ(木本)とも違い、ムラサキセンダイハギは草本で春に花を咲かせます。耐寒性、耐暑性があり育てやすく、この日本では木陰でも日向でもすくすく育っています。花が終わると空豆に似た実をつけます。草丈は90〜120センチ、花色が青紫色、花期が5月〜7月。
 
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.5.19
19 大きく膨らんだ特異な形で目につく、ゴウソ(郷麻)の穂
所在地 横浜市緑区寺山町291 県立四季の森公園
科.属など カヤツリグサ科スゲ属の多年生
見どころ  北海道から九州、南西諸島、朝鮮、中国にも分布し、日本全土の畦や湿地に生える、スゲの1つです。高さ40〜70センチで、茎の先に1個の雄小穂、下部に長さ2〜4cmの六角柱状で緑褐色の特異な形の雌小穂を3〜4個吊り下げるため、見分けやすく、比較的親しまれています。細い花茎に大きな穂が付いている状況を魚釣りにたとえ、鯛釣りスゲとの異名もあります。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.5.19
20 鮮やかな青色の花、ツユクサ(露草)の花 

青いツユクサの花

少し淡い青色が混ざった白っぽいツユクサ
所在地 横浜市港北区綱島上町の畑 
科.属など ツユクサ科ツユクサ属 1年草
見どころ  別名は
 ボウシバナ(帽子花) or トンボソウ。日本全土、アジア全域など世界中に広く分布しています。畑の隅や道端で見かけることの多い雑草です。高さは15〜50センチ位で、茎は地面を這い上部は斜めに立ちあがります。6〜9月にかけて1.5〜2センチほどの青い花をつけます。花弁は3枚あり、上の2枚は青く大きいが、下の1枚は白くて小さく目立ちません。雌しべが1本、雄しべが6本あります。アサガオなどと同様、早朝に咲いた花は午後には萎んでしまいます。

青いツユクサの群生 
2012.9.26 綱島上町の畑

固まって咲く白っぽいツユクサ
2012.9.26 新吉田東5丁目早渕川土手
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.6.10
17 葉は無く、細い棒を土に突き刺したような奇妙な格好、ヘビイモ(蛇芋)
所在地 東京都文京区白山 小石川植物園
科.属など サトイモ科サウロマタム属 多年草
見どころ  小石川植物園ではサトイモ科の植物だけを直射日光を避けるためヨシズ張りで囲っています。他のサトイモ科の仲間に混じって「ヘビイモ」と書いた標識があります。葉っぱらしきものは一枚も無く、棒切れが一本立っているだけ。名の由来は、これをヘビに見立てたのだろうか。この細長いものは茎なのか、葉なのか……。ヘビイモに関することは図鑑にもインターネットにもありません。どなた、知っている方、教えてください。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.5.19
10 英名の香草ハーブ「コリアンダー」のほうがお馴染み、コエンドロの花 
所在地 東京都文京区白山 小石川植物園
科.属など セリ科コエンドロ属
見どころ  別名は亀虫草。和名の「コエンドロ」は江戸時代にポルトガルから渡来した頃、ポルトガル語でコリアンダーを意味するコエントロ(Coentro)がなまったもの。もう一つの和名「カメムシソウ(亀虫草)」は、葉や実がカメムシのような強烈な匂いがあることから。英名の「コリアンダー」のほうが私たちにはハーブの香草でおなじみです。地中海沿岸〜西アジア原産。古代エジプトでも薬用、食用として用いられていたそうです。日本では健胃・発汗・去痰などの薬用。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.5.19
11 熟して割けた果実が馬の首にかける鈴に似ていて、ウマノスズクサ(馬の鈴草)

大人の拳ほどの大きさの実
所在地 東京都文京区白山 小石川植物園
科.属など ウマノスズクサ科ウマノスズクサ属
見どころ

草丈は2.5メートルほど。
葉は三角状の卵形で厚みがあり、長さ3〜7センチ
 名前の由来は熟して割けた果実が馬の首にかける鈴に似ていることから。花は先が斜めになったラッパ状をしており、基部の球形のふくらみが特徴です。花弁はなく、長さは3〜6センチで、ガクの内部に逆毛が密生しています。葉は三角状の卵形で厚みがあり、長さ3〜7センチです。食草のウマノスズクサは食虫植物であり、毒があるともいわれています。ウマノスズクサの葉は、ジャコウアゲハというアゲハチョウ科のチョウの食草となっています。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.5.19
12 泡が集まって盛り上がったように例えて、アワモリショウマ(泡盛升麻)の花
所在地 東京都文京区白山 小石川植物園
科.属など ユキノシタ科チダケサシ属の多年草
見どころ  本州近畿以西〜九州の山地の谷川沿いの岩場などに生え、4月から6月に白く小さな花が集房状にたくさん咲きます(円錐花序)。名前の由来は、白い花序を泡が盛り集まったように見立てたもの。別名を「アワモリソウ(泡盛草)」とも呼びます。「升麻(ショウマ)」 とは、根茎を用いた生薬名です。。「升麻(ショウマ)」と名のつく山野草は、赤(あか)升麻、晒菜(さらしな)升麻、大葉(おおば)升麻)、類葉(るいよう)升麻、山吹(やまぶき)升麻、蓮華(れんげ)升麻、鳥足(とりあし)升麻などがあります。
 

アワモリショウマ、ピンクの花
港北区大曾根マンションの庭

2012.5.30 
大田孝子撮影

アワモリショウマ花の群生
左と同じ
 ※トリアシショウマ(鳥足升麻)の花は、23ページNO.18に載っています。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.5.19
03 カンゾウの仲間でより早く花を咲かせる、ヒメカンゾウ(姫萓草)の花
所在地 横浜市港北区新吉田町 畑の畔
科.属など ユリ科 ワスレグサ属の多年草
見どころ
 5月から6月ごろ茎先に花径5〜7センチくらいの黄橙色の花をつけます。花被片は6枚で、“一日花”です。漢名のカンゾウ(萓草)は憂いを忘れる草という意味があるそうです。名の由来は、全体に小型で花の大きさも小さいので、ヒメカンゾウになったようです。自生地は中国の東北部ないしロシアのアムール地方と言われていて、日本では江戸時代から植栽されてきました。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.5.14
15 じつに変わった名前の、ムラサキスズメノオゴケ(紫雀麻小笥 )

ムラサキの名がつくが、
花の色は紫色でなく、赤茶色
所在地 東京都文京区白山 小石川植物園
科.属など ガガイモ科 ◇属名:カモメヅル属
見どころ  

葉は倒卵形で対生、厚みがある。直立した枝先に一つずつ花が付く
 この変わった名前「スズメノオゴケ(雀の麻小笥)」の別名は、「伊予蔓(イヨカズラ)」だそうで、発見された伊予の国、現愛媛県の地名から付けられました。「麻小笥 」とは、麻糸を積み溜める鉢桶のことです。本州、四国、九州、小笠原に分布します。枝先に1つずつ花がつき、それは花径5〜10ミリくらいの淡紅紫色の花です。花冠は5つに裂けて平らに開きます。花の真ん中には、副冠とずい柱と呼ばれる雄しべ・雌しべの集まったものがあります。草丈は30〜60センチくらいで茎は直立。開花時期は5〜6月。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.5.19
09 目立たない雑草ですが、ホウレンソウ(菠薐草)の仲間の、シロザ(白藜)の葉と花
所在地 横浜市港北区新吉田町 畑の畔
科.属など アカザ科アカザ属の一年草
見どころ

シロザの花
 別名はシロアカザ。農耕の伝来とともに帰化したと考えられている植物(史前帰化植物)で、農耕地の周辺や荒れ地、道端などに生える雑草です。草丈は1.5メート程になり、茎は木質化して丈夫です。杖を作ると軽くて丈夫な杖ができるそうです。葉は若葉や葉裏は白い粉粒に覆われ、白っぽく見えます。8月頃から枝先に緑色の花を咲かせますが、粉状の毛がたくさんあるので目立ちません。8月ごろ開花となっているのに、もう咲いていました。
 ※アカザ(藜)の葉が20ページbVに載っています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.5.18

06 花は見たことがなくても薬味野菜でおなじみの、アサツキ(浅葱)の花)
所在地 横浜市港北区新吉田町 畑の畔
科.属など ユリ科ネギ属の球根性多年草
見どころ

アサツキ花の拡大
 日本各地に自生し、ラッキョウに似た鱗茎(球根)をもっています。淡赤紫色の花を6月〜8月につけます。ネギ(葱)よりも色が薄く、食用とされるユリ科植物の中では最も細い葉を持ちます。別名:イトネギ(糸ねぎ)、センブキ、センボンネギ、センボンワケギ、ヒメエゾネギなどと呼ばれています。流通量が非常に少ないため、関東地区などでは細い葉ネギのことをアサツキと称して販売される例も多いようです。元は野草であり、現在も山野で自生が見られます。アサツキという名は、ネギ(葱)に対して色が薄い(浅い)ことからきています。よく似た品種にチャイブ、ガーリックチャイブがあり、アサツキはチャイブの変種と言われています。
 ※ラッキョウ(辣韮)の花が2ペー14に、チャイブの花が21ページ9に載っています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.5.18

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2012.5.17〜5.20  掲載20種

04 綺麗な空色の花、アイイロニワゼキショウ(藍色庭石菖)の花 
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内
科.属など アヤメ科ニワゼキショウ属 多年草
見どころ  別名は瑠璃庭石菖。原産地は北アメリカ。帰化植物です。草丈は20センチ〜30センチくらいです。根際から生える葉は平たい線形で、縁にぎざぎざ(鋸歯)はありません。開花時期は5〜6月で、花径は10〜15ミリくらい。青紫色の花被片は6枚で、花の色がニワゼキショウやオオニワゼキショウよりさらに濃い藍色をしているので、アイイロニワゼキショウ(藍色庭石菖)と名付けられました。
 ※ニワゼキショウの花は8ページNO.05に掲載されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.5.17
01 初夏に大型の花序をつける、ハナウド(花独活)の花と茎葉 
所在地 東京都品川区荏原2丁目 星薬科大学薬用植物園
科.属など セリ科ハナウド属 多年草
見どころ

根茎を乾燥し煎じて服用すると、
さまざまな薬効があります
 和名は大花ウド。北海道〜本州中部以北の山地、亜高山などの日当たりの良い少し湿った場所に好んで自生します。茎の高さは直立して1〜2メートルにもなる大型の野草。茎は太く中空で上部で枝分かれします。葉は互生、下部の葉は大型で長い柄があり大きく裂けます。花は、初夏にアジサイのように円形に大型の花序をつける 。
 乾燥した根茎を煎じて服用すると、鎮痛、抗炎症、血圧降下、血管収縮などの効果があり、関節の痛み、リューマチ、頭痛、慢性気管支炎などに用います。名の由来は、全体がウドに似ていて小花が美しいから、ハナウドの名になり、変種のハナウドより、全体ががっしりとして大きく見えるから、「オオハナウド」とも呼びます。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.5.16

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08 生の茎と葉をもんで汁をつけると血が止まる、チドメグサ(血止草)の葉と花と実

止血剤となる葉
所在地 横浜市港北区新吉田町 畑の畔
科.属など セリ科チドメグサ属の多年草
見どころ
 本州〜九州の道端や庭の芝生になどに生えます。茎はよく分枝して地をはい、節からひげ根をだしてふえます。葉は直径1〜1.5センチの円形で掌状に浅く裂け、基部は心形です。ふちには3〜5個の歯牙があります。6〜10月に葉腋から長さ0.5〜1.2センチの葉より短い花柄をだし、帯緑色の2〜3ミリほどの小さな花が10数個固まってつきます。果実は扁球形です。止血の他に全草を乾燥させたものを煎じて解熱、利尿にも使われます。

チドメグサの花

撮影者 八城幸子 撮影日 2012.5.18
07 パンやうどん、菓子などに加工されて食される、コムギ(小麦)の穂
所在地 横浜市港北区新吉田町 畑の畔
科.属など イネ科コムギ属 一年草
見どころ  世界三大穀物の一つで、古くから栽培され、世界で最も生産量の多い穀物のひとつです。かつては日本のいたるところで見られた小麦畑ですが、最近はほとんど見られなくなってしまいました。日本では麦とイネ(米)、 アワ 、 ヒエ、それに豆を五穀と呼び、重要な穀物として扱われてきました。
 ※ライムギ(ライ麦)の穂が18ページ4に載っています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.5.18
05 なぜか恥ずかしそうに下向きに咲く、 鮮やかな紫色、ナス(茄子)の花 
所在地 横浜市港北区大曾根 鶴見川沿いの家庭菜園
科.属など ナス科ナス属 一年草
見どころ  和名は奈須比。ナスの花は、いっけんばらばらに咲いているように見えますが、良く見るとみんな下を向いて咲いています。茄子も他の多くの植物同様に花が咲いて、花粉がめしべに受粉すると花粉に含まれるオーキシンという成長ホルモンの作用で、実に養分が運ばれて大きくなる仕組みに。 茄子の花のオシベの数が6本以下でメシベが短い花でそういった花のことを短花柱花といい、こういった花はなかなかますぐな実をつけないことが多いです。ナスの花にムダ花はないという言葉がありますが、茄子は花が咲いた分だけ、実がなるという意味です。茄子の種類によって、花もそれぞれ、色や花びらの様子がちがい、花びらが縮緬のようになっていたり、筋の色が濃かったり薄かったりみんな違う表情をしています。
 原産地はインドの東部が有力です。語源は諸説ありますが、もともとは「なすび」と呼び、室町時代の女官に「おなす」と呼ばれるようになり、いつしか「なす」という呼名が一般化したと、云われています。 諸説ある語源の中で、夏にとれる野菜「夏の実(なつのみ)」から、「なすび」になったともいわれています。花期6〜10月。
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.5.17
13 梅の花に似た、鮮やかな黄金色、キンバイカ(金梅花)の花
所在地 東京都文京区白山 小石川植物園
科.属など バラ科、キジムシロ属 落葉小低木
見どころ  中部地方以北〜東北〜北海道〜カラフト・千島列島の高山帯に生える、高さ30センチ〜1メートルの落葉小低木です。中部以北と言っても箱根にはありません。名前の由来は梅に似た黄金色の花であることから。花径は2〜3センチで柄やがく片に白絹毛があります。花期は夏。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.5.19
18 画家クロード・モネも愛した スイレン(睡蓮)の花
所在地 横浜市都筑区 せせらぎ公園
科.属など スイレン科、スイレン属の水生多年草
見どころ  日本において、一般的なスイレン(睡蓮)は、いくつかの野生種を交配、品種改良し、作り出された園芸種です。花の色、葉の色、模様、様々な姿の品種が存在します。日本に自生するのは和名:ヒツジグサ(未草)の1種類のみです。白い花を午後、未の刻ごろに咲かせる事からその名が付いたと言われています。ハス(蓮)とスイレン(睡蓮)がよく間違われますが、ハス(蓮)は、葉や花が水面から立ち上がりますが、スイレン(睡蓮)は、葉も花も水面に浮かんだままです。葉はどちらも円形ですが、スイレン(睡蓮)は基本的に葉に切り込みが入りますが、はす(蓮)には入りません。スイレン(睡蓮)の語源は、花が夜は閉じ、昼に咲き、蓮に似た形をしている(つまり、「睡眠をとる蓮」、「眠る蓮」)からと言われています。
 ※コダイハス(古代蓮)の花と実が10ページ3に載っています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.5.19
16 この夏は節電になりそう。涼しそうな葉……。シマダンチク(縞暖竹)
所在地 東京都文京区白山 小石川植物園
科.属など イネ科ダンチク属 多年草
見どころ

広い小石川植物園内でこの白さが
ひと際目立っていました
 原産は地中海沿岸。明治時代にヨーロッパから園芸用に導入され、いまは暖地の海辺や川岸に自生しています。茎は直立し、草丈は2〜4メートルにもなり、弓なりに曲がります。このシマタケは、いかにも涼しそうな黄白色です。9月〜10月ころ、ススキの穂と同じような円錐花序を出し、白紫の小花をつけます。
 
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.5.19