09果実が「ひっつき虫」のひとつ、チヂミザサ(縮み笹)

チヂミザサの葉
所在地 横浜市緑区寺山町291 県立四季の森公園
科.属など イネ科チヂミザサ属の多年草
見どころ  
 野原や、山地の半日陰地などにごく普通に生える多年草で、名前の由来は葉の形がササに似ていて、やや縮んだようなしわがあることからきています。茎の基部は匍匐枝状に横にはい、上部は立ち上がって高さ10〜30センチになります。秋に茎頂に長さ5〜15センチの花序を出し、6〜10個の短枝を分け、長さ2〜3ミリの緑色の小穂をつけます。小穂からは3本の長い毛が生えており、その表面が粘つきます。また、開花時の雌しべの柱頭の羽毛状の毛が目立ち、紫色の葯も比較的目を引きやすく、イネ科の花としては見栄えがするほうです。

チヂミザサの花
港北区箕輪町3丁目 日吉の丘公園 2012.9.26 小さな繊細な可憐な花でした 
石川佐智子撮影
 

      チヂミザサの群生
這っていた葉が開花時期には立ち上がります 同じ場所 2012.9.24
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.5.19
19 繊細な感じの花、ヤナギハナガサ(柳花笠)
所在地 横須賀市鴨居 観音崎公園
科.属など クマツヅラ科クマツヅラ属 多年草
見どころ
 別名はサンジャクバーベナ(三尺バーベナ)。南アメリカ原産です。葉は細長く、草丈は1〜1.5メートル。茎は四角で、葉は対生し無柄でやや茎を抱き、広線形できょ葉があります。花序は、かたまり状に集まります。もともとは園芸種だったのですが、野生化しました。梅雨の前頃から、夏の終り位まで咲き、河川敷や道端の空き地などで見かけます。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.5.23
20 赤白複輪花の可愛らしい花を咲かせる、サルビア・ミクロフィラ
所在地 横浜市港北区大曾根 鶴見川沿いの道端の寄せ植え.
科.属など シソ科・サルビア属
見どころ

サルビア・ミクロフィラ(赤い花)
港北区日吉本町1丁目 民家の庭先
岩田忠利撮影
 赤白の2色がミックスして咲く、珍しい色のサルビア。メキシコ原産で、赤みがかったピンク、そして白の3色の組み合わせ、あるいは単色があります。一つの花輪においては、同時期であれば、ほぼ同じパターンの花が咲きます。時期がずれると別の色が咲く場合があるようです。気温が高い夏は赤系の花が多く、気温が下がると2色咲きが増えるようです。夏には白が増えたという報告も聞きますので、この辺は一概には言えないようです。長さ4.5センチ以下で、形状は三角形に近い形、葉の縁はギザギザして、表面はしわが多く、葉脈がはっきりしています。花冠内の基部付近に一対の突起物があり、枝分かれが多く、花壇植えだとこんもりした形でかなり大きくなります。チェリーセージの別名を持つ アキノベニバナサルビア の仲間です。花期 6〜10月。
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.5.24

2012.5.20〜  掲載20種

04 葉がスズランに似ています! ギョウジャニンニク(行者葫)の花と葉
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内
科.属など ユリ科ネギ属  多年草
見どころ

生育期間が5年〜7年もかかる
ギョウジャニンニクの葉
 草丈は20〜30センチ、幅3〜10センチの葉でスズランの葉に似ています。強いニンニク臭を放ち、初夏、花茎の頂端に、白色または淡紫色の小花を多数つけます。生育速度が遅く播種から収穫までの生育期間が5年〜7年と非常に長いことから、希少な山菜とされています。ギョウジャニンニクという名前の由来は、山にこもる修験道の行者が食べたことからとも、逆にこれを食べると滋養がつきすぎて修行にならないため。「行者にんにく」と名が付けられたそうです。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.5.19
15 草丈も葉も大型、オオトウワタ(大唐綿)その花の蕾
所在地 東京都文京区白山 小石川植物園
科.属など ガガイモ科トウワタ属の多年草
見どころ  草丈が1メートルを超える大型、葉はホウ葉(朴の木の葉)の葉のように大きさです。、オオトウワタの名前もその大きさを表しているものと思います。
 ※ フウセントウワタ(風船唐綿)の花と果実が4ページNO.3に、トウワタ(唐綿)の花が4ページNO.18に載っていますので、見どころの説明は上記をお読みください。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.5.19
02 全体に白い綿毛が密生している、スイセンノウ(酔仙翁)の花
所在地 横浜市港北区新吉田東1丁目 早渕川土手の植え込み 
科.属など ナデシコ科リクニス属 1年草
見どころ  

綱島西5丁目民家の玄関先
 別名はフランネルソウ。南ヨーロッパ原産。江戸時代に渡来したようです。こぼれダネでもよく増えます。草丈は50〜70センチ程度になり、枝の先端のところに5弁花が咲きます。花茎2〜3センチで、花期は5月〜6月です。全体が白い毛で覆われ、ビロードのような感触を持つところからフランネル草とも呼ばれます。赤紫色の花が一般的ですが、白やピンクの花もあります。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.5.19
12 山菜、薬草、行事の草として知られる、オケラ(朮)・ウケラ(:宇家良)
所在地 東京都品川区荏原2丁目 星薬科大学薬用植物園
科.属など キク科オケラ属
見どころ  「花期は9月、10月」と図鑑に載っているのに、花ガラです。もう咲き終わったのか、昨年の花ガラが年を越したのか……。雌雄異株。葉は下のものは、対になりますが、上のものは単葉。日当たりのよい林縁に生えています。私は食べたことがありませんが、昔から新芽を天ぷらに、おひたし、和え物、汁の実にすると山菜のビッグ3に入るほどの旨さだとか。根茎は東洋医学では生薬「白朮(ビャクジュツ)」と呼ばれ、胃腸病、神経痛、動悸、息切れなどに使われる重要な薬品だそうです。さらに、京都祇園の八坂神社では大晦日から元旦にかけて「朮祭り(おけらまつり)」という神事が行われ、祭りに参拝することを「朮参り」と呼ばれ、京都の人たちの年中行事だそうです。オケラの名前の由来は、またの機会に。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.5.16
06 閉鎖花で確実に子孫を残す、キキョウソウ(桔梗草)の花
所在地 横浜市港北区日吉本町4丁目 地域ケアプラザ付近の道ばた 
科.属など キキョウ科キキョウソウ属 1年草
見どころ  別名はダンダンギキョウ。キキョウソウは1931年に横浜市で報告された北アメリカ原産の帰化植物です。道ばたや荒れ地などに生育します。春から5月頃までは、花を開かないまま種子をつくる閉鎖花を形成し、6月になると通常の赤紫色の花(開放花)を形成して、花径1〜2センチほどの、 小さいけれど「キキョウ」そっくりの美しい花を咲かせます。車道沿いに多くみられるようです。あまり枝分かれせず、高さは20cセンチ前後の場合が多い。茎には数本の明瞭な稜があり、稜には毛が生えています。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.5.20
17 切り花にしても長持ちする、アストロメリアの花と葉 
所在地 横浜市港北区日吉5丁目 民家の庭
科.属など ヒガンバナ科ユリ科アルストロメリア属
見どころ

鋸歯なしの長楕円形の葉
 別名はユリズイセン(百合水仙)。 南アメリカ原産。昭和初期の頃に渡来。球根性の植物で多くの種類があります。葉は鋸歯なしの長楕円形です。草丈は30〜40センチ。4月〜7月にかけて花が咲きます。長持ちが良いので、切花として利用されます。スウェーデンの植物学者「アルストレメール」さんの名前にちなんで付けられました。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.5.22
07 鳴子百合に似ています、カギクルマバナルコユリ(かぎ車葉鳴子百合)
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内
科.属など ユリ科
見どころ  原産は中国雲南省。漢方の滋養強壮、疲労回復の生薬であるオウセイ(黄精)は、中国ではカギクルマバナルコユリの根茎から作られます。日本ではナルコユリ(鳴子百合)根茎を黄精(オウセイ)といい、滋養強壮薬として用います。※ナルコユリの花は3ページNO.25に掲載されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.5.19
03 昔からハーブとして知られる、イブキジャコウソウ(伊吹麝香草)の花
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内
科.属など シソ科イブキジャコウソウ属 常緑多年草
見どころ  

イブキジャコウソウ花の群落
別名は百里香(ヒャクリコウ)。タイムの仲間です。 草丈20〜40センチ、横幅20〜30センチ。葉は広楕円形で、やや濃い青緑色です。花期は4〜6月で花色は淡いピンクです。株には芳香があり触れるとかなり強く香ります。その葉、または、開花期の地上部を、肉料理やカレー料理のほか、ハムや、ソーセージの香りづけなどに用います。昔から煮込み料理には欠かせないハーブとして親しまれています。薬用としても、ハーブティーにして、風邪、気管支炎、咽頭炎などに。また、消化を助ける作用があるということで、このタイムティーを愛飲している人も多いです。麝香(ジャコウ)のような香りがすることからこの名が付けられました。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.5.19
13 有名な漢方薬「八味地黄丸」はこの根の成分、カイケイジオウ(快慶地黄)
所在地 東京都品川区荏原2丁目 星薬科大学薬用植物園
科.属など ゴマノハグサ科ジオウ属 多年草
見どころ  漢方薬店で売っている有名な薬「八味地黄丸」は、このカイケイジオウの根がその薬の成分だそうです。補血、強壮などに薬効があります。中国の快慶(河南省)で栽培されていたものが、1940年(昭和15年)に日本に導入され、地名の快慶がこの野草名の由来。
 ※ 成分的に殆ど同じアカヤジオウの花が、17ページNO.1に載っています。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.5.1
14 葉の甘味成分の結晶はサッカリンの甘さの2倍。アマギアマチャ(天城甘茶)
所在地 東京都品川区荏原2丁目 星薬科大学薬用植物園
科.属など ユキノシタ科アジサイ属の落葉小低木 
見どころ  原産は伊豆地方。アジサイ属ですが、別種でヤマアジサイなどと同じように茎頂に花をつけます。しかし葉の形が違う、伊豆半島に自生する日本固有種です。生の葉を噛むと甘味があり、伊豆地方では昔から甘茶の代用、甘味や調味料としたりして使ってきました。この木を 甘木(アマギ)と呼び、その自生する山を「天城山」と名付けたという。そして、名の由来は「アマギアマチャ」と呼ぶようになったそうです。葉の甘味成分の結晶はサッカリンの2倍の甘さがあるというから驚きです。花は6〜8月頃。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.5.16
08 コバンソウ(小判草)より小さい、 ヒメコバンソウ(姫小判草)の穂
所在地 横浜市港北区箕輪町2丁目 駐車場
科.属など イネ科コバンソウ属 一年生植物
見どころ  別名はスズガヤ(鈴茅)。ヨーロッパ原産の帰化植物で江戸時代に渡来。葉の色は黄緑で、全ての葉はほぼ垂直に立っています。草丈は10〜60センチで、葉は細長くて毛がなく、長さ5〜15センチ、幅5〜10ミリくらいです。花期は5月頃、花序は茎の先に円錐状につき、糸状の細い枝先に長さ4ミリほどの三角状卵形の小穂を多数つけます。名前の由来はコバンソウ(小判草)より小さいため。別名のスズガヤは小穂を振るとカサカサと音がするため。
 ※コバンソウの穂が21ページNO.04に掲載されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.5.21
18 鮮やかな黄色の花、ミヤコグサ(都草)の花 
所在地 横須賀市鴨居 観音崎公園
科.属など マメ科ミヤコグサ属
見どころ  別名はエボシグサ(烏帽子草)。草丈は15〜30センチ。葉は白っぽい緑で、かすかに粉を吹いたように見え、やや厚みがあります。花は長い花茎の先にあって、萼は筒状で先は裂けます。花はいかにもマメの花、といった形で、鮮やかな黄色。開花時期は4月〜6月。花色は黄色で花径は1.5センチくらいです。花の形が烏帽子(エボシ)に似ていることからエボシグサとも呼ばれます。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.5.23

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01 上へ反り返る付属品がある、ホタルブクロ(蛍袋)
所在地 横浜市港北区綱島西1丁目 綱島地区センター付近道路わき 
科.属など キキョウ科ホタルブクロ属 多年草
見どころ

白色もあります
 別名はチョウチンバナ(提灯花)。梅雨時から初夏に、赤紫色〜淡紅色や白花を咲かせます。ホタルブクロという花名は、下を向いて咲く提灯型の花形が蛍を入れて見るのに良いということなどから付けられたようですが、詳細は不明です。草丈は、30〜80センチ、開花期は6〜7月です。似た花に ヤマホタルブクロ(山蛍袋) がありますが、違いは萼裂片の間に反り返った付属物があるか無いかで判定します。ホタルブクロには反り返る付属品があり、ヤマホタルブクロ(山蛍袋)にはありません。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.5.19
10 “日本三大毒草”の一つ、ドクゼリ(毒芹)その花
所在地 東京都品川区荏原2丁目 星薬科大学薬用植物園
科.属など セリ科ドクゼリ属の多年草有毒植物
見どころ  春の七草の一つ、セリは私の大好物です。そんなセリの中にも間違って食べると、間違いなく、この世におさらば、という猛毒のセリがることを初めて知り、ゾッとしました。しかも、ドクウツギ、トリカブトと並んで日本三大毒草の一つだそうですね。その毒芹の見分け方を知って注意しましょう! まず第一にセリは独特の香りがありますが、毒芹には香りが無いこと。次に毒芹は葉を千切ると黄色い液が出ること、第三に地下茎が太く中空であることです。
 ※ セリの葉と花が2ページNO.9に載っています。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.5.16
11 健康野菜の社会にも悪玉がいます! ドクニンジン(毒人参)
所在地 東京都品川区荏原2丁目 星薬科大学薬用植物園
科.属など セリ科ニンジン属
見どころ  ニンジンのオレンジ色は、料理の彩りに欠かせないだけでなく、栄養素カロチン(ビタミンA)の色。このカロチンは、英語名のキャロットが名前の由来というほど、ニンジンはカロチンを多く含む健康野菜のビッグ3。「こちらの植物園には見事なニンジンの花が咲いているなぁ〜」と近づいてみると、ネームプレートにこう記されています。「ドクニンジン(セリ科)<用部>果実=コ ニウム実 全草にコニインを含み猛毒}。 ニンジンは健康野菜の“優等生”ばかりだと思っていたのに、猛毒な悪玉もあるのですね。なるほど……、人間社会と同じでした〜。
 ※ ニンジンの花が、2ページNO.15に載っています。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.5.16

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05 下草やグラウンドカバーに用いられる、ヨウシュコナスビ(洋種小茄子)の花
所在地 横浜市港北区日吉本町4-986 コンフォール南日吉内の道ばた 
科.属など サクラソウ科オカトラノオ属  多年草
見どころ  別名はコバンコナスビ。ヨーロッパ原産の帰化植物。花の色は黄色、花径は約2.5センチの5弁花を上向きに咲かせます。 花期は6月〜7月。葉は、茎からの短い柄の先に対生につきます。草丈は5〜10センチほどで、地表を這って横に広がります。花後の実が小さな茄子(ナス)に似ているので小茄子(コナスビ)と呼ばれます。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.5.20
16 水槽に涼しげな花を咲かせる、ナガバオモダカ(長葉面高)
所在地 栃木市都賀町里山の空き地
科.属など オモダカ科 オモダカ属 多年草 落葉宿根草 (水性植物)
見どころ 別名はジャイアントサジタリア。ナガバオモダカは山野草として、池や湿地に自生している、北米原産の帰化植物です。性質も強く、どんどん増えて駆除されます。沈水〜腰水管理で栽培可能で、やや日当たりを好みます。 水上葉は束生し、ヘラオモダカなどにやや似た草姿ですが、環境により比較的大きくなります。 花茎を草体よりやや高く上げ、白い3弁で中心部が緑がかった涼しげな小さな花を多数つけます。ヘラオモダカと葉の形が似ていますが、ナガバオモダカの花は雌株のみなので区別することが出来ます。草丈30〜80センチ。 水槽内に入れると自然環境に近づき、メダカがリラックスできるそうです。 花期 5〜7月。
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.5.10