15. 黄色い花を多数つけ高原を彩る、アキノキリンソウ(秋の麒麟草) 別名:アワダチソウ

アキノキリンソウの花
所在地 山梨県山梨市牧丘町北原 乙女高原
科.属など キク科アキノキリンソウ属 多年草 
見どころ  日本全国の草原や明るい森林に生育します。高さは20〜80センチ。かつては里山に囲まれた水田の周辺などに、ごく普通に見られたが、同属の帰化植物で繁殖力が強いセイタカアワダチソウに取って代わられてしまいました。花は美しく、同じつくりなので同属とわかります。下部の葉は卵形、上部の葉は披針形で長さ4〜9センチ、幅1.5〜5センチ、互生します。頭花は直径1.2〜1.4センチで、枝先に散房状又は総状に多数つき、花冠は黄色。舌状花は長さ6.5〜8ミリ。舌状花と筒状花があり、内側の筒状花が結実します。和名は秋に咲くキリンソウであり、花が美しいのでベンケイソウ科のキリンソウに例えたものという。花期は8〜11月です。若葉はおひたしなどに、陰干しにしたものはのどが腫れたり痛んだりしたときに薬用として利用されます。
  ※セイタカアワダチソウの花と種子が1ページNo.2に掲載されています。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.9.6

2012.9.16〜9.21 掲載20種

12. 有毒植物です! ホシアザミ(星薊) 別名:イソトマ、セッコウソウ(雪香草)

ホシアザミの花
所在地 八王子市堀之内1432-1 東京薬科大学薬用植物園
科.属など キキョウ科ヒッポブロマ属 多年草
見どころ

ホシアザミの茎葉
 西インド諸島原産。世界の熱帯に帰化雑草として広がっている有毒植物です。植物中に含まれている白い汁液が1滴目についただけで失明するといわれています。また、これが皮膚につくと炎症を起こします。草丈は50センチ程で、ふつう分岐しません。多数の葉を互生します。葉は単葉で抜針形または倒披針形で深く鋭い鋸歯があります。花は茎の上部に、ほぼ直立してつき、萼片が5個あります。花筒は長さ6〜10センチ。花期は4〜11月。 葉は外用薬、ぜん息や気管支炎、風邪などの治療薬として用いられています。和名の「ホシアザミ」は、花が星形であることと、葉の形や草の姿が「アザミ」に似ていることに因んで名づけられたようです。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.14
11. 葉が緑と白の、フイリトウガラシ(斑入り唐辛子) 別名:カプシクム

フイリトウガラシの葉と実
所在地 横浜市港北区大曾根  マンションの庭
科.属など ナス科 トウガラシ属 1年草 熱帯植物
見どころ  トウガラシ属の植物は、南アメリカと北アメリカにかけての熱帯に、20種ほどが分布しています。観賞用トウガラシは、斑入りの葉をもつ品種もあり、果実とあわせて、期間がとても長い植物です。最も多く栽培されているアンヌム種は、2000年以上前から栽培され、日本でも1500年代には栽培が始まったとされています。
 食用、観賞用を問わず、日本で栽培されるトウガラシのほとんどは、 このアンヌム種を改良したものです。観賞用として流通していますが、やはりトウガラシ(野菜)ですので、非常に辛いものがあります。期間は6月〜12月。
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.9.13
02.江戸時代から民間薬として使用、ガジュツ(我朮) 別名:紫ウコン

ガジュツの花
所在地 八王子市堀之内1432-1 東京薬科大学薬用植物園
科.属など ショウガ科ウコン属 多年草
見どころ  熱帯アジア原産。江戸時代から民間薬として使用してきました。日本では屋久島、沖縄等の暖かい地方で栽培されています。ウコンに比べ寒さに弱い。広卵形の根茎と多くの塊茎があります。葉は数枚、根生し、長柄があり、長楕円形、長さ70センチくらい。葉間に広い楕円形の穂状花序があり、苞は卵形で緑色。花は薄黄色で苞よりややみじかいです。ガジュツの葉はウコンと違い上面に1対の紫色の筋があります。花は淡いピンク色。紫ウコンとは、生の根茎を輪切りにすると紫色をしていることから呼ばれています。  ※別名のウコンの花が、54ページのNO.3に掲載されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.14

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17. アキチョウジより花柄が長く萼が尖っている、セキヤノアキチョウジ(関屋の秋丁字)

セキヤノアキチョウジの花(拡大)
所在地 山梨県山梨市牧丘町北原 乙女高原への林道わき
科.属など シソ科ヤマハッカ属 多年草
見どころ  

茎葉
 関東地方と中部地方に分布し、山地の林縁や湿った沢沿いに自生します。草丈は30〜90センチで葉は対生し、長さ5〜15センチの長楕円形で先端がとがり、短い柄があります。低い鋸歯があり、裏面には細かい毛があります。花は長い花柄の先にやや総状に青紫色の唇形花を多数つけます。花期は9〜10月です。アキチョウジと似ているが、花柄の長さが長く、萼の先がとがっているのがセキヤノアキチョウジです。箱根に多く見られることから関所の番小屋、関屋の秋丁子と呼んだのだそうです。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.9.6
06. 1年目はロゼットの状態で生育する、ヤクシソウ(薬師草)

        ヤクシソウ花拡大
  くっきりした黄色い花が丸くかたまって咲きます
所在地 山梨県山梨市牧丘町北原 乙女高原への林道わき
科.属など キク科オニタビラコ属 2年草(越年草)
見どころ
 北海道から九州、朝鮮・中国などに分布し、路傍や崖地などの乾燥しやすい場所に生育します。高さは30〜120センチ。初期には根出葉があるが、花時にはほとんどなくなり、茎葉だけになります。茎葉は基部が張り出して茎を抱き、葉は互生します。長さ5〜10センチ、幅2〜5センチの長楕円形〜倒卵形。茎や葉を折ると苦味のある白い乳液が出ます。花期は9〜11月で枝の上部に直径1.5 センチほどの黄色い花をかたまって咲かせます。花は上向きに開くが、花が終わると下向きになります。名前の由来は、葉の形が薬師如来の光背に似ているとする説、かつて薬草(民間薬として皮膚の腫れものに外用)に使われたことによるとする説があります。

ヤクシソウの群生          
黒っぽい緑色の蕾がたくさんついています
 

茎葉
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.9.6

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09. 芳香のある花を咲かせる、クリヌム・アマビレ 別名:アイアティクム

クリヌマ・アマビレの花
所在地 八王子市堀之内1432-1 東京薬科大学薬用植物園
科.属など ユリ科ハマオモト属 常緑多年草
見どころ

クリヌマ・アマビレの葉
 アジアの熱帯地方が原産。昭和になってから日本に渡来。草丈は90〜120センチになります。葉は緑色で大きく、帯状をしています。ひと夏中、長い花茎の上に、花弁は長さ10〜15センチ、幅は1〜2センチで、リボンのような花を咲かせます。赤色からピンク色で非常に芳香のある花を20〜30個咲かせます。今では、温暖な地方で庭園植物として植栽されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.14
10. 香辛料または野菜として食用になる、トウガラシ(唐辛子)

トウガラシの花(拡大)
所在地 横浜市港北区大曾根 鶴見川沿いの家庭菜園
科.属など ナス科トウガラシ属 1年草
見どころ

実と茎葉
 唐辛子(トウガラシ)は メキシコでは数千年前から食用として利用栽培されていて、この地域が唐辛子の発祥の地といわれています。果実は香辛料または野菜として食用にされます。一般に、緑色のものは青唐辛子、熟した赤いものは赤唐辛子と呼ばれています。 草丈は40センチ〜60センチ。茎は多数に枝分かれします。葉は互生。柄が長く卵状披針形。7月〜-9月頃、白い花を付け、花の後に緑色で内部に空洞のある細長い、5センチほどの実がなります。果実は熟すると赤くなります。品種によっては丸みを帯びたものや短いもの、色づくと黄色や紫色になるものもあります。
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.9.16
08. 「カンナ」の原種です、ダンドク(檀特)

ダンドクの花
所在地 八王子市堀之内1432-1 東京薬科大学薬用植物園
科.属など カンナ科カンナ属 多年草
見どころ  熱帯アメリカ原産の植物で、江戸時代初期に渡来。草丈は直立して高さ1〜1.5メートルになります。根茎はショウガによく似ています。葉は楕円形〜長楕円形で長さ25〜50センチ、幅10〜18センチくらい。先端がとがり、基部はくさび形をし、表面は光沢があります。花期は、夏ころ花は頂生し総状花序。色は黄色または赤で、花びらに見えるものは、雄しべが変化したものです。秋に実が熟すと、黒褐色化し、中に直径2〜3ミリほどの黒い種子がたくさん入っています。
 「カンナ」の原種で、当時は「ダンドク花」といわれていたそうです。インド経由で来たものらしく、釈尊(しゃくそん)修行の山といわれる檀得山に咲く花と言われています。和名の「ダンドク(檀特)」は梵語に基づいています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.14
07. 有毒なジキタリスとは別の植物、メキシコジキタリス 別名:テトラネマ・ロセウム

メキシコジキタリスの花
所在地 八王子市堀之内1432-1 東京薬科大学薬用植物園
科.属など オオバコ科(ゴマノハグサ科)テトラネマ属 常緑多年草
見どころ
葉です
 大正4年に日本に渡来。ジキタリスと言えば、有毒な薬草で知られていますが、まったく別物です。このメキシコジキタリスは可憐な花です。草丈が低く10〜20センチ。葉は長楕円形で厚みがあります。夏ころ、釣鐘形の小花が茎先に数個集まって咲きます。名前の由来はジギタリスはラテン語で「指」の意味。花の形が指に似ているからだそうです。
 ※ジキタリスの花は23ページNO.20に掲載されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.14
01.猫じゃらしのような赤い紐状の花、キャットテール 別名:アカリファ

目が覚めるような赤い花キャットテール
所在地 横浜市港北区大曾根マンションの庭
科.属など トウダイグサ科 アカリファ属 非耐寒性常緑多年草
見どころ  西印度諸島原産のキャットテールは、赤い花穂を猫のシッポに見立てて、この名で呼ばれています。猫じゃらしの草(草名えのころ草)を赤く染めたような花序を持ち、小さい花が密に集まっています。花序は紅色で、 長さ20〜50センチのつる性草。枝の付け根辺りにも赤い毛が密集して生えています。茎は細く、這うように伸びてひろがります。ベニヒモノキともよばれます。花期は4月〜11月。
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.9.14
20. 最古の飼料作物。食用の他、サプリメントの原料、ムラサキウマゴヤシ(紫馬肥し)

ムラサキウマゴヤシの小さな花と茎葉
所在地 東京都品川区荏原2丁目 星薬科大学薬用植物園
科.属など マメ科ウマゴヤシ属 多年草
見どころ  別名は「アルファルファ(Alfalfa)」。 中央アジア原産です。根株からたくさんの茎を伸ばし、草丈1メートルほどになります。画像をクリックして拡大すると、中央左寄りに薄紫色の蝶形の花を付けています。この植物の特色は高タンパク、高ビタミン、高ミネラル、豊富な食物繊維があることです。砂漠地帯の中央アジアでは、馬は唯一の乗り物であり運搬手段。馬無しでは生活が成り立ちません。この馬たちの生命を維持し、“肥やして”きたのが各種栄養分をたっぷり含んだこの植物で、最古の飼料作物の一つと言われています。今や現代人のサプリメントの原材料としても注目されています。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.9.21
19. 方言で「ポンツクタデ」「ボンクラタデ」などと呼ばれる、ボントクタデ(凡篤蓼)

ボントクタデの花拡大
所在地 横浜市緑区寺山町291 県立四季の森公園
科.属など タデ科イヌタデ属 1年草
見どころ  

茎葉
水辺や湿地に生えます
 本州から琉球に分布し、水辺や湿地に生えます。茎は高さ1メートル程度になり、弓のように曲がり、垂れ下がった長い花序に紅色の蕾をつけ、開くと白い花になります。香辛料に使われるヤナギタデによく似ていますが、辛みがなく、役に立たないタデという意味からつけられた名前です。花期は9〜10月です。
 ※小花を桜にたとえたサクラタデの花が3ページNo.23に載っています。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.9.18
18.朝鮮人参と同じ成分が含まれていることが明らかとなった、アマチャズル(甘茶蔓)

アマチャズル花拡大
所在地 横浜市緑区寺山町291 県立四季の森公園
科.属など ウリ科アマチャズル属:蔓性多年草
見どころ  

アマチャズル茎葉と実  
葉がヤブガラシにそっくりです
 生薬名は七葉胆(しちようたん)といいます。雌雄異株で、茎は地上を這うか、葉の付け根にある巻きひげを他の植物などに絡みつかせてよじ登り、繁殖します。若い時には軟毛がありますが、すぐ無毛となってしまいます。葉は互生し、3〜7枚の小葉からなる鳥足状複葉です。小葉は狭卵形で先が尖り、葉の縁はギザギザがあり、葉面には細毛があります。
 花期は8〜9月。花は円錐状の黄緑色の5ミリ位の小花を多数つけます。球形の果実は熟すと黒緑色になります。乾燥した茎葉を番茶のように煮出して服用します。鎮静作用があってストレスが引き起こす、いろいろな病気に応用できます。その他、老人性慢性気管支炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の予防と治療、強壮剤として用いられます。名前は、葉をかむと甘茶のような甘味があるからです。アマチャズルとよく似たのに、ヤブガラシ(ブドウ科)があります。 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.9.18
16. オオイヌノフグリと同じ仲間で葉の形などそっくり、タチコゴメグサ(立小米草)

     タチコゴメグサ
草丈10〜20センチ、花も4〜5ミリの小さな花です
所在地 山梨県山梨市牧丘町北原 乙女高原
科.属など ゴマノハグサ科コゴメグサ属 半寄生の1年草
見どころ  山地の日当たりの良い草原に生え、自分でも光合成をし、他の植物に寄生する半寄生植物です。草丈は10〜20センチ。花も4〜5ミリで、茎は直立し上部で分枝します。葉は無柄で下部は対生し上部では互生し、縁は先が鋭く尖った4〜6対の鋸歯があります。花冠は白色で紫条があり長さ約6ミリの2唇形。下唇片にぼんやりした黄色い斑点があります。下唇と上唇はほぼ同じ長さです。花期は8〜10月です。
 ※オオイヌノフグリの花が4ページNo.17に掲載されています。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.9.6
14. 目立たない小さな花、シュウブンソウ(秋分草)

シュウブンソウの花
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内
科.属など キク科シュウブンソウ属  多年草 1属1種
見どころ  

茎葉
 草丈は高さ50〜100センチくらい。葉は鋸歯のある長楕円形〜披針形で、両面に短い剛毛があります。茎は直立しますが、地表2〜30センチほどのところで3裂し、細い茎が水平に伸びます。枝先や葉のわきから淡黄緑色の径4〜5ミリの小さな、目立たない花を咲かせます。花期は8〜10月。名の由来は秋の彼岸ごろに花が咲くことから名付けられました。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.17
13. 品種が多いシソ(紫蘇)、アオチリメンジソ(青縮緬紫蘇)

アオチリメンジソの花
所在地 八王子市堀之内1432-1 東京薬科大学薬用植物園
科.属など シソ科シソ属 多年草
見どころ

茎葉
 中国の中南部地方原産。奈良、平安時代に渡来。草丈は60センチくらい。茎の形状は4角、葉は広い卵形で縁にギザギザの鋸歯があり対生しています。茎や葉とともに緑色で甘い香りがあります。花は夏ごろから咲き始め、茎の先端に穂状の花序を付け、幾つもの小花を咲かせます。品種が多く、茎や葉が赤紫色で花が淡紫色のアカシソ(赤紫蘇)、茎や葉が緑色で花が白色のアオシソ(青紫蘇)、葉が縮緬状に皺の多いものをチリメンジソ(縮緬紫蘇)、両者の性質をもったアオチリメンジソ(青縮緬紫蘇)、表面が緑色で裏面が紫色のカタメンジソ(片面紫蘇)などがあります。薬用や香味用食品として、広く野菜の1つとして現在まで各地で栽培されています。   
 ※シソの葉は5ページNO.5に掲載されています。 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.14
05.ゲンノショウコを立たせて大きくした感じ、タチフウロ(立風露)

       タチフウロの花拡大
花色には変異が多く、白〜赤紫色の花が咲きます
所在地 山梨県山梨市牧丘町北原 乙女高原
科.属など フウロソウ科 フウロソウ属 多年草
見どころ

ゲンノショウコの茎葉にそっくりです
 東北地方以南から中部地方・四国・九州に分布し、山地の草地などに生えます。草丈は30〜70センチ位になり、茎は分枝して立ちあがります。花は径3センチ程度の5弁花で、花色には変異が多く、白〜赤紫色の花をつけます。花弁には中程まで濃い紫条が入ります。花の色が他のフウロソウの仲間より薄いので、簡単に区別ができます。葉は掌状で5〜7裂し、裂片の葉はさらに裂れ込みが入ります。茎や葉の柄、花の柄には下向きの毛が生えています。 名の由来は、茎が長く立つから。花期は8〜9月です。薬用として利用されます。
 ※ゲンノショウコの花と実が1ページ14に、ハクサンフウロの花が51ページNo.09に掲載されています。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.9.6
04.花はアザミにそっくりだがアザミではない、タムラソウ(田村草)別名:タマボウキ 

タムラソウの花(拡大)
所在地 山梨県山梨市牧丘町北原 乙女高原
科.属など キク科タムラソウ属 多年草
見どころ
 本州、四国、九州の日当たりの良い山地の草原や湿原周辺の草地に生えます。原産地は日本。草丈は1.4メートル位まで伸びます。茎の上部はやや枝分かれし、茎の先に花径3〜4センチの、紅紫色の筒状花だけの頭花を上向きに咲かせます。 葉はアザミに似て羽状に深く切れ込みますが、トゲはなく質は軟らかく、両面に細かい毛が生えています。総苞片の先端は尖るがトゲがないので痛くありません。アザミの仲間に酷似しているがアザミとは異なり、葉にトゲがないので容易に見分けられます。花期は8〜10月です。タムラソウの実は花びらやガク片がドライフラワーのように残り、タンポポのように綿毛の付いた種が風で飛ばされます。

かたまって咲くタムラソウ

葉にはトゲがなく、触っても痛くありません
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.9.6
03.真っ赤な実は毒が多いが薬用です! チョウセンゴミン(朝鮮五味子)

チョウセンゴミンの赤い実
所在地 八王子市堀之内1432-1 東京薬科大学薬用植物園
科.属など モクレン科マツブサ属 シキミ属 落葉性のつる植物
見どころ

茎と葉
 「チョウセンゴミシ」とも呼ばれています。葉は楕円形または倒卵形で厚く、先が尖り縁に5〜10対の歯牙があります。6〜7月ころに葉のわきに細い柄を出して、帯黄白色の芳香のある花をつけます。花後、花柱が伸びて赤い果実をつけます。
 秋によく熟した果実を房ごと採取して、そのまま日干しにして、よく乾燥させます。乾燥した房を丁寧に手でもんで、果実だけをばらばらにして取り出します。これを生薬で、五味子(ごみし)といいます。 薬用として、滋養強壮薬として気管支の機能の衰えによる咳き込みや、精神・ノイローゼのような精神的な場合にも古くから伝統的に用いられていました。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.14