11 道端でよく見かけます、ハルジオン(春紫苑)の花
所在地 横浜市緑区寺山町291 県立四季の森公園
科.属など キク科ムカシヨモギ属
見どころ  北アメリカ原産の帰化植物。花は4月から咲き始め、細い舌状花を持つヒマワリのような花ですが、ヒメジョオンよりも早く咲くのでのでハルジオン(春紫苑)の名前がつきました。花はこの淡紅色を帯びるものからほとんどですが、白色のものまであります。つぼみは下向きにちょっと垂れます。また、ヒメジョオンより一回り花が大きい。
 ※ヒメジオンの花が1ページNO.3に載っています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.4.17
06 黄色い花が咲く、キケマン(黄華鬘)の花
所在地 調布市深大寺南町1-25 調布市野草園 
科.属など  ケシ科キケマン属 越年草
見どころ  
 原産地は日本。和名は黄色の花が咲くケマンソウという意味で、傷つけるといやな臭いがします。近縁種の赤紫色の花のムラサキケマンが半日陰に生育するのに対して、キケマンは日当たりのよい場所に生育します。花びらが互い違いになっています。ケマンの由来は仏像や堂塔の先につける花飾りで、仏前を飾る「ケマン」に似ているから。 花期は3~6月です。
 ※ムラサキケマンの花が13ページNO.10に載っています。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.4.14
04 一足早く咲くザゼンソウの仲間、ミズバショウ(水芭蕉)の花
所在地 東京都調布市深大寺元町2丁目 神代水生植物園
科.属など サトイモ科ミズバショウ属 多年草
見どころ

満開のミズバショウ
長岡市宮本町雪国植物園 2012.4.7
大田孝子撮影
 湿地に自生し発芽直後の葉間中央から純白の仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる苞を開きます。これが花に見えるが仏炎苞は葉の変形したものです。仏炎苞の中央にある円柱状の部分が小さな花が多数集まった花序です。花期は低地では4月~5月、高地では融雪後の5月~7月です。葉は花後に、根出状に出て立ち上がり、長さ80 センチ、幅30センチに達します。その葉が芭蕉(バナナの仲間で背の高い木)に似ていて、水辺に生えるので この名前になったようです。
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.4.14
17 おもしろい姿のブルーの花、セリンセ・マヨール  和名:キバナルリソウ(黄花瑠璃草)
所在地 横浜市港北区大曽根 鶴見川河川敷
科.属など シソ目ムラサキセリンセ(キバナルリソウ)の耐寒性一年草
見どころ  南ヨーロッパ原産の一年草で、10種が知られています。ヨーロッパではそのうち4種ほどが栽培されています。本来の野生種は紫色と黄色のツートンカラー(先端が黄色になる)の筒のような形をした花を咲かせるのですが、日本でよく見られるのは筒状の花全体が紫色になる「プルプラスケンス」という品種です。 花のまわりの苞がブルーに色づき、花全体はぶら下がるように下向きに付けます。葉に独特の水玉のような白い斑点模様が出ます。花のかたちは何となくコエビソウ(ペロベロネ)に似ています。 苞(ほう)葉が変形したもので、苞葉(ほうよう)とも言います。本来、つぼみを保護する役割があるといわれています。開花期4月~5月。
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.4.19
03 半つる性の小葉で淡紅色の花を多数咲かせる、コバノランタナ(小葉のランタナ)の花
所在地 横浜市港北区大曽根の住宅
科.属など クマツヅラ科ランタナ属の常緑小低木
見どころ

白の八重咲き
日吉本町の民家の庭

2011.10.5 
石川佐智子撮影
 コバノランタナは 丈夫で虫もつかない、 日向が好きな植物です。花期は春~晩秋まで咲き続け、とくに秋が一番きれいです。 挿し木(5-7月)で簡単に殖やせます。株全体がさわると香りも楽しめます。 コバノランタナは通常のランタナとは別種。ランタナよりも寒さに強い、常緑・匍匐性のツタ性ランタナです。 ランタナが時間経過に伴って色合いを変えるのに対して、コバノランタナは単色。つた性なので、ハンギングで垂らしたり、 塀に這わせたりできます。 
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.4.16
16 花の色が黄緑色から白に変わる、.オオデマリ(大手毬 )の花 
所在地 横浜市港北区大曽根 マンションの庭
科.属など レンプクソウ科(スイカズラ科). ガマズミ属
見どころ  
 別名を「テマリバナ(手毬花)」と言います。オオデマリはヤブテマリの変種です。5~6月に球状に密集した花を咲かせます。花は咲き始めが黄緑色で、開くと白色になります。この花は雄しべと雌しべの退化した装飾花(飾り花)で、タネは付けません。スイカズラ科の植物の一種。害虫にも強く、半日陰でも花を楽しめます。

緑色から白色に変わるオオデマリ
2012.4.30 同じ場所
 

球状の花は直径10センチから大きなもので20センチ、まさしくオオデマリ(大手鞠)の名がぴったり。
横須賀しょうぶ園 配野美矢子撮影
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.4.19
01 文字どおり茜色の可愛い、アカネスミレ(茜菫)の花
所在地 横浜市緑区寺山町291 県立四季の森公園
科.属など スミレ科 スミレ属 多年草
見どころ  低地~丘陵地の明るい所に生える多年草です。葉は三角状の卵形で毛が多く、基部は心形で、葉先は尖らず、縁には浅い鋸歯があります。花は比較的大型で、直径1.5 cm程度です。花柄や、がく片、距や子房、果実にも毛があります。名前の由来のようにあかね色のかわいいスミレです。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.4.16
20 「我も恋う」と万葉集にも詠まれた、ワレモコウ(割木瓜)の葉と花
所在地 東京都文京区白山 小石川植物園
科.属など バラ科ワレモコウ属 草原に生える多年草
見どころ  

花の拡大
 割れ木爪(帽額)というのが和名で、平安時代に額にかぶった帽額(もこう)が由来だそうです。これも秋の花ですが、なぜか秋の七草には入っておらず、花に見えないのが原因のようです。漢字では他に「吾木香、我毛香、吾亦紅」などと書かれます。ワレモコウは写真左のようにピンクの花を上から順番に咲かせていきます。いつも見かける赤茶色の花は、花の終わった姿です。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.4.15
19 二輪草と間違えて父と子が食べた野草、ヤマトリカブト(山鳥兜)の茎と葉

ヤマトリカブトの葉

トリカブトに似ているニリンソウの葉
北澤美代子撮影
所在地 東京都文京区白山 小石川植物園
科.属など キンボウゲ科トリカブト属 多年草
見どころ  つい最近のこと、4月9日のNHKテレビの報道です。<7日午後9時ごろ、函館市釜谷町の漁業沢田繁信さん(42 )と父繁さん(71)、弟貴信さん(41)が嘔吐などの症状を訴え市内の病院に搬送され、繁信さんは間もなく死亡、繁さんも8日夜に死亡した。いずれもトリカブト中毒の疑い。貴信さんは生命に別条はないという。函館中央署によると、繁信さんが7日に採ってきた山菜をおひたしに調理して3人で食べた。家族の話によると、繁信さんは母親に「(トリカブトによく似た)ニリンソウを採ってきた」と話しており、函館中央署は間違って食べたとみている>。

ヤマトリカブトの花
筑波実験植物園
 2012.8.26
石川佐智子撮影
 ヤマトリカブトは、本州の中部から東北地方に分布し、山の湿った草地や林に自生。花はよく目立つ青紫色で群落をつくることがあります。 花の形が、舞楽のときにかぶる鳳凰(ほうおう)の頭をかたどった兜に似ていることから鳥兜と呼ばれています。猛毒性は、日本の植物の中でも一二を争うもので、上記のケースのように葉っぱを2~3枚お浸しにして食べただけで死に至った事故も多い。皆さん、トリカブトには気をつけましょう!
 
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.4.15
14 ツワブキにそっくり、サワオグルマ(沢小車)の花
所在地 調布市深大寺元町2丁目 神代水生植物園
科.属など キク科キオン属 多年草
見どころ  日当たりの良い山間の湿地、用水路脇などに生育します。茎は太くて軟らかく、中空、直立し、高さ50~80センチ位になります。葉とともに白いくも毛が生えています。葉はやや厚味があり、広披針形で先は尖っています。根生葉や下部の葉には柄があり、長さ12~25センチ、上部につく葉は無柄で茎を抱きます。頭花は散房状につき径3.5~5センチの黄色の花です。痩果には2~3倍長い冠毛がつきます。花期は4~6月。名前は、湿地性で花を小さな車輪に見たから。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.4.14
12 花の形が面白い、ヤブニンジン(藪人参)の花
所在地 横浜市港北区新吉田町の山道
科.属など セリ科、ヤブニンジン属の多年草
見どころ
 北海道から九州、朝鮮、中国、シベリア、インドなどに広く分布します。茎は直立し、長い枝を分け、高さは30~60センチになります。茎と葉の両面に毛があり、4月から5月に白い花を咲かせますが、小さく目立ちません。果実は細長く、列を成して剛毛があります。果実の形からナガジラミの別名があります。和名は、葉がニンジンの葉に似ていて、やぶに生えることによります。

ヤブニンジンの葉
 

ヤブニンジンの実
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.4.16
10 湿地にひっそりと咲く、キツネアザミ(狐薊)の花
所在地 横浜市緑区寺山町291 県立四季の森公園
科.属など キク科キツネアザミ属の一属一種 越年性の1年草本
見どころ  古代に農耕と共に大陸から渡来した史前帰化植物。道ばたや空き地に生えます。草丈60~90センチ。葉は羽状深裂。葉裏は綿毛が生え白い。アザミは葉が厚くトゲがありますが、この花の葉は柔らかくてトゲも無く、見た目もほっそりと優しい感じがします。頭花は紅紫色で、直径約2.5センチあり、枝先に上向きにつきます。総苞は球形で、上部にとさか状の突起があります。花期は5~6月にピンク色の花を咲かせます。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.4.17
09 湿地に生える目立つ花、ケキツネノボタン(毛狐の牡丹)の花
所在地 横浜市緑区寺山町291 県立四季の森公園
科.属など キンポウゲ科キンポウゲ属 多年草
見どころ  日本各地の田の畦や溝の縁などに生え、草丈は50~60センチ。一つの柄に3枚の葉がつき(3出複葉)、それぞれの小葉に切れ込みがあります。花期は4~7月ごろ分岐した茎の先に直径1~1.5センチほどの黄色の5弁花を咲かせます。ケキツネノボタンの名の由来は葉がボタン(牡丹)の葉に似ていることから。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.4.17
07 長野県の和田峠にちなんだ名前、ワダソウ(和田草)の花
所在地 調布市深大寺南町1-25 調布市野草園
科.属など ナデシコ科 ワチガイソウ属 多年草
見どころ  本州中部以北と九州の一部に分布し、わが国の固有種で山地の林下に生えます。花弁の先端に切れこみがあるのが特徴です。上部の茎葉は幅が広く卵形になるのもワダソウならではだそうです。全体の高さは10センチ~15センチ位。1センチ位のサクラの花びらを図案化したような花の形も面白く、 雄しべの先が赤く、「白い花びらに鮮やかな赤い点々」があり、なかなかユニ-クで、一度見ると忘れられないワダソウです。花期は4~5月です。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.4.14
02 常緑の多年草で、さわやかな黄緑色の花 ヘレボルス・アーグチフォリウスの花
所在地 横浜市港北区大曽根 マンションの庭
科.属など キンポウゲ科 クリスマスローズ属(ヘレボルス属)
見どころ  ヘレボルス・アーグチフォリウスは、有茎種(立ち上がった茎に葉をつけ頂部に花を咲かせる)のクリスマスローズです。 ヘレボルス属の原種は18種類が知られていますが、チベタヌスは18番目に中国西部の山間部で発見された、 「幻のクリスマスローズ」といわれています。本来、「クリスマスローズ」はヘレボルス・ニゲルの英名ですが、日本ではヘレボルス属全体をクリスマスローズと 呼んでいます。
 ※クリスマスローズの花が8ページNO.15に載っています。
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.4.16

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15 道端でよく見かける、気になる野草、ナガミヒナゲシ(長実雛芥子)の花
所在地 横浜市港北区箕輪町2丁目 道路沿い
科.属など ケシ科ケシ属 1年生草本
見どころ  
一輪だけ公園で咲いていた
ヒナゲシ

2012.4.19 港北区大曽根の公園 大田孝子撮影

 地中海沿岸が原産地の外来植物です。15センチくらいから最大60センチぐらいにまで成長します。茎には硬い剛毛が生え,葉は細かく切れ込まれています。果実(芥子坊主)は細長く、和名の長実雛芥子はここから付けられました。秋から冬に芽生え、春に開花します。ケシの仲間ですが、アヘンの成分はありません。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.4.17
05 春の野山で目立つ鮮やかな黄色い花、ミツバツチグリ(三葉土栗)の花
所在地 調布市深大寺南町1-25 調布市野草園
科.属など バラ科キジムシロ属 多年草
見どころ  
 日本全国の山野の日当たりのよいところに生育します。ヘビイチゴによく似ていて、葉も花も咲く時期も同じ頃なので間違えてしまいそうですが、ヘビイチゴは花のすぐ下に、襟巻きのような葉っぱがあります。花びらと花びらの間に隙間があり、そこから萼がはっきりと見えます。雌しべがまん丸なのがヘビイチゴ。小葉が3枚で、5枚の花弁の間に隙間がないのがミツバツチグリです。草丈15~30センチ、細く長いランナーがあります。花期は4~5月です。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.4.14
18 ヒョロヒョロと立つ外来種、マツバウンラン(松葉海蘭)の花
所在地 横浜市港北区新吉田東7丁目付近の鶴見川土手
科.属など ゴマノハグサ科ウンラン属 一年草または二年草
見どころ

マツバウンランの群生
 
 葉の形が松葉、花がウンランに似ていることからこの名がつきました。北アメリカ原産の帰化植物。日本国内では本州、四国及び九州に帰化し、日当りの良い場所に生えます。高さは20〜60センチで、先端に紫色の花をつけ、下の方に細長い葉をつけます。花期は4〜6月。
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.5.19

2012.4.17~掲載20種

13 東アジアにおよそ20種~40種が分布する、スジギボウシ(筋擬宝珠)の葉
所在地 横浜市港北区新吉田町の民家庭先
科.属など ユリ(リュウゼツラン)科ギボウシ属の多年草
見どころ
 江戸時代の日本で変異個体が多数園芸品種として固定され、さらにこれがシーボルトらによってヨーロッパに紹介されてヨーロッパでも多くの品種が育成されました。つぼみの姿が橋の柱の先端などについている擬宝珠(ぎぼし)に似ているところからつ けられた名前です。夏に総状花序に青(白の品種もある)の細長い花をつけます。日本にはオオバギボウシなど20種ほどが野生し、これらはウルイの名で山菜としても利用されます。

つぼみが橋の擬宝珠に似ています
2012.7.1 上記の場所
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.4.17
08 直径4センチほどの白い大きな花、イチリンソウ(一輪草)の花
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内
科.属など キンポウゲ科イチリンソウ属 多年草
見どころ  草丈20~25センチの多年草です。根生葉は地下茎の先に付きますが、花茎の基部には付きません。茎のように見えているものは、花茎とよばれ、葉(3枚)のように見えているものは、茎葉とか苞葉と呼ばれます。直径4センチ位の大型の花です。イチリンソウはもちろん「一輪草」の意味で、茎に花が1個しか咲かないところからきています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.4.15

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