01 生のままはもちろん、乾燥しても楽しめる、ウスベニアオイ(薄紅葵)
所在地 藤沢市辻堂太平台2-13-35 藤沢市長久保公園 ハーブ園
科.属など アオイ科 ゼニアオイ属の多年草
見どころ

左のウスベニアオイとは色違い、青色
 ヨーロッパ原産で、人家の周辺で野生化しているものもあります。花期は5〜8月で、茎は直立して高さ1メートルになり、全体に粗い毛があります。葉は円形で掌状に5〜7浅裂し、縁に鋸歯があリ、長い葉柄で互生します。よく似た花のゼニアオイ(銭葵)は茎が一般的に無毛で、葉がほぼ円形で切れ込みが浅いところで区別できます。別名:ブルーマロウ、コモンマロウとも呼ばれています。ゼニアオイの基になる種で、ローマ時代に食用と薬用の目的で庭に盛んに栽培されていたものが中世になると薬用目的で栽培されました。日本へは江戸時代、元禄12年(1699)以前に渡来したと考えられています。花にアントシアニン系色素のマルビン、葉にタンニン、マルバリン酸、ステルクリン酸などが含まれており、若葉と花はサラダやハーブティに、葉と根は茹でて、野菜としても利用できます。民間薬としても、咳や胃炎に効果があるとされています。 
 ※ ゼニアオイ(銭葵)の花が17ページNO.06に載っています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.5.25

「とうよこ沿線」TOPへ戻る

08 色とりどりの花がある、ゴテチャ

所在地 藤沢市辻堂太平台2-13-35 藤沢市長久保公園 ハーブ園
科.属など アカバナ科ゴデチア属の越年草
見どころ  和名はイロマツヨイグサ(色待宵草)。北米原産で、北アメリカの太平洋岸、ブリティッシュコロンビア州南部からカリフォルニア州中部にかけて分布しています。乾燥した斜面の草原や、林や茂みの空き地に生え、高さは20〜60センチになります。茎は長くて分枝性で、葉は披針形です。花は6月から8月ごろ、穂状または円錐花序に付き、花弁は4枚で大きく、派手なピンク色、白色、混合色で、カップ形の花を咲かせます。園芸用に、多くの種間交雑種が作出されています。 
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.5.25
07 良い匂いのする葉が特徴、ヒメノコギリソウ(姫鋸草)
所在地 秦野市堀山下1513 県立秦野戸川公園   
科.属など キク科ノコギリソウ属の多年草
見どころ

ヒメノコギリソウの花、茎、葉
 ヨーロッパの南東部から南西部に分布しています。比較的寒く乾燥した草地に生え、葉は披針形で、互い違いに生えています。葉には毛が密生し、縁には鈍い鈍鋸歯があり立体的です。高さは15〜25センチになり、夏に茎先で枝分かれをし、小さな黄色い花(頭花)を固まってつけます。別名はアキレア・トメントーサ。
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.5.24
03 ドクダミの花の園芸種、ゴシキドクダミ(五色毒痛み)
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内    
科.属など ドクダミ科ドクダミ属 多年草  
見どころ  別名はカメレオン。東アジアが原産の「ドクダミ」の園芸品種です。草丈は20〜30センチ。横幅30〜10センチ以上あり、初夏〜夏にかけて4枚の白い花びらをもった花を咲かせます。茎葉をちぎったりもんだりすると独特の臭気が漂います。乾燥させたものは「十薬(じゅうやく)」と呼ばれ、解熱や解毒、利尿作用があり、薬草として扱われます。ちなみに、乾燥させたものは臭気が消えます。名の由来は、独特の臭気を持つところから毒溜(どくだめ)と呼ばれ、それが転じてドクダミとなったと言われています。
 ※ドクダミの花は10ページNO.05に掲載されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.5.26

次ページNO.28へ

野草-World TOPへ戻る

04 薬用や健康食品として利用される、エダウチオオバコ(枝打大葉子)
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内    
科.属など オオバコ科オオバコ属 一年草
見どころ  別名はサイリウム 。ヨーロッパ〜西アジア原産。草丈は50〜70センチくらいです。葉は線形で、放射状に数段つきます。開花時期は5月〜7月くらいに円筒形の穂状花序を出し、白い小さな花をたくさんつけます。花の後にできる種子や種皮は、古くから緩下薬、つまり便秘の薬に用いられています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.5.26
05 畳表やゴザの材料、イグサ(藺草) 
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内    
科.属など イグサ科イグサ属 多年草
見どころ

イグサの株
 別名はトウシンソウ(燈芯草)。湿地や浅い水中に生える植物で、泥に根を下ろします。植物の姿はちょっと変わったもので、先のとがった細い茎ばかりが束になったような姿をしています。花は緑色でごく目立たちません。ただし、よく似た姿のカヤツリグサ科やイネ科のものとは異なり、通常の花です。畳表やゴザはイグサの茎で作られます。また別名のトウシンソウというのは「燈芯草」の意味で、かって油で明りを採っていたころにこの花茎の髄を燈芯として使ったことに由来します。今日でも和蝋燭の芯の素材として用いられています。茎の髄を乾燥したものを利尿剤とすることがあります。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.5.26
06 植えても大丈夫です、ヒナゲシ(雛罌粟)の花と実
所在地 秦野市堀山下1513 県立秦野戸川公園   
科.属など ケシ科ケシ属
見どころ
 別名を「ポピー」、「グビジンソウ(虞美人草)」、スペインでは「アマポーラ」、フランスでは「コクリコ」の名で呼ばれています。ヨーロッパ原産で日本には江戸時代に渡来しました。開花時期は、4月〜6月頃で花弁は非常に薄く、しわがあります。つぼみは最初は下向きで表面に毛が生えており、咲くときに顔を上げ、2つに割れて花が出てきます。ちまたに咲いているヒナゲシ(雛罌粟)からは、採取が禁止されている「アヘン」は取れません。※栽培が禁止されているケシ、アツミゲシ(渥美芥子)は21ページNO13に載っています。ケシ(罌粟)は(芥子)とも書き、ヒナ(雛)は小さい、かわいいの意で、ケシの中では小型でかわいい花であることからきています。漢字の罌粟(けし)は漢名からで、実の形が罌(もたい)「液体をいれる口のつぼんだ甕(かめ))」に似ていて、種子が粟(あわ)に似ているところからきています。

色とりどりのヒナゲシの花が咲き競う公園

形が罌(もたい)に似る実
 
 ※アオイケシ(青い芥子)の花が9ページNO.09に、ナガミヒナゲシ(長実雛芥子)の花が16ページNO.15に載っています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.5.24
09 染料にも利用される、アマ(亜麻)
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内
科.属など アマ科アマ属 耐寒性一年草
見どころ  別名はフラックス。原産地はヨーロッパ。草丈は40〜60センチです。開花期は4〜6月ころ紫色の花径約2センチの花を咲かせます。亜麻はフサフサした細い茎に小さな青い花を沢山咲かせます。種から採った亜麻仁油(アマニユ)は健康食品や塗料に使われるそうです。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.5.26
10 食用とされる、イタリアウイキョウ(イタリア茴香)

花です
所在地 藤沢市辻堂太平台2-13-35 藤沢市長久保公園 ハーブ園
科.属など セリ科ウイキョウ属
見どころ

イタリアウイキョウの株
別名はフローレンス・フェンネル。株元が球根のように肥大してその株元を野菜のように料理に使用します。この株元はセロリのような食感とアニスのような香りがすることが特徴的です。イタリアではフィノッキオと呼ばれ野菜として親しまれています。ウイキョウという名称には香りを回すという意味があり、漢字で「茴香」というように書きます。この種の香りの強い野菜につく「アゲハチョウ」の幼虫も誘われて葉を食べていました。
  ※ウイキョウの葉が15ページNO.03に載っています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.5.25
11 古代バビロニアの時代から使われた、スイート・フェンネル

花です
所在地 藤沢市辻堂太平台2-13-35 藤沢市長久保公園 ハーブ園
科.属など セリ科ウイキョウ属
見どころ

スイート・フェンネルの株
 ウイキョウ(茴香)の栽培品種です。ヨーロッパ南部から西アジアが原産です。日本ではスイート・フェンネル、フローレンス・フェンネル、ブロンズ・フェンネルの3種が主に栽培されます。古代ギリシアでは、葉や種が母乳の出を良くするとされました。アラビアやインド医学では駆風作用(腸内にたまったガスを出させること)、食欲増進作用を期待して用いられました。スイートフェンネルはフローレンスフェンネルのように株元が大きくならず主に種はハーブやスパイスとして使用します。カレー粉の主原料となることでも有名です。またハーブティもこの種を使用します。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.5.25
12 主に観賞用のブロンズ・フェンネル
所在地 藤沢市辻堂太平台2-13-35 藤沢市長久保公園 ハーブ園
科.属など セリ科ウイキョウ属
見どころ  ウイキョウ(茴香)の栽培品種です。地中海沿岸が原産で、草丈80センチ〜2メートルになる、毎年育つ大型の多年草です。茎葉やタネに方向があり、ハーブやスパイスとして利用されます。日本には平安時代に入ってきて、江戸時代には栽培されていたと言われています。葉が美しいブロンズ色をしており、茎の下部はあまり太りません。葉色を生かして花壇の彩りやアクセントに利用します。他のフェンネルとは違った味わいがあり、若葉はサラダや飾りつけに使われます。ハーブティやハーブバス、切り花にも利用できます。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.5.25
13 葉が、鯉のぼりに付ける矢車に似ていて、ヤグルマソウ(矢車草)

茎の先端の円錐花序に白花をたくさんつける
所在地 東京都品川区荏原2丁目 星薬科大学薬用植物園
科.属など ユキノシタ科ヤグルマソウ属 多年草
見どころ

葉の形が鯉幟の柱に取り付けた矢車
その形に似ているのが名前の由来
 北海道と本州の山地のやや湿った所に自生します。草丈は1メートル前後。葉は矢車のような掌状の複葉が特徴です。小葉は倒卵形で5個、先が浅く裂けています。花は写真のように白色で茎の先の円錐花序にたくさん付きます。花期は6月〜7月 。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.5.25
14 北アメリカ原産の帰化植物、オオキンケイギク(大金鶏菊)

2006年から特定外来生物として栽培・譲渡・販売・輸出入などが原則禁止です
所在地 横浜市港北区綱島上町 早渕川の土手 
科.属など キク科ハルシャギク属 多年生草本
見どころ
 日本には1880年代に鑑賞目的で導入されました。繁殖力が強く、荒地でも生育でき、河川敷や道端の一面を美しい黄色の花で彩どります。緑化植物としても観賞植物としても非常に好まれました。花期は5月〜7月頃。直径5〜7センチの橙黄色の頭状花を付けます。しかし、在来種に悪影響を与える恐れが指摘され、2006年に特定外来生物として栽培・譲渡・販売・輸出入などが原則禁止されました。名の由来は花の色を金鶏(黄色の鳥)に見立てて名付けられたと言う説と、金色に輝き、花の形が鶏の鶏冠(とさか)に似ているからと言う二説があります。

オオキンケイギク花の群生
港北区新吉田町 空き地
 2012.5.30
八城幸子撮影
 

オオキンケイギク八重の花
左の群生と同じ
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.5.30
15 淡黄色の花は蕾のように見える、アレチノギク(荒れ地野菊)

写っている3個の白い冠毛が実です。
所在地 横浜市港北区綱島上町の道端 
科.属など キク科イズハハコ属 1年草〜越年草
見どころ
 南アメリカ原産の帰化植物で、世界中に分布しています。秋に芽生え、ロゼットで越冬して春から初夏に開花します。明治の中頃に帰化し、各地にはびこったが近年は見ることが少なくなったそうです。同属の「オオアレチノギク」にくらべ、草丈が低いので負けてしまったのかもしれません。中心から伸びた茎は30〜50センチほどで花を付けて伸びなくなり、根本や途中から枝がたくさん出た草形となります。主幹が1.5メートルを越える「オオアレチノギク」との大きな違いです。頭花は「オオアレチノギク」よりも大きく、タル型です。葉はより切れ込みが大きく、葉の縁には荒い毛が生えています。舌状花の花弁は短いのでないように見えますが、数は多くあります。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.5.30
16.巻きひげを伸ばして樹木に絡んで育つ! ヤマブドウ(山葡萄)の実
所在地 秋田県にかほ市 鳥海山麓、獅子ケ鼻湿原
科.属など ブドウ科ブドウ属 つる性落葉低木
見どころ  ブドウ科の蔓性落葉低木。各地の山地に自生し茎は長さ数メートルになり、葉は心臓形で浅く3〜5裂、裏面に茶褐色の綿毛が密生しています。6〜7月に淡黄緑色で4〜6ミリの花が多数つきます。秋、葡萄の房は見事な「葡萄色」となります。 生食は、熟したものでも「酸味が強い」ので、酸いものが好きな人でなければ、食べにくい木の実です。ジャムやジュースに利用されます。ジュースの中に、切った大根を入れ1〜2日漬けると美しいワインカラーの漬物ができ、ほんのり山葡萄の香りがして、洒落た一品となります。※ブドウの実が5ページNO.7に載っています。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2010.08.03
17 伸びたしべがヒゲのような、ネコノヒゲ(猫の髭) 
所在地 秦野市堀山下1513 県立秦野戸川公園近くの畑
科.属など シソ科 オルトシフォン属の多年草
見どころ  別名はクミスクチン、キャッツウイスカー。インド〜マレー半島が原産の植物で、日本には当初、薬用植物として導入されました。葉に利尿作用や血圧を下げる効果のある成分を含み、「クミスクチン茶」の名前で健康茶の一種として出回っています。6〜7月に白い花を咲かせますが、2唇形の花弁の間から伸びる長い雄しべと雌しべがこの花の大きな特徴で、これが猫の髭に似ているのが和名の由来です。花色は白で、ごく薄い青色を帯びます。花が面白いので、最近はガーデニング素材に好まれます。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.5.24
18 赤ん坊をあやすような奇妙な名前「ベロベロネ」 和名:コエビソウ(小海老草)
所在地 川崎市中原区中丸子 わが家の庭
科.属など キツネノマゴ科 ジャスティシア属 多年草
見どころ  原産地は:メキシコ 。 花のように見えるのは「苞」です。褐色の点々がついた白い花がよく見えます。 上の花びらの先に黒く見えます。変な名前ですね〜。花を一つ一つ見ても、どの花も“舌”のような白い花弁を斜め下に出しています。その姿は本当に赤ん坊をあやしているかのよう。でも、ギリシャ語で「矢の留め金」という意味があるのだそうで、和名では「コエビソウ」。ともかく、わが家のベロベロネは元気がよく、2b以上に生長し次々花を咲かせています。
撮影者 糸井京子 撮影日
19 街を彩る鮮やか色の数々、タチアオイ(立葵)の花

川崎市国際交流センター駐車場入り口に
所在地 川崎市中原区木月祇園町2-2 川崎市国際交流センター駐車場入り口
科.属など アオイ科タチアオイ属 多年草
見どころ  小アジアまたは中国原産。花期は6〜7月。日本では、平安時代は「唐葵」と呼ばれたそうですが、 江戸時代に今の「立葵」に。 人の背丈以上になり、ぐんぐん伸び、「葵」とはふつうこの「立葵」のことを 指すらしい(葉がどんどん太陽の方に向かう ことから「あうひ」(仰日)の意)。 日本には薬用で渡来したそうですが、花が綺麗なので園芸用に品種改良され、花は一重と八重ものがあり、色は赤、白、ピンク、紫、黄色など多彩です。
撮影者 岩田忠利 撮影日
20 近年各地でみられるナス科の蔓花、ソラナム・ラントネッティ
所在地 川崎市中原区井田2丁目 民家のフェンス
科.属など ナス科ソラナム(ナス)属 低木(非耐寒性) 
見どころ  和名は唐糸草。アルゼンチン〜パラグアイ原産。樹高は最高2.5メートル。葉は楕円形から卵形、互生、花は5月〜11月頃、2cmくらいの暗青色及び紫色の花を咲かせます、花芯部は、ナス科を感じさせる黄色のシベを持っています、紫色の花に、濃い紫の星形の5本の筋が入るところに特徴があります。花弁に切れ込みがなく朝顔に似ています。南アメリカのパラグアイからブラジルに咲いている花だとか。花の名前が分からず調べるのに苦労しましたが、最近は東横沿線でも見かけるようです。
撮影者 岩田忠利 撮影日

02 葉に芳香がある、ムラサキサルビア(紫サルビア)

紫サルビアの花(ピンク)
所在地 藤沢市辻堂太平台2-13-35 藤沢市長久保公園 ハーブ園
科.属など シソ科サルビア属の多年草
見どころ

青色の花

茎葉
 別名はペインテッドセージ。 欧州南部原産で、花期は7〜11月、別名:サルビア・ウイリディス(ビリディス)、サルビア・ホルミナムとも呼ばれます。もっぱら観賞用に栽培されますが、葉に芳香があるのでかってはかぎタバコに用いられました。サルビアの仲間では苞葉が美しい種類です。花は紫やピンクでも小さくてあまり目立ちませんが、茎頂につく苞葉が紫やピンクに色ずいて美しいです。香料、ポプリ、ハーブティ、に使われます。殺菌効果があります。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.5.25

写真をクリックし拡大してご覧ください。
写真を連続して見るには、左上の「戻る」をクリックしてください。

2012.5.27〜 掲載20種