15 有毒植物の、イヌサフラン(犬サフラン)の葉 
所在地 東京都小平市中島町21−1 東京都薬用植物園
科.属など ユリ科イヌサフラン属の球根植物
見どころ  

イヌサフランの花 
花の後、春に葉が出ます!
昭和薬科大学薬用植物園 2012.9.29
石川佐智子撮影
 別名はアキズイセンorオータムンクロッカス。
 
ヨーロッパ中南部〜北アフリカ原産です。球根に痛風に有効な成分が含まれるので、薬用として利用されていましたが、葉が山菜のギョウジャニンニクに似ることから、間違って食べての死亡事故も起きています。9月から10月に15センチほどの花茎を伸ばします。花はサフランに似ていますが、サフランはアヤメ科クロッカス属で、こちらはユリ科イヌサフラン属の別種です。サフランの花の雄しべは3本で大きく垂れ下がっているのに対しして,イヌサフランの雄しべは普通の大きさで6本あることから,花がついていれば両者は容易に鑑別することができます。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.2.24
01 暖かい海岸近くに咲く花、ツルソバ(蔓蕎麦)の花
所在地 横須賀市鴨居 観音崎公園
科.属など タデ目タデ科タデ属 つる性多年草
見どころ  海岸近くの林縁や草地で、白い米粒大の花を集合させて咲かせる微香のするタデ目タデ科タデ属のつる性多年草です。10月下旬頃から咲き始め12月末くらいまで咲いています。花のように見えるのは5深裂した萼です。その実は黒っぽく食べられますが、酸味があり食用のソバ粉が採れるわけではありません。茎や葉の感じはドクダミの葉に似ています。白い花がソバ(蕎麦)の花に似ていることからツルソバと名づけられました。
 ※ヒメツルソバの花が1ページNO.13に掲載されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.2.9
16 暗緑色の葉の間から咲く白黄色の花、ヒメカンスゲ(姫寒菅)の花
所在地 調布市深大寺南町1-25 調布市野草園
科.属など カヤツリグサ科スゲ属 多年草
見どころ  草丈は20〜40センチ。葉は細いのが特徴です。花期は3〜5月ころ、暗緑色の葉の間から白黄色の花を咲かせます。小穂の基部に苞があり、その鞘(さや)の部分が赤褐色をして、そこから小穂が伸び出していることが分かります。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.3.18
02 葉が米のような形に似ているので、タイトゴメ(大唐米)の葉
所在地 横須賀市鴨居 観音崎公園
科.属など ベンケイソウ科マンネングサ属 多年草 
見どころ

観音崎海岸 撮影日:2012.6.14
もっとたくさん花が咲いているのを期待しましたが!
 海岸の岩場に群生します。花は5〜7月枝先に花径1センチの黄色の5弁花を3〜10個つけ、花びらは細く星型です。多肉質の葉は潮風から身を守り、照りつける光線から体内からの水分の蒸散を防ぐために、丸く太く短いくなってるそうです。葉は緑色が多いそうですが、私の観た葉は赤く群生していました。葉が米のような形なので大唐米と名つけられたそうです。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.2.9
17 伝統園芸植物ですが、自生地の名所もある、サクラソウ(桜草)の花

2012.4.23 特別天然記念物の
サクラソウの花
さいたま市桜区サクラソウ公園

石川佐智子撮影

サクラソウの花(ピンク)
港北区新吉田町の空き地   2012.4.17 八城幸子撮影
所在地 さいたま市桜区さくら草公園
科.属など サクラソウ科サクラソウ属 多年草
見どころ  

記念碑「田島ケ原サクラソウ自生地」
    2012.4.23撮影
「一面咲き競うサクラソウの群生を撮ろうと、足取りも軽く現地に向かいましたら、90パーセントは「ノウルシ」、「サクラソウ」はチラホラ……。
ガックリ!」石川佐智子
 サクラソウは、日本の原野の湿地に自生するサクラソウの園芸品種で、江戸時代後期から伝わる伝統園芸植物です。現在サクラソウ属の植物は世界中に約400種あるそうで、園芸店で売っているサクラソウは外国産の西洋サクラソウ。日本産の原種は希少で手に入らず、下記浦和のサクラソウのように国が天然記念物として手厚く管理しています。草丈15〜40センチの花茎を直立させ、5〜10個の花をつけます。葉柄は長く、葉は楕円形でしわが多く、縁に浅い切れ込みがあり、葉や茎に白い軟毛が生えます。花径は2〜3センチほどで、花弁が5個に深く裂け、さらに各弁が半分近く裂けます。花色は赤、ピンク、白とたくさんあります。
 さいたま市桜区の田島ケ原には自生のサクラ草の群落があり、国の天然記念物に指定されています。毎年同市主催の「サクラ草まつり」が“サクラ草公園”で開かれ、賑わいます。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.3.19
03 海岸で生育する、ハマボッス(浜払子)の葉と花
所在地 横須賀市鴨居 観音崎公園
科.属など サクラソウ科オカノトラノオ属 
見どころ
 茎は基部から分岐して直立します。草丈は10〜40センチ。葉は倒被針形で長さ2〜5センチ、幅1〜2センチで多肉質で光沢があります。花期は5〜6月に花序を立てて多数の白花を咲かせます。和名は浜辺に生えて花序の姿が仏具の仏子(ぼっす)を思わせることから付けられたようです。

ハマボッスの花
2012.5.23  横須賀市鴨居 観音崎海岸

観音崎海岸 撮影日:2012.6.14
花より艶やかな実でした!
 
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.2.9
18 ヨーロッパの園芸種、パンジーの花  
所在地 横浜市緑区寺山町291 四季の森公園
科.属など スミレ科スミレ属  多年草
見どころ  別名はサンシキスミレ(三色菫)。ヨーロッパの園芸種。日本には1860年代に渡来。当時は「三色スミレ」と呼ばれていました。草丈は20〜30センチで、花期は秋〜春、花径5〜12センチの花を咲かせます。花色は紫、青、白、黄、橙、赤、黒(濃青による)など、緑以外は全ての色があるとされるほど多彩。花の中心部にブロッチといわれる紫や赤の模様が入っているのがパンジーの特色です。複色花やブロッチのない品種もあります。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.2.26
04 原産地メキシコの高地に自生する、キバナコスモス(黄花コスモス)の花
所在地 横浜市鶴見区 県立三ッ池公園
科.属など キク科コスモス属の多年草または一年草
見どころ  原産地はメキシコで、標高1600m以下の地域に自生する。18世紀末にスペイン・マドリードの植物園に送られ、ヨーロッパに増え、日本には大正時代初期 に輸入されたという記録があるそうです。花期は6月から11月と長い。黄色 、またはオレンジの花を咲かせます。改良種として濃い赤色やチョコレート色の品種もあります。花は一重咲きと八重咲きがあり、園芸品種はほとんど 八重咲き。病害虫による大きな被害を受けることは少なく、頑強で育て易い 植物です。
 ※初投稿の私です。今後ともどうぞよろしくお願いします。
撮影者 五十嵐道夫 撮影日 2011.10.15
19 ワスレナグサの花にそっくりだが小さい、キュウリグサ(胡瓜草)の花

2012.2.24 撮影
所在地 横浜市港北区綱島東1丁目 駐車場
科.属など ムラサキ科キュウリグサ属の2年草
見どころ

花が咲くにつれ茎がどんどん伸びます。2012.3.28撮影
 
 ムギ作の伝来にともなって帰化した古代帰化植物の一つで、日本全国の野原や道端に生育しています。花茎の先につく花は、径約2ミリの小花で、花序は先がカタツムリのように巻いていますが、開花が進むにつれて、まっすぐに伸びます。花期は3月〜5月。名前は、葉を揉むとキュウリのような匂いがするから。生薬名は 「フチサイ(附地菜)」と言われ利尿効果があるそうです。
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.2.24
05 アメリカ大陸発見前にカボチャはすでに重要な作物だった、カボチャ(南瓜)の花
所在地 横浜市港北区日吉6丁目 民家の垣根
科.属など ウリ目・ウリ科・ククルビタ属。そこから大別するとモスカータ種、マキシマ種、ペポ種、ミキスタ種、フ ィシフォリア種の5種類。 日本で栽培されているのは、モスカータ、マキシマ、ペポの3種です。モスカータ種は俗に「ニホンカボチャ」、マキシマ種は「セイヨウカボチャ 」と呼ばれています。
見どころ  コロンブスが発見する前のアメリカ大陸では、重要な作物はトウモロコシ、インゲン、カボチャだったと言われています。アメリカ大陸の遺跡からは、数カ所でトウモロコシよりも古い地層にカボチャが発見されています。これは、ある場所ではトウモロコシよりも先にカボチャが一般的に栽培され、コロンブスのアメリカ大陸発見前にカボチャはすでに重要な作物のひとつだったことを示すものとか。カボチャの種子、花、果実は食用に利用されました。大きな種子は多量のタンパク質と脂肪を持ち、おいしく栄養価に富んでいます。遺跡から出土した標本などからも古代のメキシコ人は、果肉が薄く、繊維の多い水っぽいミキスタカボチャの果実を捨て、その種子を煎って食べていたそうです。
撮影者 五十嵐道夫 撮影日 2011.8.5
20 根を用いて食品の葛粉や漢方薬が作られた、クズ(葛)の実と花
所在地 横浜市港北区新吉田町第三京浜・都筑インター入り口近くの山道
科.属など マメ科クズ属つる性の多年草
見どころ
 和名は、かつて大和国(現:奈良県)の国栖(くず)が葛粉の産地であったことに由来するようです。根は非常に深く、太って長芋状となります。生薬名を「葛根(かっこん)」と呼び漢方方剤の葛根湯、参蘇飲(じんそいん)などの原料になり、発汗作用、鎮痛作用があるとされます。
 花は8〜9月の秋に咲き、秋の七草の一つです。穂状花序が立ち上がり、赤紫の豆の花を咲かせ、果実は枝豆に似ています。今の季節は、葉も落ちて、豆だけが残っていました。豆は飼料、つるは繊維で編んだ葛布(くずふ)で、平安時代ごろから衣服などに幅広く使われ、根から葛粉の採取など、それなりに利用価値は高かったのですが、今は河原や野原で他の木などにからみつく厄介者になってしまっています。

クズの花
県立四季の森公園
 2012.7.22撮影

クズの茎葉
撮影日・場所は左に同じ
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.2.26
06 ヒマラヤの高山帯に自生し「幻の花」と言われる神秘的な、青いケシの花
所在地 長野県伊那郡大鹿村 「中村農園」
科.属など キク科メコノプシス属
見どころ

 標高1500メートルにある長野県大鹿村大池高原の中村農園へ昨年7月行き、撮影しました。幻の花といわれている高山植物「青いケシ」がちょうど見頃を迎えていました。梅雨の合間の青空と青さを競うかのように咲き誇っていました。

撮影者 大田孝子 撮影日 2011.7.1
07 花弁が大型で船の形をしている花! タイリンゲットウ(大輪月桃)の花
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内(温室)
科.属など ショウガ科ハナミョウガ属の多年生常緑草本
見どころ  草丈40〜60センチあり濃緑色で光沢があり、長楕円数個左右に先端は尖り、下端は鞘となり茎を包みます。この画像は温室で撮影したものですが、花は夏に、茎頂の下垂する提灯のような大型で総状花序をつけます。花の長さは4センチくらい、花冠は3裂し、唇弁は大型で舟型です。葉から得られる製油は防虫剤、抗菌剤に使用され、種子は香辛料として使用します。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.2.18
08 クンシラン(君子蘭)の仲間、クリビア・ノビルスの花と実

クンシランは上向きに咲くが、この種は下向きに咲く
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内(温室)
科.属など ヒガンバナ科クンシラン属 常緑多年草
見どころ  南アフリカ、ケープ地方原産。明治時代に渡来。無茎の多年草で、根は多肉質。葉は長さ30〜45センチ、幅3〜 4センチ。花茎の頂に多数の花が散形に付き、下向きに咲きます。開花期は5月頃です。クンシラン(君子蘭)の花は上向きに咲いています。この画像は温室なのでちょっと霞んでしまいました。薬効については調べましたが良く分りませんでした。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.2.18

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09 ギリシャ語で「星」という球根草、アストランチア
所在地 長野県伊那郡大鹿村 「中村農園」
科.属など セリ科の多年草 アストランチア
見どころ  原産地・西ヨーロッパに分布する「マヨイ種」が多い。花の形にちなみ、「アストランチア」はギリシア語で星という意味です。アストランチアは最近急速に出回ってきた新顔の植物です。総苞が乾いてガサガサとしており、ドライフラワーにしてもそのまま残ります。私が訪ねたのは7月1日ですが、開花時は6月上旬〜7月下旬です。
撮影者 大田孝子 撮影日 2011.7.1
10 鮮やかな山吹色の、シナノキンバイ(信濃金梅)
所在地 長野県伊那郡大鹿村 「中村農園」
科.属など キンボウゲ科キンバイソウ属の多年草、高山植物
見どころ  別名はエゾキンバイソウ。 近縁種はトロリウス。原産地は中国の雲南地方。上記長野県の中村農園は標高1500メートルの高地です。本州中部以北の亜高山帯〜高山帯にかけて、及び北海道の雪渓が溶けた湿った草地に群落を作ることもしばしばあります。シナノキンバイの名前の由来は北アルプスなど信州の山に多いことからこの名が付いたとされています。近縁の植物にトロリウスがあります。花は鮮やかな山吹色。同じく中国原産のトロリウス・シネンシスなどによく似ています。

 ※この写真に写る“茶色の細い紐”は中に立ち入らないように張った防御用の紐です。
撮影者 大田孝子 撮影日 2011.7.1
11 成長段階で名前が変わる、サヤエンドウ(莢豌豆)の花
所在地 横浜市港北区新吉田町の畑
科.属など マメ科1〜2年草
見どころ

サヤエンドウの実が生りました!
2012.4.28 上記の畑
 エンドウ豆には、若いサヤ(莢)ごと食べる「実エンドウ」と、成熟した豆を乾燥してから食べる「青エンドウ」「赤エンドウ」があります。白い花は「青エンドウ」、赤い花は「赤エンドウ」です。成長段階で呼ばれる名前が変わり、未熟の莢を食用とする場合の呼び方は、サヤエンドウ(莢豌豆)、キヌサヤ(絹莢)。未熟の種子を食用とする場合の呼び方は、グリンピース。完熟後乾燥させたのが青エンドウ豆になります。 赤エンドウ豆とはえんどう豆の一種です。普段使われている有名な商品としてみつ豆に入っている豆が赤エンドウ豆です。
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2011.4.14
12 思わず見とれてしまうほどかわいい、セツブンソウ(節分草)の花

乱獲で希少植物となっている
可愛いセツブンソウの花

所在地 東京都小平市中島町21−1 東京都薬用植物園
科.属など キンポウゲ科セツブンソウ属の多年草
見どころ  

2012.2.24 板橋区赤塚植物園
撮影:石川佐智子
 花びらに見えるのはガクで、実際の花びらは中にある小さな黄色い雄しべ状の蜜槽と呼ばれるものです。石灰岩地域に多く見られ、高さ10センチほどで、直径2センチの白い花を咲かせます。可憐な花は人気が高く、現在は、乱獲や自生地の環境破壊によって希少植物になっています。和名は節分の頃に花をつけることに由来しますが、山地での開花は3月上旬となり、節分には間に合わないようです。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.2.24
13 早春に可憐な花を咲かせる、セリバオウレン(芹葉黄連)

落ち葉の中でひっそりと咲く
所在地 東京都小平市中島町21−1 東京都薬用植物園
科.属など キンポウゲ科オウレン属 常緑多年草
見どころ
セリバオウレン茎葉

  

花が散った後
2012.4.7 昭和薬科大薬草園
石川佐智子撮影
 葉がセリの葉に似ているため名の由来となっています。花は直径は1センチほどで、白い花弁のように見えるのは萼です。山地の林内に生える小形の多年草で、本州と四国の山地の林内に生えます。花には雌雄異株、両性花をつける株などがあるようです。薬草として腱胃、整腸の薬効があります。セツブンソウと同じように花の少ない早春にひっそりと咲く姿は、とても可愛い花です。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.2.24

2012.02.17〜02.27 掲載20種

14 春を告げる花、マツユキソウ(待雪草) 別名:スノードロップ

冬枯れの大地で下向きに咲く
清楚なスノードロップ(雪の雫)

所在地 東京都小平市中島町21−1 東京都薬用植物園
科.属など ヒガンバナ科ガランサス属
見どころ  冬の終わりから春先にかけ花を咲かせます。白い3枚はガク(萼)片で、その中にあるのが花びらで緑色の模様が入りますが、下向きに咲くため、ガクの中に隠れて見えません。ヨーロッパ南部からコーカサス山脈が原産です。エデンを追われたアダムとイヴをある天使が励ました際、降っていた雪を天使がスノードロップに変えたという伝説があり、イギリスでは「2月の美しい少女」とも呼ばれるそうです。
 ※別属のスノーフレーク、「オオマツユキソウ(大待雪草)」の花が7ページ38に載っています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.2.24

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