2012.10.30〜 掲載8種

03.有毒植物として有名、ハナトリカブト(花鳥兜) 別名:アコニタム

ハナトリカブトの花
所在地 東京都八王子市堀之内1432-1 東京薬科大学薬用植物園
科.属など キンポウゲ科トリカブト属 多年草 有毒植物
見どころ

茎葉
 別名はカブトギク(兜菊)、カブトバナ(兜花)とも呼ばれています。中国原産で、江戸時代、薬用として持ち込まれました。特に根は猛毒ですが、漢方では塊根を「附子」と呼び、鎮痛、強心、効リューマチの治療に薬用に用います。茎は直立して1メートルくらいになり、その先端に、10花ほど総状に着けます。葉は掌状に3裂しています。 開花期は7〜9月。
 有毒植物として有名ですが、濃青色の花がたいへんに美しい植物なので切り花によく使います。ハナトリカブトの方が、ヤマトリカブトより少し大きめです。花と見えているものは全てガクです。花の名前の由来は、兜状のガクの内側に小鳥に似た形の花弁があり、それで鳥の兜の花名になったという説と、烏帽子に似ているのでトリカブトの名がついたという説があります。
ヤマトリカブトは16ページNO.19にオクトリカブトは58ページNO.10に掲載されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.10.30
07.長崎の平戸島のみに自生する固有種、イトラッキョウ(糸ラッキョウ)

イトラッキョウの花
全体が繊細な感じがします
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園
科.属など ユリ科(ネギ科)アリウム属 絶滅危惧種 食用(漬物)
見どころ  イトラッキョウは長崎の平戸島のみに自生する固有種です。自生地では岩場や岩棚に群生して生活します。草丈は15〜20センチで糸のように細い葉を出します。冬は休眠し、春〜秋に生長します。花の咲く時期は主に夏の終わりから秋にかけて、線のような細い花茎を伸ばしてその先端に紅紫色の花が数輪付きます。花色は濃いものもあれば淡いのもあり色幅があるようです。
 ※ラッキョウは2ページNO.14に掲載されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.11.24
01.花冠の先は5つに切れ込みくるりと反り返る、カシワバハグマ(柏葉白熊) 

カシワバハグマの花(拡大)
コウヤボウキ属だから当たり前ですが、コウヤボウキの花にそっくり
所在地 川崎市宮前区神木本町2-10-1 県立東高根森林公園 
科.属など キク科コウヤボウキ属 多年草
見どころ

葉が柏の葉(アカメガシワの葉のこと)に似ています
 北海道を除く日本の山林に生えます。茎は直立して、枝分かれしません。葉は互生し、卵状楕円形で、長い柄があり、縁に粗い鋸歯があります。花は、茎の先や茎の上部の葉腋に白色の頭花を穂状につけます。葉が柏の葉(アカメガシワの葉のこと)に似ており、頭花がハグマ(仏具の払子に使うヤクの尾の毛)に似ていることからこの名前がついたようです。花期は9〜11月です。
 ※オクモミジハグマの花が53ページNo.20に載っています。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.10.26
05.絶滅寸前となってしまった、カワラノギク(河原野菊)

   カワラノギクの花(拡大)
3〜4センチの大きさで、普通のノギクより大き目です
所在地 相模原市緑区小倉 相模川河川敷
科.属など キク科シオン属 多年草
見どころ
 先日、新聞に「カワラノギク」の記事が載っていましたので、観に行ってきました。相模川の河川敷に自生し国の絶滅危惧種に指定されている、大輪の野菊の一種です。多摩川、相模川などの限られた一部の河川にしか生育していません。玉石がゴロゴロ した河原を好むが、河川改修の影響で激減しているようです。
 草丈は30〜80センチで、茎は上部でよく分岐します。花径3〜4センチの頭花で、舌状花は淡い紫色、筒状花は黄色です。葉は線状披針形、長さ6〜7センチ、無柄でほとんど毛がありません。根際から生える葉は、開花時には枯れてしまいます。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)です。発芽から開花までの1〜数年間はロゼット葉で過ごします。一度開花して結実すると、その個体は枯れてしまうそうです。
 多摩川、相模川では絶滅を防ぐため、複数のグループによる保護団体が保存運動に努力されています。花期は9〜11月です。

カワラノギクの群生
 近くの湘南小学校の生徒さんがお世話をしています 

カワラノギクの花と茎葉
玉石がゴロゴロしている河原に咲いています
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.11.8
04.漢方薬? シマカンギク(島寒菊) 別名:アブラギク(油菊)

シマカンギクの花
所在地 東京都八王子市堀之内1432-1 東京薬科大学薬用植物園
科.属など キク科キク属  多年草
見どころ

満開でした
昭和薬科大学薬用植物園 2012.11.24 撮影
 日当たりのよい山麓に生えます。草丈は30〜80センチ。葉は長さ3〜5センチ幅2.5〜4センチくらいで、5中裂します。裏面には淡緑色の伏毛があります。10〜12月ごろ、直径25ミリほどの黄色い頭花を咲かせます。別名の「アブラギク」は、江戸時代に長崎でこの花を油に浸したものを油菊と呼び、傷薬にしたことから名付けられました。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.10.30

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08.葉を揉むと樟脳の匂いがします、リュウノウギク(竜脳菊)

リュウノウギクの花
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園
科.属など キク科キク属 多年草
見どころ  日当たりの良い山地に生える多年草。草丈30〜60センチ。葉は互生して長さ3〜6センチの卵形〜広卵形で3中裂、裂片には鋸歯があります。葉や茎には細毛が密生しています。頭花は花冠の直径3〜5センチくらい。舌状花は白色で筒状花は黄色。花期は10〜11月。葉をもむとすっきりとした樟脳のようなとても気持ちの良い香りがします。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.11.24

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02.日本に渡来したのは明治時代、ワスレナグサ(勿忘草、忘れな草)

     ワスレナグサの花(拡大)
花径は6〜9ミリのかわいらしい花が、複数かたまって咲きます。中心が黄色と白色で、目のようなアクセントになっています
所在地 川崎市宮前区神木本町2-10-1 県立東高根森林公園 
科.属など ムラサキ科ワスレナグサ属 多年草
見どころ

茎が根元からよく枝分かれして伸びます。葉から茎まで軟毛に覆われています
 ヨーロッパ原産の帰化植物で川辺などに生育しています。花は園芸観賞用として栽培されることが多く、野生化したものは、北海道や長野県に多い。茎の先にカタツムリのように巻いた花序を出して、径6〜9ミリの淡青紫色の5弁花をたくさんつけます。花の中央が黄色で、そのまわりに白色の小斑点があります。巻いている花序は、開花すると伸び、果期にはまっすぐになります。
 草丈は20〜40センチ。茎は分枝して、基部から長く地を這う枝を出します。下部の葉はへら形〜倒披針形で柄があり、上部の葉は長楕円形で柄がありません。花期は5〜7月です。名前は、ドイツの伝説、英名で「フォーゲットミーナット」に由来しています。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.10.26
06.西洋料理の色づけに欠かせない、サフラン 

赤い雌しべが利用されています
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園
科.属など アヤメ科サフラン属 多年草  薬用 香辛料  
見どころ

イヌサフランと違い、葉もありました
 地中海沿岸が原産。日本へは江戸時代に薬として渡来。国内での栽培は、1886年(明治19年) 雌しべを乾燥させて、香辛料や生薬として用いました。赤くて長い3本の雌しべは薬用にしたり染色に使ったりします。サフラン・ライスというのをご存じの方はなるほどと思われるでしょうが、あの黄色い色を出すのがサフランの雌しべなのです。葉は細い線状です。
 ※イヌサフランが9ページNO.15に掲載されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.11.24