03.米粒ほど小さな花、ハシカグサ(麻疹草)

ハシカグサの花拡大
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内
科.属など アカネ科ハシカグサ属  1年草
見どころ  水田の畦、用水路脇、湿地や溜池畔、渓流畔、湿った林床などに生える1年草。草丈は20〜40センチ。各節から根をだし、先のほうはしばしば斜めに立ち上がります。茎の断面は四角で、枝分かれして広がります。葉は2〜6センチの卵形〜狭卵形で対生し、茎の先端や葉腋から花径4ミリほどの白い小さな花をつけ、花冠は筒状で4裂します。花期は8〜9月。葉が乾くと赤褐色に変わる様子が、ハシカの発疹が乾くにつれて赤から褐色に変わる症状に似ているためハシカグサと名付けられたといいます。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.1

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01.実がトウガラシに似る、アゼトウガラシ(畦唐辛子)

アゼトウガラシの花拡大
所在地 横浜市青葉区寺家町「寺家ふるさと村」の田んぼ
科.属など ゴマノハグサ科アゼトウガラシ属 1年草
見どころ

葉は対生し、披針形で柄はなく鋸歯があり、先がとがる茎葉
 北海道〜九州の水田のあぜや、やや湿り気のある畑などに生えます。茎は根もとで枝分かれし、高さ10〜20センチ。葉は対生し、披針形で柄はなく鋸歯があり、先がとがります。上部の葉の脇から出した花柄に、長さ約1センチの淡紅紫色の花を一つつけます。4個の雄しべのうち上唇側の2個は短く、下側の2個は長く、下唇の中央に黄斑があります。果実は細長く長さ約1.3センチあります。花期は8〜10月。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.8.30
05.白色星形の花を枝先につける、ホシソケイ(星素馨)ジャスミン 

スタージャスミンの別名もある
ホシソケイジャスミンの花
所在地 横浜市港北区大曾根1丁目 民家の生垣
科.属など モクセイ科ソケイ属 常緑蔓性低木
見どころ  別名は「スタージャスミン」。ホシソケイジャスミンは熱帯アジア原産の植物でスタージャ スミンとかボルネオソケイと呼ばれています。ジャスミンの名前の付くとおり香りがありります。香りは好みがあり、好い香りと言う人と、ウッと顔をしかめる人もいます。花は花径2.5センチ〜3.5センチの白色花、花弁は通常8〜9裂して、葉は長さ4センチ〜8センチの鮮緑色で、基部が心臓形にくびれています。根元から枝を出し潅木状に。生垣や庭園樹などに利用されます。芳香のある白色の星形の花を枝先に付けることから、ホシソケイと名付けられました。花 期 5月〜10月。
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.8.31
06.土の中から顔を出した、サツマイモ  別名:甘藷(かんしょ)

赤い大きなサツマイモのようです
所在地 横浜市港北区大曾根 鶴見川沿いの家庭菜園
科.属など ヒルガオ科サツマイモ属 1年草
見どころ  原産は南アメリカ大陸のペルー、熱帯地方とされます。スペイン人或いは,ポルトガル人により東南アジアに導入され、そこから中国を経て17世紀の初め頃に琉球、九州、その後八丈島、本州と伝わってきました。アジアにおいては外来植物であります。このため中国(唐)から伝来した沖縄や九州では唐芋(奄美群島では薩摩芋)と呼ばれています。
 花はピンク色でアサガオに似ていますが、短日性であるため本州などの温帯地域では開花しにくく、品種や栽培条件によってまれに開花する程度です。収穫期は9月〜11月ですが、1月〜3月のさつまいもは水分が蒸発されて、味がのって、よりおいしくなります。
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.9.3
10 夜明けの星に見立てた名前、 アケボノソウ(曙草) 別名:キツネノササゲ

アケボノソウ花の拡大
所在地 山梨県山梨市牧丘町北原 乙女高原の湿地帯
科.属など リンドウ科センブリ属 多年草(2年草)
見どころ
 北海道から九州の湿原の周辺草地や山間の小川のほとりなどの湿った場所に生育します。発芽後1年目は根生葉だけのロゼットのまま過ごし、2年目に地上茎を出し、高さ80センチ程度まで茎を伸ばします。茎の断面は四角形で、葉は10センチ程度の卵状で互生します。ロゼットの根生葉は柄があるが、茎生葉は柄がないことが特徴的です。花期は9〜10月。分枝した茎の先端に径2センチ程度の白い花をつけます。花は5弁で星型。花弁には紫色の点と、黄緑色の特徴的な丸い模様があります。緑の斑点は蜜腺です。和名は、この模様を夜明けの星空に見立てた名前です。

アケボノソウ姿

湿地帯に咲いていました
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.9.6
14 アズキ(小豆)より小さめ、ツルアズキ(蔓小豆)  

ツルアズキの花拡大
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内
科.属など マメ科ササゲ属 1年草
見どころ

長いサヤが生っているツルアズキの茎葉
 草丈は1.5〜3メートルになります。茎には溝を有し、全体に短い白毛があります。葉は3出の複葉で葉柄長は5〜10センチ。莢は細長の円筒形で、長さ6〜12センチ、幅0.5センチで、8〜12個の種子が入っています。種子は青酸を含まないため飼料としても活用されます。若莢や若い葉、あるいは豆のモヤシを野菜として用います。また、豆の乾燥品を、通常煮てお米の代わりに食べます。 
 ※アズキの花は41ページNO.8に掲載されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.8
18 ビタミンCが多く含まれています、ローゼル 

ローゼルの花拡大
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内
科.属など アオイ科フヨウ属 1年草または多年草
見どころ

捨てるところのない花・茎・葉
 別名はロゼリ草、ローゼリ草、レモネードブッシュ西アフリカ原産。草丈は2〜3メートルに育ちます。葉は楕円形または3深裂し、互生します。花はクリーム色で葉腋に単生し、9〜11月頃に開花します。花径は10センチくらいです。花弁の基部は暗赤色。花後は果実を包む鮮やかな紅紫色の萼が厚く肥大します。花や果実(正確には肥大した萼と苞)をハーブティーに利用します。ビタミンCが豊富です。熟した萼は多汁質でクエン酸や酒石酸を多く含み、乾燥させたものがハイビスカスティーの原料となります。ハーブティーにする以外には爽やかな酸味と美しい紅色を活かしてお酒に浸けてローゼル酒にしたり、砂糖で煮てジャムにしたり、料理のソースにします。花以外の部位として、茎は繊維の原料にもなります。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.8
04.葉に切れ込みのない、ホソバアキノノゲシ(細葉秋の野芥子)

ホソバアキノノゲシの花
所在地 横浜市港北区大曾根 鶴見川沿いの公園
科.属など キク科アキノノゲシ属 1〜2年草
見どころ
 東南アジア原産で日本全土・朝鮮・中国・台湾・東南アジアに分布。稲作と共に日本へ渡って来た帰化植物で、日本全土の山野に生えています。茎は直立して、高さ150センチ〜200センチ、大柄ですが柔らかく、全体につやがありません。はじめは根出葉をロゼット状に出します。やがて茎をたて、花序を出します。花は淡い黄色で舌状花だけで、総苞は円柱形で1cm内外。葉は互生し、長楕円状披針形で長さ10センチ〜25センチ、逆向きの羽状に分裂して茎を抱かないです。
 日当りの良い場所に生えるアキノノゲシには葉に切れ込みがありますが、切れ込みのない細い葉を持つものは、ホソバノゲシとして分ける説もあります。花期は8〜12月。

こちらはアキノノゲシの花
 

切れ込みのない細い葉のホソバアキノノゲシの花 2012.9.20 県立四季の森公園 
北澤美代子撮影
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.8.31
08 佃煮などの食材に、ノブキ(野蕗)

ノブキの花
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内
科.属など キク科ノブキ属  多年草
見どころ

ノブキの茎葉
 草丈は50〜80センチくらいで、葉は幅10〜20センチの三角状腎形。長さ10〜20センチの葉柄には狭い翼があり、葉裏は綿毛が生えて白っぽいです。頭花は筒状花からなり、まわりに雌花、中心部に両性花があり、両性花は結実せず、ふちの花だけ結実します。花期は8〜10月。花色は白色です。佃煮として「キャラブキ」が広く知られていますが、これは、ノブキを一旦塩蔵したものを用い、塩出し後、醤油、砂糖などを加えて煮詰めたものです。名の由来は、葉がフキ(蕗)に似ているので付けられました。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.6
09 大豆の原種、ツルマメ(蔓豆) 別名:ノマメ(野豆)

ツルマメの花
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内
科.属など マメ科ダイズ属 つる植物 1年草
見どころ
 つる性の植物で、茎の長さは1〜4メートル。茎には茶色の毛が密集し細く他物に巻つき、長く伸びます。葉は3出複葉で、狭卵形〜披針形の小葉からなります。葉のわきから総状花序を出し、長さ5〜8ミリの淡紅紫色の蝶形花をつけます。果実は淡褐色の毛が密生する豆果。花期は8〜9月。ダイズはツルマメから改良されたとのこと。

毛が密生する豆果

ツルマメの葉
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.6
13 古来薬草として知られる、クサスギカズラ(草杉蔓) 別名:テンモンドウ(天門冬)

クサスギカズラの茎葉
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内
科.属など ユリ科クサスギカズラ属  多年草
見どころ  海岸崖地に生育する多年草。地下に紡錘状の根茎があり、茎は最初立ち上がりますが、やがて他の植物に寄りかかりますが、垂れ下がります。茎の長さは数メートルで時折枝分かれします。葉の長さ1〜2センチで、節に束生。5月ころに直径数ミリの黄緑色の花を付けます。果実は秋に黄白色に熟します。古来薬草として知られています。根は薬用、また砂糖漬にします。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.8
12 大あくびしているような花の形、キバナアキギリ (黄花秋桐) 別名:コトジソウ

     キバナアキギリの花拡大
花の上部先端から飛びだした赤紫の糸のようなものが雌しべ、花の中央に雄しべがあります
所在地 山梨県山梨市牧丘町北原 乙女高原への林道わき
科.属など シソ科 アキギリ属 多年草
見どころ

キバナアキギリ花と茎葉
 本州から九州の山の木陰に生え、茎は四角形で高さ20〜40センチになります。葉は対生して長い柄があり、三角状ほこ型で長さ5〜10センチ。茎や葉は軟らかい毛で被われています。8月から10月にかけて淡黄色の唇形の花を咲かせます。
 花穂は 10〜20センチの長さとなり、花冠は長さ 2.5 〜3.5センチです。この花の特徴は花の上部先端から飛びだした赤紫の糸のようなもの。これは花柱(雌しべの一部)だそうです。花の中央にちらっと見える赤紫色のようなものが雄しべです。ただしそれは雄しべの一端であり、花にもぐり込んだ虫がそこを押すと、雄しべの反対側がシーソーの原理で虫の背中に花粉を押しつけるのだそうです。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.9.6
17 中国原産の薬用植物、リグスティクム・シネンセ 別名:コウホン(藁本) 

リグスティクム・シネンセの花
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内
科.属など セリ科マルバトウキ属 多年草
見どころ

セリに似ている葉
 原産地は中国。草丈は50センチくらいです。葉はセリに似ています。夏、枝先に白い小花をつけます。根や根茎を鎮痛などの目的で漢方処方されています。コウホン(藁本)は、セリ科のコウホンなどの根や根茎を乾燥したものです。漢方的には、止痛などの効能があり、頭痛や腹痛、鼻炎、皮膚掻痒症などに用いられます。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.8

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2012.9.1〜9.10 掲載20種

02.湿った草原に生える多年草、シロバナサクラタデ(白花桜蓼)
シロバナサクラタデ花の拡大
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内
科.属など タデ科イヌタデ属 多年草
見どころ

葉は披針形で長さ7〜15センチくらい粗い伏毛があります
 茎は直立し、草丈は30〜100センチくらいです。葉は披針形で長さ7〜15センチくらい粗い伏毛があり、枝先に花序を1〜5本出し、白い花を多数つけます。長さ3〜4ミリくらいです。雄しべは普通8個、雌しべは1個です。花期は8〜10月。よく似たサクラタデは花被が長さ5〜6ミリと大きいです。桜の花に似ているところからこの名が付いたそうです。その同じ仲間のサクラタデ(桜蓼)は花は桃色、茎は直立または先が少し垂れていて花穂の枝分かれはないそうです。
 ※サクラダテの花が3ページNO.23に掲載されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.1
07花粉症の原因となる、オオブタクサ(大豚草) 別名:クワモドキ

オオブタクサの花
所在地 横浜市港北区綱島東6丁目 鶴見川の土手
科.属など キク科ブタクサ属 1年草
見どころ

クワの葉に似ている茎葉
 北アメリカ原産。戦後、日本に入り、全国に帰化した帰化植物です。河原や土手などに群生して生育することが多いです。草丈は1〜3メートルくらいになります。茎は太さ2〜4センチくらいで、あらい毛があります。葉は長い柄があり対生し、掌状に3〜7裂し20〜30センチと大きくなります。花期は8〜9月。雄花は多数が長い穂を作り、黄色の花穂をつけます。葉の形がクワの葉に似ているため、クワモドキ(桑もどき)とも呼ばれます。花粉の産生量はブタクサより多いようです。とくに都市部周辺の新興住宅地などに多く分布しています。ブタクサとの違いはブタクサの葉はヨモギに似ています。全体にオオブタクサより小さいです。花粉は昆虫に頼らず、風で散布されます。花粉症の原因です。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.2
11 キツリフネの近縁、ツリフネソウ(釣船草) 別名:ムラサキツリフネ

ツリフネソウの花拡大
所在地 山梨県山梨市牧丘町北原 乙女高原への林道わき
科.属など ツリフネソウ科ツリフネソウ属 1年草
見どころ
 北海道・本州・四国・九州の低山から山地にかけて分布し、水辺などのやや湿った薄暗い場所に自生します。草丈は40〜80センチ程になります。葉は先が尖るひし形のタマゴ形で、縁にはギザギザがあります。花期は山地では 8月頃から、低地では 9〜10月頃です。茎の先端部から細長い花序が伸び、そこに赤紫色の3〜4センチの横長の花が数個釣り下がるように咲きます。
 花の形はキツリフネに似ていますが、色が赤紫色であることと、花の後ろに伸びる距の先端が渦巻き状に巻くことが特徴です。和名は、花の形とつき方が帆掛け船を吊り下げたように見えることに由来します。

ツリフネソウ茎葉

ツリフネソウの群生
2012.9.13 東高根森林公園
石川佐智子撮影
 ※キツリフネの花が45ページNo.19に掲載されています。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.9.6
15 オクラの花に似た、トロロアオイ(土呂呂葵) 別名:通和散(つうわさん)

オクラの花に似たトロロアオイの花
所在地 横浜市港北区大倉山 民家の庭先
科.属など アオイ科トロロアオイ属 1年草
見どころ

トロロアオイの茎葉
根の粘液を和紙漉きに使います
 中国原産のトロロアオイは、平安時代にはすでに栽培されていました。オクラに似た花を咲かせることから、「花オクラ」とも呼ばれます。花の色は淡黄からやや白に近く、濃紫色の模様を花びらの中心につけます。花は綿の花に似た形状をしており、花は5弁、花の大きさは10センチから20センチで、朝に咲いて夕方にしぼみ、夜になると地面に落ちます。花びらは横の方向を向いて咲くため、側近盞花(そっきんさんか)とも呼ばれます。
 茎は1本立ち、茎には細くて硬いトゲがあります。高さ1メートル〜2メートル。葉は互生し有柄、掌状に5〜9深裂。根をすりつぶした粘液が和紙を漉くときに使われ、これをトロロに例えた名前とのことです。和紙作りのほか、蒲鉾や蕎麦のつなぎ、漢方薬の成形などに利用されます。8月から9月に開花。
 
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.9.8
16 栄養価の高い、シカクマメ(四角豆) 

シカクマメの花拡大
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内
科.属など マメ科シカクマメ属 1年草
見どころ

シカクマメのサヤと茎葉
サヤを切った断面が四角、これが名前の由来
 熱帯アジア原産のつる性マメ科植物です。日本では沖縄県での生産が盛んです。葉はハート形で、夏ころ紫色の蝶形の花を咲かせます。サヤの四隅に翼のような稜をもつ、変わった形の果実が実り、切った断面が四角いことからシカクマメという名前がつきました。サヤが10〜15センチぐらいの大きさになったころが柔らかく食べごろです。タンパク質や脂質が多く含まれ、ダイズと同じぐらいの栄養価があります。また、完熟した豆も花も地下の塊根も食用にすることができます。近年、化粧品業界の研究によると、シカクマメの完熟種子には、肌のハリと弾力を保つ効果(アンチエイジング)があるとか言われています。沖縄では、「新緑の季節」という意味の方言「ウズリン」という名前でも呼ばれています。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.9.8
19 ハコベとは思えない異様な姿、ナンバンハコベ(南蛮繁縷)  別名:ツルセンノウ

ナンバンハコベ花拡大
所在地 山梨県山梨市牧丘町北原 乙女高原への林道わき
科.属など ナデシコ科ナンバンハコベ属 多年草 つる植物 在来種
見どころ
 北海道〜九州 に分布し、山野の明るくやや湿ったところに生育しています。茎は細くてつる状にのび、多くの枝を出して木などに絡みつきます。葉は卵形で長さ1〜4ミリの葉柄をもって対生し、長さ2〜5センチ、幅1〜2.5センチ位です。先端はとがり、縁と裏面に毛が生えています。花期は6〜10月。特徴のある花を咲かせます。花冠は約1.5センチ、球形にふくらんだガクの形がめずらしく、萼は半球形で、果期には反り返って皿状になります。また5枚の花弁と花弁の間が離れた様子も加わって独特の形をしています。実は熟すと1センチほどの大きさの艶やかな黒い実になります。ナンバンと名前がついていますが、花の容姿が異国風という意味だけで、れっきとした在来種で、古来から日本で自生しているものです。

つるが他物に絡まって伸びます

花の中央に実ができています。熟すと艶のある黒い実になります
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.9.8
20 モミジのような葉、カールしたリボンの様な花びら、オクモミジハグマ(奥紅葉白熊)

オクモミジハグマの花拡大
カールした花びらがかわいらしい!
所在地 山梨県山梨市牧丘町北原 乙女高原の森の中
科.属など キク科モミジハグマ属 多年草
見どころ

オクモミジハグマの全体の姿
 近畿以西に分布するモミジハグマの変種で、山地の日陰になる林内などに生育しています。花期は8〜10月。頭花は多数が穂状につき、花時には横向きとなります。花柄は長さ2ミリ位で小さい苞があります。小花は3個あり、花冠は細く5裂して、裂片はよじれます。それぞれの小花に1個の雌しべと3個の雄しべがあり、雄しべは花の外に飛び出します。草丈は40センチ〜80センチ程度。株元から1/3程度のところで葉を放射状にまとまってつけ、その中央に花茎ができて長く真っ直ぐ伸びます。花の由来はハグマ(白熊)とは、ヤクの尾の毛のことで、仏具の払子(ほっす)や、槍、旗、兜などの飾りにします。白い花をこれに見立てたものです。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.9.8