06.透き通るような花、アザミゲシ(薊芥子)

花径7センチほどの大きな花
所在地 東京都小平市中島町21−1 都立薬用植物園
科.属など ケシ科アザミゲシ属  一年草
見どころ

葉にトゲがることからアザミケシ
 原産地はメキシコ。江戸時代に渡来しました。草丈は30〜60センチくらいです。茎や葉を傷つけると有毒の黄色い汁を出します。開花時期は6〜8月ころ花径7センチくらいの黄色、または白色の花をつけます。名の由来は、花がケシ(芥子)に、トゲトゲした葉がアザミ(薊)に似ているから付けられました。古くは石鹸の原料や灯火の油として使われていました。の黄色、または白色の花をつけます。名の由来は、花がケシ(芥子)に、トゲトゲした葉がアザミ(薊)に似ているから付けられました。古くは石鹸の原料や灯火の油として使われていました。 
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.6.24
01.蛇の目模様に見えることからジャノメギクの異名を持つ、ハルシャギク(波斯菊)の花
所在地 横浜市港北区新吉田町の空き地
科.属など キク科ハルシャギク属の一年草
見どころ
 北米西部原産の帰化植物で、明治の初期に観賞用に導入されました。強健なため今日では、各地の空地で野生化している雑草です。花は6月に咲き、舌状花は先端側が黄色で基部が紫紅褐色をしています。高さ1メートル程度になり、全体無毛で葉は対生し、葉は2回羽状複葉で細く、コスモスに似ています。蛇の目模様に見えることから、ジャノメギクの異名を持ちます。開いたばかりの花は花弁が平開していますが、次第に花弁が下に下がりってくるとまさに蛇の目傘のようです。
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.6.23
12.アザミの名がつくが、アザミ属ではない、ルリタマアザミ(瑠璃玉薊) の蕾 
所在地 東京都品川区荏原2丁目 星薬科大学薬用植物園
科.属など キク科ヒゴタイ属 多年草
見どころ  葉がアザミに似ているためアザミの名がつきますが、アザミ属ではなくキク科ヒゴダイ属です。 東ヨーロッパ・西アジア原産。日本へは意外に早く、昭和初期には渡来していたそうです。もう少し経った初夏から夏の間に、まん丸の蕾をたくさん伸ばして、神秘的な薄紫色や青色の花を咲かせ、葉や茎は白緑色といった大変ユニークな植物だとか。開花が楽しみです。「ブルーボール」の名で、よく生け花に使われるそうですね。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.6.27
05.ドライフラワーにも利用、キバナノコギリソウ(黄花鋸草)の花
所在地 東京都小平市中島町21−1 都立薬用植物園
科.属など キク科ノコギリソウ属 多年草
見どころ

ノコギリの歯のような茎と歯
 原産地はロシア。日本には明治の中期に渡来。草丈は70〜130センチ。葉は羽状複葉で細かく裂けます。花期は6〜8月ころ茎先に散房花序をつけ、小さな黄色の花を咲かせます。食欲不振、胃炎、腸炎、胆嚢炎、肝臓病、外傷用として止血に用いられます。若葉をハーブサラダで食用にしたり、花をドライフラワーに利用します。 名前の由来は黄色い花を付けるので、キバナ、葉の形をノコギリの歯に見立てて付けれました。 
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.6.24
16.平安時代から栽培された、キュウリ(胡瓜)
所在地 横浜市港北区新羽町の畑
科.属など ウリ科キュウリ属 つる性1年草 
見どころ
 原産地はインド北部、ヒマラヤ山麓です。黄色い花はたくさん付けますが、実の付いている花は少なく、実の付いている雌花は子づるや孫づるに付き、中心の受粉するところが三つに分かれています。胡瓜の「胡」という字は、シルクロードを渡って来たことを意味しているそうです。「キュウリ」の呼称は、漢字で「木瓜」または「黄瓜」(きうり)と書いていたことに由来し、現代では未熟な実を食べることからあまり知られていませんが、熟した実は黄色くなります。
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.6.7
10.実はホオズキに似ています、オオセンナリ(大千成) 別名:センナリホオズキ 
所在地 東京都小平市中島町21−1 都立薬用植物園
科.属など ナス科オオセンナリ属 1年草
見どころ
 原産地はペルー。江戸時代の末期に渡来。草丈は50〜100センチで、葉は卵形で、互い違いに生えます。葉の先は尖り、縁には不規則に粗いぎざぎざ(鋸歯)があります。長さは5〜10センチくらいで、まばらに毛が生えています。開花時期は7〜9月ころ葉の脇から細長い花柄を出し、その先に1個づつ花をつけます。花径は3〜4センチあり、先が浅く5つに裂けます。裂片は淡い青色で、筒部は白いです。実は(ホオズキ)と同じように球形の液果(中身に液をたくさん含む果実)で、袋のような大きな萼に包まれています。有毒なので食べられませんが、切り花やドライフラワーなどに用いられます。

ホオズキの実にそっくり! 
2012.8.3 都立薬用植物園
 
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.6.24

「とうよこ沿線」TOPへ戻る

野草-World TOPへ戻る

次ページNO.42へ

04.直径が小さい矮小西瓜、コダマスイカ(小玉西瓜)の花と実

 2012.5.25 撮影
所在地 横浜市港北区大曾根 鶴見川沿いの家庭菜園
科.属など ウリ科 スイカ属 蔓性一年草
見どころ

大きくなったスイカ
2012.6.24 撮影
 散歩の途中、家庭菜園で見慣れない苗に花が咲いていました。菜園の人に聞いてみましたが、実がなってみないと分からないとのことで、気になり時折見に行くとスイカでした。小玉スイカは、蔓性一年草とその果実で、原産地は 南アフリカカラハリ砂漠。小玉西瓜が登場したのは1958年、定着し始めたのは品種改良が進んだ1960年頃です。生産者にとっては軽いので農作業がしやすく、消費者にとっては冷蔵庫にしまいやすいし、核家族化が進んでいるので、ちょうど食べきりサイズでいいということになるのでしょう。果肉色は赤と黄があります。 夏の野菜とは言っても立秋の頃が時期のため俳句では秋の季語になっています。
 
撮影者 大田孝子 撮影日
15.見た目はキュウリでも、カボチャの仲間、ズッキーニ

黄色い実がつく花

緑の実がつく花
所在地 横浜市港北区新羽町の畑
科.属など ウリ科カボチャ属 1年生の果菜
見どころ

こちらはカボチャの雌花
色、大きさもズッキーニとよく似ています
 原産地はヨーロッパで、黄色い花は形や大きさもカボチャにそっくりです。ズッキーニというのはイタリア語で、フランス語ではクルジェットと呼びます。火を通すとナスの味わいがします。果実の外見はキュウリに似ていますが、カボチャ(ペポカボチャ)の仲間です。主に緑果種と黄果種があります。花も食用となり、旬は夏です。日本ではキュウリを一回りほど太くしたような細長い形状のものが主ですが、品種によっては洋ナシ型や、球形のズッキーニなどもあります。
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.6.7
09.セージの仲間、オニサルビアの花と茎葉  別名:クラリセージ
所在地 東京都小平市中島町21−1 都立薬用植物園
科.属など シソ科アキギリ属  多年草
見どころ
 欧州〜中央アジア原産の多年草。草丈は約1メートルになります。葉は長さが15センチくらいの大きな楕円形で、向かい合って生えます。花期4〜8月。花はピンクで 茎先に長くて大きな総状花序を出しピンクの苞(花のつけ根につく葉の変形したもの)に包まれた花を咲かせます。花の色には、淡い青紫色や桃色などのものがあります。 葉から採る精油は調味料や薬用に用いられます。また、葉もスープに入れたりして食べます。種子油を鎮痙、通経薬として使います。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.6.24
20.ヌマトラノオとオカトラノオの雑種、イヌヌマトラノオ(犬沼虎尾)
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内
科.属など サクラソウ科オカトラノオ属  多年草
見どころ
  ヌマトラノオとオカトラノオの雑種。水辺などの湿地帯に多く生育しています。草丈は 60〜100センチ。花期は6〜7月に花冠は5裂し花径約1センチの白い花を咲かせます。ヌマトラノオの雑種がイヌヌマトラノオ(犬沼虎尾)で、ヌマトラノオと違い穂が垂れ下がります。  
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.6.27
03.鮮やかな色の花、アイスランドポピー 和名:シベリア雛罌粟
所在地 栃木県那須町那須フラワーワールド
科.属など ケシ科ケシ属 多年草
見どころ  現在では和名のシベリアヒナゲシは全く用いられなくなり、英名のアイスランドポピーで呼ばれています。シベリアや中国北部に自生。早春3月から5月ごろ、高さ約50センチ、径約10センチの、橙、黄、濃朱紅色などの四弁花をつけます。原産地シベリアです。けしのなかでは最も広く栽培されています。ふつうに「ポピー」といえば、この花をいいます。
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.6.13
14.家庭菜園にもってこいの野菜です。インゲンマメ(隠元豆)
所在地 横浜市港北区新羽町の畑
科.属など マメ科インゲンマメ属の1年草
見どころ

インゲンマメの実
  原産地は中南米で、白やピンクの複雑な形をした花が、次から次へとよく咲き実を付けます。17世紀に隠元禅師が明から伝えたといわれ、その名が付きました。ビタミンA・B1・B2・B6・Cカルシウムが多く、食物繊維は豆類の中でもトップクラスの野菜です。地方によっては、いろいろな呼び方があるようで、関東ではインゲンマメ、関西ではサンドマメ(三度豆)などといわれてきました。これは、1年に3回も作れることからつけられた名前です。その名のとおり、4月〜7月までつぎつぎとまけ、長く収穫できます。
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.6.7
08.栄養価の高い、 アズキ(小豆)の花と茎葉

アズキの花は黄色の蝶の形
所在地 東京都小平市中島町21−1 都立薬用植物園
科.属など マメ科ササゲ属  1年草
見どころ
 原産地は東アジア。草丈は60センチくらいで、葉は3個の小葉からなる複葉です。夏に黄色の蝶形花を開き、花後細長き莢果を結び、中に通常赤色の種子を含みます。和菓子や中華菓子の重要な原料の一つです。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.6.24
19.昔から染料として利用された、ベニバナ(紅花)
所在地 東京都小平市中島町21−1 都立薬用植物園
科.属など キク科ベニバナ属 1年草
見どころ
  中央アジア原産。草丈は50〜100センチくらい。葉は5〜10センチほどになり、葉のふちに鋭いトゲがあります。花は7月頃、花径2.5〜4センチのアザミに似た花を咲かせます。咲き始めは黄色、しだいに赤っぽく変わります。 花は紅色の色素を含み、染料や薬用として使われます。乾燥させた花は紅花(こうか)と呼ばれ、血行促進作用があります。種子は花1つにつき10〜100個ほど、ヒマワリの種を小さくしたような種子がつきます。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.6.24
02.梅雨のなかば頃から咲き始める、アガパンサスの花
所在地 横浜市港北区新吉田町の民家の庭
科.属など ユリ(ムラサキクンシラン)科アガパンサス属の多年草
見どころ
 南アフリカ原産で、日本では園芸用に球根が販売されています。観賞用草花として人気が高いほか、生花の材料としても良く使われる植物です。分類体系によってはユリ科から分離されたネギ科に分類されたり、さらにそこから独立したムラサキクンシラン(アガパンサス)科とすることもあります。いくつかの花が放射状につき、全体が球形に見えます。和名はムラサキクンシラン(紫君子蘭)ですが、白い花もあります。
 

アガパンサスの実
2012.8.7 上記の場所

 
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.6.10
13.生薬「木香」の代用として江戸期に渡来した、オオグルマ(大車)の花と茎葉 

花径10センチ以上の大きな花
所在地 東京都品川区荏原2丁目 星薬科大学薬用植物園
科.属など キク科オグルマ属
見どころ

草丈は2メートルほど
 生薬「木香(もっこう)」とは、キク科植物の根のことで非常に貴重な薬だったようです。古代ギリシア・ローマ時代や中世ヨーロッパでは呼吸器系や心臓病の薬として利用されていました。日本では栽培された記録が無く、インドや中国から輸入していましたが、江戸時代にその代用としてこのオオグルマを導入したのだそうです。名前の由来は日本に自生するオグルマ(小車)に対し花径が大きいことから。近年の用途は砂糖漬けにしてお菓子の香りづけや、リキュールやベルモットの香りづけ、製薬会社が一部の薬を飲みやすくするための賦香料(ふこうりょう)として使用するそうです。
 
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.6.27
17.湿地帯に群生する、イヌゴマ(犬胡麻) 別名:チョロギダマシ
所在地 東京都小平市中島町21−1 都立薬用植物園
科.属など シソ科イヌゴマ属 多年草
見どころ
 湿った所に群生します。草丈は30〜70センチ。茎の断面は四角形で直立し、茎の角ばった部分にトゲのような硬い毛が生えます。葉は対生し、細長い楕円形(披針形)で、長さ4〜8センチ、表面にはシワがあります。花期は7〜8月ころ茎先や上部の葉腋につけ、淡い紅紫色の長さ1.5センチほどの唇形花が節毎に輪生します。和名の由来は実の形がゴマに似ていて役に立たないから付けられました。  
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.6.24
07.綿菓子みたいな花、セイヨウナツユキソウ(西洋夏雪草)

白い雪のような花から夏雪草に
所在地 東京都小平市中島町21−1 都立薬用植物園
科.属など バラ科シモツケソウ属 多年草
見どころ
 原産地はヨーロッパ、西アジア。草丈は80〜120センチくらいです。葉は楕円形で互生。葉の裏面には白い綿毛があります。開花時期は6月〜8月ころ。枝先に複数の散房花序を出し、5弁の小さな花を密生させます。薬用としては、花、葉、茎、根、種、解熱、胃炎や胃潰瘍、利尿作用、尿酸の排出などに、ハーブティーとして利用。染料には刻んで乾燥させた根を、シルクを暗褐色から黒色に染色します。夏に咲く白い雪のような花から夏雪草と呼ぶようになったようです。 
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.6.24
18.全草に芳香があります、カワミドリ(川緑)
所在地 東京都小平市中島町21−1 都立薬用植物園
科.属など シソ科カワミドリ属 多年草
見どころ  草丈は四角形で直立して、50〜100センチくらい。全草に芳香があります。葉には、柄があり対生、形は卵形、葉縁には鈍鋸歯があり先端は尖っています。花は、夏から秋にかけて、茎頂に花穂を伸ばして円柱状に淡紫色の小花を密につけます。 花の咲く頃に全草を刈り取って、陰干しにして乾燥したものを生薬として風邪の解熱、頭痛、消化不良などに使います。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.6.24

写真をクリックし拡大してご覧ください。
写真を連続して見るには、左上の「戻る」をクリックしてください。

2012.6.29〜 掲載20種

11.欧州で石鹸の代用だった、サボンソウ(サボン草)の花と茎葉 別名:シャボンソウ 
所在地 東京都品川区荏原2丁目 星薬科大学薬用植物園
科.属など ナデシコ科/サボンソウ属 多年草
見どころ
 欧州原産。葉や根を水につけて揉むとアワが出ます。油脂で石鹸が製造されるまでヨーロッパではこの根を代用として使っていたそうです。花名の由来もその成分サボニンから。根には痰きり、咳止めの薬効もあります。花期は6〜7月、写真のような白色または淡紅色、花径2〜3センチ。
 
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.6.27