04.優雅な花、ミズタマソウ(水玉草)
所在地 東京都港区白金台5-21-5 国立科学博物館付属 自然教育園内
科.属など アカバナ科ミズタマソウ属  多年草
見どころ
 茎は20~50cmになり下向きの毛が生えます。葉は長さ5~13センチの長卵形~卵状長楕円形で先端はとがり、ふちには浅い鋸歯があります。長い葉柄で茎に対生します。茎の先や上部の葉腋から花序をだし、小さな花をつけます。花弁は2個で2裂し、白~淡紅色。花期は8~9月。名の由来は果実は球形で白毛が密生しているのでこれを水玉に見立てたものです。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.7.19
13.花は小さくて目立ちませんが、シロネ(白根)
所在地 東京都港区白金台5-21-5 国立科学博物館付属 自然教育園内
科.属など シソ科シロネ属 多年草
見どころ  休耕田や湿地などに生育するやや大型の多年草。地下茎から直立して草丈は1メートル前後になります。茎は四角で節には毛があります。葉は長さ8~15センチとながく、縁には鋭い鋸歯があります。表面は無毛です。花は白色で小さく、8~10月ころ、茎の上部にある葉腋に数個ずつむらがってつきます。花冠は4裂し、直径約5ミリ。小さくて目立ちませんが可愛い花です。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.7.19

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2012.7.19~7.23 掲載20種

19.果実が熟すと、ホウセンカなどと同様に種子が飛び散る、キツリフネ(黄釣船)
所在地 横浜市緑区寺山町291 県立四季の森公園
科.属など ツリフネソウ科ツリフネソウ属の1年草
見どころ
 北海道・本州・四国・九州の低山から山地にかけて分布し、水辺などのやや湿った薄暗い場所に自生します。花期は夏から秋で、葉の下から細長い花序が伸び、その先に3~4センチほどの横長で黄色い花が釣り下がるように咲きます。花弁状の萼と唇形の花びらをもち、距が長く筒状になっています。
 釣り舟のような形で黄色いのでこの名前の由来になっています。ツリフネソウ(釣舟草)に似ていますが、ツリフネソウの方が少し花期が遅く、葉の形も、キツリフネは長楕円形で先はツリフネソウのようにはとがらず、粗い鋸歯があり、葉柄も長いなどなど色だけではなく区別がつきます。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.7.22
02.清清しい花です、タマスダレ(玉簾) 別名:レインリリー
所在地 横浜市港北区日吉本町3丁目 道路沿い
科.属など ヒガンバナ科タマスダレ属 常緑球根植物
見どころ

葉は細長く、土から直接出ています。一本の花茎に花は1つだけ
 ペルー原産の球根植物です。明治初期に園芸用に導入されました。夏~初秋に花を咲かせます。草丈は15~30センチ。葉は細長く、土から直接出ています。一本の花茎に対して、花は1つだけです。花径は3~5センチくらいで夏~初秋に花を咲かせます。花は短命で1~3日ほどでしぼんでしまいますが、開花時期は花茎を次々と伸ばすので、長い期間楽しむことができます。花色は、白、ピンク、黄色などがあり、6枚の花びらは付け根の部分でくっついて筒状になっています。丸く細長い葉を玉簾に見立てて命名されたといわれています。 
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.7.18
11.黒紫色の一重咲きの花をつける、チョコレートコスモスの花
所在地 山梨県八ヶ岳 ミヨシペレニアルガーデン
科.属など キク科コスモス属の多年草
見どころ  原産地はメキシコ。1902年から栽培が始まり、日本には大正時代に渡来しました。チョコレートコスモスはチョコレートを思わせる香りをもつ、シックな花色の多年草です。風にそよぐ姿は、どんなシーンにも調和します。高温多湿に弱くやや育てにくいです。 濃赤紫の花色と、花の香りからチョコレーの名前がある、コスモスの仲間です。ただ、色は確かにチョコレートぽいのですが、香りは言われるほど強くありません。花は一重で、花の形はキバナコスモスそっくりです。花茎が長く伸びて咲きます。切れ込みのない葉の形のせいか、コスモスとは印象がだいぶ異なります。根が塊茎状になり、暖地では地上部を大部分枯らして冬越しします。高さは40センチ~ 50センチになります。花期8月~10月。
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.7.19

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01.赤いタデ科のミズヒキとは全く縁がない、キンミズヒキ(金水引)

キンミズヒキ花の拡大
所在地 横浜市港北区新吉田東1丁目 空き地
科.属など バラ科キンミズヒキ属 多年草
見どころ
 北海道から九州、樺太・朝鮮・中国・インドシナなどに分布、山野に生育します。夏から秋にかけて花径6~11ミリの黄色の5弁花が細い花穂に多数つきます。葉っぱは3つに裂け、ギザギザがあります。5枚の花弁の外側の萼は果実になったとき、外側に鍵状に曲がって刺となり、円錐形になった果実ごと、動物や人の衣服に付着する引っ付き虫です。名前の由来は金色の小さな花のついた穂を、熨斗袋につける金色の水引にみたてたもの。
 

キンミズヒキの実
四季の森公園で
2012.8.15撮影
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.7.15
10.薄橙色の一重花が魅力的、マルバストマム 和名:エノキアオイ(榎葵)別名:枝垂れ芙蓉
所在地 山梨県北杜市大泉町八ヶ岳倶楽部
科.属など アオイ科 マルヴァストルム属 常緑多年草 (耐寒性)
見どころ  
 南アメリカ原産。マルバストマムは、5月~7月に葉腋から5センチほどの淡紅色の花を1個つけ、中央に濃紅色の輪がつきます。横に旺盛に広がる枝から中ぐらいの大きさの花を次々と咲かせます。花は一重ですっきりした形の“一日花”です。株は四方に伸びますが、まばらな感じで広がるので通常のグラウンドカバーには、不向きな印象です。葉は3~6裂程度の切れ込みが入る緑色、茎は固めでやや赤っぽくなります。
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.7.19
09.沖縄では一年中、道端で咲いている、キバナランタナ(黄花ランタナ)
所在地 横浜市港北区大曾根 民家の庭
科.属など クマツヅラ科シチヘンゲ属 常緑低木
見どころ  キバナランタナは中南米が原産の花です。もともとは園芸品種としてハワイに持ち込まれたものですが、現在は野生化しハワイではよく見かける野草で、年中咲いています。沖縄県宜野座村松田地域では、県道の脇や空地に雑草のように、通年花を咲かせているのを見ることができます。ランタナは、花の色が変化しますが、キバナランタナは、黄色から変化をしません。見た目はタンポポのようなのですが、よくよく見てみると、枝先に一つ一つ小さな花が咲いていて、ボンボリのような形をつくっています。
 草丈は50センチから100センチくらいです。葉は楕円形で、向かい合って生える対生、葉には短い柄があり、艶があって縁にはギザギザがあります。開花時期は6月~11月。
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.7.14
20.茎葉と根は強い苦味があります。アキカラマツ(秋唐松、秋落葉松)
所在地 横浜市緑区寺山町291 県立四季の森公園
科.属など キンポウゲ科カラマツソウ属の多年草
見どころ
 北海道、本州、四国、九州、南西諸島に、日本国外では朝鮮、中国に分布します。別名はタカトウグサ(高遠草)で、長野県高遠町では、古くから高遠草(タカトウソウ)という名前で健胃薬として腹痛、下痢、食べ過ぎなどに用いられていて、効き目があります。花期は7~9月で、茎頂に円錐花序をつけ多数の淡黄色の花をつけます。花弁はなく、花に見えるのはがくです。がくは3~4個あり、おしべは多数で、雌しべは数個です。
 ※同属のミヤマカラマツ(深山落葉松)の花が42ページ№01に載っています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.7.22
03.長い尻尾のような花、ヤブマオ(藪麻苧)
所在地 東京都港区白金台5-21-5 国立科学博物館付属 自然教育園内
科.属など イラクサ科カラムシ属  多年草
見どころ  草丈は1~1.2メートル。葉は対生し、長さ10~15センチの卵状長楕円形~卵形で、先は尾状にとがります。あらく鋭い鋸歯があり、裏面には短毛が密生します。葉のわきから穂状花序を出しますが、花には花弁がありません。花期は8~10月。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.7.19
12.黒葉は劇薬! ケジキタリス(毛ジキタリス) 別名:キツネノ手袋(狐の手袋)
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内
科.属など ゴマノハグサ科ジキタリス属  多年草
見どころ  ヨーロッパ原産の二年草。草丈40~160センチ。横幅40~60センチと長く伸ばした花茎に花は釣鐘型で穂状に咲きます。花期は5~6月。ジキタリスのキツネノテブクロの仲間の中で、最も薬効が高く、心臓病の薬として古くから利用されてきましたが、反面、有毒物質も含むため民間療法に用いるのは危険。 強心、利尿作用がありますがが劇薬に指定されています。名前は花や茎に毛が生えていることから名付けられました。
 ※ジキタリスの花は23ページNO.20に掲載されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.7.14
08.スイカの葉の切れ方に似ている、キレハノブドウ(切葉野葡萄)
所在地 横浜市港北区新吉田町の山道
科.属など ブドウ科ノブドウ属 つる性植物
見どころ
 日本各地の山地や野原に生えます。茎の基部は木質になり、つるは長くのびてジグザグに曲がり、節はしばしは肥厚します。葉は互生し、鋸歯があり、表面は無毛です。裏面は淡緑色をしています。花期は7~8月で、葉に対生して集散花序をだし、淡緑色で直径約3ミリの小さな花を多数つけます。花弁は5個で卵状の三角形です。果実は球形で、淡緑色からだんだん紫色を帯び、美しい碧色になります。虫えいができ異常にふくらんでいるものも多いです。
 

果実が色づいてきました
 同じ場所2012.10.8
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.7.14
18.果実は衣服などにくっつく「ひっつき虫」の、フジカンゾウ(藤甘草)

フジカンゾウの花
所在地 横浜市緑区寺山町291 県立四季の森公園
科.属など マメ科ヌスビトハギ属の多年草
見どころ
 本州~九州の山野の林内に生えます。花期は初秋となっていますが、もう咲いていました。花はマメ科特有の蝶型花です。秋に茎の先に長さ50センチにも及ぶ房状(総状花序)の花序に、長さ1センチほどの小さな淡紅紫色の花をたくさんつけます。葉は奇数羽状複葉(葉軸に沿って左右に小葉が並び先端に一枚ついて奇数になる)です。葉先は三角形状です。果実は緑色から、初秋の終わりから秋に入るころに褐色に熟します。名前の由来は花がフジに似ていて、葉がマメ科の甘草(カンゾウ)に似ているといのでつけられたようです。

茎葉

 

実の拡大
 ※同属のヌスビトハギ(盗人萩)の実が3ページ№38に載っています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.7.22
07.野生は少なくなったが愛好家が多く、品種が発表されている、ウチョウラン(羽蝶蘭)

白色

紫色
所在地 横浜市港北区新吉田町 民家
科.属など ラン科ハクサンチドリ属 球根性の多年草
見どころ
 6月~7月頃、5~15センチの高さで山の岩場にひっそりと咲く、紫の花が美しい姿は30年前には日本の山々のあちらこちらで見受けられました。昭和40年代頃から「ウチョウランブーム」と言われるほど栽培収集が過熱し、乱獲などにより野生のものは年々姿を見かけなくなってしまい、非常に希少になっていました。今では、愛好者による人工交配育種が盛んに行われ、多数の銘花が作り出されています。

藤色
 

写真左の拡大
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.7.14
16.大きな花が咲き、目立つ! アメリカフヨウ (アメリカ芙蓉) 別名:クサフヨウ(草芙蓉)
所在地 横浜市港北区綱島西6丁目 畑の脇
科.属など アオイ科フヨウ(ハイビスカス)属 耐寒性宿根多年草
見どころ  原産地は北アメリカ。ハイビスカスと同じアオイ科で、花は一重の丸型で、ハイビスカスを大きくした感じにも見えます。花は一日花なので一日で萎みますが、次から次へと花を咲き続けます。宿根草で冬になると地上部は枯れ、春になると芽が出てきます。草丈は30センチ~150センチ 、花径は 10センチ~30センチで、 花色は桃色、白、赤などがあります。 花期は7~9月です。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.7.20
17.赤い苞と緑の葉のコントラストが美しい、ショウジョウソウ(猩々草)
所在地 横浜市港北区新羽町新田緑道付近 民家の庭
科.属など トウダイグサ科ユーフォルビア属 非耐寒性1年草
見どころ  別名はクサショウジョウ(草猩々)、アニュアル・ポインセチアです。北アメリカ南部、ブラジル原産。赤く色づいているのは葉っぱではなく苞です。 苞と比べるとあまり目立ちませんが、夏に、茎の先端に花弁が無い黄色い小花をたくさん咲かせます。ポインセチアに似ていますが、葉は虫に食われたような変わった形をしています。
 ショウジョウとは古代中国で創られた空想上の獣で赤く長い髪をしたお酒の好きな猿に似た生き物ですが、 ショウジョウソウとは、そのショウジョウの赤い頭髪の色から連想して名付けられました。花期は8~10月です。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.7.21
06.茎葉の根本でひっそりと咲く、ミョウガ(茗荷)

ミョウガの花
所在地 横浜市港北区綱島西5丁目 畑の片隅
科.属など ショウガ科ショウガ属 多年草
見どころ
 日本全国で幅広く栽培され、山地にも自生しています。古くから食用として利用されていて、平安時代には香辛野菜として食用にされていたと言われています。通常「ミョウガ」と呼ばれるものが花穂で、内部には開花前の蕾が3〜12個程度存在します。

 ミョウガというものは、決してたくさん食べるものではなく、通常は料理に添える程度の量ですから、薬味に使ったり、汁の実、天ぷら、酢の物、刺身のつまなどに使われます。歯ざわりがシャキシャキしていて、さわやかな香りが食欲をそそります。夏バテ防止にもなります。香りの成分は、アルファピネンという精油成分で、働きとしては、眠気を覚ましたり、発汗を促したり、呼吸や血液の循環を良くしたり、消化を促進したりします。 辛味の成分には、口内炎やのどの痛みを抑える効果があり、熱を静めて、毒を制する働きがあるそうです。収穫時期で分けて7月~8月に採れるものを「夏ミョウガ」、9月~10月に採れるものを「秋ミョウガ」と言われます。
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.7.20
05.暑さ対策に最適な涼すだれ、アサリナ 別名:ツタバキリカズラ

アサリナの青い花
所在地 横浜市新吉田東5丁目 民家の垣根
科.属など ゴマノハグサ科 半耐寒性つる性多年草または1年草
見どころ

アサリナの赤い花
 北アメリカ南部、メキシコ、ヨーロッパに15~16種が分布する植物です。生育が旺盛で暑さに強く、初夏から晩秋までの長期間涼しげな花をたくさん咲かせます。グリーンカーテンとして楽しめる蔓性植物です。花は幅が2~3センチ、長さが4~7センチで、形は先が開いてやや受け口気味になった釣り鐘型で、キンギョソウやジキタリスに近い形です。花色は赤紫~ピンク、青紫、白があります。花後にできたタネが自然に地面に落ちて芽が出てふえることもあり、一度植えた場所では毎年花を楽しむこともできます。
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.7.15
15.水生食虫植物とは 驚きました! オオバナイトタヌキモ(大花糸狸藻)

オオバナイトタヌキモの花の拡大
所在地 横浜市港北区新吉田東5丁目 民家の庭
科.属など タヌキモ科タヌキモ属 多年草 外来種
見どころ
 原産地はアメリカ。東南アジア、オーストラリア、アフリカなどに広く分布し、湿地、溜池などに生育します。繁殖力が旺盛で、日本では静岡県以西に帰化しているらしい。藻となっていますが、藻類ではなくて被子植物で種子によっても繁殖します。盛んに分枝する細い茎は気温が上がるとかなりのスピードで伸び広がり、ちぎれた茎も新しい個体に成長していきます。水中に浮遊するものもありますが、ほとんどは浅い水底に沈み、泥土の表面または泥土の中にうずもれています。非常に強健で、凍らせなければ越冬します。
 外来種のオオバナイトタヌキモは1センチ近い大きな花をつけますが、在来種のイトタヌキモは3ミリ程の小さな花しかつけないので、花が咲くと判別が容易になります。花期は7~9月。花茎を水面上に出し2~5個つく濃い黄色の花は、上下2唇に分かれ、下唇の中央部(下唇のふくらんだ部分)には朱色の斑があり、上唇も下唇もフレア状に広がっています。タヌキモのように横に広がらずに細く糸状に成長するが、小さいながらも捕虫嚢が付いている食虫植物です。ミジンコなどを捕らえて消化吸収をするそうです。

水鉢に咲くオオバナイトタヌキモの花
 

オオバナイトタヌキモの水中葉、黒いところが捕虫嚢です
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.7.15
14.ミソハギ(禊萩)より少し大きい花、エゾミソハギ(蝦夷禊萩)
所在地 調布市深大寺元町5-31-10 神代水生植物園
科.属など ミソハギ科ミソハギ属  多年草
見どころ

エゾミソハギの群生
 水辺の湿地に生えます。ミソハギ(禊萩)に似ていますが、茎や葉などに毛が生えているところや、葉が茎を抱くところが違います。日本に生育するミソハギ属はミソハギとエゾミソハギの2種類です。どちらも、よく栽培されており、自生は少ないようです。草丈は50~150センチ。花期は7~8月ころピンク色の花を咲かせます。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.7.21