16.茎や葉に強い香りがある、ジャコウソウ(麝香草)
所在地 神奈川県箱根町仙石原 箱根湿生花園
科.属など シソ科ジャコウソウ属 多年草
見どころ
 北海道、本州、四国の山地の湿ったところに生えます。葉は卵状楕円形で対生し、長さ10〜20センチで先は鋭く尖り、基部は耳形で、粗い鋸歯があります。葉、茎ともに細かい毛があります。花は上部の葉の脇に1〜3個つき、花冠は長さ3.5〜4センチの筒状で、上唇より下唇が長く、先が3裂しています。花色は淡赤紫。萼は鐘形で1〜1.5センチ位です。花期は8〜9月。由来は茎をゆするとよい香りがするから。
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.7.25
01.中国北部で栽培されるモロコシの一種、コーリャン(高粱)

コ-リャンの実

コーリャンの花
2012.8.30 同じ場所で
所在地 横浜市青葉区寺家町「寺家ふるさと村」の畑
科.属など イネ科モロコシ属 1年草
見どころ
 学名は Sorghum nervosum。英名は Kaoliang。現代の中国名は「高粱」(コ-リャン)。食料や飼料、またコーリャン酒の原料となります。
 熱帯アフリカが原産とされる「ソルガム」の一種で、アフリカ原産の「モロコシ」がインドを経て4世紀以前に中国に伝わり、中国の風土に順応して多くの品種ができたようです。わが国へは室町時代に渡来しました。茎は直立し、幅の広い線形の葉は互生して茎を抱きます。葉の中央を走る太い葉脈が白いのが特徴です。夏から秋にかけて、茎頂の総状花序にいっぱい花を咲かせます。わが国では飼料作物として利用されています。紀元前からエジプトなどで栽培された歴史の古い作物です。多くの種類がありますが一般には高さ1.5〜3.5メートルで茎は太く、果実(穎果(えいか))は茎の先に穂状につきます。お酒や飼料として加工されるのは実の部分だけで、茎は廃棄されていましたが、この茎の部分を有効利用して薄畳(バリアフリー畳)として商品開発もされているようです。

間もなく収穫期を迎えるコ-リャンの畑

トウモロコシそっくりの茎葉
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.8.15
20.葉の色が黒色に近い濃い紫色のアエオニウム 別名:黒法師

濃い黒紫色の葉、アエオニウム
所在地 横浜市港北区大曾根2丁目 民家の庭先
科.属など ベンケイソウ科アエオニウム属
見どころ  地中海原産アエオニウムは、アフリカ北西部にあるカナリー諸島、北アフリカなど、穏やかな地中海性気候の地域に約40種類が分布する多肉植物です。葉は主に幹の先端で放射状に展開します。草丈は1メートル超すもの、カーペット状に広がるものなどがあります。葉は主に幹の先端で放射状に展開します。成長すると古い葉が落ちて、棒のような幹が伸びてその先端に葉が展開した姿になり、このような放射状に平べったく葉を重ねた姿をロゼットといいます。別名「黒法師」は真夏に風通しのよい強光線下で育てると、ツヤのある濃い黒紫色の葉になります。
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.8.19
18.優しい紫色の花が咲く、シオン(紫苑) 別名:オニノシコグサ(鬼の醜草)
所在地 横浜市港北区新吉田町 畑の縁
科.属など キク科シオン属 多年草
見どころ
 ジュウゴヤソウ(十五夜草)という別名もあります。原産地はシベリア、モンゴル、中国北部などのアジア一帯。紫苑は古く平安時代から栽培されていました。草丈は180センチくらいまでになり、薄紫で一重の花を咲かせます。また、その花の色から紫苑という色名の語源となりました。花を観賞するためによく栽培されています。子供のころから見馴れた花です。根および根茎に去痰作用、利尿作用があります。花期は9〜10月。

シオンの茎葉

満開のシオンの花
日吉中央通り沿いの民家の庭先
2012.9.29 岩田忠利撮影
 
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.8.21
17.とても小さな十字形の白い花が咲く、ヤマムグラ(山葎)

ヤマムグラ花の拡大
所在地 横浜市緑区寺山町291 県立四季の森公園内
科.属など アカネ科ヤエムグラ属 多年草
見どころ
 本州〜九州の林内、林縁に生えます。茎は無毛で、よく枝分かれし、地を這うか斜めに立ち上がり10〜40センチの高さになります。茎は細くて四角。葉は4枚輪生し、長い葉と短い葉が対角について、1対ずつ大きさが違います。枝の先には5〜10ミリの細い花序を出し、緑色を帯びた白色の花をつけます。花冠は直径約3ミリで花の裏側に毛があります。 果実には曲がったカギ形の毛が生えます。花期は5〜6月。もう時期が少し遅いようです。他に花が見つかりませんでした。
 

ヤマムグラの茎葉
 ※同属のヤエモグラの花と実が3ページNO.11に載っています。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.8.15
12.キュウリグサ(胡瓜草)そっくりですが、中心が黄色くない、ハナイバナ(葉内花)
所在地 横浜市港北区新吉田町 空き地
科.属など ムラサキ科ハナイバナ属 1年草
見どころ  

葉と葉の間に花がつくハナイバナ
 日本各地、東〜東南アジアに広く分布します。畑、果樹園などに生育しています。キュウリグサの葉は茎の下のほうに、花は茎の上のほうにつくきますが、ハナイバナ(葉内花)は葉と葉の間に花がつきます。それが名前の由来になっています。花期は3〜12月で、花はキュウリグサによく似ていますが、たくさんは付きません。3月から5月はハナイバナとキュウリグサのどちらも花を咲かせるので紛らわしいですが、6月になるとキュウリグサの花は終わり、ハナイバナのみが咲くようになり、ハナイバナはその後11月くらいまで花を見ることができます。
 ※キュウリグサ(胡瓜草)の花が9ページ19に載っています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.8.16
13.花の外側が淡い紫褐色を帯びている、タカサゴユリ(高砂百合) 別名:細葉鉄砲百合

タカサゴユリの花
所在地 横浜市港北区大曾根 マンションの庭
科.属など ユリ科ユリ属 多年草(耐寒性球根植物)
見どころ  

細長い葉のタカサゴユリ
 タカサゴユリは、日本へ種子が入ったのが大正12年、台湾の山地に広く野生するユリです。旺盛な繁殖力のために、日本でも各地で野生化しているようです。純白の花を付けるテッポウユリに対して、花の外側が紫色、赤褐色を帯びている点などが特徴的です。花被片は白色で6枚、またテッポウユリと比べて葉が細長いです。種子をまくと1年で開花し、年数が経つと、1本で10輪以上の花を付けるようになります。花期6月〜8月。
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.8.15
03.採掘で野生種が無くなった、ミシマサイコ(三島柴胡)

茎頂に小さな黄色の花弁が内側に曲がった5弁花をつけるミシマサイコの花
所在地 東京都品川区荏原2丁目 星薬科大学薬用植物園
科.属など セリ科ミシマサイコ属 多年草
見どころ  この植物の2年以上経った根茎を日干しにしたものが生薬「柴胡(さいこ)」と言い、かぜ・ 胆石、胆のう疾患 頭痛に効きます。 江戸時代、東海道の三島の宿(現在の静岡県三島市)に泊まる旅人は、その柴胡という薬を買うことがならわしになっていたそうです。三島の薬種問屋に持ち込まれる柴胡は、非常に品質が良く、伊豆の草原地帯の山々を野焼きして掘り出したものといわれています。地名と生薬名とが その名の由来となりました。
 ミシマサイコは本州、四国、九州の日当たりの良い山野に自生する多年草ですが、現在は採掘で激減し野生の採取は難しいそうです。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.8.18
15.2008年秋に50年ぶりに開花、トラノオスズカケ(虎の尾鈴懸)

50年ぶりに開花したトラノオスズカケの花
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内
科.属など ゴマノハグサ科クガイソウ属 多年草
見どころ

トラノオスズカケ花の拡大
 目黒自然教育園でトラノオスズカケは御料地時代の1932年(昭和7年)に牧野富太郎によって発見され、1949年の開園の頃に絶えたとされていましたが、2008年秋に50年ぶりに開花したという貴重な植物です。葉は長楕円形で先端は尖り互生です。地面を這うように生育します。花期は8〜9月ころ、葉腋から花序(2センチくらい)を出し、長さ5ミリほどの淡い紫色の小花をたくさん付けます。トラノオと名の付く花穂はヒモ状が多いですが、本種は円錐状です。名前のトラノオは花序の様子を虎の尾に、スズカケは山伏の衣装の鈴掛にたとえたものです。一部は自然教育園の解説文からの転載です。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.8.19
10.花色が淡緑白色をしている、コヤブタバコ(小藪煙草)

淡緑白色のコヤブタバコの花
所在地 横浜市青葉区寺家町「寺家ふるさと村」里山の道端
科.属など キク科ガンクビソウ属(ヤブタバコ属) 2年草
見どころ  

茎には軟毛があり、斜め上方向に枝分れ
 林縁や林内の道端などに生育し、背丈は60〜90センチになります。花期は9〜10月。ヤブタバコの花は黄色ですが、コヤブタバコは淡緑白色をしているのが特徴です。背の高いものは1メートルにもなります。茎には軟毛が密生していて、斜め上方向に何本も枝分れします。葉は長楕円形で、下部のものには柄があり、長さ20センチ程になりますが、根出葉は花期には枯れてしまいます。頭花は下向きに付き、コヤブタバコの頭花の方が、径15ミリ程で大きく、花柄があります。外側の総苞片は葉状で反り返ります。両性と雄性の筒状花があります。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.8.15
07.海岸に自生する、ハマナデシコ(浜撫子)  別名:フジナデシコ(藤撫子)
所在地 横須賀市鴨居 観音崎海岸
科.属など ナデシコ科ナデシコ属 多年草
見どころ  海岸の崖地や砂浜に生育します。草丈は50センチほどになり、葉は厚くて光沢があり、葉は対生して長さ5〜8センチ。幅1〜2.5センチの長楕円形〜長卵形で柄はなく直接茎につきます。葉の縁には微細な毛があります。花は6月頃から咲き始め、秋ころまで、茎の先に直径約1.5センチの紅紫色の5弁花を集茎の頂上に密に着きます。
 ※カワラナデシコの花が23ページNO.13に掲載されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.8.18
06.健康茶「ハト麦茶」でおなじみ、ハトムギ(鳩麦)

ハトムギの実(土砂降り中、撮影)
所在地 東京都品川区荏原2丁目 星薬科大学薬用植物園
科.属など イネ科ジュズダマ属 1年草
見どころ  武蔵小山駅から歩くこと約20分。前回も土曜日、その日は12時過ぎで「一般の入園は午前中のみ」と守衛さんに断られました。昨日は10時、守衛室を訪ねたら「学生の夏休み中は休園です」と、また涙を呑む羽目に。土砂降りの中を引き返すのも忍びなく、2人の守衛を相手に執拗に交渉。すると一人が校内に飛んで行き、しばらく待つと「許可が下りました〜。ドロンコの足元に気をつけてください!」。守衛さんの態度が一変、急に親切に・・・。仲間の皆さんの野草取材の裏にも、こうしたさまざまな体験が隠されていることでしょう。

 さて、本題。ハトムギは中国南部からインドシナ半島、熱帯アジヤ原産。かなり昔、日本に渡来し、明治以降にハトが好んでその実を食べることから、「ハトムギ」という名がついたそうです。それ以前には、1反歩(約10アール)当たり4石(約180リットル)の収穫があるということから、「四石麦(しこくむぎ)」という名で呼ばれていたとか。 乾燥したハトムギを砕いて炒ったものは、非常に香ばしい味のハトムギ茶になります。服用すると健胃、解熱、利尿、解毒の効果がありだけでなく、特に女性には肌の老化防止や美肌効果があるそうですよ。 
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.8.18

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2012.8.18〜8.22 掲載20種

19.タマゴナス(玉子茄子)によく似ている、ペピーノ 

メロンと梨の中間の味(?)、ペピーノの実
所在地 横浜市港北区大曾根2丁目 民家の庭先
科.属など ナス科ナス属(ソラヌム属)多年生の植物
見どころ

ペピーノの茎葉
 原産地は南アメリカアンデス地方です。古代からアンデス山脈一帯の地域で栽培されています。 ニュージーランドでは栽培の盛んな果物。日本にも1980年ごろ導入されました。果実は卵形で、長さ10センチ〜15センチになります。本来食用ですが、観賞用に鉢植えされたものも出回ってます。 果実は多汁で甘く芳香があり、生でスライスして食用とします。メロンと梨の中間のような味だそうです。高さは1メートルほどになり、茎に小さなトゲがあります。葉は長楕円形から卵状披針形で、軟毛が生えています。観賞期は7〜9月。
 
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.8.22
02.花の製油が化粧品の香料となる、チューベローズ 別名:晩香玉or月下香

芳香のチューベローズの花
所在地 東京都品川区荏原2丁目 星薬科大学薬用植物園
科.属など リュウゼツラン科ポリアンテス属 多年草
見どころ

リュウゼツラン科ですが、葉は硬くなく、茎葉は根元からよく分枝し草丈約30センチ
 メキシコ原産。香りの良さが魅力で日本には江戸時代後期にオランダ経由で日本に渡来し、夏に花茎を伸ばして「スイセン」に似た乳白色の花を咲かせることから「オランダスイセン」とも呼ばれています。その芳香がとくに夜になると強くなり、中国では「晩香玉」、台湾では「月下香」の名がついています。日本では現在、草丈約1メートルの花は葬儀用の献花などに使われ栽培されています。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.8.18

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14.特徴的な形の花びらの、トレニア 別名:花瓜草or夏菫
所在地 横浜市港北区大曾根マンションの庭
科.属など ゴマノハグサ科ツルウリクサ属 1年草または多年草
見どころ  インドシナ半島原産。初夏から秋にかけて、紫青色の唇形花をつけます。葉は卵形から披針形で対生し、縁には鋸歯があります。茎は立ち上がるか匍匐し、高さは20〜30センチになります。
 花色も豊富で濃青色や淡青色、ピンク色、黄色などの花を咲かせます。暑さに強く真夏でも生育が衰えないので夏花壇に最適な草花のひとつです。季節はずれの寒さにあうと、葉は赤みを帯びます。和名は、はなうりくさ(花瓜草)、なつすみれ(夏菫)と呼ばれます。花期 6月〜10月。
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.8.19
04.万葉集には、秋の七草の一つとして登場する、フジバカマ(藤袴)

フジバカマ花の蕾
所在地 東京都品川区荏原2丁目 星薬科大学薬用植物園
科.属など キク科フジバカマ属 多年草
見どころ  原産は中国ですが、奈良・平安時代にはすでに帰化して野草化、万葉集には日本の“秋の七草の一つ”として登場しています。関東以西の日本全土の少し湿気のある場所に自生。8〜9月の開花前の蕾の全草を乾燥させたものが生薬「蘭草(らんそう)」と呼び、服用すると 利尿・通経・黄疸(おうだん)・腎炎・糖尿病予防などに効き、風呂に入れて入浴すると補温・肩こり・神経痛・皮膚のかゆみなどに効くそうです。刈り取った茎葉を半乾きの状態にすると、桜餅の葉のような香りがします。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.8.18
05.竹の一種ではなく、奈良時代から薬草として使われた、ノダケ(野竹)

にわか雨の中のノダケの花
所在地 東京都品川区荏原2丁目 星薬科大学薬用植物園
科.属など セリ科シシウド属多年草
見どころ

茎の上部の節部分が竹に似ていることが名前の由来
 ノダケ(野竹)という名前は、何かの間違いかと思ったら茎の先の方の“節部分”が竹に似ていることからの命名でした。本州、四国、九州の湿地、山地の野原に自生します。
 ノダケの特徴は、1に花が咲く頃の草丈は1メートル以上になる。2.に茎が暗紫色のものとグリーンのものとがある。3に茎は直立して伸び、蕾をつけた茎は3日位であっという間に50センチ以上にも生長、花が咲くまで数年かかり、花が咲くと枯れる。蝉のような植物で、このような植物を「1回開花性植物 」という。4に花の色がセリ科には白い花が多いのに暗く濃い紫色の花であること。5に乾燥した根を前胡(ゼンコ)と呼んで鎮咳・去痰に用いる野草であること。
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.8.18
08.ちりめん(縮緬)状の葉、ラセイタソウ(羅背板草)
所在地 横須賀市鴨居 観音崎海岸
科.属など イラクサ科カラムシ属 多年草
見どころ  草丈は30〜50センチ。葉は広卵楕円形で、葉の付き方は対生です。この植物の特徴は葉がちりめん状になることです。夏の海岸で縮緬状の葉に肌色の花穂をつけていましたら、ラセイタソウ(羅背板草)です。海岸の岩場に生息するため水分の確保が難しいことから、葉は縮緬状で厚みを持つことで葉表面積を最大限にしています。開花期7〜9月ころ。花序も密で、ほかのヤブマオの仲間と比べると短いです。 名の由来は、葉が「羅紗(ラシャ)に似ているところから羅背板(ラセイタソウ)」という名前がつきました。(羅紗とは、卓上ゲームによく使われる、ザラザラしたカーペットみたいなものです。)
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.8.18
09.野原や道端や畑などに普通に見られる、キツネノマゴ(狐の孫)
所在地 横浜市青葉区寺家町「寺家ふるさと村」里山の道端
科.属など キツネノマゴ科キツネノマゴ属 1年草
見どころ
 本州から九州に分布し、道端に生える小柄な雑草で、湿った所を好みます。茎は根元が横に這って、分枝して少し立ち上がり、高さは10〜40センチ程度です。茎には節があり、節ごとに葉が対生し、葉は長さが2〜4センチ位、短い柄があり、卵形で柔らかく先端は少しとがり、両面に毛が生えています。花期は8〜10月。茎の先端から穂状花序を出し、花序には花がたくさん咲きます。それぞれの花は基部に苞があるので、外見ではその苞が並んだ棒状のように見えます。萼は深く5裂。花は淡紅紫色で8ミリ程の唇形花を付けます。
 名前の由来は花序が花の咲いたあとに伸びるのがキツネの尾のようだとか、花の形がキツネの顔を思わせるからなどの説があるようです。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.8.15
11.花根茎を這わせながら繁殖する、ハナトラノオ(花虎の尾) 別名:カクトラノオ(角虎の尾)

ハナトラノオの白い花
所在地 横浜市港北区新吉田町 空き地
科.属など シソ科ハナトラノオ属
見どころ  
 北米東部原産で、花期は8〜9月頃です。大変性質が強く、一度植えると放置していても地下茎でよく増え、半野生化することもあります。下方から小さな唇形の花を咲かせる宿根草です。花色は一般的に桃色が多いですが、薄紫や白、赤紫もあります。茎は四角張っていて触れたら痛そうです。別名のカクトラノオ(角虎の尾)はこれから来ています。ハナトラノオ(花虎尾)という名前は花穂の姿が虎の尻尾のように見えるということから付けられました。葉は鋸歯縁の披針形で、耐寒性ですが、冬期は茎葉は枯れ宿根します。

ハナトラノオ桃色の花

茎葉
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.8.16