05.葉はミョウガ(茗荷)に似ている、ヤブミョウガ(薮茗荷)

ョウガ科ではなく、ツユクサ科の
ヤブミョウガの花


藍紫色に熟したヤブミョウガの液果。少し残った白い花に黒い実が光っていました!
 2012.7.11 上記の場所
所在地 東京都港区白金台5-21-5 国立科学博物館付属 自然教育園内
科.属など ツユクサ科ヤブミョウガ属  多年草
見どころ
 ミョウガ(茗荷)はショウガ科ですが、ヤブミョウガ(薮茗荷)はツユクサ科です。草丈は50~100センチくらいで、ミョウガに似た長楕円形の葉を互生させます。葉は茎の先端部分だけに集中します。夏になると、茎の先端から花序をまっすぐ上に伸ばし、白い花を咲かせます。花冠の直径は8ミリ程度。果実は球形の液果で藍紫色に熟します。
 

ヤブミョウガの群生
2012.7.21 
神代植物公園
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.7.5
04.山地に生え、葉先が尖った、ミヤマニガイチゴ (深山苦苺)
所在地 栃木県那須町 那須高原沼っ原湿原
科.属など バラ科キイチゴ属 山地に生える落葉低木.
見どころ  本州、東北、近畿の山地帯、高山帯に生える落葉低木で、茎は小さな刺がまばらにあり、高さ1メートルほどになります。葉は長卵形で3深裂し、中央の裂片は大きく長くとがり、縁に重鋸歯があります。裏面は粉白色を帯び、脈や葉柄に小さな刺があります。 ニガイチゴに比べ、葉が3裂し先が鋭くとがることと、やや標高の高いところに多いのが特徴です。 花期 5~7月。
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.6.12
02.花はあまり目立ちませんが、タカトウダイ(高燈台)
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内
科.属など トウダイグサ科トウダイグサ属 多年草
見どころ  

2012.7.5 同じ場所で撮影
 草丈は70センチメートルほどとなり、背の高いトウダイグサの意で形態はよく似ています。葉は細長く、長さ5~7センチくらいで、幅5~7ミリ。茎の中程はヘラ型で互生しますが、茎の頂部の葉は丸みの強いヘラ型の葉を5枚ずつ輪生します。茎の頂部からは放射状に花茎を伸ばします。花期は6~8月。苞葉の中に黄色い花を複数つけます。秋になると紅葉します。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.6.27

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20. 根をニンジンと同じように利用できる、アメリカボウフウ(アメリカ防風)
所在地 東京都品川区荏原2丁目 星薬科大学薬用植物園
科.属など セリ科アメリカボウフウ属 2年草
見どころ  原産地はヨーロッパ。草丈は90~130㌢。根は長さ45~50㌢くらいで円錐形、皮が乳白色で光沢があり、横じわがあります。特有の香りと甘みもあります。欧米ではスープやシチュー、温野菜サラダや煮込み料理に使います。 ニンジンとほとんど同様の使い方をしているそうです。 
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.6.27
16. 大きなキュウリのような形をしている、ヘチマ(糸瓜、天糸瓜)
所在地 横浜市港北区新吉田町の民家
科.属など ウリ科ヘチマ属 つる性1年草
見どころ  インド原産で、日本には江戸時代に渡来したといわれます。花期は7~9月で、雌花と雄花に別れており、直径8センチほどの黄色い花を咲かせます。自家和合性で同一株で受粉が可能です。若い果実は食用に、成熟した果実は強い繊維が発達するのでたわしなどに用いられます。果実は成熟後、次第に乾燥し、種子の周囲が繊維で支えられた空洞となります。地上30センチほどのところで蔓を切り、切り口を容器に差し込んでおくとたまる液体をへちま水といい、化粧水として用います。民間薬としては飲み薬として咳止め、むくみ、利尿に効くとされ、塗り薬としてあせも、ひび、あかぎれ、日焼け後の手当てにも効くとされます。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.7.8

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2012.7.3~7.11 掲載20種

07. 葉も花も紫づくめ、ムラサキゴテン(紫御殿)
所在地 横浜市港北区日吉6丁目 道路沿い 
科.属など ツユクサ科ムラサキツユクサ属 多年草 園芸植物
見どころ

葉に厚みがあり茎や根が太い
 最近アチコチで見かけます。別名は「セトクレアセア」、「パープルハート」とか呼ばれています。メキシコ原産。園芸植物として、日本には1955年に渡来。草丈は10~50センチくらい 。葉の形はツユクサに似ています。葉に厚みがあり茎や根が太いことから多肉植物として扱われることもあります。開花期は7~8月ころ、花色は濃桃色で花径2センチくらい。花弁は3枚で中央からシベが立ち上がります。雄シベの葯(ヤク、先端部)は黄色です。葉・茎・苞色・紫色です。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.7.6
01.白い花糸が目立ちます、ミヤマカラマツ(深山落葉松)
所在地 東京都小平市中島町21-1 都立薬用植物園
科.属など
キンポウゲ科カラマツソウ属 多年草
見どころ
  草丈は30~80センチ。葉は2~3回3出複葉で、長い柄があります。2~3回枝分かれをさせてそれぞれの先に三つ葉をつけて1枚の葉となります。葉先の縁は丸みを帯びたあらい鋸歯があります。茎先に白ないし淡い紫色の花をつけます。花弁はなく、萼片も早くに落ちてしまいます。花弁のように見えるのは雄しべの花糸です。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.6.24
19.華やかさとは無縁な地味なラン、タシロラン(田代蘭)

菌類と共生、葉緑素をもたず、全体が白黄色を帯びています
所在地 横浜市緑区寺山町291 県立四季の森公園
科.属など ラン科トラキチラン属 1年草 腐生植物 準絶滅危惧種(NT)
見どころ
 山地や丘陵地の常緑林中内に生える腐生植物(種子植物の内で、植物体に光合成で自活する能力がなく、菌類と共生して栄養素を得て生活するもの)で葉緑素をもたない。全体が白黄色を帯びています。茎は高さ20~50センチで多数の白色花を総状につけます。花弁に赤紫色の斑紋がありますが、開花後すぐに淡褐色となります。花期は6~7月です。和名は発見者の植物学者の田代善太郎氏の名から。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.7.10
18. 茎や葉を切ると白い乳液が出る、ガガイモ(蘿藦) 別名:ラマ

ガガイモ花
所在地 横浜市緑区寺山町291 県立四季の森公園
科.属など ガガイモ科ガガイモ属 多年草 つる植物
見どころ
 日本(九州以北)のほか東アジア一帯に分布。日当たりのよい草原や道端などに見られます。心臓形の葉が対生し、夏から秋にかけて葉腋から出た集散花序に淡紫色から白色の花がつきます。花冠は5深裂して星型になり、内側に毛が密生しています。花後、歌舞伎の鬼女の舞いのような白く長い綿毛をつけた種を飛ばします。名の由来は、ガガ(スッポン)に似て、地下に芋があるからなど諸説があるそうです。

ガガイモ花の拡大

港北区新吉田町の山道  2012.7.14
八城幸子撮影

ガガイモ花の実
8~10センチ位の大きな実が生っていました 2012.9.18 県立四季の森公園
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.7.10
15. 夏の庭を飾る、クサキョウチクトウ(草夾竹桃) 別名:オイランソウ(花魁草)、フロックス
所在地 横浜市港北区新羽町の畑の脇
科.属など ハナシノブ科フロックス属の多年草
見どころ

草丈90㌢ほど。花が集まってボールのような花の塊になります
 北アメリカが原産で、明治時代に渡来し、花期は6~9月です。花色は紫紅色のほか,赤,桃,白などがあり、花の姿もたくさんの種類があります。花がキョウチクトウに似ているので名付けられました。「オイランソウ」という別名は花の香りが花魁の塗る白粉に似ているからだそうで、背の高さは、90センチほど。花がたくさん集まってボールのような花のかたまりになります。園芸種で、庶民的な草花として夏の庭を飾っています。
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.7.8
14. 実が熟す頃になると急に人目を惹く、イシミカワ(石実皮)

イシミカワの実
所在地 横浜市港北区新吉田町の野原
科.属など タデ科イヌタデ属 つる性の1年草
見どころ

実は円盤状の托葉に乗るような形をしています
 和名には「石見川」、「石実皮」、「石膠」の字が当てられいますが、いずれが本来の語源かはっきりしていません。東アジアに広く分布し、日本では北海道から沖縄まで全国で見られ、林縁、河原、道端、休耕田などの日当たりがよくやや湿り気のある土地に生えます。茎には下向きの刺があり、長さ2メートル以上になり、7~10月頃短い花穂は、枝先に丸い皿状の苞葉に乗る形でつきます。実は円盤状の托葉に乗るような形で、未熟な間は白っぽい緑色で、桃色から赤紫色に変わり、完熟すると鮮やかな藍色になります。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.7.8
13. スイセンの名は持つが、アヤメ科の花のヒメヒオウギズイセン(姫檜扇水仙)
所在地 横浜市港北区新吉田町の野原
科.属など アヤメ科クロコスミア属の多年草(球根)
見どころ
 南アフリカ原産で、明治時代にヨーロッパから渡来した園芸種が野生化し、日本各地に広がったものです。葉の付き方が檜扇(ひおうぎ)のようで、花は水仙に似たヒオウギズイセンより小型ということから名の由来がきています。この花を乾燥させ湯に浸すとサフランの香りがすることから「サフランの香り」を意味するギリシャ語クロコスミアがその学名になっています。
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.7.8
12. 紫色の清楚の花、カリガネソウ(雁草、雁金草) 別名:ホカケソウ(帆掛草)
所在地 横浜市鶴見区馬場2丁目20-1 鶴見馬場花木園
科.属など クマツヅラ科カリガネソウ属  多年草
見どころ
 夏に草丈80センチくらいに生長します。葉は対生し、広卵形で縁にギザギザがある鋸葉です。花期は8月から10月ころ、青紫色で球状のつぼみをつけ、5枚の花弁は凹形で縁がひだ状になり、上に2枚、下左右へは各1枚ずつ大きく広がり、下側の花弁が舌状になり紋様が入いります。花柱と雄蘂は花の上に伸び、その先が花の手前に回り込むように垂れます。まばらですが、沢山の花をつけます。和名の由来は花の形を雁の飛ぶ姿に見立てたことから付けられました。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.7.6
11. 花も葉もノカンゾウ(野萓草)とそっくな、ヤブカンゾウ(藪萓草)
所在地 横浜市港北区新吉田町の空き地
科.属など ユリ科ワスレグサ属の多年生草
見どころ  中国原産で、栽培されていたものが野化しました。花が八重なのがヤブカンゾウ(藪萓草)です。3倍体なので結実はしません。点々と人家近くの草地などに生育が見られますが、種子で増えることはないので、過去に栽培されたものが生き残ったりして、増えたものです。生育地は堤防や小川のほとり、耕作地の周辺などであることがほとんどです。若葉と花は食用になり、乾燥させて保存食としたりしました。また、利尿剤として民間薬として利用されます。よく似た種にノカンゾウ(野萓草)があります。花は一重で、結実します。
 ※ノカンゾウの花が40ページ№10に載っています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.7.7
10. 花が短命で一日しかもたない、ヘメロカリスの花  別名:デイリリー

の花

黄色の花
所在地 横浜市港北区綱島上町  マンション植え込み
科.属など ユリ科のワスレグサ属の多年草 園芸種
見どころ

マンション脇の歩道に植えられていて人目を引いていました。
 日本や中国原産のユウスゲやカンゾウ類(ノカンゾウ、ヤブカンゾウなど)がヨーロッパなどに導入されて品種改良されてできた園芸品種を俗に呼ぶことが多いですが、広い意味では品種改良の元となった野生種も含みます。ヘメロカリスの名前はギリシア語で「一日」を意味するヘメロと「美」の意味の「カロス」の2語からきており、これもデイリリーと由来は同じです。野生種の花色は黄色や赤褐色などが中心で、園芸品種はそれ以外に赤、クリーム色、ピンク、紫などがあります。咲き方も、花びらの形も様々で多くの種類があります。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.7.5
09. アキと付いていても6月の梅雨時から咲く、アキノタムラソウ(秋の田村草)
所在地 横浜市緑区寺山町291 県立四季の森公園
科.属など シソ科アキギリ属 多年草
見どころ
 花期は7~11月です。本州~九州の山野の道ばたなどに生え、山間の道端や草地の半日陰に普通に生える多年草。草丈は30センチ~60センチになり、茎はシソ科特有の四角で全体に細毛が密生し、葉は互生して3個~7個の小葉からなります。茎の上部に長さ10センチ~25センチの花穂を出し、長さ1センチ強の淡青紫色の唇弁花を、5個~7個輪生させて10段前後下から咲き上がります。学名が「日本のサルビア」というそうです。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.7.1
08. ギボウシの仲間のなかで、一番美味しい、オオバギボウシ(大葉擬宝珠)
所在地 横浜市緑区寺山町291 県立四季の森公園
科.属など ユリ科ギボウシ属の多年草
見どころ
 別名は「 トウギボウシ(薹擬宝珠)」、「ウルイ」。花期は6月~8月です。名前の由来は、蕾が花茎の上に集まっているのが橋の欄干の擬宝珠に似ることによります。高さ60~100センチほどになり、葉の大きさも大きく名前の由来にもなっています。若芽は酢のもの、味噌あえなどにされました。江戸時代より、観賞用に栽培されたトウギボウシはこの園芸品種です。一つの花のように見えますが、これはツボミを包むガク片の集まりです。成長とともに間隔が伸び、その中に見慣れた形の花のツボミが現れてきます。
 ※スジギボウシ(筋擬宝珠)の花が16ページ№13に載っています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2012.7.1
06. 暗緑色の葉の中に小さな花、 ハグロソウ(葉黒草)
所在地 東京都港区白金台5-21-5 国立科学博物館付属 自然教育園内
科.属など キツネノマゴ科ハグロソウ属 多年草
見どころ
 草丈は50センチくらいで茎は四角形で毛があり、葉は対生し、長いものは10センチほどで楕円形。表面には毛が散生し比較的細いので、直立する力はあまり強くありません。夏には、2枚の苞の間から淡紫色の花を咲かせます。花は約2センチくらいで上唇と下唇に分かれており、上下につぶれた形で薄っぺらく面白い形です。内側には赤褐色の斑紋があり、これを「お歯黒」に例えたのでしょうか。名の由来は、葉が黒っぽく暗緑色である事からや、花の斑紋をお歯黒に見立てたとの説があります。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.7.5
03.赤紫色の花穂で目を引く花、オオケタデ(大毛蓼)

オオケタデ花の拡大
所在地 横浜市港北区大曾根 鶴見川沿いの空き地
科.属など タデ科 タデ属 1年草
見どころ

1メートル以上の草丈になります
 夏から秋にかけて枝の先に、長さ10センチほどの花穂を着けます。 中国南部、インド、東南アジア原産の1年草です。日本へは江戸時代に鑑賞目的で渡来しましたが、今では逸脱し野生化し帰化植物となっています。道端や荒地等でよくみかけけるイヌタデは小型ですが、オオケタデは1メートル以上になり、茎や葉に毛が多いことからオオケタデという名前がついています。
 「タデ」という名前は、口にすると辛く口の中がただれることに由来しています。6~10月頃に、赤紫色の花穂を垂れ下がるようにしてつけます。花穂は小さな花の集合花で、花のように見えるのは2~3ミリほどの鍔です。茎や葉を揉んだ汁は虫刺され時の塗布薬となります。近縁種に日本全土を含む北半球の温帯~暖帯に分布しているオオイヌタデがあります。
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.6.30

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17. 液を煮詰めて蠅取り紙にした、1科1属1種の、ハエドクソウ(蠅毒草) 
所在地 横浜市緑区寺山町291 県立四季の森公園
科.属など クマツヅラ科ハエドクソウ属 多年草 
見どころ
 北海道・本州・四国・九州、朝鮮・中国・ヒマラヤなどに分布。丘陵地帯からブナ帯の落葉広葉樹林下に生育します。花は長さが5~6ミリの淡い紫色から白色の小花で、7月から9月に開花します。全草に有毒物質を含み、蠅取り紙を作るのに利用したことが、名の由来です。1科1属1種であり、仲間のいない種だそうです。花は穂状花序に横向きに咲き、開花後は下向きになり、ガクが残ってイノコヅチに似た果実となります。5~6ミリのガクには上側に3本の棘があり、果実は稔ると動物の体について散布される「引っ付き虫」です。

ハエドクソウの茎葉

ハエドクソウの実(拡大)
実は茎に沿って下向きになり、衣服などに付着します 2012.8.2県立四季の森公園で撮影
 
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.7.10