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35 絶滅危惧種2類に指定される、オキナグサ(翁草)の花 別名: ネッコグサ(根っこ草)
所在地 東京都大田区池上二丁目2番13号 池上梅園
科.属など キンボウゲ科、オキナグサ属
見どころ
 オキナグサは本州から九州、朝鮮・中国に分布する多年草。万葉集ではネッコグサという名で登場していたほど、古くから日本の野山に自生していました。しかし最近は保護が必要なほど自生は少なくなてしまい、環境庁の植物版レッドリストで絶滅危惧2類(絶滅の危険が増大している種)として位置づけられています。春に花が咲いた後,長いひげを持つ種ができます。これを白髪頭に見立ててこのような名前がつきました。

花びらの外側は白い毛でおおわれています。
2012.4.1 筑波実験植物園
石川佐智子撮影

「オキナグサ」の名前の由来となった種
都筑区新栄町 「せせらぎ公園」 2012.5.1
 
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2010.2.9

2012.01.14~02.03 掲載40種

33 根がチョウセンニンジンに似ているから。ツルニンジン(蔓人参)の花と実 別名:爺ソブ


ツルニンジンの実
所在地 神奈川県箱根町芦ノ湖手前の山道
科.属など キキョウ科ツルニンジン属の蔓性多年草
見どころ  山地や平地の林などに生育。8~10月に直径3センチほどの大きな釣り鐘形の花が咲き、花の外側は白緑色だが、内側には紫褐色の斑点があります。別名:爺ソブ(ジイソブ)とは「お爺さんのソバカス」の意味。この斑点をソバカスと見なしたもの。雌しべの柱頭は3~5裂します。果実は変わった形をしていて、花筒が落下した跡が扁平な果実の上に大きく、くっきりと残っています。種子はこの袋状の果実の上面が裂けて散布されます。葉は互生するが、枝先には数枚の葉が集まり、1つの葉のように見えます。根は滋養強壮、癌予防などの薬草に、若葉や根は山菜として食べられます。類似種に花が小型のもので「バアソブ」があります。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2010.10.14
12 独特な香りとほろ苦い山菜、フキの花の蕾、フキノトウ(蕗の薹)、茎葉とその花


2012.2.24 港北区新吉田東の
民家の庭で

2012.3.22 満開の花
自然教育園 石川佐智子撮影
所在地 横浜市港北区新吉田町 小さなせせらぎの川渕 
科.属など キク科フキ属の多年草
見どころ

2012.3.20 フキノトウの群生
港北区新吉田町の林の中
北澤美代子撮影
 フキは日本原産で近縁種の少ない独特の野菜(山菜)です。野生種は全国の山野に自生しています。春一番に葉が出るより先に伸び出す花茎(フキのツボミ)が「フキノトウ」です。雌雄異花で、白色の雌花は受粉後、花茎を伸ばし、タンポポのような綿毛をつけた種子を飛ばし、開花時の草丈は5〜10センチですが、結実時の草丈は80センチになるものもあります。雄花は淡黄色で、花茎は伸ばさない。「春の皿には苦味を盛れ」と言われますが、冬の間に溜まった脂肪を流し、味覚を刺激して気分を引き締めて一年の活動をスタートさせましょう。 冬眠から目覚めた熊は最初に「フキノトウ」を食べるそうです。フキノトウ味噌や、てんぷら、佃煮はおいしいですね。(北澤美代子)
 

2011.12.5 八城幸子撮影
 1月22日に左上のフキノトウの堅い蕾を掲載しましたが、その蕾の変化の様子を見に行ったら、摘み採られてなくなっていました。投稿の画像は、別の場所で見つけたフキノトウが開花していた写真です。花が開いてしまうとフキノトウは、おいしくなくなるので摘み採られることはないだろうと思いますので、綿毛の写真が撮れるといいなあと思っています。(北澤美代子)
フキは春先のフキノトウが終わってしばらくすると、柄の長い大きな丸い葉が生えてきます。柄の部分を佃煮風に煮付けたきゃらぶきや、葉の佃煮、フキノトウのてんぷらと美味しく食べれますが、7月を過ぎるとトウが立って固くなり、苦味もぐっと強くなって食用には適さなくなります。(八城幸子)
  
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.01.22
01 カタクリ(片栗)のピンクと黄色の花が「かたくりの里」で競演


黄色いカタクリの花
所在地 神奈川県津久井郡城山町川尻4307 城山カタクリの里
科.属など ユリ科カタクリ属
見どころ

「今年は、寒かったので、なかなか開花してくれませんでしたが、ようやく一面の群生を撮影できました」北澤美代子談。
2012.4.1撮影:北澤美代子 城山かたくりの里 

キバナカタクリの群生  城山かたくりの里
 2012.4.14  撮影:北澤美代子 
 

2012.4.10
カタクリの実
県立四季の森公園
八城幸子撮影
 山野に自生する多年草で花の時期はおよそ3月下旬から4月上旬。発芽してから花を咲かせるまでに7~8年もかかるそうで、15センチほどの茎の先に淡紅色の6弁花を斜め下向きにつけます。「城山かたくりの里」は個人の山林ですが、カタクリなどが咲く花の季節だけ一般に公開しています。

 現在の片栗粉(かたくりこ)は、名前は「片栗粉」でも中味はジャガイモから採ったデンプンです。本物の「片栗粉」は5~6月に鱗茎(りんけい)を掘り、外皮を除いて砕き、すり鉢でさらに細かく砕いて水を加えて、木綿袋でこして、白く濁った水をそのまま放置して、デンプンが下に沈んだら、上水を捨てます。 この作業を数回繰り返して、乾燥したものが良質のカタクリデンプン(片栗粉(かたくりこ))になります。 
 
撮影者 配野美矢子 撮影日 2010.3.20
37 高さは10~25センチになり存在感がある、ジュウニヒトエ(十二単)の花
所在地 横浜市港北区新吉田町の山道
科.属など シソ科キランソウ属
見どころ  原野のみに自生する日本特産の多年草です。最近は盗掘によっても数が減っていますが、偶然にもウラシマソウの隣に咲いていました。茎の下部より数本に分枝して立ち上がり、春に白に近い薄い紫色の花を穂状に咲かせますが、茎にも葉にも長くて縮れた白い毛がびっしりと生えているので、白っぽく見えます。 花が幾重にも重なって咲く様子を、女官の十二単に喩えて名づけられました。開花時期に全草を採集して乾燥させ、胃薬などとして用います。
撮影者 八城幸子 撮影日 2010.4.29
38 花びらの先端に緑色の斑点がある、オオマツユキソウ(大待雪草)の花 
所在地 茅ヶ崎市東海岸南 
科.属など ヒガンバナ科オオマツユキソウ属、またはレイコユム属(分類によりスノーフレーク属) 
見どころ  別名を「スズランスイセン(鈴蘭水仙)」と呼ばれるように、花が スズランで、葉が スイセンの形をしています。原産はオーストリア、ハンガリー、欧州南部です。日本には1936年頃に入ってきたようです。「スノードロップ」と「スノーフレーク」は別属ですが、ごく近縁種で、印象もとても良く似ています。日本に渡来したのは「スノードロップ」の方が先ですが、スノードロップを和名「待雪草」と言うのに対して、スノーフレークの方を「大待雪草」と言ったりします。スノードロップにも「大待雪草」の別名もあるので、ちょっとややこしいところですが、スノードロップ(マツユキソウ)は10~15センチと背丈が低く、単頂花序で、花径の先端に花を一つしか咲かせません。スノーフレーク(オオマツユキソウ)は背丈が30センチを超え、一つの花茎に複数の花をつける散形花序で、一つの花径に2~8花を付けます。
撮影者 八城幸子 撮影日 2010.3.23
39 純粋の種類は減少しつつある、キエビネ(黄海老根)の花
所在地 皇居東御苑 石室周辺・二の丸池滝口 
科.属など ラン科エビネ属
見どころ  
 本州の紀伊半島から四国、九州など西日本にかけて分布し、海外では、台湾や済州島などにも分布します。山地の樹林下に生える多年草で、花茎の高さは50センチほどです。エビネは唇弁の中裂片が2裂しますがキエビネは裂けません。花期は4~5月。鮮やかな黄色の花をつけます。西日本にエビネが進出するにつれ交雑がおこり、純粋のキエビネは減少しつつあります。近い将来における絶滅の危険性が高い種である絶滅危惧IB類(EN)に登録されています。名前の由来は黄色い花を咲かせるエビネからで、「海老根」の名は地下茎の形が海老に似ているからです。
 

2012.4.5 キエビネ花の蕾
星薬科大学薬用植物園
岩田忠利撮影

キエビネの群生
町田市本町田  町田えびね苑 2012.5.7
 
撮影者 八城幸子 撮影日 2010.4.25
36 変わった形の花穂が釣り糸のよう、ウラシマソウ(浦島草)の花、葉と花の蕾

港北区新吉田町山道で
2012.5.10
所在地 横浜市港北区新吉田町の山道
科.属など サトイモ科テンナンショウ属
見どころ  

咲きそろうウラシマソウの花
栃木市都賀町花之江の郷
 2012.5.10
太田孝子撮影
 山道の傾斜に奇妙な形と色の植物を見つけました。調べてみるとウラシマソウでした。仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる苞を開きます。これが花に見えますが、仏炎苞は葉の変形したもので、肉穂花序を包んでいます。花序付属体は全体に平滑で、先が細長く伸びて糸状となり長さ30センチメートルに達しますが、この姿が釣り糸を垂れている浦島太郎に似ていることに由来しているそうです。ウラシマソウはサトイモ科の植物ですが毒草で、球茎や新芽、実を食べると嘔吐や腹痛に襲われるようです。ウラシマソウの花が終わると,5~6月頃にかけて、トウモロコシに似た実がなります。秋になると赤く色づきますが、未成熟の果実は有毒のシュウ酸化合物等を含有します。 
 ※同じサトイモ科のムサシアブミ(武蔵鐙)の実が、4ページ№1に掲載されていますが、ウラシマソウの実によく似ています。
撮影者 八城幸子 撮影日 2010.4.29
34 氷河時代の植物、オゼコウホネ(尾瀬河骨)の花
所在地 山形県鶴岡市 月山八合目 弥陀ヶ原湿原
科.属など スイレン科コウホネ属の多年草
見どころ  日本固有種。尾瀬、月山、北海道北見地方、秋田県木地山高原など産地が限られた植物。湖沼の水中に生え、水面上で咲いた花は、開花後水中へ沈んでゆきます。普通の河骨(コウホネ)は葉の茎が水上に突き出るが、オゼコウホネは葉が水面に浮かぶだけです。花径は2~3センチで、花の色は黄色。花弁のように見えるのは萼片で5枚あります。中央に見えるめしべの赤い柱頭が特徴です。花期は7~8月。名の由来は、尾瀬に自生するコウホネから、「オゼコウホネ」の名になったという。池や沼の浅い水中に見られ、池の底を這う根茎から水面に浮く葉までの長さは1~3メートル程あります。(ここまでは、図鑑、インターネットから調べたものです)

  弥陀ヶ原の案内板には、「オゼコウホネはミツガシワなどと同じく氷河期からの生き残りで、尾瀬ヶ原と月山の2カ所しか知られていない。今から数十万年前地球の大半が、氷でおおわれて寒かった時代には、平地にもいっぱいはえていたのが、だんだん暖かくなるにつれ、平地にも住めなくなって寒い山の上だけに生き残ったものです。弥陀ヶ原は、まさに、オゼコウホネにとって最後の安住の地でもあるようです。」と書かれていました。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2010.8.2
30 白いクモ毛が多い、ハバヤマボクチ(葉場山火口)の蕾
所在地 長野県諏訪郡下諏訪町 八島ヶ原湿原
科.属など キク科ヤマボクチ属の多年草
見どころ  名の由来は、葉場山(ハバヤマ)は草刈り場のある山の意味で、火口(ボクチ)は葉の裏にはえている白い綿毛を乾かしたものを火打ち石で火を起こすときのものからの説があります。茎は 太くてかたく、暗紫色をおび、根元の葉は三角状ほこ形で、基部はほこ形に張りだします。球状のものは総苞で、くも毛で覆われています。その先から、黒紫色のアザミのような花が下向きに咲きます。同じキク科の「オヤマボクチ」に似ているが、葉の形は「ハバヤマボクチ」のほうが三角形に近いようです。花期は9月~10月です。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2011.8.28
31 鍋料理に欠かせない、 シュンギク(春菊)その花
所在地 横浜市港北区綱島上町の畑
科.属など キク科シュンギク属
見どころ  原産地は地中海沿岸。春に花を咲かせ、葉の形がキク(菊)に似ていることから春菊と呼ばれています。食用のイメージが強いが、きれいな黄色い花や舌状花の外側が白い輪になっている花が咲きます。味は産地によって違い、例えば東京産の春菊は苦いが、逆に広島産は甘いそうです。特有の香りを持つ葉と茎を食用とし、ビタミン・カルシウム・葉緑素が豊富に含まれています。鍋料理の具材や、天麩羅のネタとしても好まれます。旬は11月から 3月です。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.5.23
32 オーストラリア原産の帰化植物、マメカミツレ(豆カミツレ)の花
所在地 横浜市港北区綱島西5丁目 民家の駐車場
科.属など キク科マメカミツレ属の1年草
見どころ  名の由来は、ハーブのカミツレ(カモミール)を小さくした外観なので。最近日当たりのよい空き地や道端でロゼット状でへばりついているのをよく見かけます。ニンジンのような葉をしていて、よく見ると、淡緑白色の透明のような小さな花が咲いているのです。花は直径5㍉~8㍉ほどで、中心部が緑黄色の筒状花を多数咲かせますが、地味で開花してもツボミのようにしか見えません。ほぼ通年開花します。1939年に神戸で帰化が確認され、日本各地に広まっているようです。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.1.5
22 風邪などの漢方薬の原料、カワラサイコ(河原紫胡)の花
所在地 つくば市天久保4-1-1 筑波実験植物園内
科.属など バラ科キジムシロ属 多年草
見どころ  草丈は30~70センチ。葉は奇数羽状複葉で小葉は15~29個つき、小葉は倒披針形で長さ2~5センチ。羽状に深く裂け、裂片は狭くて尖っています。花期は6~8月上部で分枝した枝先に多数つき、黄色の5弁花で径1~5センチです。河原や海岸の砂地に生え、風邪などの漢方薬の原料であるサイコ(柴胡)の根に似ているというので、カワラサイコと名が付いたそうです。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.8.3
23 根は発毛、育毛剤に利用、タマサキツヅラフジ(玉咲き葛藤)の実
所在地 東京都小平市中島町21-1 都立薬用植物園内
科.属など ツヅラフジ科 つる性の多年草
見どころ  中国南部、台湾に自生。昭和の初期に渡来。この根は古くから漢方の生薬として用いられています。血管拡張作用があることから、近年では発毛、育毛剤にも利用されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.8.28
24 茎を切ってもなかなか枯れないので! オオベンケイソウ(大弁慶草) の花
所在地 東京都小平市中島町21-1 都立薬用植物園内
科.属など ベンケイソウ科ムラサキベンケイ属 
見どころ  東アジア原産です。明治時代以降に中国・朝鮮半島から観賞用として渡来。花期は8~11月ころ小さな赤紫~ピンクの花をたくさんつけた花序を秋に咲かせる多肉植物です。花は茎の頂点に咲かせるのでよく目立ちます。民間薬として、全草を夏の花期に採取して、切り傷、化膿止、解熱、止血、風疹 に利用しています。オオベンケイソウは茎を切ってしばらく放置していても、しおれることなく土に挿しておけば根を出して根付く様子から弁慶の強さ、逞しさに因んで名付けられたそうです。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.8.28
02 湿り気の多い所を好む、ショウジョウバカマ(猩々袴)の花 
所在地 神奈川県津久井郡城山町川尻4307 城山かたくりの里
科.属など ユリ科ショウジョウバ カマ属
見どころ  別名は「ジャパニーズ・ヒヤシンス」。花の色は生育場所によって、淡紅色、紫色、白色と変化に富んでいます。花期は低山では3~4月ですが、高山では雪渓が溶けたあとの6~7月になります。ショウジョウバカマの名前は紅色の花を能楽で使う能装束の空想上の「猩々」(オランウータンの意味もある)赤い頭の毛と見立て、花の下の葉を袴と考えたものだと言われています。
撮影者 配野美矢子 撮影日 2010.3.15
40 花の命が短い“一日花”、シャガ(著莪)の花 別名:コチョウカ(胡蝶花)
所在地 皇居東御苑 石室周辺・二の丸雑木林 
科.属など アヤメ科アヤメ属の多年草
見どころ  


2012.4.13 町立湯河原美術館内日本庭園
八城幸子撮影
 中国原産で、かなり古くに日本に入ってきた帰化植物です。生薬名: シロバナシャカン(白花斜干)で、根茎を扁桃腺炎などに用います。人家近くの森林周辺の木陰や、やや湿ったところに繁殖し、地下茎で群落を形成する多年草です。開花期は4 - 5月ごろで、淡紫色の花を咲かせます。花の咲いていない時期もすらっとした葉姿が美しく、庭園や生垣の下草に利用されます。性質は強健であまり場所を選ばず育ちます。
撮影者 八城幸子 撮影日 2010.4.25
25 艶やかな花、ゴジカ(午時花)の花  別名:キンセンカ(金銭花)
所在地 東京都小平市中島町21-1 都立薬用植物園内
科.属など アオギリ科ゴジカ属の唯一種  
見どころ  原産地はインドで江戸時代中期には薬草、観賞用として日本に渡来。現在は観賞用が多いようです。草丈は50~200センチ。茎は直立で葉は披針形、鋸葉です。花期は7~10月ころ花径3センチの真っ赤な花が咲きます。ゴジカは漢字で「午時花」と書き、午の刻(午前11時~午後1時の2時間)に花が開くところから付けられました。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.8.28
03 残雪を割って出てくる、ユキワリソウ(雪割草)の花 別名:三角草(ミスミソウ)
所在地 神奈川県津久井郡城山町川尻4307 城山かたくりの里
科.属など キンポウゲ科ワサビ属 多年草
見どころ  早春に咲く雪割草は春を告げる植物で、花色・花形ともに豊富です。雪の残っているころに雪を割るようにして咲き出すのが名の由来。園芸種として種類が豊富で、たくさんの色、花姿で楽しませてくれます。(配野美矢子)
 
 原産地は日本。草丈10~15センチ。葉は常緑で三角形に近く三つに分かれています。花径は1~1.5センチ。2~5月ころ咲きます。花弁のように見えるのは萼片で、白、紫、ピンク色などがあります。葉の形が肝臓を連想させることから肝臓の病気の治療に用いられました。現在ではにきび、気管支炎、痛風などの治療に用いられることがあります。(石川佐智子) 

2012.3.6 石川佐智子撮影
八王子市堀之内
東京薬科大学薬用植物園

2012.4.6 ユキワリソウ実物展示
長岡市国営越後丘陵公園「ユキワリソウ祭り」
大田孝子撮影
撮影者 配野美矢子 撮影日 2010.3.15

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26 あまり花は見かけませんが、 タバコ(煙草)の花
所在地 東京都小平市中島町21-1 都立薬用植物園内
科.属など ナス科タバコ属 一年草
見どころ  南米原産、花期は7~8月ころ茎頂の総状花序に、花径2センチくらいの淡いピンク色、または黄色の筒状の花を咲かせます。葉は大きな楕円形で互生します。葉を干して、乾燥させ「タバコ」の原料になります。花が咲き始めたころ、花を切り取ってしまうので、花を見る機会は少ないようです。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.8.28
27 ユニークな形の花、カンアオイ(寒葵)の花
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内
科.属など ウマノスズグサ科 カンアオイ属 多年草
見どころ  原産地は東アジア、ヨーロッパ、北アメリカ。日本では江戸時代から栽培されている植物のひとつです。草丈は5~20センチくらいで高くならず、根茎が地表や地面を這うように伸びていき、暗紫色の軸を伸ばして先端に葉を付けます。葉の形は心臓型で、白い斑点があり、うす暗い場所に自生します。開花期は冬期に葉の軸の付け根に1~数輪の花を咲かせます。花色は主に暗紫色で花びらは退化してなく、先端が3つに裂けた壺形の萼片からなります。その花姿はユニークです。カンアオイ(寒葵)は冬も青々としているので寒葵と名付けられたそうです。薬草として、カンアオイの仲間の根と根茎を乾燥したものをサイシン(細辛)とよび、薬にしてきました。日本でも漢方薬として使われることがあります。日本薬局方にサイシンの項目があます。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.1.28
07 枝葉に強い臭いがある。 ボタンクサギ(牡丹臭木)の花
所在地 横浜市港北区新吉田東1丁目 土手植え込み
科.属など ボタンクサギ科(またはクマツヅラ科)クサギ属
見どころ  中国南部原産、落葉低木で、 別名は「ヒマラヤクサギ」「ベニバナクサギ」といわれます。初夏から秋にかけて、ピンクの美しい花が咲きます。葉や枝は臭いですが、 花は良い香りがします。「臭いから」と刈り取っても、後から後から生えてくる強い生命力を持っています。庭木や薬草に使われます。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2010.07.01
08 若い果実はピクルスに! ツノゴマ(角胡麻)の花
所在地 東京都小平市中島町21-1 都立薬用植物園
科.属など ツノゴマ科ツノゴマ属
見どころ

若い果実はピクルスに利用します
都薬用植物園 2012.8.23 八城幸子撮影
 北アメリカ南部からメキシコにかけて分布する一年草で、草丈は40~100センチくらいです。花期は5~7月。総状花序を出し、淡桃色で黄色い斑点のある唇形の花をつけます。葉は円状心臓形。若い果実をピクルスに利用すします。名前の由来は、果実が角状で、花がゴマの花に似ることから。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.08.28
10 サラダや食欲増進剤に! キバナオランダセンニチ(黄花和蘭千日)の花
所在地 東京都小平市中島町21-1 都立薬用植物園
科.属など キク科センニチ属/スピランテス属
見どころ  別名は「葉唐辛子」。明治初期に渡来。草丈は30~40センチ。開花期は6~10月で黄色の花を咲かせます。オランダセンニチより黄色が濃いのでキバナを付け、センニチは花の姿がセンニチコウに似ていることから名前をつけたそうです。食欲増進剤、通風にも用いられます。別名のハトウガラシ(葉唐辛子)は、葉が唐辛子のように辛いので、「葉の唐辛子」の意味で、佃煮の葉唐辛子とは別です。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.08.28
11 真っ赤な花が遠くからでも目立ちます、ルコウソウ(縷紅草)の花
所在地 東京都小平市中島町21-1 都立薬用植物園
科.属など ヒルガオ科
見どころ  原産は熱帯アメリカ。朝顔と同じように気温が下がると枯れてしまいます。葉は細く、羽状で、花は星型で直径2センチほどです。花色は白色、赤色、ピンク色などが一般的です。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.08.28
04 春の訪れを告げる、フクジュソウ(福寿草)の花
所在地 神奈川県津久井郡城山町川尻4307 城山かたくりの里
科.属など キンポウゲ科の多年草
見どころ   春を告げる花の代表です。別名、元日草(がんじつそう)や朔日草(ついたちそう)と言われています。福寿草という和名もまた新春を祝う意味があります。
撮影者 配野美矢子 撮影日 2010.3.15
28 赤いサヤからはじけた黒い実、タンキリマメ(痰切豆)の実
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内
科.属など マメ科タンキリマメ属 多年草のつる植物
見どころ  植物園に入ってすぐ私の目に入ったのは、赤いサヤからはじけそうな黒い実でした。中には2つの光沢のある種子が入っていました。葉はほとんど枯れて実が目立ちました。花は7~10月に咲くそうなので、再度行きたいと思っています。タンキリマメを漢字で書くと「痰切豆」。その名の通り黒いタネには痰を切る効能があると言われています。
 ※トキリマメ(吐切豆。別名:オオバタンキリマメ)の実が4ページNO.6に載っています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.1.28
09 葉はお茶がわりに! ハブソウ(波布草)の花と実

蝶の形のハブソウの花
所在地 東京都小平市中島町21-1 都立薬用植物園
科.属など マメ科カワラケツメイ属
見どころ

ハブソウの実 
都立薬用植物園 2012.8.2
3
八城幸子撮影
 茎は、直立して高さ50~150センチ、無毛です。花は7~8月ころ、葉の頂部の葉脈から柄を出し、数個の黄色5弁花の蝶形花をつけます。葉は煎じてお茶がわりに飲みます。毒虫などの、虫刺されには、生の葉を揉んで、汁に患部に塗布します。ハブソウの名前の由来は、ハブとは、蝮(まむし)など毒蛇(どくへび)の意味で、マムシに咬まれたときに、ハブソウの葉を揉んで 傷口にその汁をすりこむと、良くなるということから、ハブソウという名前がついたと言われています。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.08.28
13 花壇や鉢植えに利用する、ガザニアの花 別名:クンショウギク(勲章菊)


2012.01.02 日吉公園 岩田撮影
所在地 横浜市港北区菊名4丁目 民家の庭
科.属など キク科ガザニア属
見どころ  原産地は南アフリカです。日本には大正時代の末に渡来しました。本来は毎年、花を咲かせる多年草ですが、一年草として栽培されることも多いです。私の観た「ガザニア」の葉は草丈20センチくらいでヘラ状でしたが、切れ込みのある羽状もあり茎はほとんど伸びず葉は地際あたりで茂ります。花期は5~10月で花の色は黄色、ピンク、オレンジ、白などがあります。長く伸ばした花茎の先端に1輪の花を咲かせます。別名の「勲章菊」は、花の色や形が勲章に似ているから。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.01.24
14 「黄色い花火」のような花が咲く、ハンゴンソウ(反魂草)
所在地 長野県諏訪郡下諏訪町 八島ヶ原湿原
科.属など キク科キオン属の多年草
見どころ  本州の中部以北の山地に生え、夏から秋にかけ、茎の上部に径2センチほどの黄色い頭花を散房状につけます。葉が「ニワトリの脚」のように深く裂けているのが特徴です。「反魂」とは” 死者を蘇(よみがえ)らせる” という意味があり、とてもきれいな花なので、それを見て”蘇る”とか。茎の高さは2メートル程になります。春の若い芽は山菜として食べられます。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2011.8.28
15 日本固有種です。カラマツソウ(落葉松草、唐松草)の実
所在地 長野県諏訪郡下諏訪町 八島ヶ原湿原
科.属など キンポウゲ科カラマツソウ属の宿根草
見どころ  北海道から本州の山地~高山帯の草地に自生する日本固有種の高山植物です。花が、カラマツの葉の付き方に似ているのでこの名前がつきました。草丈は50~150センチ。葉は根本から出て、三出複葉で互生します。小葉は長さ2~3センチで楕円形、先は3~5に浅く裂けます。花期は6~8月、根本から高く伸び上がる花茎を出し、その先に散房花序の形で直径約1センチの白色の花を多数つけます。花弁はなく、白い花は雄しべの集まりです。萼片は開花直後に散るので、この形状が、カラマツ の「芽出し」のように見えるのだそうです。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2011.8.28
18 有名な「エーデルワイス」の仲間です。ウスユキソウ(薄雪草)の花
所在地 長野県茅野市と諏訪市にまたがる霧ケ峰高原 車山山頂
科.属など キク科ウスユキソウ属 の高山植物
見どころ  ウスユキソウは、エーデルワイスと総称されるウスユキソウ属のなかで、もっとも広く分布するものです。ほかの種はすべて高山にしか咲かないが,ウスユキソウは高山にも生えるが,山地帯でも見ることができます。白い花びらのような部分は苞で,ほかの種はこの白い毛がより密生してふかふかした感じに見えるが,ウスユキソウは比較的綿毛が少ない。もっとも顕著な特徴は,花のつかない茎も長く伸びること。ほかの種は花のつかない茎はロゼット状になっています。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2011.8.28
21 解熱、利尿に薬効のある、 ムラサキヒヨドリバナ(紫鵯花)の花
所在地 つくば市天久保4-1-1 筑波実験植物園内
科.属など キク科 多年草
見どころ  北米原産の植物です。草丈は1.5~2.4メートル。花期は7~9月です。茎は紫色で、花はヒヨドリバナやフジバカマに似ています。乾燥させた根茎には解熱、利尿、強壮などの薬効があります。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2011.8.3
19 花の形が船のイカリに似ていることからの名前、ハナイカリ(花錨)の花
所在地 長野県茅野市と諏訪市にまたがる霧ケ峰高原 車山山頂
科.属など リンドウ科ハナイカリ属の一年草または越年草
見どころ  北海道、本州、四国、九州、中国などに分布し、山地の日当たりのよい草地に育ちます。茎は直立し、高さ20~60センチ。葉は対生し長楕円形で長さ2~6センチ、先は尖り、質は柔らかい。8~9月に 葉腋からのびた花柄の先に、船のイカリのような形の花を集散状に多数つけます。花冠はやや緑色を帯びた淡黄色で、深く4裂し、四方に広がります。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2011.8.28
20 涼しげに咲く高原の花、マツムシソウ(松虫草)
所在地 長野県茅野市と諏訪市にまたがる霧ケ峰高原 車山山頂
科.属など マツムシソウ科マツムシソウ属の越年草
見どころ  北海道から九州に分布し、ブナ帯などの山地や草原に生育します。草丈は50~90センチ。美しい淡青紫色の花を咲かせ、草原の初秋を彩ります。長い柄の先端にたくさんの花が集まった頭状花を形成、花序の直径は4センチ前後で総苞片は線状です。名前の由来はマツムシの鳴く頃に咲くから。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2011.8.28
16 葉を揉むとゴマの香りがする、ゴマナ(胡麻菜)の花
所在地 長野県諏訪郡下諏訪町 八島ヶ原湿原
科.属など キク科シオン属の多年草
見どころ  北海道~九州の日当たりのよい山地の草原などに見られます。高さ1~1.5メートルになり、茎と葉に細毛がありざらつきます。葉は互生し短い柄があり、長さ13~19センチの長楕円形で、縁には粗い鋸葉があり、両面に短毛があります。8~10月ごろ茎の先に多数の小枝を分け、小形の頭花を散房状に多数つけます。頭花は径1.5センチほどで、外側の舌状花は白く、内側の筒状花は黄色です。若い葉はてんぷらなどにして食べられます。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2011.8.28
17 濃赤紫色の花が下から順に咲いていく、ヤナギラン(柳蘭)の花
所在地 長野県茅野市と諏訪市にまたがる霧ケ峰高原 車山山頂
科.属など アカバナ科ヤナギラン属の多年草
見どころ  
 高原でよく見かける山野草。名前は、細長い葉がヤナギ(柳)に似ていて、花がラン(蘭)の花を思わせるところから。6~8月ごろ枝分れしない茎が高く立ち上がり、茎の先に長い穂状の花序をつけ赤紫色の美しい花をつけます。群生している光景は見事です。田中澄江が著書『花の百名山』に「霧ヶ峰を代表する花、これだけ目立って、これだけ騒がれない花も珍らしいと思う」と書いているそうです。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2011.8.28

05 丸い葉を団扇に見立てて、イワウチワ(岩団扇)の花
所在地 神奈川県津久井郡城山町川尻4307 城山かたくりの里
科.属など イワウメ科イワウチワ属の多年草
見どころ  花ビラはギザギザで、葉は艶があり、丸いうちわのような形をしています。1本の茎に1つの花を咲かせます。 
撮影者 配野美矢子 撮影日 2010.3.15
29 下剤効果がある毒草! クサノオウ(瘡王)の葉と花  別名:皮癬草(ヒゼンクサ)
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内
科.属など ケシ科クサノオウ属
見どころ
 前年の秋に散布された種子はすぐに発芽して根出葉から成るロゼットを形成し越冬します。春になると中空の茎を直立させ草丈40~80センチ程度までになります。葉は1~2回程度で深裂し、羽状複葉となって30センチまでに伸びます。花期は5月~7月まで、花径2センチ程度の鮮やかな黄色の四弁花で、古くから主に民間療法において薬草として使用されてきた歴史がありますが、漢方ではつぼみの頃に刈り取った地上部を乾燥させたものを「白屈菜」と称し、特にいぼ取りや、水虫、皮膚疾患、外傷の手当てに対して使用されたようです。ケシと同じ様に鎮痛作用や神経を麻痺させる作用があるので尾崎紅葉が胃癌の痛み止めに使った「白屈菜」として有名な薬草だそうです。現代においても効果的な下剤として利用可能という評価がされていますが、毒草なのでご注意を!

2012.4.7 
昭和薬科大学薬用植物
 

クサノオウ花の株
板橋区立赤塚植物園
  2012.4.29
北澤美代子撮影
  
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.1.28
06 花の形が船の錨に似ている、イカリソウ(錨草)の花


イカリソウのピンク
所在地 神奈川県津久井郡城山町川尻4307 城山かたくりの里
科.属など メギ科イカリソウ属 多年草
見どころ

満開のイカリソウ
2012.4.15 小石川植物園 岩田忠利撮影 

2012.01.11 岩田忠利撮影
品川区荏原 星薬科大学植物園
 平野部や低い山地の落葉樹林などに生育しています。草丈は最大40センチ。開花期は4~5月「花が船のイカリの形に似ているからイカリソウ」と呼ばれています。(配野美矢子)

 葉が出揃う6月~7月に刈り採り、天日で乾燥し 細かく刻みます。これが生薬「淫羊霍(いんようかく)」。これを煎じて飲むと、強壮、強精のほか神経衰弱、健忘症、慢性気管支炎 、手足のしびれ、更年期の高血圧症、小児麻痺症の治療に効くそうです。焼酎漬けにしたイカリソウ酒はさらに効き目があるそうです。(岩田忠利) 
撮影者 配野美矢子 撮影日 2010.3.15