市街地にありながら樹齢1000年の生命力を保ち、今なおこれほど樹勢旺盛な秘訣は? 周囲に建物を造らないこと、根を踏み固めないよう頑丈な石の柵で防御していることなど、管理者の思い遣りがあればこそ
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何本ものカヤの木が長い年月の間に合体して一本になったようです。「樹勢は根元を見れば分かる」と言われますが、1000年の風雪に耐えた巨木とは、とても信じられないほど木肌が綺麗! 1000年の古木に空洞が見当たらないのは、本当に珍しい!
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生い立ち&
見どころ |
JR埼京線の「南与野駅」で下車をすると駅前は新開地。ここ“さいたま市”は平成13年に浦和市と大宮市、両市の間の与野市が合併し新都市となりましたが、「与野の大カヤ」は旧与野市のシンボルツリーとしてその名を今も残しています。住宅、商店はちらほら。静かな街を10分ほど北に向かうと突如前方に大木の頭が見えてきました。
じつは、今回の名木古木取材は私にとっては初めてなのです。今までは汚くて古い木に興味を持てませんでした。しかし妙行寺金比羅堂境内にある「与野の大カヤの木」の前に立ちじっと眺めますと、いかにしてこの乱世を1000年も生きながらえてきたのか・・・風雪に耐えたその逞しさに感銘を受けました。
木の前に建つ案内板によると、この大カヤは「雌株で、4月中旬頃にひっそりと花が咲き、秋には楕円形の実をつけます」とあり、さらに「昭和7年(1932)に国の天然記念物指定となり、室町時代の応永年間(1394〜1427)には関東随一の巨木と知られていました」と記されています。すでに600年も前から名を馳せていたとは! 人間の寿命なんて儚いものですね。
他の資料では一本立ちのカヤとしては群馬県の「横室の大カヤ」に次ぐ日本第2位の大木、また静岡県の「北浜の大カヤ」と並んで日本三大カヤの巨木だそうです。
何本もの木が寄り添い、一本の木に束ねられ、堂々と立ってる姿は素晴らしい。
※カヤの花は木花-World17ページNO.25に、実が同24ページNO.3に、芝増上寺の自然木のカヤの大木が名木古木2ページNO.12に、世田谷区野毛の善養寺のカヤも名木古木2ページNO.14に載っています。
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