横浜山手のなだらかな斜面をいかした、開園したばかりの明治時代の山手公園。茂っていない木々の間を浜風が吹く。植樹したばかりのヒマラヤ杉はまだ若木。
公園内にモデルの人物数人が直立不動で立っているのが、不自然で滑稽。いかにもカメラ普及の明治初期らしい。
この写真はいわゆる「横浜写真」といわれる日本最初のカラー写真。これは白黒写真に絵筆で色づけしたもので、日本を旅した外国人に土産物として珍重されました。
(岩田忠利所蔵写真)
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生い立ち&
見どころ |
横浜・山手のヒマラヤスギは、名木古木の9ページNO.49に掲載されている新宿御苑のヒマラヤスギと“兄弟苗木”です。
明治時代初期、横浜の外国人居留地に住んでいた英国人ヘンリー・ブルックは、明治12年(1879年)インドのカルカッタから種子を輸入し居留地をイギリス風の景観にと横浜・山手居留地一帯に植えました。
山手公園は横浜開港期に山手の居留地に暮らした外国人たちのために造られた公園です。開園は1870年(明治3年)のことで、日本にはまだ「公園」という概念が存在していなかった時代です。「日本初の西洋式公園」として誕生した外国人専用の公園で、一般の日本人の立ち入りは禁止でした。
ここに何面かのテニスコートが作られ、明治11年(1878年)日本初のローンテニスを行い、初のテニスクラブが設立されました。日本テニス発祥の地と言われ、園内には「横浜・山手・テニス発祥記念館」があり、無料開館されています。
公園を包み込むように茂る木立は大木も多く、その中にヒマラヤスギの大木が、たくさん植えられています。静かな園内にテニスを楽しむ人たちの明るい笑い声が聞こえてきます。 |