その13
題字 書家・新舟律子


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66. カナダ・バンクーバーの枝垂れ柳(Weeping Willow)

13番ホールには20本の柳が水辺に沿って集まり、隣の枝と絡まず誇らしげに立っています

名 称 バンクーバーの
枝垂れ柳
樹種 ヤナギ科
ヤナギ属
枝垂れ柳
樹齢&
大きさ
推定樹齢60〜70年 樹高約15〜20m 
目通り幹周り1.5m (推定) 枝幅15〜20m
所在地 カナダ、ブリティシュコロンビア州リチモンド市
行き方 バンクーバー空港から車で約15分西北に向ったStevston Hwy沿い

13番ホールの一本で太さ直径 1.5m。幹にはコケが生え、古木の風格が





柳の枝が16番ホールの池に入ったボールを釣っているかのように水面に垂れ下がり、奇麗に水に映ってます。高さ15m、幅20mでバランスよく玉の行方を追っています


5番ホール(パー5)の右サイドに等間隔で柳が並んでいます。しだれ柳の垂れ下がっている部分はパワーカートが通れる高さに揃えられ、しだれ柳の特徴が失われています。樹高20mの柳は風に揺られ優雅に舞いながら我々を見下ろしています


生い立ち&
見どころ
 しだれ柳の巨木が数百本あるゴルフコースはバンクーバー空港から車で約15分西北に向ったStevston Hwyに沿ってRichmond Country Club があります。このクラブのトレードマークは柳で1958年に設立され、初代のメンバーが各自で植林し大木に育ったものです。

 木の名前はシダレヤナギ(落葉高木)別名イトヤナギ(糸柳)。太い枝葉上に伸び、先端が細長く垂れ下がります。ヤナギ科、学名:Salix babytonica、英語ではWeeping Willow。

 最後の18番ホールはシダレヤナギに白樺、桜、楓、ポプラ並木で囲まれた484ヤードのパー5のコースです。
 各ホールとも、巨木に囲まれ林間コースのような難コースですが、夏の強い陽射しも樹木の下は陽射しを遮り、暑さを忘れる心地よいもので周辺には、白頭鷲、リス、水鳥、ダック、小鳥の鳴き声が聞こえる奇麗なコースです。
撮影・文 山下俊忠 撮影日 2010年9月.1日


67. 白頭鷲の親子が巣くう樹高30m、カナダのポプラ並木

高さ30メートルも天空に向けまっすぐ伸びる幹、それに沿って伸びる枝がホウキのような独特の樹形がポプラの特徴

名 称
カナダの
ポプラ並木
樹種 ヤナギ科
ヤマナラシ属
ポプラ
樹齢&
大きさ
樹高30m 幹の太さ50cm 樹齢は40〜50年くらいでしょうか。
所在地 カナダ、ブリティシュコロンビア州リチモンド市
行き方 バンクーバーの自宅から南西に車で30分。23Km(Oak Stをシアトル方向に99号を南下しExit 32を出て3分)。バンクーバー空港から西北に車で15分に位置してます

風が吹くと葉がザワザワと音を立てることからポプラの属名は「山鳴らし(ヤマナラシ)」。別名の「ハコヤナギ(箱柳)」は箱を作る材にしたことが名前の由来

生い立ち&
見どころ
 日本では高木で牧歌的な風情があるポプラの木は珍しく、北海道大学のポプラ並木が観光名所として有名ですが、こちらカナダではポプラはそんなに珍しくありません。街路樹などでよく見かけます。
 
 ポプラはヤナギ科のヤマナラシ属で、ポプラの別名を「ヤマナラシ」。材は柔らかくマッチの軸に使用されます。
 
 ポプラの寿命は人間と同じくらいとも言われていますが、北大のポプラ並木は、明治36年(1903)に同大学の前身、旧札幌農学校の農場内に実習生が植えたのが始まりだそうですね。もう樹齢107歳ですが、4年前の台風18号で50本の半数近くが倒壊し最近、若木を植え替えたそうですね。
 
 こちらリッチモンドゴルフ場の3番ホールには100本ほどのポプラ並木があり、夏は青々とした葉がボールをOBにならないよう助けてくれます。でも、冬は葉が落ち、ボールが外に出てしまうケースがあります。3〜6月には白頭鷲が優雅に紺碧の空を旋回しては30メートルもあるポプラの木の天辺に止まります。コースの中に巣をつくり、飛び立てない白頭鷲の子が親の運んでくるエサを欲しがり、ピ〜ピ〜と大きな声で鳴いている光景は、なんとも愛おしい家族愛を感じさせます。 

撮影・文 山下俊忠 撮影日 2010年9月.8日


68. 都天然記念物。樹皮が鹿の子模様のカゴノキ(鹿子の木)

3色の鹿の子模様が綺麗に出た根元

名 称 東京都指定天然記念物
小仏の
カゴノキ
樹種 クスノキ科
ハマビワ属
樹齢&
大きさ
樹齢300年〜400年 樹高約23m 目通り幹周4m 枝張り 
南北22m 東西17m 
所在地 東京都八王子市裏高尾町785 小仏山 宝珠寺境内
行き方 JR中央線「高尾駅」北口下車、京王バス「小仏行き」バスに乗車、約15分 終点「小仏」下車 徒歩約5分

崖上に立つカゴノキ

崖下から見上げるアングルでは、多くの枝に覆われ、樹形が撮れません

生い立ち&
見どころ
 旧甲州街道を走る「小仏行き」バスに乗って終点で降り、少し歩くと「小仏」峠の麓に宝珠寺があります。本堂左脇の崖上にカゴノキの大木がありました。
 
 主幹は枯れ、その周囲を枝幹がとりまいて一株をなしています。根元1.3メートルのあたりから多くの枝が分岐して、一部の根が3.1m、崖下の通路に露出し、樹幹を中心に南北22m、東西17mあります。

 カゴノキの樹皮は、成木になると名前のように鹿の子模様に剥がれていきます。木が生長し、太くなるにつれて樹皮は引き延ばされ、剥がれます。直径10センチ前後までの若木では、ほとんど樹皮は剥がれません。
 
 直径20センチ頃になると、全面が剥がれはじめ、美しい鹿子模様となります。モザイク状の鹿子模様をよく見ると 新鮮な剥がれた直後のものと、やや色の濃い灰色から灰緑色のパッチ、そして茶褐色のパッチがあります。色調は3段階になっており、おそらく3年ごとに剥がれるのでしょう。この微妙な色調の違いがカゴノキの樹皮の美しさを増して、樹皮が鹿の子模様になるのでこの名の由来になっています。
          
     
撮影・文 石川佐智子 撮影日 2010年9月7日


69. 丸焼けから再生、不死身のオオツクバネガシ(大衡羽根樫)

樹高25メートルの枝葉は地面スレスレまで茂り、健康そのもののように見えます。が、裏側には大火傷の痕の大穴があります

名 称 八王子市指定天然記念物
オオツクバネガシ
  (大衡羽根樫)
樹種 ブナ科
コナラ属
樹齢&
大きさ
樹齢600年 樹高約25m 目通幹周5.8m
所在地 八王子市南大沢 1-262 八幡神社境内
行き方 京王相模原線「南大沢駅」下車 北へ徒歩15分

大人3〜4人が中に入れる大きな火傷の痕が・・・

生い立ち&
見どころ
 東京都立大学は八王子市南大沢の小高い丘陵の上にあります。その丘陵の南斜面は、東京都が所有する保全緑地になっています。その緑地の一角に、オオツクバネガシのある八幡神社があります。

 鳥居をくぐり、石段を登ると、右手に解説板と、緑の濃い塊があります。枝が地面近くまで垂れ、葉が幹を隠しています。その枝をよけ、幹に近づいてみると、北側の健康そうに見える幹と正反対の南側にはぽっかりとあいた大穴があります。 それはほとんど幹の皮だけを残して、内部がすべてくり抜かれたような状態です。
          
 この大穴は明治13年の当神社の火災による大火傷の痕で、一時は枯死したかと思われるほどの被害でした。それが奇跡的に芽吹き、再生しました。それ以来、このオオツクバネガシは、「不死身の赤がし」と地元の人達から敬われています。

 オオツクバネガシというのは、アカガシとツクバネガシの中間種として高尾山で発見されたものです。ツクバネガシは、羽根突きの羽根のような葉と実がなることから名づけられたものです。 
撮影・文 石川佐智子 撮影日 2010年9月.8日

70. 東横線車窓から見える、諏訪神社のケヤキ


元町中華街行きの電車が日吉駅ホ−ムを発車してすぐ右手車窓から見える諏訪神社のケヤキ

名 称 横浜市指定名木古木
諏訪神社の
ケヤキ
樹種 ニレ科
ケヤキ属
樹齢&
大きさ
推定樹齢260年 樹高約25m 目通り幹周4m  
所在地 横浜市港北区箕輪町370 諏訪神社鳥居の右側
行き方 東横線日吉駅東口から綱島街道を西へ徒歩5分

樹皮は鱗片状に大きくはげています

生い立ち&
見どころ
 このケヤキは横浜市指定名木古木で当編集室から直線で500メートルほど、最も近くに生えている木です。横浜に向かう電車が日吉駅を出てすぐ車窓右手に見えるこんもりとした緑の丘陵地、その丘の下の神社境内に鳥居の横に高くそびえるケヤキ・・・。
 
 諏訪神社は室町時代前期の文安元年(1444)に箕輪村の鎮守として創建されました。このケヤキの樹齢260年から計算すると、この木は神社創建後、約300年後の江戸時代前期に植樹されたようです。
 それ以来、この地、箕輪の里の人々の営み、時代の変遷を見守ってきました。
 
 このケヤキは幹や枝葉に元気がなく、やや樹勢が衰えているようです。幹には根元から50センチほどの個所に空洞ができ始めています。

 元来ケヤキは、湿り気味の肥沃な土壌を好みます。それに反し、このケヤキの生育場所は時代の環境変化ですこぶる乾燥する所になっています。境内に建物を建てるために一面に盛り土をしたようで前の道路から1メートルほど高くなり、根の周囲に下草や低木が全然生えていないほど乾燥しています。そのうえ、ケヤキの根元には太陽光線を遮るものが無く、終日直射日光を浴びます。
 極度の乾燥で、おそらく喉から手が出るほど水を欲しがっていることでしょう。

 ただでさえ今年の夏は、異常な連続猛暑日に雨無し日が1ヵ月以上も続きました。こうした厳しい悪条件の中、ケヤキくんはがんばっています・・・。

 氏子のどなたか、このケヤキに水道の水をホースでタップリあげてくださいませんか! 
     
撮影・文 岩田忠利 撮影日 2010年9月12日
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