12 小さくてひっそりと下向きに咲く、コシノコバイモソウ(越の子貝母草)の花
所在地 神奈川県津久井郡城山町川尻4307 城山かたくりの里
科.属など ユリ科バイモ属  多年草 球根植物
見どころ  バイモの小形種をコバイモと呼ぶが、日本には生息地域の呼び名を付けた種類が7種ほどあり、これは新潟などの北陸地方に多いコバイモソウです。山地の樹陰に生え、茎は高さ約6〜12センチで、5枚の披針形の葉をつけます。3〜4月ころ茎頂に紫紅色の斑点のある淡い緑白色の六弁の鐘形花を1個下向きにつけます。花を咲かせ実を結ぶときだけ地上に顔を出し、実を落とすと、また土の中で来年の春まで眠りについてしまう山野草です。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.4.1
01 虎の尾には似ていませんが、ハルトラノオ(春虎ノ尾 )の花
所在地 調布市深大寺南町1-25 調布市野草園
科.属など タデ科イブキトラノオ属 多年草本
見どころ  草丈は10センチ内外。花期は4〜5月。根茎は太く長く先端に長さ2〜4センチの花穂をだし、白色の花をつけます。花弁はなく、萼は5深裂し、葯の赤い綺麗な雄しべ8本が突き出てます。花が終わると根生葉は大形になります。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.3.18
20 オオバコの仲間で葉がヘラの形に似ている、ヘラオオバコ(箆大葉子)の花

冬の茎葉の様子です
鶴見川河川敷で2012.3.27撮影
所在地 横浜市港北区綱島上町、鶴見川の河川敷 
科.属など オオバコ科オオバコ属 多年生の草本
見どころ  
 日本各地の道端や荒れ地、河川の土手に生育します。ヨーロッパ原産の帰化植物で、江戸時代末から明治の初期に渡来し、全国に広がりました。冬の間も枯れないで常緑のまま地面にへばりついて過ごし、春になると細長いへら状の葉を水平から斜め上に放射状に伸ばし、葉の間から花茎が、蕾をつけたまま幾本もひょろひょろと伸びて、30〜50センチ位になり、先に円柱形の花穂をつけます。花は緑色から黒褐色、花穂の下から上へ輪生状に咲きのぼります。この時、雄しべの葯(花粉袋)が周囲に飛び出します。花のまわりを土星の環のように取り囲んでいます。花期は6〜7月です。 
 

ヘラオオバコ花の群生
2012.4.28 鶴見川土手

花の拡大
  ※オオバコの花が1ページNO.19に掲載されています。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.3.27
19 花はユリに似ていて、葉はハマユウのような、アマクリナス
所在地 埼玉県日高市巾着田
科.属など ヒガンバナ科 アマクリナム属 球根植物
見どころ  埼玉県の巾着田へ、ヒガンバナを見に行ったとき、他の場所にピンクの綺麗な花を見つけたので近づいて撮影してきました。名札が付いていたので、メモ書きしてきました。原産地は南アフリカ。桃色の花を咲かせ、日当たりのよい場所を好み、比較的作りやすく、増殖もしやすいそうです。
撮影者 大田孝子 撮影日 2010.9.24
18 いぼ取り、毒蛇に噛まれた時などに効く生薬が採れる、 ホルトソウの茎葉
所在地 東京都文京区白山 小石川植物園
科.属など トウダイグサ科トウダイグサ属 多年草
見どころ

細く長い葉が交差した奇妙な形の葉
2012.4.21 星薬科大学薬草園
岩田忠利撮影
 「ホルト」とは、ポルトガルのこと。ヨーロッパから西アジア原産で、日本には室町時代頃に渡来。種子は生薬の「続随子(ゾクズイシ)」として薬用にされます。名前はこの実からオリーブ油に似たホルト油が取れることから。草丈は50センチ〜1.5メートルにも伸び、6〜7月に杯状の黄色い花をつけます。いぼ取りや毒蛇に噛まれたとき、茎を折って出る乳液を患部につけます。ただし、種子、茎とも有毒、茎から出る乳液は、肌に触れるとかぶれる場合がありますので、ご注意を!
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.3.27
17 せせらぎに沿って生え、花茎が立ち、金色の花を開く、リュウキンカ(立金花)の花
所在地 横浜市港北区日吉1丁目 松の川緑道せせらぎ
科.属など キンポウゲ科リュウキンカ属 多年草
見どころ

2012.4.17 八王子市 片倉城址公園
八城幸子撮影
 湧き水のせせらぎに沿ってリュウキンカの大きな株が4〜5個所。いずれも鮮やかな黄色の花をつけています。和名の「立金花」は、花茎が立ち、金色の花を開くことからだそうです。原産地は日本で北海道から本州の湿地や湿原に生える水を好む植物。開花は4月〜7月。花の大きさは2センチ。楕円形の葉の形。葉の付き方は根生。なお、仲間のヒメリュウキンカは、水の無い所に自生するという性格の違いがあります。 
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.3.29
15 「絶滅危惧普通雑草」と言われている、トキホコリ(時ホコリ)の葉
所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内
科.属など イラクサ科ウワバミソウ属 一年草
見どころ  低地の湿った場所に生える1年草です。草丈は20センチ。葉は長さ4センチ程度です。花期は9〜10月で目立たない花を雄花と雌花を同じ花序に咲かせます。「絶滅危惧普通雑草」に指定されています。「この植物はときどき、ところにより繁茂する」ことから名付けられたそうです。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.3.24
14 燃えるような真っ赤な、シャクヤク(芍薬)の若葉と花

芽出し

所在地 東京都町田市東玉川学園3-3165 昭和薬科大学薬用植物園内
科.属など ボタン科ボタン属 多年草
見どころ  アジア大陸北東部の原産。江戸時代には「茶花」として鑑賞されました。草丈約60センチ。葉は複葉。初夏、大形の紅・白色などのボタンに似た花を咲かせます。ボタンが樹木であるのに対して、シャクヤクは草です。そのため、冬には地上部が枯れてしまい休眠します。ボタンの台木として使用されますが、シャクヤク自体の花も美しい。根は消炎・鎮痛・抗菌・止血・抗けいれん作用があります。昔から美しい女性のことを、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」といいます。シャクヤク(芍薬)は、すらりと伸びた茎の先端に美しい花を咲かせます。

2012.5.19 昭和薬科大学薬用植物園

2012.5.19 昭和薬科大学薬用植物園
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.3.24
13 撮影者泣かせの花、ヒメウズ(姫鳥頭)の花
所在地 大田区田園調布1丁目 多摩川台公園
科.属など キンポウゲ科オダマキ属 多年草
見どころ
 ウズとは「鳥の頭」と書きますが、中国名のトリカブト(鳥冑)のことで、その葉の形が似ていることから。でも、これはトリカブトの仲間ではなく、ヤマオダマキと同じキンポウゲ科オダマキ属です。このヒメウズが多摩川台公園には群生しています。
 花は写真左に←で示した白い提灯状のもので大きさは米粒大、かなり小さい。しかも下向きなので撮影者泣かせですね。
 
撮影者 岩田忠利 撮影日 2012.3.25

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02 古くから根茎は胃腸薬として使われてきた、エンレイソウ(延齢草)の花
所在地 調布市深大寺南町1-25 調布市野草園
科.属など ユリ科エンレイソウ属 多年草
見どころ  草丈20-50センチの茎が一本伸び、その先端に3枚の葉を輪生します。葉は葉柄を持たず、茎から直接生じます。葉の形状は丸みを帯びたひし形で、直径は10〜20センチ。花期は4〜6月。3枚の葉の中心から短い花柄が伸び、花径2〜4センチの花をつけます。花は花弁を持たず3枚の緑色または濃紫色のがく片を持ち、横向きに咲きます。
 黒く熟した果実は食用となり、根茎は中国では延齢草根と呼ばれ、古くから胃腸薬や催吐剤などの薬草とされていました。名前の由来は、漢名を延齢草根(えんれいそうこん)といい、そのままエンレイソウの名がつきました。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.3.18

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03 鮮やかな黄色い花のセツブンソウ、キバナセツブンソウ(黄花節分草)の花
所在地 神奈川県津久井郡城山町川尻4307 城山かたくりの里
科.属など キンポウゲ科キバナセツブンソウ属 球根植物 多年草
見どころ  ヨーロッパ原産、林床、林縁に生育しています。草丈は5〜15センチ位になり、3〜4月に葉の出る前に、花径2〜3センチの花をつけます。花びらのように見えるのは萼片です。花は美しいのですが有毒植物です。
 なお、同属の「オオバナキバナセツブンウ(大花黄花節分草)」の交雑種は「セイヨウセツブンソウ(西洋節分草)」と呼ばれ、園芸店ではこの交雑種も「黄花節分草」として売られているそうなので、写真の花がどちらに当たるかは、見ただけではわかりません。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.3.15
04 スギナに先立って出る胞子茎、ツクシ(土筆) 別名:スギナ(杉菜)

春の訪れが遅い今年、待ちに待った“ツクシの坊や”が顔を出す
所在地 横浜市港北区新吉田東3丁目の空き地 
科.属など トクサ科トクサ属 多年生シダ植物
見どころ  

同日、同じ場所で撮影


スギナの群生
2012.4.17
 同じ場所で撮影
 スギナは、日本各地に分布し、山野、道端、畑、空き地などに生育します。3〜4月に淡褐色の胞子茎「ツクシ」が栄養茎「スギナ」に先立って出てきます。「袴(はかま)」と呼ばれる茶色で輪状の葉が茎を取り巻いています。成熟すると胞子を放出します。ツクシの成長後は、細い線状の緑の葉っぱ(スギナ)がたくさん出てきます。ツクシは春の山菜として親しまれています。栄養茎の全草を乾燥させたものは利尿作用があるそうです。「土筆」の名前は、土に刺した筆のような姿 からです。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.3.20
05 濃いバイオレットカラーが目を引く、宿根リナリアの花
所在地 愛知県田原市篠島
科.属など ゴマノハグサ科ジオウ属の多年草。中国名は「高地黄」
見どころ  

10メートル四方ほどの場所に群生
疎開先が上記の田原市でしたので、伊良湖岬の菜の花観光に行きました。そのさい篠島に咲いていた珍しい花に目が留まりました。調べた結果、宿根リナリアでした。濃いバイオレットカラーが目を引く宿根リナリア。本当の期はは夏だそうですが、私が出合ったのは春。渥美半島は気候がそれだけ暖かいのでしょう。 寒さ、暑さ、乾燥にも耐える野草だそうです。
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.3.16
06 葉がニラの匂いがする、ハナニラ(花韮)の花  別名: 西洋甘菜


花びらの後ろに美しい縦縞模様がある花も珍しい
2012.4.1 岩田忠利撮影
慶應大学日吉キャンパス
所在地 横浜市港北区日吉7丁目 鶴見川の土手
科.属など ユリ科イフェイオン属 多年草
見どころ

強風に煽られ、みな同じ方向を向く花
2012.4.3 岩田忠利撮影
慶應大学日吉キャンパス
 南アメリカ原産。明治時代に園芸植物(観賞用)に導入され、帰化しました。ハナニラ(花韮) は、春に、韮のような線形の葉から細い花茎を伸ばし、その先に2〜5月ころ 星型で白やうす紫色の花を咲かせます。葉っぱをちぎると名前のとおりニラの匂いがします。花が美しく、葉が韮(ニラ)に似ていることからハナニラ「花韮」と名付けられました。
 
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.3.20
07 一輪だけ顔を上げていました、ヒロハアマナ(広葉甘菜)の花
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内
科.属など ユリ科アマナ属 多年草
見どころ  アマナ(甘菜)によく似ていますが 、草丈15〜20センチ。葉は長細く長さ15〜20センチ、中央に白色の線が入っています。花は白色でアマナ(甘菜)と変わりませんが、花茎には普通3個の苞があることもアマナとの違いです。花期は3〜4月でアマナより早く咲きます。カタクリの花と同時期に咲きます。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.3.22
08 昔は蓑(ミノ)の材料として使われた、ミヤマカンスゲ(深山寒菅)の花
所在地 東京都港区白金台5-21-5  国立科学博物館付属 自然教育園内
科.属など カヤツリグサ科スゲ属 常緑多年草
見どころ  匍匐茎はないので大きな株を作って生育します。葉の幅は比較的幅広く、林床に生育するスゲとしては、株を作ることもあって目立つスゲの1つです。基部の鞘はやや長く伸び、光沢の紫褐色。葉は柔らかく平滑で幅5〜10ミリ。有花茎は高さ20〜50センチくらいです。ミヤマカンスゲが主に使われましたが、土用の頃に採取して編んで陰干しにして、冬、ミノやハバキ(脛の部分を覆う用具)を作る材料にしました。水をはじき軽く丈夫で箕の優れた用材でしたので、そのためどこの家でも田の畔(くろ)や家の周りの半日陰地に移植して育てていました。今日でも、家屋敷の周りでよくミヤマカンスゲを見かけるのはそのためです。
 ※ヒメカンスゲの花が9ページNO.16に掲載されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.3.20
09 “からし”づくりとして導入された、花が小さく華奢なセイヨウカラシナ(西洋芥子菜)の花


花の拡大
所在地 愛知県田原市日間賀島 道端
科.属など アブラナ科・アブラナ属の二年草
見どころ

セイヨウカラシナの群生
茅ヶ崎市西久保 小出川の土手 2012.4.12
八城幸子撮影

 島を散策している途中、菜の花とは少々違った花でしたので撮影しました。セイヨウカラシナは、もともと“からし”づくりの食材として食用に導入されたものが、野生化したものです。おひたしにすれば、ピリリと辛い、お総菜が出来るそうです。日本では関東以西、特に関西地方の河原敷きなどで、大繁殖をしています。
 
撮影者 大田孝子 撮影日 2012.3.12
10 3万種もあり、花径が25センチの大きさもある、ダリア(天竺牡丹)の花
所在地 北海道帯広市十勝ヒルズ(植物園)
科.属など キク科ダリア属 球根植物 
見どころ

黒い茎、黒紫の葉、花が黄色
 昨年9月北海道旅行のおり帯広市の植物園で珍しいダリアの花を見ましたので、撮影してきました。花期は7月頃から10月下旬頃まで。ダリアの花名の由来はスウェーデンの植物学者「ダール」の名に因んだもので、ダリアの品種は3万種あるそうです。花径も4センチくらいからから25センチ以上までとさまざま。成長には日当たりと水はけの良い環境が好ましいとされています。
 
撮影者 大田孝子 撮影日 2011.9.21

16 繁殖力が強い、オカタイトゴメ(丘大唐米)の葉と花 別名:コゴメマンネングサ
所在地 横浜市港北区箕輪町2丁目 駐車場内
科.属など ベンケイソウ科マンネングサ属 多年草
見どころ

オカタイトゴメの花が咲きました。
同じ場所 撮影日:
2012.5.30

 帰化植物です。タイトゴメ(大唐米)によく似ていますが、海岸ではなく市街地に生えています。小ぶりで、葉が短く丸く厚い。多肉の葉をびっしりつける多年草です。花期は5〜7月頃に黄色の花径8ミリ程の花を咲かせます。道端、空き地、家のまわりに固まって生えます。
  ※タイトゴメの葉が9ページNO.02に掲載されています。
撮影者 石川佐智子 撮影日 2012.3.26
11 葉の斑紋が汚れのように見えることから、ヨゴレネコノメソウ(汚れ猫の目草)の花
所在地 神奈川県津久井郡城山町川尻4307 城山かたくりの里
科.属など ユキノシタ科ネコノメソウ属 多年草
見どころ  関東地方以西、四国、九州に分布し、低山の沢沿いの太平洋側に多く生育しています。イワボタン(別名:ミヤマネコノメソウ)の変種で、葯(花粉袋)や花盤が暗紅色なのが特徴です。画像の花の中心部が赤色に見えるのは、雄しべの葯だと思われます。イワボタンの葯は黄色です。葉縁には鋸歯があります。葉脈を中心に灰白色の小斑点が群がって独特の模様を作り、紫褐色を帯びるものが多く、汚れたような感じに見えます。草丈は10〜15センチ、4〜5月に茎の先に花径3〜4ミリ位の小さな花をつけます。花の周りの苞葉は楕円形で黄色。花弁はなく、4枚の萼片は暗紫褐色〜淡緑色で、外には開かないで斜めまたは直立します。
撮影者 北澤美代子 撮影日 2012.4.1

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2012.3.19〜3.28 掲載20種