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第1回テーマ
「トイレが少ない東横線」

 地域問題を取り上げる新連載「ひとさじの塩」

 東横沿線地域の問題点をズバリ指摘しその解決の糸口にしようと連載することになったのが「ひとさじの塩」という1ページもの。
 第1回の執筆者は本会発起人で日本ボクシング界生みの親といわれたボクシング評論家・石川輝さん。題は「トイレが少ない東横線」。
 
 
自由が丘〜大倉山間だけでも田園調布、多摩川園、元住吉、日吉にトイレが無い

 石川輝さんの記事は以下のとおり。
 「東横沿線の各駅のトイレ設備はきわめてお粗末で、乗客の不便は非常なものである。私が世田谷から今の大倉山ヒルタウンへ転居したのは、昭和52年の10月だった。それ以来、私は“襲いくる生理現象”にずいぶん悩まされた。なぜならば大倉山駅にはトイレが無く、また駅の外にも無いからである」
 と、石川さんは大倉山に住み、実際に自由が丘駅から大倉山駅までの駅構内のトイレの有無を調べて書いた。トイレの無いのが田園調布、多摩川園、元住吉、日吉。「これほど有名な駅に本当にトイレが無かったの?」といぶかる方がいるかも。しかし、それが現実だった。そして石川輝さんの文はこう結んだ。
 「以上が東横線の一部地域のトイレの現状である。トイレ新設計画とその必要性について東急本社の見解を本誌誌上で公開を願いたい」。
 
 この記事を読んだあの久米宏さん

 この記事を読んだ人にTBSアナウンサー・久米宏さんがいた。彼も東横線利用者で元住吉の川崎市立井田中学校のOBと聞いている。彼がラジオ番組で「トイレが少ない東横線」という特集を組み、乗客の声などを放送した。

 見違えるような綺麗なトイレになった各駅トイレ


 効果はてきめんに表われてきた。まず、誌上に掲載した武蔵小杉駅のコンクリートを打っただけの汚い駅のトイレが、タイル張りに変わり、百貨店のトイレのようになった。やがて新しいトイレが次々駅構内で見られるようになっていった。
 たった1ページの記事が電鉄会社を動かし、いくつものトイレを新設させた。改めて活字媒体「とうよこ沿線」の必要性をみずから再確認したのだった



 
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no.3 駅のトイレの新設・改装を促した誌面
本誌編集発行人 岩田忠利

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連載「ひとさじの塩」
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