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ニュータウン北端、北山田の見通しのよい道路を車で軽快にとばしてゆくと、道端の小高い丘上に、さながら大きなプリンのようなものが……。「これってなぁに?」とばかりに通りすがりに見上げる人々。
実はこれ、ここ北山田地区は富士山信仰が盛んで(本編NO.1の「北山田の富士信仰登山」参照)、信者の皆さんが江戸時代にモッコに土を入れて担ぎ上げて造ってしまった“手づくりの山”。何十年かかったのだろうか。先人のエネルギーは凄い!しかも、この山田富士は「新編武蔵風土記稿」(文政11年<1828年>)にすでに登場している古い歴史をもっているのだ。
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本物の富士山と同じように登山道があり、その途中には権現社や石仏、風穴まで造られている。
山頂に登れば変わりゆくニュータウンが見渡せ、遠く富士の高嶺を望むことができる。山のふもとには横浜市営グリーンラインの地下鉄「北山田」の駅もできた。春は桜、中腹の桜が灯に照らされる様は、さながらたなびく雲海のよう。花見にもどうぞ!
文・一色隆徳(「とうよこ沿線」編集室
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