かつては上質なコート紙やアート紙などを製造していた日本加工製紙は、2002年5月29日に破産しました。約831億の負債と言うが、あまり巨額すぎてよく理解できません。
この高萩市にあった製紙工場は、華人系財閥シナルマス・グループによって買収されました。工場の面積は東京ドームの約7〜8個分の広さ。シナルマス・グループは、この工場の製紙機械が欲しかったそうで、機械をインドネシアに運ぶと、あとは野ざらしのままにされ廃墟と化しました。
いくつもの建物や煙突、引込線の鉄道跡などが残っており、高萩フィルムコミッショナーはここを映画やテレビドラマなどのロケ地に使われるようになりました。
高萩市の町おこしの一環で、この工場廃墟を見学できることになったので、出かけてみました。
入るのは比較的、警戒が厳重でした。案内の方が淡々と、この廃墟がロケに使われるようになった経緯を話してくれます。 玄関には柴犬が繋がれていましたが、リードが10bくらいあり、人馴れをしているのか私たちを見て喜んで尻尾を振ります。犬は警戒している時も、尾を振りますのでよく見極めなければいけません。歯を剥いているようでしたら、手を出してはいけません。
さて、案内の方がなんと犬を連れて、内部を案内してくれます。珍しいですね、犬連れとは……。
ここでは、いばらぎフィルムコミッショナーや高萩フィルムコミッショナーが、働きかけをしたお蔭で映画や、TVドラマのロケや、歌手のPV撮影とか、様々な撮影が行われているようです。
例えば、「梅ちゃん先生」、「少年H」、「遺留捜査シリーズ」など、ここでは火を使う演出や火薬を用いた撮影も許されています。とくに子供向けの戦隊ものが多いようです。「少年H」の時は、家一軒、丸ごと燃やしたとか……。
敷地が広大なので、構内でカーアクションの撮影も行われます。私たちは怪我人が出ないよう、管理されたエリアしか行けませんでしたが、それでも十分満足でした。
今度ドラマを見るときには、写っている背景からここの場所だと分かるはずです。
しかし、色々な撮影に用いられているとは言え、持ち主が外国企業でもあり、いつ何時、解体をせまられるか、転売されるか、分かりません。この工場廃墟が残っているのは、あと僅かかも知れません。
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事務所棟
2013年11月16日撮影:事務所の前には柴犬がいて、映画のエキストラとしても活躍しています

工場内
2013年11月16日撮影:ここは大変よく使われるところです

工場内
2013年11月16日撮影:この独特のフォルムが堪りません

工場内
2013年11月16日撮影:サイロです |
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