編集:岩田忠利/編集支援:阿部匡宏
投稿:益田 勲(横浜市神奈川区神之木町)    NO.367 2014.11.08  掲載

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樹木  駅名の由来@ 

 
ウサギが跳ねる 調(つき)神社



   調(つき)神社 (埼玉県さいたま市浦和区岸町)


 
兎の干支年に、調神社に行きました。調神社と書いて「つきじんじゃ」と読みます。「つき」から連想するのは「ウサギ」です。この神社の御使姫は「ウサギ」なのです。

  埼玉県の浦和駅から歩いて15分くらいのところに、この神社があります。着いて見て吃驚、何だ、この人の波は? 駅の方から数百bに及ぶ人の列が、延々と……。

  浦和駅前の広場に「浦和うなこちゃん」の像が建っています。流石にすぐ並ぶ気は失せてしまったので、うなぎ像に触発されて、名物のうなぎでも食べに行くことにしました。
 しかし、どこも人でいっぱいで、食べ損なってしまいました。

 このうなぎ像は漫画家・やなせたかしさんの作です。江戸時代に中山道を旅する人々にうなぎの蒲焼が提供されたので、蒲焼の発祥の地とも言われています。

  気を取り直して、調神社の行列に並びます。牛歩すること1時間半、ようやく境内へ。

 境内の門には、2羽のウサギが狛犬よろしく睨みを利かせています。大きなネズミのように見えます。



参道入口
2011年1月3日撮影:狛犬のように狛ウサギがいます

 

歩を進めると、左手に手水場がありました。
 この手水場にも大きなウサギがいます。柄杓で水を汲んでくれます。

 江戸時代からあるとの話なので、昔からいるのだろうが、やけにリアルです。
 とても可愛いですけどね。ここまでに来る間に、鳥居が一つもありませんでした。不思議ですね。

 


             手水ウサギ
2011年1月3日撮影:まるでウサギが柄杓を渡そうとしているようです

本殿に来ました。本殿の彫り物の中に、ウサギが跳ねまわっています。「随所にウサギが隠れているのよ」とは、前に並んでいた品の良い奥さんの言葉でした。「確か三箇所あるのよ」と連れ合いの方と話していました。

 二礼二拍一礼のお参りを済ませ、干支の縁起物を買いに行きました。可愛いウサギの土偶が売っておりました。

  2センチくらいの大きさで、置いとくだけで御利益がありそうでした。面白いことに、このウサギのフォルムは参道にあった狛ウサギにそっくりです。耳が短く頭が大きい、独特の形です。

 境内には神楽殿があり舞台の背景の置いてある大きな絵馬に、大きなウサギが描かれている。これで、もう幾つのウサギを見つけたことになるのだろう。 この絵馬はお正月だけのものか、随分綺麗なものでした。



        本殿の彫刻
2011年1月3日撮影:この彫刻の中に3体ウサギがいるとか



裏に回って見ると池がありました。池の中には水を吐くウサギと白ネズミのようなウサギがいます。

 この池の畔に訳の分からない不思議な石像があります。バットを持っているようで、野球の神様ではないようですが。

 瓢箪池の橋を渡っていくと、そこに調神社の元々の本社があります。鎮守の森の中に、こじんまりとした社が見えます。ここには、鳥居が沢山並んでいます。

 本殿の大賑わいと違い人数もなく、本殿のお参りには2時間も掛けて歩いたのに、あれっと言う感じです。この先消えてしまいそうなのは、このお社のことです。お正月なのに少し侘しい。



元々の調神社
2011年1月3日撮影:小さなお社です


拝殿をみると、小ぶりながらウサギのモニュメントが沢山ありました。本殿と同じ正面の額の付近に、跳ねているウサギが2羽、彫られています。回廊のところにも見事なレリーフがあります。

  江戸時代の様式美とウサギのリアルっぽさがミスマッチで、この神社の面目躍如たりです。

  この本殿がオリジナルと聞いていますので、数百年経った今では貴重な彫り物ですね。風雨に晒されている割には、色も形もはっきり残っており素晴らしいものでした。



        拝殿のウサギ
2011年1月3日撮影:うさぎというよりは鹿のように見えます










回廊のウサギ
2011年1月3日撮影:リアルによく彫れています


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