編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
        編集:岩田忠利           NO.239 2014.9.22  掲載

        画像はクリックし拡大してご覧ください。


    涙をポロポロ流す犬 


  ――中原区井田中ノ町・石野さん宅ーー


  沿線住民参加のコミュニティー誌『とうよこ沿線』。好評連載の“復刻版”


   掲載記事:平成12年7月31日発行本誌No.74 号名「棗
(なつめ)

   文:鈴木栄美
(主婦・元住吉)

   

 犬が涙をボロボロ流して泣くのを見た人はいるだろうか。

 まさか……犬が……人間じゃあるまいし……。そんな犬が実在するという情報が入った。

 さっそく真偽のほどを確かめに行ってみた。
 井田神社の西隣、石野さんのお宅にそのウワサのペットはいた。



     「ニャン」と鳴いたり、ハーモニカで歌ったりも・・・


 名前は「ラッキー」オス・1歳半である。「ワンワン」と元気なお迎え。父プードルと母チワワのハーフ犬だ。石野家にはブリーダーをするお友だちを通じてやって来た。

 実はこのラッキー君、石野さんが縁側で飼っている猫の「ノラ子」(メス・黒トラ・推定3歳)と大の仲良し。いつも追いかけっこをしたりして遊んでいる。そのうえ、キスまでする熱〜い仲。ノラ子を慕うあまり、猫みたいに「ニャン」と鳴くこともあるという。(本当だろうか……)

 散歩は毎日20分。出かける前にはヒモをくわえ、「伏せ」をして待つ。ただし気に入らないコースだとテコでも歩こうとしない。なかなかこだわりの強いワンちゃんでもある。

 石野家にいる3人のお子さんのうち、一番ラッキーを可愛がっているのは末っ子の寛喜くん(10歳)。彼の吹くハーモニカに合わせ一緒に歌うことも。そして夜にはお母さんの登喜子さんの布団で一緒にご就寝。

 


 石野家の当主・石野英夫さんは当編集室専属イラストレーター。私が打ち合わせにうかがうたび、大喜び! 
 私の足元をグルグル回わり大歓迎。ひと休みしてこの眼でじっと私の顔を凝視します。このときラッキーくんの眼には、うれし涙がポロポロと・・・
 (
岩田忠利)



         ホントに涙を流すラッキー君


 ところで、涙を流すってホントですか?
 「それが本当なんです。利口な犬だからめったに叱ったりしないんだけど、たまに叱ることがあるんですよ。最初はガックリうなだれているんだけど、そのうちにジワーッと涙が浮かんできて、ポロポロって泣くの。無言で……」と登喜子さん。

 へぇ〜〜。参りました。そこまで感受性豊かな犬だったとは……。
 ラッキーのそばで温かいコーヒーやおせんべいをいただいて、なんだかホンワカいい気分。
(あ
りがとうございました

 しかし、不思議な犬、ラッキー君。ミステリアスな黒い瞳は、いつまでも脳裏に焼き付いて離れないのであった。

                                                    
「とうよこ沿線」TOPに戻る 次ページへ
「目次」に戻る ペットくん登場-26へ