編集:岩田忠利/編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
NO.405 2014.12.06  掲載

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 社交界の貴公犬 


    ――日吉のプードルのジロー君ーー


  沿線住民参加のコミュニティー誌『とうよこ沿線』。好評連載“復刻版”


   掲載記事:昭和61年2月20日発行本誌No.32 号名「樫」

   文・写真:一色隆徳
(祐天寺)
   

 日吉駅西口、港北区日吉本町1丁目の中瀬太一さん宅にいるのがプードルのジロー君(オス・4歳)。



              TPOをわきまえる社交家です


 「家の中で犬を飼うのは好きじゃなかったんですけど」という奥さんのたか子さんの言葉も気にせず、元気にハネ回るジロー君。
 犬の種類の中でもプードルは、ネコのような気位の高さで
定評があるが、初対面にもかかわらず膝の上に乗ったり、手をなめたりと人なつっこい。どうやらこの愛想の良さで家の中に入る権利を得たようだ。

 「でも買物とかで外に出るとね、みんなが見てるからってカッコつけるんですよ」。ぜったい寝そべったり、吠えたりせず、ツンとすまして座っているとか。「ボクはその辺のワン公と違うんだ!……とでも思ってるんでしょうかね」と、たか子さんは笑う。家の中と外出してる時と、TPOをわきまえているところがニクいね。

 土曜日は、ご主人の太一さんと銀行に行く日。銀行が大好きだから、「銀行」って聞くと太一さんの側を離れない。「しようがないから、分からないようにバンク≠チて話をするようにしたんですけど……」。もうそれも覚えてしまったとか。



 とにかくジロー君は頭がいい。人の言葉がわかって、何を言っても反応を見せる。「おもしろいからついカラカってしまう」と言われるが、だからなおさら可愛いのだろうネ。

 たか子さんは日吉のブティック『ヴィオネ』によく立ち寄るが、彼は「ど−せ入るんでしょ」という顔をして、先に入って行く。 そしてたか子さんが話をしている間は、テーブルの下でおとなしく待っている。



ジロー君はお母さん似です



           趣味と好物は……


  ジロー君の趣味はドライブにボール遊び。助手席のお母さんの膝の上で、外を眺めるのが大好き。かなりのスピード狂という話。家の中でのボール遊びは、投げてくれとボールをくわえて家族のところに持ってくる。ジロー君がもし人間だったら、きっとテニスが上手いに違いない。

 太一さんとたか子さんの座るソファの間にチョコンと座るジロー君。「きっと自分のことを犬じゃなくて、人間だって思ってるんでしょうね」。

 最近ジロー君に大好物ができた。もともと食べ物に執着のないジロー君だが、お正月に覚えたスルメの味は忘れられないらしい。体に良くないから、一日4本しか食べさせてもらえないのが残念という顔をするジロー君。でも、スルメっていうのは普通ネコの好物だけど、まあ、そこがジロー君らしいところと納得しよう。



車に乗ってゴキゲン!

 社交界の貴公犬という感じのジロー君。でもご主人と奥さんが外泊して3日目になると食事もしなくなってしまうほど、ナイーブで忠実なワンちゃん。
 「海外旅行はできませんね」と、たか子さん。悩みというよりは、ジロー君が可愛いゆえの言葉。

 4月28日は、ジロー君満4歳のお誕生日。「ジロー君、おめでとう!」




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