編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
編集:岩田忠利     NO.222 2014.9.14  掲載 

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  学芸大の忠犬ぷーちゃん

――学芸大の今井幸さん宅愛犬ーー


  沿線住民参加のコミュニティー誌『とうよこ沿線』。好評連載の“復刻版”


   掲載記事:昭和61年5月1日発行本誌No.33 号名「柳」
   文:山田利恵
(学芸大)  写真:一色隆徳(祐天寺)
   



昔は名のとおりプチ、今は巨体25`


 ドアを開けると、ワンワンという元気なプチ(愛称ぷーちゃん)のお出迎え。これはお客様が大好きなぷーちゃんの最高の歓迎表現であるそうだ。
 昔はスマートでその名の通りプチ=A12年もの幸福な生活を送るうちに25`にも。巨体のために前足で体を支えてちょこんと坐っている。

 体は大きいのにけんかを好まない平和な性格で、近所でも人気者。好物のレバーの焼鳥やかき氷のカップを口にくわえて西口商店街を歩いている姿がよく見られる。



好物の「みぞれアイス」を前にして




    好物はレバーの焼き鳥とかき氷、苦手はお風呂


 輸入食品店ミカドヤさんのママも、ぷーちゃんのファン。「ぷーちゃんは、夏になるとうちの前にアイスボックスが出るのがちゃーんとわかっていて、よく買いにくるんですよ」と、目を細めておはなしになる。

 こんなぷ−ちゃんにも苦手なものがある。ぷーちゃんは幸さんと一緒にお風呂に入るそうだが、大のお風呂嫌い。好物のかき氷をガリガリかじっていたのに「お風呂」という言葉を聞くやいなや、尻尾を丸めてそそくさと逃げ出してしまうのである。



    亡きお父さんに似た人を見かけると・・・


 
ぷーちゃんには一つのエピソードがある。幸さんのご主人は犬嫌いだったが、ぷーちゃんとはなぜか馬が合ったらしい。
 会社の帰りには決まって駅から電話を入れ、お迎えに出た幸さんとぷ−ちゃんとご主人が仲良く帰路につくほほえましい光景がよく見かけられたそうだ。

 しかし、6年前ご主人
が亡くなり、毎日同時刻に駅まで迎えに出ることはなくなった。主なきことを知らないぷーちゃんは、夕方になると電話の前でじーっと待っていた。ベランダから外を覗いていたりした。その時、似たような人を見かけると喜び勇んで何度も駆け出していきそうになる。そんなぷーちゃんの日課は1年近くも続いた。

 幸さんは亡き主人思いのこのぷーちゃんの仕草を見るたび、出る涙をおさえられなかったという。
 まるで学芸大学の忠犬ハチ公のような心暖まるお話である。

 


名は体を表さず?! プチくんと幸さん

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