編集支援:阿部匡宏
投稿:益田 勲(横浜市神奈川区神之木町)  編集:岩田忠利   NO.167 2014.8.16 掲載 

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樹木
 
駅名の由来@


     戦争遺産 
隧道と地下壕(3)

                                                 


 迎撃のための要塞夏島 夏島貝塚地下壕 (横須賀市夏島町)


 
さて、探検隊のメンバーは貝山地下壕と同じ家内の姪と家内、私の3人です。夏島は追浜の日産自動車の工場の脇にありました。高々標高 50bくらいの山ですけれど、登っただけで気息奄々、死ぬかと思いました。

 夏島に行くには貝山緑地へ行くのと同じルートで行きます。バス停からは10分くらい歩きます。

 早速、夏島に入り込みます。入口を埋め立てられた防空壕がすぐに現われました。なんで壕を潰すのでしょうか。危険でも良いから入らせてください。



夏島地下壕案内図

20121020日撮影:大変詳細に書かれています




      写真11 夏島地下壕

20121020日撮影:日産側には大型輸送機の掩体壕があるらしい


@  これは埋められた地下壕です。(丸番は地図の位置を示す)探照灯とかの倉庫に使われたとか。この先の南側に、もっと大きな掩体壕があったという噂があるのだとか。



     写真12 夏島地下壕

20121020日撮影:覗き込むと反対側の明かりが見えます


@島の反対に通じると思われる地下壕が出てきました。麓の地下壕が第1層目で、ここが第2層目です。




         写真13 夏島地下壕

20121020日撮影:残念なことに埋めてあります

@  「ここにも壕があるんですよ」と案内人が教えてくれました。山の頂上付近で、坂道も傾斜が楽になってきています。壕は大人が屈まないと入れない大きさですが、中は広いそうです。





      写真14 夏島地下壕空気抜き

20121020日撮影:足元にスリットがあります

 これは何のためのもの?

Cのコンクリートの構造物は、地下のトーチカの空気抜きと明り取りです。このスリットの上に屋根が掛けられ、雨水が入らないように工夫されていました。


      写真15 夏島地下壕空気抜き

20121020日撮影:屋根は草で隠されていたそうです









    写真16 夏島榴弾砲観測所跡

20121020日撮影:手すりも何もありません

敵の艦隊を迎え撃つ?

Fこの場所は榴弾砲砲台跡です。階段は観測所に上がるもので、目の前の崖が崩落して断崖絶壁になっています。



写真17 夏島榴弾砲砲台跡

20121020日撮影:足元が崩れていて大変危険です



        写真18 夏島電燈所通路

20121020日撮影:人の擦れ違いは出来ないほど狭い


Gこの通路は煉瓦と安山岩で出来ており、電燈所につながっています。昔はもう少し深かったようだ。
 この先にあった電燈所は、崖が崩落したこともあって跡形もありません。この通路の煉瓦には、桜の花びらが刻印されています。
 一説には終戦の際に、米軍が来てこれらの施設に爆薬を仕掛けて使えなくしたとの話もありますが、定かではありません。


写真19 夏島電燈所跡

20121020日撮影:電燈所は崩壊しています




写真20 夏島の煉瓦

20121020日撮影:桜花紋があります




 夏島にはこの他に弾薬庫、鶴頸揚弾機、通信所、電探(レーダー)、海軍境界石などありますが、それはまた別稿でご報告します。

 
海軍が使っていた飛行場は、近所の方の畑に変わり、食糧事情の良くないときに夏島は活躍したそうです。日産に移管された時には、周りにバリケードが張られ、一般人は入れなくなりました。




 上陸できない海の要塞(?) 

 第2海堡
(かいほ)(千葉県富津市富津



 
第2海堡は第1海堡の西の方の海上2,577bの所にあります。第1海堡が横須賀市であるのに第2海堡は富津市のものです。人口島の面積は41,300平方bで、今は灯台があり、島が崩壊しないように補強工事が行われています。

 海堡は1889年(明治22年)7月に起工されました。海面に届くまで、大量の石を海に投げ捨てて積み上げ、外周を御影石で岸壁とし、砲台を造りました。

  軍事施設の隧道は側壁を煉瓦で、上半(隧道の上半分の意味)は無筋のコンクリートで造られています。関東大震災などで傷みが激しく、横断ひび割れや縦断ひび割れが縦横に入っています。
 特に天端部(クラウン)の縦断ひび割れは、隧道の崩壊に繋がる致命的なものです。この隧道はご覧のように剪断破壊を起こして、一部が崩落していました。(この隧道は現在ありません)

 
なお、第2海堡は現在上陸が許可されていません。



写真21 第2海堡地下壕入口

2000年5月23日撮影:煉瓦の赤が綺麗です



写真22 第2海堡地下壕入口

2000年5月23日撮影:ここは封鎖されています




写真23 第2海堡地下壕内部

2000年5月23日撮影:上床にはひび割れ、崩落が多数

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