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オラガビール、旧万世橋駅、
旧横浜駅、市電跡
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投稿:益田 勲(横浜市神奈川区神之木町) |
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はじめに
若いときに存在した建物や構造物が、最近急激に無くなっています。または、姿を変えています。構造物も年季が入ってくると、確かに姿の美しさは失われ、機能も現代のものと比べると見劣りしますが、そこはそれ、何か郷愁を誘う雰囲気が醸し出され、味が出てきます。
今回は今に微かに名残を残しているものの探検記です。
オラガビール工場跡
家内の実家の近くに,ご近所の方が「オラガビール」と呼んでいたビール工場がありました。
「わが町の昔と今」鶴見区編に載っているカスケードビール工場跡(鶴見区元宮2丁目)がそれです。確かに建造された大正9年(1920)当初は、日英醸造(カスケードビール)が所有者でしたが、その後、所有者が寿屋(サントリービール)と変わり、「オラガビール」になったようです。地元の私たちは未だに「オラガビール」と呼んでいます。しかし、2008年(平成20年)にあまりにも老朽化が激しく取り壊されてしまい、今度そこにはスパ・センター(大きなお風呂屋)が出来るとかで地ならしがされていました。
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在りし日のオラガビール
2000年10月8日撮影:運搬車両の置き場になっていた
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オラガビールの跡地
(2014年6月21日撮影:見事に解体されていた
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旧万世橋駅跡
旧万世橋駅は2006年5月14日(平成18年)に、ここにあった交通博物館が大宮に移転したのを境に、煉瓦アーチの情感を残した商業施設に生まれ変わりました。あまりにもお洒落になってしまったため、ご近所探検隊は、逆に近寄りがたいものになりました。秋葉原の電気街が近いので、この辺りはよく訪れるのですが。ここを流れる神田川の下あたりに、昔の東京地下鉄道の万世橋駅の遺構があります。
ここは銀座線の電車に乗って目を凝らしても探し出すことは出来ません。このように太い柱と駅のホーム、階段が残っています。この階段を上ると万世橋の地上に出られます。
銀座線は昭和12年ごろ建造されましたが、東京にある地下鉄の中では唯一、山岳トンネルを有している珍しい地下鉄です。
※東京にある地下鉄は、開削施工の四角いトンネルか、シールド工法による円形のトンネルが大部分です。非常に珍しい丸ノ内線の半円形のルーフシールド・トンネルがあります。万世橋付近の高架橋アーチにご興味のある方は、「ACE建設業界」日本建設業連合会機関紙2014年6号の特集「ランドマークの再生」に記事が載っています。
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万世橋商業施設
2014年6月13日撮影:携帯電話のカメラで
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旧万世橋駅遺構
2005年2月撮影:奥に階段が写っている
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高島町にある横浜駅跡
日本に鉄道が開通したのが1872年(明治5年)、新橋〜横浜間を蒸気機関車が走りました。今の横浜駅が3代目であることはつとに知られています。初代は今の桜木町駅で、2代目は高島町付近、大震災の後現在の横浜駅が造られました。2代目の高島町付近というのは、震災により焼失、後に埋め立てられました。
2003年(平成15年)にマンションの建設が始まり、基礎の根伐りを始めたところ、地中から、旧横浜駅の基礎が発見されました。基本的には煉瓦造で地中梁、フーチンも存在しますし、しっかり構造設計はされています。この当時ですから、杭は松杭を使われていたと思います。
余談ですが、松杭は地下水位が高い所では、腐ることなく残っていることが多いことが知られています。
この旧横浜駅の基礎によく似ているのが、中区山手にある山手80番館の基礎です。同じく煉瓦造でコンクリートとの組み合わせが、見た目にも大変しっくりきています。
この旧横浜駅の遺構は現在でも見ることは出来ます。このマンションのエントランス脇に一部が残されています。市営地下鉄「高島町駅」の付近で、環状2号線と線の交差する所にある交番の裏手にあります。
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旧横浜駅の基礎
2003年6月26日撮影:南側から |
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旧横浜駅の遺構
2008年1月10日撮影:エントランスから |
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山手80番館の遺構
2003年11月3日撮影:エリスマン邸を望む
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横浜市電のレール跡
横浜駅から高島町に至る帷子川沿いの道を歩いていましたら、浅山橋の道路舗装を剥ぐ工事が行われていました。よく見ると剥いでいるアスファルトの下に、市電のレールのようなものが見えます。市電を廃止したときに、工事費の問題でそのままレールの上をアスファルトで埋めたことがあったそうです。これだと思います。
夏になり陽に熱せられレール部分のアスファルトが解けて、走行する自動車のタイヤが滑るという噂は聞いたことがあります。このような所がまだまだ知られることなく、残っているのでしょう。
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浅山橋のレール跡
2014年4月25日撮影:携帯電話のカメラで
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