校正:石川佐智子 / 編集支援:阿部匡宏 / 古写真収集・文・編集:岩田忠利

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NO.16 大正時代の無料公開・横浜ガーデン

               
広さ5万坪の通称“ガーデン山”
     提供:大澤家(三ッ沢下町)


 
 5万坪のガーデン山一帯は、東京で証券業を営む大澤幸次郎さん(1867-1942)が大正初期に買い入れ、長男・大澤幸雄さん(1897-1946)が山の中腹に

温室や動物小屋を建て、花を栽培、「横浜ガーデン」として無料で一般公開していました。 


        大正初期、建設中の横浜ガーデンの南面

 手前の家並みは松本町の現ガーデン下商店街です。畑があり、写真右手、ガーデン山坂下に滝の川が流れ、それを利用した染め物工場の染め物干し場が見えます。



               昭和2年4月、写真上と同一場所

 ガーデン山の坂道に植えた桜並木の桜が満開です。右上の稜線に捜真女学校の校舎が見えます。


                  
                 交番もあった大澤家の邸内

 大澤家の屋敷内には住居、茶屋、石倉、使用人住居2棟、親戚の住居1棟、事務所、物置、お堂3棟などがあり、人の出入りが多く、夜間警備のため交番をつくり、巡査に警備を頼んでいました。
 しかし、これらの建物は昭和20年5月の横浜大空襲で焼失してしまいました。



        大澤家の正門

ビバリーヒルズの大富豪の邸宅を思わせます。右に「大澤幸次郎」、左に「大澤幸雄」の表札



大澤幸次郎・きく夫妻





大正時代、大澤家の自家用車






大澤家の屋敷入り口、滝の川に架かるガーデン橋








              邸内の池

 中央の石はその頃大型クレーン車がなく、多くの職人の手で東神奈川駅からコロで運んできたものです。
 この池の一部は現在もガーデン山団地の中庭として残っています。



写真上のガーデン橋を渡ると、桜並木の坂道




       写真左の桜並木の坂道、現在

 樹木が茂る左側がガーデン山団地、右側は三ツ沢ガーデン山ヒルズ。右手後方に松本中学校があります。
 2013.6.18
 撮影:岩田忠利

                無料公開の横浜ガーデン


    ガーデン橋から続く桜並木が切れた右側が、横浜ガーデン正門

 メタセコイヤの大木の下、左右に大きなライオンのブロンズ像がお出迎え、門柱に「観覧御随意」と書かれています。


                           個人から団体までだれでも入場可

 園内右手に噴水があり、その前は藤のトンネルや藤棚。花壇にはバラ、カンナ、ダリヤ、花菖蒲、シャクヤクなど和洋の花が四季折々楽しめます。
 噴水左側の温室内にはバナナ、ヤシ、パパイア、メロン、トマトなどの熱帯植物や果物から洋ラン、カトレアなどの花や熱帯魚まで。
 動物もクジャク、ホロホロ鳥、ガチョウなどの鳥からヤギ、ブタ、ウサギなどの家畜やサル小屋まであり、入場者は一般市民だけでなく小学生らの団体が遠足で数多く来場しました。




広い園内を温室の一角から松ヶ丘方面を望む



園内の売店前

花の鉢植え・種子・植木鉢など売っています。






子供に人気のサル小屋













横浜開港記念バザーに出店、賑わう横浜ガーデン店頭




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