白幡向町に開業して4年。「さかきばらクリニック」は白楽駅から徒歩7分ほどの閑静な住宅街の中にある。自宅で開院すれば、まだ小さい我が子との時間もとれるし、「少しはのんびりできるかも」と。ところが、これがとんでもない誤算だった。丁寧な診察と気さくな人柄で人気は上がる一方。とてものんびりどころではない。
明るく気さくな、面倒見のいいお医者さん
お昼休みは往診タイム。デパートの紙袋に診察道具を詰めこみ「一人じゃ淋しいから」と看護師さんと一緒にいらっしゃる。いささかの気取りもない。スカッとした応対。ちょっとした病気など吹き飛ばしてくれそうな明るさだ。往診先のほとんどは、体の不自由なお年寄り。心配な患者さんには、夜思わず電話を入れてしまう。「どう、大丈夫?」時には旅先から遠距離電話してしまうことも。こんな面倒見のいいお医者さんはそういるものではない。人気があるのも納得だ。
「要領が悪くてね」ついつい診察時間が長引いてしまう。映枝先生の病気を見極める眼には定評がある。これをご主人曰く「動物的なカン」と。
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患者さんから心配される忙しさ
一見元気そうでも体から病気のサインを発していることがある。それを見逃さないように、と思うとどうしても長くなる。確かに待つだけのことはある診療である。
先生の毎日は猛烈にお忙しい。在宅診療もなさっているので、ご自分の時間がほとんどとれない。大好きなテニスや登山ができなくても、仕事をしている時間がとても楽しい。つい我を忘れて患者さんにのめりこんでしまう。倒れなければいいけれど……と逆に患者さんたちに心配されてしまうほどだ。いかに地域の人に愛され、信頼されているか、がよく解る。
今年の春からは、現状を見かねたご主人が勤務医をやめて手伝ってくれるように。これで夢のように楽になった。
2人の息子さん(小6・小2)も今のところなんの迷いもなく医学の道を志しておられるとか。頼もしい限りだ。「ほんとになってくれたらラッキー! もうそれだけが生きがいって感じで……」
先生も仕事を離れればフツーのお母さんだったのデス。ほっ。 (品田みほ)
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