編集:岩田忠利 / 編集支援:阿部匡宏
NO.846 2016.01.13 掲載 

   WOMAN  PROFILE―――― はつらつ女性



 「今後の食生活は、Healthy(健康的で)・Safety(安全)そしてJoyfully(楽しく)、この3つを満たすこと」と話す八木裕代さん。
 横浜・関内生まれ。幼い頃「トンカツは衣だけ食べていたひ弱な子だった」とは信じられないほど健康でご多忙な毎日



 

  横浜市港北区仲手原2丁目
 
八木料理研究会・主宰 料理研究家 

 八木裕代(やすよ)さん

 











 

 「あれ、どこかでお見かけしたお顔?」という読者の方もいらっしゃるかも。そう、今回は本誌「ヘルシークッキング」でいつもアイデアいっぱいの料理を提供してくださる料理研究家の八木裕代先生です。

TV料理番組3年間無遅刻無欠勤出演

 妙蓮寺駅から歩いて分、閑静な住宅街の中の白い家。玄関口に現れた八木先生のお顔は私もどこかでお目にかかったような気がするのでお尋ねすると、十数年前TBSテレビ『お味はいかが』という料理番組に3年間無遅刻無欠勤で出演なさっておられた方だという。

 先生の女学校時代は設計図を描くのが大好きで、将来は設計士をめざしていたそうだ。ところが先生の父上が佐伯栄養学校の佐伯博士と懇意にしていた関係もあり、「大学へ行くんだったら高校はやめなさい」と反対され、しぶしぶ栄養学校へ通ったという。
 今日の八木先生の料理の道はお父上の、その鶴の一声から始まった。



 定例の5教室の他に講習会と超多忙

 栄養学校卒業後、横浜料理学校(現難波学園)に栄養学士として入り、現在はご存じのとおり料理指導者として難波学園・東京ガス・朝日カルチャー・YMCA、そしてご自宅での八木料理研究会主宰、そのほか講習会でも活躍中。

 その料理指導で先生が最も大切にしていることは「簡単に作れて、美味しくて、なおかつ安いこと、そして栄養があること」だそうだ。それだけに最も頭を悩ませるのが献立。「毎日、献立をどうしようか、そればっかり考えています」。試作が生徒さんたちに喜ばれたときは感激もひとしおだろう。






 


     父上一言から料理40


  

 サロンのような八木料理教室

 料理は環境が非常に重要な要素だ。「自宅の教室作りには非常に苦心しました」と先生がおっしゃるだけあって、20人ほどが料理できる教室には随所に先生の心配りが見られる。高い天井の教室は調理場と食堂が別で、食堂はゆったりした空間。さらに食事中は音楽が流れ、さながらヨーロッパのサロンにいる気分にさえなってくる。



吹き抜けの天井の高い調理場で、きょうはお稽古日


 料理研究家として多忙な日々を送る八木先生だが、敬虔なクリスチャンでもあり、毎週日曜日には必ず礼拝に出かけている。

 13年目になるボランティア活動では身障者に料理を指導したり、自閉症者の会合の発起人になったりなど様々な活動をされている。そうした功績から、今年9月には女性経営者や指導者の集まりである国際ソロプチミスト横浜≠フ会長に就任予定。

 
「ここまでやって来れたのは本当に良い人たちに恵まれたから」と謙虚におっしゃる八木先生。栄養学校時代に家庭教師として、現在は伴侶としてアドバイスされてきたご主人。料理の道へ進むとき「あなたの好きなように勉強しなさいと励まされたご両親。そして多くの友人たち。
 こうした皆さんに八木先生は絶えず感謝の念を持ち続ける、魅力的な女性である。
       (文・写真:水上育子)







★平成5年8月30日発行『とうよこ沿線』第59号から転載
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