編集:岩田忠利 / 編集支援:阿部匡宏
NO.817 2015.12.09 掲載 
故郷 わが家の味
NO.4
 
                           ★昭和56年7月1日発行『とうよこ沿線』第6号から転載

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ニッカウイスキー社長・橋本敬之さん夫妻の

十八番(おはこ)料理


作る人:橋本敬之(ニッカウイスキー社長)ご夫妻


取材・文:吉谷恵美子(主婦・綱島)  写真:三戸田英文(元住吉)
 



「うむ、74年のボルドーか」とワインを手にご主人


 
高い塀から緑の木立がのぞく閑静な代官山の住宅地に、ニッカウイスキー社長・橋本敬之さんご夫妻のお住まいを訪ねた。
 社長さんは小学校時代この近くに住んでおられた。また、都立大学駅前の住友銀行の支店長だったこともあって、東横沿線とはなじみが深い。

 健康への配慮は、週1回、真向法体操の道場へ通って汗をながし、成人病予防のため食生活でも、塩分、糖分の制限をしておられる。
 ちなみに朝食は、プレーンヨーグルトに小麦杯芽とグリーンマグマを加えたもの、それにサラダ、卵、パン、コーヒー(カフェオレ)とのこと。
 好き嫌いはないそうだが、特に好きなものはお豆腐類、それに鍋物ならご機嫌。

 「あれこれ手を加えるより、素材を生かした料理法が一番」とエプロンをつけて、いざ台所に……。


   かわりハンバーグ

料理は5年に1度くらいしかしないそうで「七夕は年に1回、5年に1回だと、さしずめ5・7・35夕だわネ」と奥様の声。

出来あがったかわりハンバーグ≠ウっそくご賞味を、とすすめられた。
 なるほど、卵、玉ネギ、パンが入らない分、純粋な肉の味で大変美味しい。よく冷えた1974年のフランスのボルドーワインもまた格別。
 サイドボードに並ぶスーパーニッカやG&Gは近くの酒屋さんでお買いになるとか。「さぞや飲み放題では」と思ったのは浅はかでした。

 奥様は豆腐の田楽≠作ってくださいました。
 「これにはワイン、あら、これはウイスキーね。このおつまみには日本酒が合うわ」と、そこはウイスキー会社の奥様。さりげない心遣いがとてもうれしい。「お客様大歓迎」とおっしゃる。

 持参した小さな鉢植えを「まあ、なによりだワ」と喜んで飾ってくださり、後から見えたご友人の持ってこられた大きな花の鉢を、さっと別の部屋へ持って行かれる心配り。

橋本家のわが家の昧″は、「もてなす心」とお見受けしました。



ご主人のお手製、かわりハンバーグ


「毎年春、このサンショウの若芽を摘みに行くのが楽しみでねぇ」と奥様


 
かわリハンバーグ

 牛肉(赤味)150200グラムの脂肪をていねいにとり、包丁でこまかく切り、塩、コショウする。それを手の平で形作ってバターで焼く。

 (付け合わせ)
 ボイルドポテトとアスパラガス、人参のグラッセ、クレソン


 
■豆腐田楽

 巻きすで水気を切った豆腐をホットプレートでこんがり焼き、山椒みそ(山椒の若芽をすりつぶしたものに、赤みそ2割加えた白みそと、ミリン、砂糖を加えたもの)を塗り、山椒の芽を飾る。



 ■パパイヤの
   デザート

 皮と種子を除いたパパイヤを輪切りにし、クリームチーズに生クリームを合わせたものを輪の中に詰め、ガラス皿に盛り、パセリ、レモンを添える。




それは、それは美味しいパパイヤのデザート






味見の第一声、吉谷恵美子さん
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