新米インタビュアーですので、と言うと「私も新米ですから」と答えてくださった、第42代横浜駅長。昨年3月に就任された小柄な身体に意欲満々の方でした。
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「何よりも安全第一です」と渡辺駅長 |
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大きく変わった、全国4位の横浜駅
大正4年開業以来、66年の歴史をもつ当駅は、東西自由通路の開通、駅舎の改造、ポルタ、ルミネのオープンと大飛躍をした。
乗降客一日平均68万人で全国4位。利用客は増える一方で、一昨年から一日平均8千人多くなっている。国鉄、私鉄をあわせると120万から130万人が利用するマンモス駅である。
在職中に夜学で大学を卒業の頑張りや
昭和4年山形県生まれ。2歳の時東京の大井町に転居、今もお母様、奥様、お子様3人の家から通っている。昭和20年、16歳から国鉄に入り、人事、総務畑での役職を経て、前職は新橋運輸長。
その間に夜学の日本大学法学部を卒業した頑張り屋。苦労なさった方だけに、人に対する思いやりが大変強い。「まだ工事が続いていますので、職員はもちろん、お客様の怪我が一番心配ですね」
と何度も口にされていた。巡回という仕事があり、駅構内線路、踏切、信号と2時間半から3時間もかけて見回るとのこと。ここにも安全第一の心遣いが感じられる。
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70㌢もの大物を釣り上げた釣りキチだったが…
激務に追われる身体、健康法は「早寝。11時には寝るようにしています」。朝は6時48分の電車で出勤、朝のラッシュにひと頑張りする。
休日は静かに過ごしていることが多いそうだ。以前はよく釣りをした。子供の頃、近所の埋め立て地で、ハゼ釣りをして遊んだとか。海釣りが好きで千葉の大原などへよく出かけ、一番の大物は70センチくらいの〝ブリの子〟、50センチくらいの〝タイ〟。これくらいでしたと手を広げ、楽しそうに話してくださった。
じゃ、釣りにいらっしゃると、奥様は待っていらっしゃるでしょうね。
「いや、釣れないのを知っているからねー」と大笑い。
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「わたしも新米ですから…」 |
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職員から見た駅長像
「地域社会との結びつきを心掛けている方ですね」と開口一番。駅に貼るポスター一枚にも俗悪な物を避けたり、細かい配慮をなさる人。新しい試みをする時も、強引にひっぱっていくのではなく、回り道をしながらも、道を見失わないで着実に努力する。駅員にはいつも声をかけてくださるお方、との評だった。
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駅是(駅の目標)に『誠実・明朗・協和』を掲げ、利用客、横浜の街の人々との結び付きを深くし、より良い横浜駅をと努力される。そんな中にも、お嬢様がお嫁にいらっしゃる時には「涙するんじゃないかなあ」なんておっしゃる心暖かな横浜駅長でした。
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