実は、入社したての頃は仕事人間だった。毎日、夜8時・9時まで残業したり、休日出勤をしたりしていた。そんなことを3年くらい続けていたら、体調を崩してしまった。
同じ時間を過ごすなら
その時、私一人が抜けたって会社は何の影響もないことを、身をもって知った。なんだかさみしかった。そう、だったらもっと楽しく生きよう! 会社と家の往復でなく、自分の時間、自分の世界を見つけよう。
そう心に決めて始めたのがフラワーアレンジメントだった。やり始めたらおもしろかった。何より、自分の世界を表現できるのがうれしかった。どんどん夢中になって、資格をとっていろんなセミナーに出ているうちにアロマテラピーに出合った。
「えーこんなに心地よいものがあるのお!」。アロマテラピーでは心地よい香りに包まれ、心と体がバラバラになった自分を深く癒されるのを感じた。もっとこのことを知りたくて、思い切って退職してしまった。
DINKSからママへ
仕事を辞めて、精神的にゆったり暮らせるようになってから、それまで3年越しの彼とやっと結婚することに。専業主婦は向かないと思っていたし、アロマテラピーの勉強を続けるために、時間の決まっている派遣の仕事をすることにした。
そうするとウイークデーはお互いに忙しいし、一緒にいるのが当然となったので、週末をどう過ごすかを考えていたら、市の広報で市民菜園を募集していることを知って、応募したら願いかなって1年間畑を借りることができた。
そんなことをやって二人の気ままな楽しい暮らしのなかに、ひょっこり息子が登場した。
初めての子育ては私に産めるのかという不安から始まって、驚きの連続……。
なにしろ、息子は泣く! 吐く! 寝ない! の三拍子がそろっていたのだ。赤ちゃんって可愛いというそんな気持ちは、どっかへすっ飛んでいって、ぜーんぜん楽しくなくって、とにかく大変で、げっそりしてしまった。そのうえ、フニャフニャで、寝てるか泣いてるかの子供の面倒など、パパは見てくれるはずもなく、相変わらずマイペースでいるパパにもだんだん腹が立ってきた。
アクティブなママになろう!
朝だか夜だかわかんないような暮らし、子供の泣き声、遅く帰ってくるパパ、休みの日にブラッと出かけてしまうパパ……。
一日中家の中にいると、息がつまりそうだった。自分のことなんて何にもできない。おっぱい出しっぱなし、ゆっくりお風呂にも入れない、おちおちトイレにも行けないような毎日。そのうえ、私が仕事を辞めたので収入は半減。家計は毎月赤字となってしまった。
ある日、散歩に出たら声をかけてくださる方があり、ちょっと話をしていたらすごく気が晴れた。そうだ、公園へ行こう! 外に出れば子供も機嫌がいい、夜も寝てくれる。大人と会話もできる。
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お子さんとお花に水を上げる筆者
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「公園デビュー」なんて難しいこと言ってられない。とにかく外に出よう。
子供の面倒と、家事を一度にしようとすると大変だから、買い物はやめて、宅配にしよう。夕飯の支度は子供が寝てる間にしてしまおう。
そうだ、インターネットを使おう。友達にメールを出そう。メールなら、子供が寝てる間にできるから、ぐずられてイライラしなくて済む。たまにはパパに息子の面倒をみてもらって自分の時間を確保しよう。そうすれば、気分転換ができる。
そんな風に、自分が楽になる方法を一つずつ見つけて、少しずつ実行に移していったらだんだん、公園友達やサークル友達ができて、楽しくなった。なんだ育児って楽しいじゃないの。
ただ一つ、息子のミルクアレルギーだけが心にひっかかっていたから、食べ物にはちょっとこだわった。それで、無農薬・有機野菜にして、添加物は極力控えて、できるだけ自然のままの食事をめざした。その結果、ミルクアレルギーはだいぶ落ち着いてきたし、なんと家計も赤字が減って、パパもスリムになってきて、家族みんなが ハッピーになった。 物は考えようだなと思う。いたずらと思えば「止めてくれえ」と言いたくなるが、手伝ってくれていると思えば楽しい。
いろいろこの1年半の間に感じたり、思ったことをせっかくだから、形に残そう。それに私が悩んだり迷ったことって他のママにも役立つかもしれない。
そう思ってホームページを作ったら、またまた楽しくなった。いろんな人と知り合いになって教えてもらうことが多くて、子育てで、自分の世界がまたひとつ広がって深くなった。
人生で二度とないこの時間をたっぷり楽しまなきゃ。
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三浦 有子
川崎市幸区生まれ、35歳。大学卒業後、電気機器メーカーの研究員を約10年。一児の母。
趣味はフラワーアレンジメント、旅行。本誌ホームペーン「とうよこ沿線ママネット」のウエブ・ママ。
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