編集:岩田忠利 / 編集支援:阿部匡宏
NO.772 2015.11.26 掲載 
戦争
   学生のページから

女子ラグビー1日入門
☆沿線で育ったアイドル
☆名物先生

  
4回
 
           編集:『とうよこ沿線』学生部
  
   ★昭和60年12月1日発行『とうよこ沿線』第31号から転載
特集      

  青春にトライ!

   ――女子ラグビー1日入門記――


 ここは、多摩川河川敷にある世田谷区営ラグビー場。

今回の特集は、「青春にトライ!」と題して、世田谷レディース・ラグビー・フットボールクラブの一日入門記である。

 早くも腹のせり出してきたYをはじめ、Ha以外5名はラグビーの経験など全くない。全国にその名を馳せた世田谷レディースの練習にどこまでついて行けるか……。とにかく「やるっきゃない」の精神でガンバッてみた。


 

 わっ、体が動かない!?

日曜日の朝9時半、川面を渡る風はひんやりしている。あいさつを済ませて、まずグラウンドを一周。それから全員で輪になって準備体操。ここでじゅうぶん体を動かし、筋肉をほぐしておかないと、練習中に思わぬケガをすることがある。だから、念入りに体をねじり、前へ倒して……イテテ、どうしたんだ? この程度で痛みを感じる俺ではないはずなのに……。



これ、みんな女性ですよ!

世田谷レディースのみなさんは、と見ると、みんな楽々とこなしている。

本日の参加メンバーは16名。20歳前後のOL・学生から、いかにも「オカアサン」といった感じの主婦まで、顔ぶれは非常にバラエティーに富んでいる。試合を1カ月後に控えた大事な時期に、私たちのような初心者がのこのこ現れて、足を引っぱるような結果にならなけりゃいいのだが……。

 女性ばかりだといっても、みんな練習を積んできたラガーである。あなどることはできない。ましてや、日頃の運動不足から体がなまり切っている学生部スタッフの面々が、本当に最後までいっしょに練習できるのだろうか……。不安はつのるばかりだ。

    a君の独壇場と思いきや……

 今回の取材スタッフの中で、唯一のラグビーの経験者Haに、私たちの期待は集まった。彼なら、うまくやってくれるだろう。なんにも知らない私たちをリードしてくれるにちがいない、と。
 彼自身もそのつもりらしく、「大丈夫ですよ。僕がついてますから」と胸を張った。

 さて、準備体操が終わると、さっそくラン・パスだ。4、5人一組で、パスを回しながら走る。最初はゆっくり走りながらなので、さほど疲れない。だんだんスピードを上げる。するとそ2、3回で早くも息が切れてきた。休む間もなく腕立て伏せ15回。終わったらまた走る。もはや全力疾走だ。

 もう何往復しただろう? 写真担当で練習には参加していないHu君に、そっとたずねた。
 「ねえ、今、何時なの?」
 「えーと、1010分ですよ」
 えっ! まだ40分しかたってないの!? てっきり1時間半は経ったと思っていたのに……。








体と体が激しくぶつかり合う

こんなに息が切れるのは、やっぱりタバコのせいかな。禁煙しよう……などと思いながらHaの方を見ると、彼は私以上にバテている様子。ゼーゼー息を切らし、顔はまっ青、今にも倒れんばかりだ。
 「僕、ちょっとトイレヘ……」
  吐き気をもよおしたのだ。彼はこの日、3回にわたって吐いた。
 一方、世田谷レディースのメンバーは全員ケロリとしている。バテて息を切らしている人など1人もいない。
 Haは、私たちの信用を失った。
 「しょうがねえなあ。土曜の夜のテレビの見過ぎだよ」

  安堵感と充実感と疲労感

 ラン・パスが終わると、こんどはコンビネーションプレーの練習だ。7,8人ずつ組になって、コートの真ん中あたりからゴールへ進む。男のコーチが守備の側に立ち、これを妨害する。
  ボールを落としたら、また最初からやり直し。私たちもやってみた。ただし、私たちには妨害者がなく、ただ進むだけである。それでも、たびたびボールを落としてしまう。全員にボールが渡ってトライしなければ終わらない。5回やり直しの未、やっとトライできた。



学生部スタッフもがんばりました

その瞬間、安堵感と充実感と疲労感に襲われ、私たちは座りこんでしまった。

       ★☆★

監督の中澤久人さん(41)のお話。
 「このクラブは58月に発足し、現在高校生から39歳まで35名のメンバーがいます。全国に女子ラグビーチームは約20チームありますが、首都圏ではこのチームだけです。みんな真剣にやってますが、アマチュア特有の悲壮感がなくて、明るいですね」

  文:山本裕二(妙蓮寺・大学生)  
  写真:福田智之
(大森)

 

    東横沿線で育ったアイドル

  川村 愛 / いんぐりもんぐり



    港北高校3年生ユニット、
        いんぐりもんぐり

 あのSAILY、柏原芳恵、本田恭章の所属する日本フォノグラムから異色の6入組がレコードデビュー。彼らは、現在、港北高校3年生。
 『とうよこ沿線』にも関係が深く、歌詞の中にも、沿線の学校名、駅名とかがビシバシ出てきちゃう。
 830日に、横浜スタジアムで行われた「HOT WAVE
 FESTlVAL」では、グランプリを獲得してしまったんです。その名も『いんぐりもんぐり』。

メンバーは、ボーカルの前島君と永島君、キーボードの庄君、ギターの斉藤君、エレキベースの岡本君、ドラムの遠藤君。また1121日に発売された『女子高生』のほか、来年2月ごろLPが出る予定とか。当学生部も、全力投球で応援していきますヨ!
 
     文:五月女恵子(反町・大学生)



いんぐりもんぐり


川村 愛

高校1年、綱島ッ子の川村 愛ちゃん

 フジTV系『夕やけニャンニャン』やCMなどで、もう知ってる人も多いと思うけど、11月1日センチュリーレコードから『LOVE…見つめてください』でデビューした、まだ高校1年生の川村愛ちゃん。

じつは彼女、我らが東横沿線(綱島)の出身で、身近なだけに親しみやすいアイドルとなることだろう。 その愛ちゃん、目標とする歌手が薬師丸ひろ子だそうで、これはひょっとすると、近いうちにビッグ・アイドルになるのは間違いないはずだ! そのためにも、これからが楽しみな愛ちゃんを、同じ東横沿線の住民としてみんなで、盛り立ててあげようではないか!
       文:神蔵雅之(目黒・高校生)

  ウチの学校の 名物先生だよ〜ん

  港高校のおもしろ先生、秀明さん。大学を出て鶴見女子高に3年、鶴見工業(定席制)に13年、港高校に来て11年になる。
 大学時代野球部補欠の経験を生かして(?)野球部の顧問、15歳から45歳の部員の良い親父さんだ。
 東京教育大(現筑波大)から大学院、その後駒沢大へ。駒大大学院では禅心理学を専攻、そのせいか授業中でも生徒が騒がしいとすぐ「黙想!」

鶴見工時代には「先生、番長同士のケンカの審判してくれよ」「よし」。
 



鈴木秀明先生(体育)

昭和9年愛知県生まれ、51歳
花の独身
  夜、二本木の畑の裏へ2人を連れて行き、「正々堂々、素手で思い切りやれ!」。こんなところが生徒に人気のある秘密だね。
 メダカ、もぐら、エロ坊主、親父……ニックネームの多いのは親しみやすい証拠。どれもうなずけちゃう。

4、5年したら田舎に帰って実家のお寺を継ぐんだって。エロ坊主がホントの坊主になっちゃうワケだけど、こんな先生がいなくなると寂しくなるね。
                          文:五月女恵子(反町・大学生)

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