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名前は同じ「ラーメン」でも…
私が九州からこちらへ出て来て初めてラーメンを食べたとき、かなり驚きました。話には聞いていましたが、これほど違うとは思っていなかったのです。
麺の太さ、スープの色と味、具の内容など、まるで違っている。より具体的に言うと、麺は関東は太く九州は細い、スープは関東では醤油味で色は茶色、九州ではとんこつスープで色は白い、チャーシューは共通して入っているが、関東のラーメンには紅しょうががない、そのかわりにメンマが入っているなど、相異点が非常に多いのです。
また、サッポロラーメンはさらに異なっています。最も大きな差は、モヤシが入っていることでしょう。私としては、ラーメンにモヤシが入っているなんてとても信じられませんでした。「モヤシが入っているのはラーメンではなくチャンボンだ」 という観念を持っていたからです。
極端な言い方をすれば、同じ「ラーメン」という名前がついていても実は全く別の食べ物だというわけです。皆さんはどう思われますか?
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ラーメンの立場
ラーメンを提供する店、またはその店内でのラーメンの立場にも、地方によって差があるようです。
こちらでは、ラーメンは主に中華料理屋で出されていますね。ラーメン屋もありますが、たいがいそれはサッポロラーメン専門のようです。大衆食堂にもラーメンはありますが、その場合ラーメンはメインではなく「ラーメンもありますよ」といった感じです。
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イラスト:高田信治 |
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一方、九州では、ラーメンは主にラーメン屋で提供されます。そういう店にはチャーハンやギョウザは無く、数種類のラーメンとチャンポンなどだけがあります。あくまでラーメンがメインなのです。
価格では、九州の方が100円ほど高くなっています。関東では、ラーメンは「中華料理屋で最も安いメニュー」という印象が強いようです。
このように、外観や味だけでなく、ラーメンの立場にも地域差があるということは、非常に興味深いものです。
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