編集:岩田忠利/編集支援:阿部匡宏

NO.631 2015.05.11 掲載 

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樹木

駅名の由来@  
    春山ハイキング 円山
           
文・写真:坂上武史(札幌市中央区在住)   


       わが子二人と、さぁ出発!

  

札幌は自然と隣り合わせの都市です。町のすぐ傍に原始林のままの円山があります。アイヌ語で「モ・イワ」。小さい・山=つぶらな山で、円山。
  今となってはモ・イワは隣の藻岩山にその名を譲っていますが、本家はこちらです。標高225mの額面どおりの小さな山です。
  先日、子供達を連れて春のハイキングに出かけてきました。


 登山口の脇の神社にお賽銭を入れてから出発です。登り始めて直ぐに芽吹いたばかりのエンレイソウを見つけました。
 ここより日当たりが良い尾根での花の状況が期待されます。コンパクトカメラでの接写に手こずっていると子供たちがまだかと言わんばかりに急がせます。気持ち良い樹林帯を登って行くと、道は尾根を辿るようになりエゾエンゴサクが所々に咲き始めていました。



咲きかけのエンレイソウ


      冬の名残をとどめる登山道

 じつは円山は保育園で何度も登っているので、上の子には親しみがあり、ガイドもしてくれます。下の子は今年から連れて行ってもらえるようになるので、親しみはないものの、2歳の時に自力で登ったことがあるのを覚えています。的確にリスを見た場所などを言い当てます。
 今回は春の蝶を見つけました。


 小さなコブを過ぎると、山はまだ冬の名残をとどめていました。雪渓と言えば大げさですが、登路に残雪が結構残っていたのです。記録的な小雪でもう雪は融けたかと考えていましたが、読みが浅かったようです。

 子供たちに恐怖を与えないよう、滑らない歩き方を教えながら登って行きます。斜面はどんどん残雪が増えて斜度もましてきます。登るには登れるけど、下ることは多分できないなと思い、下山は西側の尾根を下りることを考えながら、しんがりで檄を飛ばしながら頂上に。













ヒヨドシチョウ、ちょっとビックリする模様


道端を青紫に染めるエゾエンゴサク

      頂上に登った子供ら

 春の散策を楽しもうと頂上には結構人がいて、ヤッホーを叫びたかった子供たちも遠慮してしまいました。
  札幌の街を見下ろしながらラーメンを食べ、子供たちとウチがどこにあるかを探してみました。あいにく灌木に遮られていましたが、いつも行く北大の農場が見えて満足そうに喜んでいました。

 さて、下山は残雪の多い登路を避け、西側の尾根道を辿って行きます。流石に日当たりが良くエゾエンゴサクが目立ち、雪が少ないのがありがたかったです。

 子供たちは開放的な気持ちになるのか、保育園で教わった歌やら大好きなアニメソングを歌いながら下って行きます。
 円山にクマはいませんが、もしいるとすればこの嬌声は熊よけにもってこいです。かしましく山を駆け下りると植樹の杉林が広がっています。







けっこう残雪が多い登山道


頂上はもう目の前


                  森の人気者、リス

 ここで、子供たち待望のリスに会うことができました。
 大の人気者なので写真を撮っていると直ぐに人垣ができてしまいます。
 でも都会慣れしたリスは臆面なく、しまいには2匹が駆け回ったりと愛想を振りまいて森に戻って行きました。

 

朝起きてから空の塩梅で思い立ち、普段着で自然を散策できるお手軽ハイキングでした。札幌の少し早い春を味わった休日の一コマでした。

実際に登ったのは4月12日で、写真もすべてその時のものです。
 今年の札幌は驚異的に季節が早く、この原稿を書いている今、サクラはすべて終わってしまいました。



エゾシマリス 子供も大人も大好き





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