編集:岩田忠利 / 編集支援:阿部匡宏 / ロゴ:配野美矢子
NO.622 2015.05.05 掲載
 沿線のささやかな自然を訪ねて  A 

      善養寺の大カヤの木

                絵・文・地図西尾真理子(イラストレーター 白楽


  沿線住民参加のコミュニティー誌『とうよこ沿線』。好評連載“復刻版”


   掲載記事:平成3年11月15日発行本誌No.55 号名「棉」

   

 

東急大井町線、等々力駅から歩いて15分。世田谷区野毛にある善養密寺は、玉川88ケ所霊場の第32番札所。境内にそびえる都の天然記念物、樹齢800年ともいわれるカヤの老樹にちなんで、「カヤ寺」とも呼ばれています。

高さ約20.6メートル、幹回りは目の高さあたりで約5.25メートルもある大カヤの洞穴(ほらあな)には、その昔子供たちが、2人一度に入って遊んだということです。

 カヤはイチイ科の常緑高木で雌雄異株。善養寺の大カヤは雌株で、2年に一度たくさんの実をつけます。9月の半ば頃にポトリポトリと落ちる実は、中の種子を煎って堅い殻を割ると、黄金色の美しい実が現れます。

ご住職の真保龍敞さんは、このカヤをいたわり、毎冬の寒肥のほかに法事で飲み残されたお酒やビールなどをカヤに飲ませてあげるのだそうです。

「とうよこ沿線」TOPに戻る 次ページへ
「目次」に戻る