東急大井町線、等々力駅から歩いて15分。世田谷区野毛にある善養密寺は、玉川88ケ所霊場の第32番札所。境内にそびえる都の天然記念物、樹齢800年ともいわれるカヤの老樹にちなんで、「カヤ寺」とも呼ばれています。
高さ約20.6メートル、幹回りは目の高さあたりで約5.25メートルもある大カヤの洞穴(ほらあな)には、その昔子供たちが、2人一度に入って遊んだということです。
カヤはイチイ科の常緑高木で雌雄異株。善養寺の大カヤは雌株で、2年に一度たくさんの実をつけます。9月の半ば頃にポトリポトリと落ちる実は、中の種子を煎って堅い殻を割ると、黄金色の美しい実が現れます。
ご住職の真保龍敞さんは、このカヤをいたわり、毎冬の寒肥のほかに法事で飲み残されたお酒やビールなどをカヤに飲ませてあげるのだそうです。
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