編集:岩田忠利/編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
NO.610 2015.04..25 掲載
    第73号
  ★画像はクリックすると拡大できます
第73号「李(すもも)
号名  「李」
サイズ B5判
紙数 60ページ
発行日 平成11年(1999年)10月25日
頒布方法  定価300円
表紙
提供:大倉精神文化研究所

画像イラストマップ「渋谷駅〜横浜駅」

表紙作成者
デザイン:品田みほ(三ッ沢下町)
特集
 
特集
1. 投稿特集
 テーマ「暮らしの中で思うこと」

2. 「アルバム拝借」
    表紙の裏ばなし      岩田忠利(編集長) 

  表紙のカラーイラストマップは今から69年前、昭和5年に東横目蒲遊覧協会という団体が発行したガイドマップ「沿線案内」。それを渋谷から現在の都立大学駅までをカットし自由が丘から横浜駅までを載せました。

色鮮やかに描かれた川や丘、桜並木や桃園の自然いっぱいの沿線情景です。約70年前にタイムスリップ、車窓から沿線風景を眺めているようで、わけもなしに嬉しい気分になります。

東横線で渋谷を出発すると、すぐに「並木橋」駅があり、聞きなれない「碑文谷」や「柿ノ木坂」の駅を出て、田園調布を過ぎると温泉遊園地の多摩川園がある「丸子多摩川」駅。多摩川鉄橋を渡る車窓から下流を見ると、納涼水泳場のヨシズ張りの店や“丸子の渡し”が見える。

えっ、丸子橋がない? そう、当時まだ無かったのです。新丸子を出た電車は次に元住吉駅に停車。居眠りしている間に武蔵小杉駅を通過してしまったのかと思ったら、当時この駅は無かったのでした。

日吉駅前に慶應のキャンパスがあると思いきや、一面のサツマイモ畑。次は綱島駅のはずが、なんと「綱島温泉駅」。ホームの椅子は向かい合いのボックスシートで、駅前にはラジウム温泉の大きな建物が見えます。

と、まあ、こんな調子で数々の新発見がある、楽しいマップです。

 号名「李」とは…   

 古くから栽培されている果樹で夏、5センチほどの赤く、甘酸っぱい実をつけるスモモ。
  そのスモモ(李)の木を探しましたが、李の仲間のソルダム、ボタンキョウはあるのに、在来種の李の木は横浜の港北区内では見つけることができませんでした。園芸店で聞くと、李は低温の関東以北でないと育たないらしい。

89日朝3時半、単身で李の木探しのドライブに出発。山梨県内に入り、あの八代英太代議士の出身地という東八代郡の畑にいたおばあさんに尋ねると、実家は東八代郡一宮町の金沢地区で、昔から李の栽培が盛んだったというお話。そこで彼女の実家である桃の生産農家、有泉豊彦さんの家を訪ねました。

確かにこの金沢地区では以前たくさんの李の木があったそうですが、白桃の人気に押され、今ではすっかり少なくなってしまったとのこと。それでも10本ほどの木が残っていて、その姿≠カメラに収めることができました。

それにしても有泉家の縁側で頂いた完熟の白桃、その美味しかったこと! その味は親切に教えてくれたおばあちゃんの笑顔とともに今でも忘れられません。  (綱島・自営 加藤弘年)



  バラ科サクラ属だけに桜のように美しい花

ヨーロッパ・スモモとニホンスモモがあり、前者は乾燥して食べ、後者は生で食べるとか。中原区西加瀬の県公社西加瀬アパートで  
   撮影:岩田忠利




菊名・臼井家のスモモ

撮影:臼井昭子さん
(菊名)
「とうよこ沿線」TOPに戻る 次ページへ
「目次」に戻る