表紙のカラーイラストマップは今から69年前、昭和5年に東横目蒲遊覧協会という団体が発行したガイドマップ「沿線案内」。それを渋谷から現在の都立大学駅までをカットし自由が丘から横浜駅までを載せました。
色鮮やかに描かれた川や丘、桜並木や桃園の自然いっぱいの沿線情景です。約70年前にタイムスリップ、車窓から沿線風景を眺めているようで、わけもなしに嬉しい気分になります。
東横線で渋谷を出発すると、すぐに「並木橋」駅があり、聞きなれない「碑文谷」や「柿ノ木坂」の駅を出て、田園調布を過ぎると温泉遊園地の多摩川園がある「丸子多摩川」駅。多摩川鉄橋を渡る車窓から下流を見ると、納涼水泳場のヨシズ張りの店や“丸子の渡し”が見える。
えっ、丸子橋がない? そう、当時まだ無かったのです。新丸子を出た電車は次に元住吉駅に停車。居眠りしている間に武蔵小杉駅を通過してしまったのかと思ったら、当時この駅は無かったのでした。
日吉駅前に慶應のキャンパスがあると思いきや、一面のサツマイモ畑。次は綱島駅のはずが、なんと「綱島温泉駅」。ホームの椅子は向かい合いのボックスシートで、駅前にはラジウム温泉の大きな建物が見えます。
と、まあ、こんな調子で数々の新発見がある、楽しいマップです。
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