♪今度来るならサ〜ハ〜エ 持て来ておくれ
奥の深山の椰の葉をコラ サンサエ〜
これはご存じ、岩手県の南部牛追い歌、その3番の歌詞。牛の背に米・炭・特産品を積み、牛を追っての道中に歌った往来歌だが、ここに「椰の葉」が出てくる。
椰の葉は、昔から縁結びや厄除けのお守りとして珍重されていた。
熱海・伊豆山神社には樹齢850年のご神木の椰が現存し、この木の葉を恋の成就の願いを込めて密かに身に着けていた頼朝と政子がめでたく結ばれたことは有名な話。
以来、男性は雄椰(おなぎ)、女性は雌椰(めなぎ)を身に着けていると結婚できるという縁起のいい木。
椰の木は葉が竹の葉に似ているマキ科の常緑高木で暖かい地に育つ。そのため、東北の岩手県あたりには育たなかったのだろう。「今度来るなら椰の葉を持て来ておくれ」と歌っている。
独身の皆さん、椰を見つけたら定期入れにでも入れておいたらどう? (大倉山 田中利男)
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