確かあったはずと思って1月6日、井の頭公園へ行く。ここにはいろんな種類の樹木が植えてあって、木の名前を当てて歩く「グリーンアドベンチャー」という楽しい散策ができる。23番目が椋の木だった。
冬のことで枯葉がほんの少しついていた。椋は実が熟すと黒くなり、甘くなる。これを椋鳥(ムクドリ)が好んで食べるところから「椋の木」と呼ぶようになったとか。
群れをなす野鳥は木に大挙して押しかけ、実を食べる時の鳴き声がじつに騒がしい。その様から地方から上京の「おのぼりさん」を「椋鳥」という軽蔑語もあるほどだ。
椋はニレ科のムクノキ属。山野の日当たりのよい関東以西の場所に生え、15〜20bになる落葉高木。名前はザラザラした葉を漆器の木地やべっ甲を磨くのに使ったことから、「杢(もく)の木」が訛ったものという説がある。
秋11月に上記のとおり黒紫色に熟した1aほどの球果は甘くてうまい。椋鳥だけに食べさせるのはもったいない。 (綱島 加藤弘年)
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