編集:岩田忠利/編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
NO.603 2015.04..23 掲載
    第66号
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第66号「石榴(ざくろ)
号名  「榴」
サイズ B5判
紙数 60ページ
発行日 平成8年(1996年)9月20日
頒布方法  定価300円
表紙 写真
「東横沿線の情景3点の写真」

表紙作成者
写真:川田英明(写真家 日吉)

デザイン:安斎朋香
特集
 
特集
1. えんせんお宝発掘! 「食」特集

2. 子育て応援レポート「沿線川崎地区」編
  ○ぼくの わたしの幼稚園
  ○働くママとパパのための 保育園情報

    表紙の裏ばなし     阿部紀子(イラストレーター) 

 本号表紙がちょっと趣向を変えた。デザインは私の友人・安斎朋香さん。写真は日吉の川田写真館の川田英明さんの撮影。
 ケイトウの花と電車の風景は妙蓮寺駅近くの「くずぬき農園」から、母と子の光景は学芸大学駅近くの「碑文谷池」、火を燃すオジサンは鶴見川の大綱橋付近の川岸。いずれも自然と人間の関わりを描いた情景だ。沿線にもまだ私たちに生きる力を与えてくれるこんな自然が残っていることが何より嬉しい。

66号は「食」特集と開いて、「うーん、おいしい店もいいけど、それだけじゃちょっと平凡かなぁ」と思っていたら、農家の直売記事も載ることがわかった。

農家の方が、自分の農園でその日の完熟分だけを収穫・直売するのだ。完熟だから、市場に出たものとは比べものにならないほどおいしい。すごい人気で、たちまち売り切れてしまうらしい。問い合わせの電話が殺到し、農作業も手につかなくなるそうなので、残念ながら本誌特集ページにも電話番号は掲載していない。

  こんなに好評なら、もっと農家が増えればいいと思うのだが、やはり後継者不足。農業はしんどいから、ということだろう。が、実は会社員もけっこう大変。本当に農業が好きで向いている人が、もっと簡単に農民になれないものかと思う。

 号名「<石>榴」とは…   

  写真写りのいい−本立ちのザクロの木を探したが、なかなかみつからなかった。

ところが、綱島街道から入った樽町中学校の通学路に格好のザクロの木があった。しかも樹高8bほどの大木で、幹にはザクロの古木特有の見事な“ねじれ”。そして枝にはザクロの実がいっぱい。

持ち主の横溝忠克さんの家(港北区樽町1丁目)の人に伺うと、35年前、植木好きな先代・清治さんが山梨県塩山市の親戚からトラックでもらってきて植えた木だという。親戚の家に50年以上前から生えていたというから、樹齢は約百年に達しているはずだ。

 晩秋、あの酸っぱいザクロの実が鈴なりになる。下校途中の中学生が口にしてはその酸っぱさに驚いて投げ捨てたり、近所の主婦が「八百屋さんには売っていないから」と貰いに来たりするとか。

山梨では性格がねじれた、ひねくれ者を「ザクロの木」と呼ぶそうだ。  (岩田忠利)



ザクロの花

中原区井田の矢上川沿いの民家
撮影:岩田忠利




中原区井田三舞町・塀越しに生っている実

撮影:岩田忠利

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