編集:岩田忠利/編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
NO.597 2015.04..22 掲載
    第60号
  ★画像はクリックすると拡大できます
第60号「櫨(はぜ)
号名  「櫨」
サイズ B5判
紙数 68ページ+8ページ(厚紙の「百選会」店名」・本誌販売先イラストッマップ付き)
発行日 平成6年(1994年)5月10日
頒布方法  定価300円
表紙 写真とイラストの合成

「菊名・法隆寺上から新横浜遠望と撮影する男女の絵」
表紙作成者
写真:深谷光男(写真家 元住吉)

イラスト・畑田国男(漫画家 緑が丘)
特集
 
 
. わが街シリーズ 菊名・妙蓮寺特集
 
    表紙の裏ばなし     大崎春哉(「菊名新聞」編集長) 

 「表紙の写真、お宅のすぐそばで撮りました。法隆寺を前面にプリンスホテルが見えて、菊名の町が一目ですよ。表紙の言葉「とんとん表紙」に一筆いかがですか〜」

電話の向こうからいつもながらの落ち着いた声でお誘い。トントンビョウシで乗ってしまったのは、男もシビれる編集長の声“バス”のせいだけではない。わが住む里の絶景に、われながらしばしウットリ、夕空に浮かぶ富士、丹沢の山並みに魅せられるのが珍しくないからだ。そういえば近頃は、わが家から10bばかりの道端で三脚を立てて富士をねらっている人を、時々見かけるようになった。

その昔どなたが言い出されたのか、近くに「菊名スカイライン」の名があった。確かに夕方、市バスの59番か80番で帰ってくると、仲手原あたりから左手の窓いっぱいに西の山並みが広がる。なるほどスカイラインである。

谷底に張り付いたようなこの町にデコボコが目立つようになったのは、10年くらい前からだったろうか。ひときわ高い円筒形のホテルに目を見張ったと思ったら、浜銀のビルもぐんぐん背を伸ばしていた。谷間の町のスカイラインは大都会の様相を呈し始めた。

そ、ここは菊名。横浜新都心、新横浜をお隣に控えた町なのである。

 号名「櫨」とは…   

  以前の編集室、その母屋前庭には、階の屋根より高くハゼの木がそびえ立っていた。

秋が深まるにつれオレンジ色から深紅色に変わって顔が紅く染まるほどだ。その美しさは家族だけでなく近隣の方たちの目を楽しませる自慢の木であった。でも、櫨はウルシ科なのでかぶれに弱い私は一度も触ったことがない。

ハゼの木は高さ10b、幹60aになる落葉高木で56月頃小さい黄緑色の花をつける。実はやや扁平の黄白色。この実からローを採ってローソクなどに使われる。

平成元年、主人の死後、家を売り、編集室とともに同じ日吉に住み替えたが、あのハゼの木だけは惜しかった。       (鈴木善子)



目も覚めるような深紅に染まった櫨

撮影:北澤美代子さん(綱島)

「とうよこ沿線」TOPに戻る 次ページへ
「目次」に戻る