編集:岩田忠利/編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
NO.595 2015.04..22 掲
    第58号
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第58号「枳殻(からたち)
号名  「枳」
サイズ B5判
紙数 68ページ+8ページ(厚紙の「百選会」店名」・本誌販売先イラストッマップ付き)
発行日 平成5年(1993年)3月1日
頒布方法  定価300円
表紙 写真とイラストの合成

「日吉の住宅地をバックに慶應ボーイとガールの絵」
表紙作成者
写真:深谷光男(写真家 元住吉)

イラスト・畑田国男(漫画家 緑が丘)
特集
 
 
. わが街シリーズ 日吉特集
 
 新企画 「知的感動の私のクルージング」
                鈴木善子

 ★ 編集室が移転

    
    表紙の裏ばなし      畑田国男 

  慶應義塾のOBで、日吉には2年間、マジメに通っていた。漫画クラブにいて、毎日漫画ばかりを描いていた。日吉はボクの青春の街だった。

外国には「学生街」というのがある。パリのカルチェ・ラタン、ドイツのハイデルベルク等々だが、商店と学生が一つになって街の歴史と文化を創っている。

ところが、日本にはその手の良質の学生街というものがとんとなかった。慶大生の銀座、早大生の新宿というけれど、あれは早慶戦後の馬鹿騒ぎ用の臨時会場にすぎない。学生が、日々その街に通い、その街で過ごし、その街の人や店を愛する所でないと真の「学生街」とは言えないのだ。

ここ日吉は近頃、大学側と商店街側が人工地盤で一つにつながった。これで学生たちはデートに、クラブの集まりに、気楽にこの街を利用できる条件が整った。
 もしも、ぼくが現役の慶応ボーイだったなら、喫茶店のマスターに話をつけて店を漫画展の会場に借りるだろう。ボクの個展になら大勢の彼女が漫画を観に来てくれるから、お店にとっても悪い話ではないはずだ。街が学生を育て、学生が街を発展させてゆくのだ、と思う。

近い将来、日吉こそ「学生の街」の王者になることを心から祈っている。

 号名「枳<殻>」とは…   

 カラタチは、ミカン科の落葉低木で針状の緑色のトゲが特徴。秋には黄色の丸い実をつける。トゲが防犯用になり民家や公園の生垣などによく用いられる。

山田耕筰の ♪カラタチの花が咲いたよ〜 の歌でも知られている。

さて、本誌編集室の地元である今回の特集地、日吉は「慶應の街」として全国的に有名であり、沿線の中でも早くから自然に恵まれた高台の住宅地として拓けた地。そして、折しも相撲ブームだが、古くは神奈川県唯一の横綱「武蔵山」を生んだ町。

からたちの 白き一輪花開き 
 さみどり映る 日吉台かな

季節はもう春だ。   (木村敦郎)








カラタチの花

撮影:北澤美代子さん(綱島)



カラタチの実

撮影:北澤美代子さん(綱島)
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